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Power Platform の環境でおきたことの顛末とトラブルシューティングの備忘録
トラブルの原因や発生条件はわからないのですが、とりあえず、Power Platform 環境で起きたトラブルシューティングの顛末を記録しておきます。
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弊社ではPower Apps の研修を定期的にしているのですけれど、受講者の方には最近は専用の開発者環境を事前に作成しておいてそこでアプリ作成をしてもらうようにしています。
そのため、研修の度にリセットして利用しています。
いつものように昨日の午前中に受講者用の環境をリセットしたわけです。で、今日はその環境でアプリ作成をあれこれとしてもらうことにしました。
まず起きたのが午前中にそれぞれに作成した開発者環境が環境の切り替えに現れなくなったというもの。それぞれの開発者環境でのアプリ開発をする前に、たまたま、新機能のキャンバスアプリの同時編集を試していました。その直後だったので、それが何かしら影響しているのかも知れない気もしなくもありません。同時編集のリンクにアクセスしようと、全員が何かしらアクセスできないエラーが起きていたためです。しかも、各アカウントに私のPC上からアクセスすると環境切り替えに目的の環境は出てきていました。そうなると各PC側の問題かと考えます。受講者の方々のPC側の問題かも? ととりあえず、キャッシュクリアをお願いしたのですが状況は改善せず。
今考えると、トラブルの最初はここだったような気がします。
仕方がないので、テナントの管理者である私のアカウントであれば全員の開発者環境はアクセスできるため、各環境のURLをそれぞれに渡して、直接環境へのリンクにアクセスしてもらいました。まずはこれで問題なくアプリが作れるようになったのです。
しかし、午後過ぎに突然、アプリが作成できなくなりました。リセットしていない他の環境では起きなかったので、共通項としては「開発者環境」&「最近リセットした」くらいなんですね。あっ、そういえば、もう一つ、リセットしていないけれど昨日新規に作成した開発環境でも同じ現象が発生していました。
キャンパスアプリを作成しようとすると下記のようにエラーが表示されるのです。
つい、さきほどまで作成できていましたし、だれも何も設定変更などしていないので、これは明らかにおかしい。ちなみに、こうなると既存のアプリも編集できないし、エクスポートもできません。
ということで、まずは問題が起きているユーザーアカウントに切り替えて、Power Platform 管理センターにアクセスするのですが、本来、ユーザー自身が環境管理者となっているはずの「開発者環境」がそもそも全く表示されません。表示されているのは唯一、既定の環境のみ。
仕方がないので、またまたPower Platform管理者である私が Power Platform 管理センターから問題の生じている各開発者環境にアクセスします。すると環境ハブにはアクセスできるのですが、アクセス権限に問題が生じているのだろうと「設定」画面やセキュリティロール画面にアクセスしようとすると、次のエラーが表示されてしまい何もできなくなってしまう。
「RetrievePriviledgeForUser: The user id xxxxx-xxxxx-xxxxx has not been assined any roles. They need a role with the prvReadOrganization priviledge. ~」
まぁ、権限がないということなんですが、私がテナント管理者だしPower Platform 管理者だし、これ以上誰も特権は持っていないわけです。さてさて、、、セキュリティ情報がどこか壊れた?
と、途方に暮れかけていたのですが、一つだけ利用できる設定がありました! 環境ハブのコマンドバーにある「メンバーシップ」メニューです。これが開ける! が、
「現在、管理者を表示できません。再試行する前に[自分を追加する]をクリックして、システム管理者ロールに自分のアカウントを追加してください」
と表示されます。ということで急ぎ、「自分を追加する」をクリックすると自分自身ともともと指定していたユーザーも自動的に追加されました!
これでどうやら復活した模様。無事に設定画面にもアクセスできるようになり、アプリの作成、編集、エクスポートもできるように。また、各ユーザーアカウントからも Power Platform 管理センター上の「環境」に各管理者となっている環境も現れるようになりました。
原因は全く持って不明ですが、今後、もし似たような問題に直面することがあれば、自分を含めほかの方にも対処療法として知っておくとよいかなと思ったので、ここに書き留めておくことにしました。
ご参考まで。
p.s. ちなみに、アプリが突如作成できなくなった時には、とりあえず問題の起きていない環境もしくは受講者それぞれの組織のテナントでアプリ作成をしてもらい、研修後にあらためて(落ち着いて) 環境の確認をしていたところ、上記の「メンバーシップ」の追加での修正にたどりつきました。
p.s. おいしみ(@ksgiksg)さん / X)さんからの追加情報で、「メンバーシップ」の追加に関しては↓が関係しているのではということでした。
PowerPlatform管理者が環境の管理者に自動割り当てされなくなった #Microsoft - Qiita
確かに、管理者が環境の設定にアクセスできなかったのはこれのようですね。ですが、解せないのはこれを追加することで、環境の管理者として設定していたユーザーがこれまで通り、環境にアクセスできるようになったということですね。管理者の私はともかく、ユーザーは直接関係ないはずで。うーん、たぶん小さいバグでも踏んだ気がします。。。ですが、おいしみさん、この情報はちゃんと読んでいなかったので、情報提供をありがとうございました!!!
Power Platform: HTTP with Microsoft Entra ID コネクターが廃止⇒ HTTP with Microsoft Entra ID (preauthorized) を使おう
Power Platform の HTTP with Microsoft Entra ID コネクターが 2024年8月末ごろに急遽廃止になったようです。現在、Power Automate で確認したところモダンデザイナーではそもそも旧コネクターがでてきません。コネクターの一覧でも "Deprecated" の文字があります。
後継としてはすでに提供されている HTTP with Microsoft Entra ID (preauthorized) を使うことになります。ただ、API エンドポイントによってはどうも制限がされているようです。私のお客様からも利用できないエンドポイントがあるという話は耳にしています。この辺りは、下記の新旧コネクターの比較記事が詳しいです。
なお、Microsoft Learn のコネクター説明のページは 2024年9月27日現在、日本語ページに "廃止" については書かれていません。ただし、英語の方はすでに更新されおり、廃止に言及しています。
HTTP With Microsoft Entra ID (deprecated) [DEPRECATED] - Connectors | Microsoft Learn
ちなみにさきほどご紹介した Forward Forever の記事の下にコメント欄があり、あれこれやり取りされていますが、どうも廃止は急だったようでアナウンスもなかったようですね。私もあれこれ調べましたが、廃止のアナウンスは見つけられませんでした。コメント内でも "サポートに問い合わせたら Microsoft も知らなかったようだ" とも書かれているので、いつの間にか廃止になったようです。コネクターで deprecated になるものはたくさんありますけど、こんなに早く廃止されて使えなくなるというのは珍しいように思います。
ということで、これに関して日本語の情報が見当たらなかったので備忘録として記事にしておきました。
[メモ] モデル駆動型アプリの削除で困った
[単なる備忘録]
Power Apps モデル駆動型アプリで、マイアプリから削除しようとするとエラーで削除できず。ソリューションから削除しようと既定のソリューションを開いて削除しようとしてもエラー。依存関係を確認するも特に影響しそうなものはない。あれこれ調べて結局、ソリューションをクラシック表示に切り替えて当該アプリをソリューションから削除してみたら削除ができた。
でモダンになぜかアプリが残っているので、これを再度削除するとすっきり削除できた。モダン画面のバグではないかと思うのだけれど理屈はよくわかりません。
ということで、また削除できなかった時のための自分向けの備忘録でした(もしかしたら同じ状況になる人もいるかもしれないので一応公開してみました)。
Power Apps: 早期リリース サイクルの環境
Power Platform の製品エンジニアリング チームはそうとウェアを更新しており、修正とマイナーまたはメジャーアップデートを含む更新は毎日もしくは毎週行われています。ただし、すべての地域の顧客環境に更新を展開するには数日から数週間かかることもあるわけです。
Microsoft は顧客からフィードバックを得るために Power Apps プレビュープログラムを用意しており、これを利用するためには、従来は、組織内に「米国(プレビュー)」という地域を選択した環境を作っておくというのがこれまでのアプローチの一つでした。この環境を利用することで、数日間の間、最初に機能が展開されるためユーザーは新機能をいち早く把握でき、フィードバックできたのです。
ですが、現在、環境を新規に作成する際に「米国(プレビュー)」という地域は選択肢から削除されています。その代わりに早期リリースサイクルの環境というものが新たに利用できるようになっています。
早期リリースサイクル環境 - Power Platform | Microsoft Learn
新規に環境を作成するときに地域とは別に「新機能を早期に取得する」オプションをオンにすることで早期リリースサイクル環境になります。
現時点では、このオプションを選択できる地域は限られており、2024年5月28日現在では以下の地域のみになっているようです。
- 米国
- ヨーロッパ
- オーストラリア
- カナダ
ちなみに、従来の「米国(プレビュー)」には Dataverse データベースは追加できませんでしたが、この新しい機能は Dataverse データベースの追加も可能です。
どの環境が早期リリースサイクルを採用しているかは Power Platform 管理センターの「環境」一覧にある「リリース サイクル」列で確認できます。