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2023年11月16日 (木)

2023年11月15日付(米国) で Microsoft Loop が GA になったとアナウンスされました! 詳しくは下記のリンク先を参照してください。色々な機能のデモを YouTube でも見られるようになっています。

Microsoft Loop: built for the new way of work, generally available to Microsoft 365 work accounts - Microsoft Community Hub

これによりパブリックプレビューは終わり、各組織はこれから本格運用を開始することになります。すでに Loop にアクセスするとロゴから「プレビュー」の文言が表示されなくなっていることがわかります。

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Microsoft Loop アプリは Microsoft 365 プランの一部として利用できるようになります。利用可能なプランは次の通りです。

  • Microsoft 365 Business Standard
  • Microsfot 365 Business Premium
  • Microsoft 365 E3
  • Microsfot 365 E5

上記のいずれかのプランを持っていれば Loop アプリ内で次のことができるようになります。

  • 新たな Loop ワークスペースの作成
  • Loopワークスペースへのメンバーの追加
  • Loopワークスペースからのメンバーの削除

Microsoft 365 E3 と Microsoft 365 E5を持っているユーザーに対して、こうした機能を利用できるように「追加機能のライセンス」をユーザーごとに追加しておく必要があります。「追加機能のライセンス」とは、あとから E3 や E5 で利用できるようになった追加機能ごとのライセンスであり、もともとは既定でこうした機能群が含まれていなかったので、ユーザー単位でライセンスを付与する必要があるというものです。追加料金は当然かかりません。このライセンスにはLoop 以外に、Clipchamp や アバター for Teams などがあります。

[参考] Microsoft 365 E3追加機能ライセンスについて | Microsoft Learn

パブリック プレビューの猶予期間

すでにパブリックプレビューを利用してきたユーザーは、2023年中は猶予期間としてすべての機能をそのまま利用できます。ただし、2024年の初めに猶予期間が終わると保持しているMicrosoft 365 のプランに応じて利用できる機能が決まることになります。既存のページやワークスペースは使えるし、コンポーネントも閲覧できるものの、上記の通り Loop の新規ワークスペースの作成やメンバーの追加/削除ができなくなります。

ストレージ容量

これまでパブリックプレビュー間は使用容量はカウントされてこなかったのですが、正式リリースに伴い Loop ワークスペースはSharePoint のストレージ容量としてカウントされるようになります。ストレージについては過去に公開している下記の記事が参考になると思います。

SharePoint Technical Notes : Microsoft Loop アプリでも利用される Microsoft Syntex リポジトリサービスとは? (lekumo.biz)

パブリックプレビューではワークスペースの容量が最大5GB までだったのが、1TBまで拡大されるとのこと。

ちなみに、Loop コンポーネントと Loop アプリでそれぞれどこにコンテンツが格納されるのかという図が下記の通り公開されています。上記の話はあくまでも Syntex Repository Services に格納される Loop アプリの話。

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ここまでは公式資料にも書かれているのですが、実際にどのワークスペースがどのくらい容量を使っているのか確認したり、容量制限したりする機能についてはこれから色々と登場してくることになるようです。

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上記を見る限り、来年の2024年にはPowerShellを使って Loop コンテナの一覧から容量を確認できるようになるようです。また、SharePoint 管理センターに Loop ワークスペース用の管理センター内で機能の管理ができるようになるようです。ワークスペースの削除、復元なども含まれるようです。また、秘密度ラベルも適用できるようになる。他にもコンプライアンス対応も充実しそうです。

[参考] 

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2023年7月 6日 (木)

Micorosoft Loop アプリのパブリックプレビューが公開されたあと有志による勉強会を行いました。その時の内容は下記の記事からも参照できます。

Microsoft Loop Public Preview の勉強会開催

この時に私が色々と調べてみた結果「どうも Microsoft Loop アプリは特殊な SharePoint サイトの上に構築されているようだ」と述べたのですが正しくはありませんでした。正確にはSharePointサイトではなく、Microsoft Syntex repository services (リポジトリ サービス) に構築されていることがわかりました。このサービスは5月末の Microsoft Build 2023 で発表され、その時に明らかになったのです。

このブログでも Microsoft Syntex についてはたびたび取り上げていますが、簡単に Syntex について説明しましょう。Microsoft Syntex はもともとは SharePoint Syntex と呼ばれていましたが、2022年に開催された Microsoft Ignite 2022 で Microsoft Syntex と名前が変わりました。従来は AI を使った高度なドキュメント管理に特化していたのですが、新たな “Syntex” ブランドではより包括的なソリューションとなり、組織内の高度なコンテンツ管理に関わる機能を提供する仕組みになっています。

Syntex リポジトリサービスとは? 

※2023年7月6日現在、プライベートプレビューです。そのためまだ広くには公開されてはいません。

基本的には開発者向けのサービスですが、冒頭でも紹介した通りMicrosoft Loop もこの仕組みを使っているため Loop に興味のある方はぜひとも押さえておきたいところ。このサービスは名前通りファイルのリポジトリ(保管場所)を提供するものです。アプリ開発者にとって、ファイルを取り扱う場合にリポジトリをどうするのかというのを考えなくてはいけません。単に保管するだけではなくバージョン管理するとか検索させるとか、セキュリティはどう担保するかなど考えることが多くあるわけです。

そこで既存のノウハウをより広く活用できるようにしようという話がでてくるのです。Microsoft 365 では、SharePoint が20年以上培ってきた多くの機能を持っています。Syntex リポジトリ サービスはこの Microsoft 365 のコンテンツ管理機能を自前で作成するアプリのバックエンドとして利用できるようにしようというもの (PaaS)。このサービスを使えば単なるファイルストレージではなく、次のような機能を自前で開発していかなくてもそのまま流用できるのです。

  • バージョン管理
  • 同時編集
  • 共有
  • 検索
  • セキュリティ (アクセス権限)
  • コンプライアンス対応 など

SharePoint の歴史をさかのぼると、こうした SharePoint が標準で持っているポテンシャルを生かすために SharePoint 上で拡張機能としてアプリを作りこもうとしてきた時期があります。ですが、欲しい機能以外に SharePoint としてのUX 上の制約も色々と受けてしまうことも少なくありませんでした。しかし、この Sytnex リポジトリ サービスを利用することで Teams や SharePoint のユーザーエクスペリエンス(UX)の制約にとらわれることなく、自由にUX を設計できるようになります。

次の図は Syntex リポジトリサービスの位置づけを示すものです。Microsoft DesignerMicrosoft Loop が PaaSとしてこのサービスを使っていることがわかります。Loop アプリが出てきた当初は、特殊な SharePoint サイト上にアプリが構築されていると思っていたのですが、このサービスの発表によりそうではなくリポジトリサービスを使っていたことがわかりました。Syntex7

Syntex リポジトリサービスがもたらすメリット

エンタープライズ アプリと ISV アプリのどちらも、Microsoft 365 の信頼境界の内側に構築することになります。ISVは、独自のリポジトリソリューションをいちから構築するのではなく、顧客の個々のMicrosoft 365テナント内でファイルやドキュメントを管理できます。

SharePoint が提供する Microsoft 365 のコンテンツ管理機能をアプリに組み込めます。Syntex リポジトリ サービスには、バージョン管理、きめ細かなアクセス許可、ごみ箱、検索、サムネイル、共有などの機能が含まれています。

高度な Microsoft 365 セキュリティとコンプライアンス対応を独自のアプリにも適用できます。 Microsoft Purview 機能が提供する監査、eDiscovery、データ損失防止 (DLP)、機密ラベル、保持ラベル、暗号化制御などが利用できるということです。

アプリの一部として、顧客、ユーザー、ゲストユーザーの間で Office ドキュメントが持つ Microsoft 365 リッチコラボレーションを利用できます。Syntex リポジトリサービスを利用したアプリには、プレゼンスインジケータ、コメントでの @ メンションによる注目の喚起と文書共有の促進、リアルタイムの共同執筆などの機能も含まれます。

利用例

すでに先行していくつかのベンダーが Syntex リポジトリサービスを使ったアプリを構築しているそうです。概略をピックアップしておきます。

AvePoint社

Modern Work Solutions 社のパートナーである AvePoint 社は、Microsoft Syntex リポジトリサービスを中心に設計された AvePoint Confide アプリの新バージョンを構築

Peppermint Technology社

法律事務所管理ソフトウェアのグローバルプロバイダーであるPeppermint Technologyは、SyntexのリポジトリサービスをPeppermint CX365と統合し、包括的な文書・記録管理システムを共同顧客のMicrosoft 365テナントに提供します。

Bentley Systems社

インフラストラクチャー・エンジニアリング・ソフトウェア会社であるBentley Systems, Incorporatedは、Microsoft Syntexリポジトリサービスを活用してBentley Infrastructure Cloudを強化し、重要なファイルベースの共同オーサリングワークフローをサポートするとともに、ITによる導入障壁を取り除くことに努めています。

関連情報

詳しくは Microsoft 社の公開している次の資料を参照してください。

Announcing new Microsoft Syntex innovations – Plugins for Microsoft 365 Copilot, Repository Services - Microsoft Community Hub

Introducing Syntex repository services: Microsoft 365 superpowers for your app

2023年6月24日 (土)

前回の第一弾に続き、第二弾。

[第一弾]
SharePoint Technical Notes : Microsoft Loop 新機能 #1 - 2023年6月 (lekumo.biz)

新機能は次の2つです。

  • ブースト機能 (Boosts)
  • タスクを割り当てられた人のサマリー行

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ブースト機能

チームメンバーとのコミュニケーションを活性化させるため派手なコメントとアクションを追加できるようになりました。20230624_191841

実際の挙動はビデオでどうぞ。

タスクを割り当てられた人のサマリー行

表で列を個人にして、タスクをメンバーに割り当てて利用するとき最後の行に誰にどのくらいのタスクが割り当てられているかが数値で表示されるようになりました。

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こちらも一応、操作を録画してみました。

ということで第二弾の新機能でした。2023年6月24日時点ではここまでが新機能です。

また、新たに新機能がリリースされたら改めて記事にまとめていこうと思います。

2023年6月24日現在、Microsoft Loop はいまだプレビューですが、 Loop のワークスペースにアクセスすると次のようなウィンドウが表示され新機能がアナウンスされるようになっています。

ということで、新機能としてアナウンスされた内容を備忘録を含めてぼちぼちと拾っていきます。まずは第一弾。

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新機能は3つ。

  • テーブルの展開と折り畳み
  • テーブルの数値列の集計行
  • リンクのプレビュー

テーブルの展開と折り畳み

テーブルの左上に「←→」のアイコンが表示されるようになり、クリックするとページの幅いっぱいにテーブルが拡大されるようになりました。

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テーブルの番号列の集計行

列を番号列にするとテーブルの最下部に集計行が表示されるようになりました。20230624_162416

リンクのプレビュー

Word, Excel, PowerPoint ファイルはリンクのプレビュー機能が利用できるようになっています。プレビューといっても表紙のサムネイル画像がちらっと見えるというものです。リンクを右クリックするとリンクオプションが表示されるため、これを使って単なるリンクまたはリンク プレビューに切り替えます。20230624_162512一応ビデオも公開しました。音声なく字幕だけです。

2023年4月 7日 (金)

下記、Microsoft Loop パブリック プレビューの勉強会の中で取り上げましたが、Loop 内の表に選択肢の列を追加できますが、この編集方法が少しわかりにくかったようです。

SharePoint Technical Notes : Microsoft Loop アプリ (public preview) - 勉強会の録画公開 (lekumo.biz)

スクリーンショットでもわかりにくそうだしと後から確認しやすいように編集手順だけをビデオにしてみましたのでせっかくなので共有します。