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2024年8月28日 (水)

MyAnalytics(フル) または Viva Insights サブスクリプションを持つユーザーは自分が組織内のユーザーに対して送信したメールの開封率や読むのにかかった時間などを分析できるようになっています。Web版およびWindows版のOutlookのどちらでも利用できます。

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5名以上の組織内のユーザーに対して送信したメールを開くと、メールを開いた受信者の割合が表示されます。添付ファイルがある場合は、添付ファイルの表示されるのは開封率です。

[その他の分析情報を表示]をクリックすると次の情報が確認できます。

  • メールを開いたユーザー数の割合
  • メール転送したユーザー数
  • メールの読み取りに費やした時間の平均

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メールの開封率はメール送信後およそ30分以内に経過すると確認できるようになるようです。

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有効期限

メールおよび添付ファイルの開封率の確認ができるのはメール送信後14日以内(2週間)です。これを超えると表示されません。

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メールの既読率とドキュメントの開封率

1人が5人以上のユーザーに送信するメールのメールメッセージを開いた受信者の割合を追跡するようになっています。ただし、5人未満のユーザーに対して送信したメールに関しては読み取り率の追跡はしません。プライバシー維持のためだということです。そのため、Viva Insights では 0% や 100% という表示はしません。これを表示するということは誰がアクションしたかがわかってしまうためです。その代わりメールの受信者数をもとにした閾値が用意されておりこの範囲に基づいて割合が表示されます。

この指標はメールが開封済みとしてマークされるときに、Outlook の個人設定に基づいて計算されるようになっています。Outlookがメールを「既読」にすると、その情報はその人のメールボックスに保存され、そのユーザーがViva Insightsの使用をオプトインしている場合は、送信者のメールボックスに配信されます。

Viva Insights は、5 人以上に送信されたメールでは、メール内のリンクまたは添付ファイルとして共有されたドキュメントを開いた受信者の割合を追跡します。この指標の計算は、受信者がSharePointまたはOneDrive for Businessに保存されている共有ドキュメントを開いたかどうかに基づいています。

ということで、以上の内容が下記に書かれているものをかいつまんで書いておきましたが当然、公式情報もご確認ください。

管理者向けの Viva Insights プライバシー ガイドの個人的な分析情報 | Microsoft Learn

SharePoint ニュースのメール配信との関係

ちなみに、この機能はニュースを丸ごとメールで配信するときにも利用できるようになっています。ニュースをメール配信するときには、公開し多ユーザーの Outlook 経由でメールが送信されます。そのため送信済みフォルダーから自分が配信したメールをトラッキングできるわけです。SharePoint側でもページの利用状況レポートをページごとに見ることができるますが、メールで丸ごと送信した場合も利用状況レポートにメール経由のものも含めて統計としてカウントされます。この場合は、最大90日間、分析情報が確認できます。分析データとしては、次の4つの項目です。

  • ページの閲覧者
  • ページビュー
  • ユーザー当たりの平均時間
  • 時間別のページトラフィック

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メールの開封率はページの分析にはありません。自分がメールで配信したニュースをどの程度の開封率でみてくれているのかは、Outlookを利用する方がよさそうです。ただし、14日以内に限ります。さらに、メール経由、ページ経由などどの伝達チャネルを使って閲覧するユーザーが多いかを確認したけれぱ、Viva Amplify を使うほうが適しているといえます。

SharePoint Technical Notes : Viva Amplify: お知らせを Outlook, SharePoint, Teams に一括配信しよう! (lekumo.biz)

参考

2024年7月12日 (金)

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Microsoft Viva Engage ではディカッション、質問、賞賛、投稿に加え、新たに「記事」を投稿する機能が加わりました。記事は下書き保存やスケジュールによる自動投稿もできます(自動公開する場合は、最大15日前まで指定可能)。

この機能は、2024年3月に発表されました。関連記事は次の通りです。

Articles now available in Viva Engage - Microsoft Community Hub

この機能を利用することで、ニュースレターやブログなどの長い記事も、見出し、分割線、インラインおよびカバー画像などを利用できるようになっています。20240712_222414

たとえば、次の図に示すように、記事の途中に画像を挿入することもできます。

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記事は、ストーリーラインやコミュニティに投稿できます。また、Viva Engage モバイル アプリを使用すると、記事を表示できます (ただし、作成はできません)。

応答性の高い設計により、TeamsWeb、モバイル アプリ間で Viva Engage の一貫した外観が保証されます。 分析ダッシュボードで、他の個人メトリックとの記事エンゲージメントを把握することも可能です。

記事は下書きとして保存しておくこともできますし、指定した日時に自動的に投稿することもできます。自動公開する場合は、最大15日前まで指定できます。

ライセンスについて

記事を作成するには、従業員が Vivaスイートまたは 従業員コミュニケーション & コミュニティ (C&C)のいずれかのライセンスを取得している必要があります。ですが、記事の閲覧、反応、返信だけなら、Microsoft 365 の既存ライセンスだけで利用できます

SharePoint のニュースとの住み分けは?

すでにSharePointのニュースによってエンゲージメントとリーチが得られるのであれば、そのまま利用を続けて利用しましょう。

しかし、たとえば、SharePoint サイトを使っておらず、従業員がガイド、ニュースレター、ブログ記事を簡単に使いたい場合や、より高度な分析や従業員からのリアクションを求める場合は、Viva Engage の記事がお勧めです。

使い方

基本的な使い方についてはビデオで解説しています。

2024年4月30日 (火)

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Microsoft Viva Amplify (アンプリファイ)は、組織内での周知するために Outlook, SharePoint, Teams に対して1か所から一括して配信するための仕組みです。

たとえば、Teams を主体で使っていてなかなか SharePoint サイトのニュース機能が浸透しないという組織やメールでの周知が根強くやはり SharePoint のニュースを見ることがないとった組織も少なくありません。ですが、お知らせは SharePointのニュース機能を使った方が後から検索しやすいというメリットがあります。メールや Teams では他の会話に紛れていってしまいがちです。情報ソースの主を SharePoint におき、ここから同じ内容を一斉にメールと Teams のチームに配信することができるのが Viva Amplifyです。

一般提供開始

この機能は 2023年10月10日に一般提供が開始されました。ただし、提供開始からすぐは配信には英語だけしかサポートされていなかったのですが、Microsoft Learn を見ると 2023年11月28日には日本語のサポートが開始されたようです。

そもそも Amplify (アンプリファイ)とは?

“Amplify” は英語であり、日本語訳すれば増幅する、拡大するの意味があります。ちなみに、楽器用の “アンプ” は同じ語源です。これは増幅器の一種であり、増幅器は Amplifier と書きます。

このことから、Viva Amplify は Microsoft 365 内での情報発信を増幅するというニュアンスがあると思われます。Microsoft 365 ではコミュニケーションツールとして Teams, SharePoint, Outlook があるが、Viva Amplify では、それぞれに情報発信するのではなく一か所からすべてのチャネルに一斉配信することで “増幅” させるということになるのでしょう。

Viva Amplify の機能を把握する

Viva Amplify がどういったものなのかについて、ビデオで解説しています。30分ほどあるので長いですが、これを見れば一通りの機能は理解できるはずです。


YouTube: Microsoft Viva Amplify を使って一か所からメール、SharePoint、Teamsに一括で情報を周知しよう!

Viva Amplify に必要なライセンス

Viva Amplifyは次のライセンスに含まれています。

  • Microsoft Viva 従業員コミュニケーションとコミュニティ
  • Microsoft Viva スイート

従業員エクスペリエンス プラットフォームのプランと価格 | Microsoft Viva

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配信先ごとの指定

配信先のチャネルごとに配信先を指定できますが、最大数の制限があるので注意しましょう。

  • Outlook … 最大200個のメールアドレス (個人、配布リスト、グループを含む)
  • SharePoint … 最大20サイト
  • Teams … 最大5つのチャネル 

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Viva Amplify の重要性

組織で何かしら情報を周知するということは、単にどこかに掲示して終わりではありません。「伝達」が大切なのは言うまでもないことです。つまり必要な範囲に十分に伝達されることであり、それによって最終的には問い合わせが減るとか、何かしらのアクションにつなげたいわけです。 そうなると、公開した情報がどの程度閲覧されたのか、滞在時間は? どの時間帯に閲覧されているのか、それに対してどんな感情を持ったのかなどを加味して傾向を分析しながらよいりよい情報発信をしていくことが大切になってきます。※SharePoint ではページごとにこうした情報を得るための利用状況分析レポートが提供されています。

Viva Amplify では配信先に対するメトリックをレポート表示できます。どの配信チャネル(メール、SharePoint, Teams) でどの程度のユーザーに閲覧されたのかが確認できますし、リアクションを取得することで感情分析などもできます。そういう意味では Microsoft Viva Amplify の方向性というのは合理的であるといえるでしょう。

かつてメールによる周知では「開封確認メッセージ」などを送ることもありましたが、果たしてきちんと内容を読んだのかはわかりません。情報の周知を効果的に行う方法というのは、Microsoft に限らず常に追求され続けていて変化しつづけています。そのトレンドを追いかけて自分たちにとっての最適解も変化させていくことは重要です。Viva Amplify もそうした最適解の一つとなりえます。

文献

Viva Amplify を使うための事前設定などの詳細は下記のリンク先を参照してください。

2024年2月26日 (月)

COVID-19 によるパンデミックが宣言された翌年の2021年2月に Microsoft は自社の Microsoft 365 サービスを活用した新しい働き方を推進していくソリューションとして "Microsoft Viva シリーズ" を発表しました。その一つが今回とりあげる Viva Topics (ビバ トピックス) です。

Viva Topics は SharePoint をベースに AI を活用した新しいナレッジマネージメントシステムとして登場しました。組織内で交わされるコミュニケーションの中では製品名や単語、用語など様々な言葉が行きかいます。こうした言葉が意味するところ、関係する情報の所在、かかわっている人などを知りたくてもすぐにそうした情報にたどり着けないことも少なくありません。そんな中、AI がこうした頻繁に交わされる "言葉" をトピックとして抽出し、会話やSharePoint 上のファイル、ページなどから言葉の説明を自動的に抽出し、関係者を見つけ出し、言葉同士の相関関係を可視化するシステムが Viva Topics です。

[関連記事]

さて、この Viva Topics ですがタイトルにもあるように残念ながら 2025年2月22日に廃止されます。

これに伴い、Viva Topcis に対する新機能の開発への投資は 2024年2月22日より凍結されます。この記事を書いているのが2024年2月26日ですから、すでに開発は終了しているということです。今後はトピックカードは表示されなくなりますし、Viva Engage とのトピック統合も廃止となるとのこと。

Copilot の台頭

この背景にあるのが、生成AIの台頭です。2023年からMicrosoft は OpenAI 社に出資しつつ自社のサービスおよび製品に対して Microsoft Copilot を大々的に投入しました。つまり、これからは Copilot が新たな世代のナレッジマネージメントを担うということです。

そもそも、ナレッジマネージメントをシステム的に行おうという試みは Microsoft 社に限らず長年行われてきました。Notes などでもそうでし、自社開発のWebシステムを持っているところもあったのではないかと思います。SharePoint でもそうした試みは行われてきました。社内版の Wikipedia のようなものを構築しようというものです。どうしても情報はしばらくすると分散に転じるので、人の手で分散していく情報をなんとか集約しようという取り組みともいえると思います。

ただ、課題だったのが、システム構築まではいくもののそのあと誰がメンテナンスするかというところ。元ネタがあってそれをシステム化するのは良いのですが、そこから新しいナレッジを誰が登録し最新化するのか。ここが大きな課題で、どうしても情報が陳腐化していってしまい、利用頻度が下がってしまう。

そこで Viva Topics は AI を使って人の手をなるべく借りずに情報の鮮度を保っていこうという試みだったと私は考えています。そこに来て大きな変革をもたらしたのが ChatGPT をはじめとする生成AIです。

これからのナレッジマネージメント

Microsoft 社は Viva Topics にかわってこれからは Copilot for Microsoft 365を導入し、ナレッジを SharePoint ページとして生成していくように勧めています。2024年2月時点では  Copilot for SharePoint はまだロールアウトされていませんが、3月以降にロールアウトが予定されています。SharePoint のページ生成も Copilot を使って行えるようになる予定です。

つまりは、必要な時に必要な情報をその場で生成するというスタンスに変わるわけです。しかも分散した情報をもとに新たな情報を生成できる。何か不明な点があれば Copilot に尋ねればよいということですね。

結局、Viva Topicsでは最後まで日本語対応はされずじまいでした。ですが、ChatGPTベースであれば多言語対応はできているので日本語でもきちんと対応してくれるというのはありがたいことです。検索に関してもベクトル検索を利用して「自然言語で検索すれば、文脈を踏まえて結果を得られる」方向に進んでいます(Copilot for Microsoft 365 を導入していることが前提)。

ベクトル検索については次の「Copilot 用のセマンティック インデックス」に関する資料を参照してください。

Semantic Index for Copilot | Microsoft Learn

ただし、こうした仕組みを生かすにはドキュメントをはじめとする情報の整理整頓として、古い情報や間違った情報をどう排除していくかを考慮したドキュメントのライフサイクルはますます重視するべきでしょうし、機密情報保護をきちんと行っていく必要があることは言うまでもありません。各組織はCopilot を使って、Microsoft 365 に蓄積されていく情報をどのようにうまく再利用し、それそれのナレッジとして高めていけるかを模索していく必要があると考えています。

2024年1月12日 (金)

Microsoft Teams に Viva Connections アプリを追加している場合、Viva Connections アプリ上でのキーワード検索は上下に分かれるようになっています。

上の「Viva Connectins で"<検索キーワード>" を検索」を選ぶと SharePoint 側を対象にした幅広い検索が行えます。一方、下の「Microsoft Teams で残りの部分で "<検索キーワード>" を検索します」を選ぶと Teams 内の会話検索ができます。

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実際の検索画面は次の通りです。Viva Connections 検索では SharePoint 内検索と同じ画面が表示されています。

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一方の Teams 内検索では会話がヒットしています。

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画面の下部までスクロールするとTeams 内で共有されたファイルも対象になっていることがわかります。従来通りですね。20240112_173937_2

実際の操作ビデオ↓

なお、この機能はクラシックな Teams アプリでのみ有効であり、新しい Teams ではまだ利用できません。新しい Teams にも数か月後には投入されるようです。