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2026年1月15日 (木)

Microsoft Teams 会議に参加しているユーザーが自分の表示名を変更する機能が2025年にリリースされました。Microsoft 365 Roadmapに ID 122934 として公開されています。現在ラウンチ済みです。20260115_130605

機能

Teams デスクトップおよびWebアプリで利用可能で、会議中に自分の表示名を編集できます。ただし、変更はその会議の間だけ有効でプロファイルカードなどの情報は更新されることはありません。

対象は組織のアカウントおよびゲストのアカウントも含みます。

なお、表示名を変更した参加者には表示名の横に "Edited(編集済み)" というラベルがつきます。

設定 

資料を見るとこの機能は Microsoft Teams 管理センターから会議のポリシーで有効化したうえで、各会議のオプションで有効化することで利用できるとあります。しかし、当該する項目はTeams管理センターの会議ポリシーには見当たりません。対象リリーステナントもそうでないテナントも複数確認しましたが、どうにも見当たらない。

ならば PowerShellで設定してみるか? ということで、会議ポリシー(Globalで確認)みます。次のコマンドを実行しました。

Get-CsTeamsMeetingPolicy | fl *

Global ポリシーに関連しそうなプロパティとして ParticipantNameChangeが見つかりました。ただし、値は Disabled で無効化されています。

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そこで次のコマンドを実行し Enabled に変更し有効化します。

#Enabled に変更
Set-CsTeamsMeetingPolicy -Identity Global -ParticipantNameChange Enabled

#変更の確認
Get-CsTeamsMeetingPolicy | fl *

この設定により無事に Enabled に値が変わったことが確認できます。

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ちなみに、会議ポリシーの変更が実際に反映されるまで時間がかかる可能性もあります。

Teams 会議のオプション変更

会議のオプションを確認してみると、次のように参加状況セクションに「ユーザーに表示名の編集を許可する」オプションが追加されていることがわかります。既定ではオフとなっているため、必要に応じてオンにします。

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表示名を変更する

Teams 会議に参加しているユーザーは、参加者ウィンドウから自分の名前を変更できるようになります。会議のポップアップにもその旨が表示されます。20260114_213514

実際に変更してみましょう。20260115_180418

編集したあとは "編集済み" と表示されることがわかります。

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2025年11月26日 (水)

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Microsoft 365 Copilot の有償ライセンスと無償で使える Microsoft 365 Copilot Chat との違いが判らないという話をよく耳にします。

そもそも組織としてのナレッジマネージメントをビジネスリーダークラスがきちんと考えたことがあるかどうかという違いは一つ大きな壁としてあるでしょう。

Microsoft 365 Copilot では Microsoft 365 内に蓄積されている様々なコンテンツをもとに応答が生成できます。一方、無償の Microsoft 365 Copilot Chat で得られるのは原則は利用しているモデルが事前学習している範疇までの知識であり、たとえば GPT-5 では2024年9月までの情報しか学習していません。そのため、Copilot はその差を埋めて最新情報なども踏まえるために Bing 検索を使ってインターネット上に公開されている情報にアクセスします。アクセスできるのはあくまでも「公に公開されている」情報までです。しかし、Microsoft 365 Copilot ではMicrosoft 365 内に蓄積されている情報としてファイル、メール、チャットだけでなく、人とのつながり、情報の関連性など様々な付加情報も利用できるのです。

検索の変遷

Microsoft 365 Copilot とは何かについて改めて、「情報検索」をキーワードに説明してみようと思います。

クラウドになってから、キーワード検索は Microsoft Graph + Microsoft 独自AIとして発展してきました。検索に AI の力が添えられるようになったことは、Microsoft 365 管理センターも検索の構成メニューは「検索とインテリジェンス」という名称になっていることからも窺い知れます。

Microsoft Graph とはMicrosoft 365 内のあらゆるコンテンツにシームレスにつないでくれる仕組みです。もともと Microsoft Graph API という API がありますが、これは初期のころは Office 365 Unified API と呼ばれており、Outlook, Viva Engage (当時はYammer)、SharePoint, OneDrive, OneNote など Microsoft 365 内の個別のサービスやアプリにシームレスにアクセスできるようにするための仕組みとしてばらばらになりがちなAPIを統合したわけです。これが基盤となり Microsoft Graph へと発展していきました。 Microsoft 365 内のデータとデータ、ユーザーとデータの「関係性」をグラフ構造としてとらえる “Graph” の概念が導入され、APIの統一だけでなく Microsoft Graph へとつながっていきます。「ひと」と情報の関わりまで踏み込んで情報を得ることができる土台ができたわけです。

こうした基盤が整備されたことで、現在、Microsoft 365 の検索では SharePoint スタートページなどから Outlook, Teams, SharePoint など横断的に検索できるようにもなっていますし、以前は Microsoft Graph コネクターと呼ばれていて現在は Copilot コネクターに名称が変わっていますが、これを使えば、ファイルサーバーや 3rdパーティ製品(ServiceNow, JIRAクラウド、Googlドライブ, Box など) も Microsoft 365 から検索できるようになっています。

キーワード検索とMicrosoft Copilot 検索

従来の Microsoft 365 ではキーワード検索が主流でした。しかし、単なるキーワード検索だとどうしても「検索キーワード」の揺らぎが対応しにくいという課題があります。例えば、「ライオン」でも「百獣の王」でも意味は同じなのにキーワードとしては一致しないのでヒットしない。さらには言語の壁もあります。日本語でも英語でも意味合いが同じなら検索したいところですが、キーワードが一致するかどうかしか判定していない検索ではそれも難しいのです。そもそも日本語などの半角スペースで単語間を分かち書きをしない言語だと、単語分割もうまくいかないこともしばしばあります。どこで単語を区切っていいのかが文脈で異なり、そこを踏まえたキーワードの一致を試みるという仕組みはなかなかうまくいかなかったのです。

ここにきて、検索の仕組みを一変させたのが、Microsoft Graph + ベクトル検索の組み合わせです。Microsoft 365 Copilot が応答に必要な情報取得するために使う検索はベクトル検索がベースとなっています。ドキュメント、文章、単語などすべてをその意味や特徴でそろえた数値の並び(ベクトル)に変換します。これによって意味的に似たデータとして例えば、犬、猫、ペットなどはベクトル空間内で近い位置に配置されます。Copilot への質問もベクトルに変換されます。

Microsoft 365 Copilot のライセンスを持っているテナントでは、メールやチャット、SharePoint のファイルなどMicrosoft 365 に蓄積されているコンテンツに対してセマンティック インデックスと呼ばれる膨大なベクトルが生成されています。ここから質問のベクトルに最も距離が近い(類似する)データを高速で見つけられるようになっています。

つまり従来の検索では不可能だった「文脈の理解」をしたうえでの情報の収集が可能になっているのです。Microsoft Graph による単なるコンテンツの情報だけでなく、そこに関わりのあるコンテンツ同士の関係性やアクセス権限、人とのかかわりなども含めた情報を付加して情報を収集します。

ちなみに、Microsoft 365 では引き続きキーワード検索も行えるためベクトル検索とのハイブリッド検索環境になっています。

Microsoft 365 Copilot 有償ライセンスとセマンティックインデックス

こうした仕組みが使えるのが、Microsoft 365 Copilot の有償ライセンスが利点です。生成AIは、モデル自身がすでに学習している内容以上のことは公開された情報はBingを使って検索できますが、これに加えて有償ライセンスがあれば組織内に蓄積された公けになっていない情報も情報にもアクセスしてその組織ならではの情報が生成できる。しかし、無償版の場合は、あくまでもアクセスできるのは一般的なWebのみで Bing 検索の範疇までとなり、ネットに公開されていない非公開の情報は当然取得できないということです。

そして、組織にはさまざまな人が作ったファイルややり取りした会話などが蓄積されていっています。これはその組織内で汗水たらして試行錯誤しながら醸成してきた知恵やノウハウなどです。ものごとの経緯なども含めてたまっている。畑で例えれば、それぞれの組織ごとに異なる成分の土壌が醸成されているわけで、この養分が組織の財産であり、先人の知恵を有効活用して後人がさらに新たなナレッジを積み重ねていくことで、その組織ならではの文化ともなっていくわけですね。愛社精神とか従業員エンゲージメントにつながっていく話です。

Microsoft 365 Copilot が利用できれば、セマンティックインデックスが生成される。つまりは、膨大な量の情報を生成AI なら効率よく引き出せる可能性が高まります。無論、データ整備は必要ですが(ごみはゴミ箱にすてるとかそういうことです)。だからこそ、ドキュメントのライフサイクル管理としてしかるべきときに破棄するということも視野に入れたナレッジマネージメントが重要なのです。

SharePoint Technical Notes : Microsoft 365 Copilot のセマンティックインデックスとは?

Delve そして Work IQ、Agent 365 

Microsoft はこの Microsoft Graph と組み合わせて独自のAIを開発して、個々のユーザーに最適化したコンテンツを提案していくというコンシェルジュ的な機能を提供していました。「あなたが必要とするファイルは、もしかしてこれではない?」と提案してくれるような仕組みでDelve (デルブ) というアプリとして提供されていました。ただ、このDelve は去年の2024年12月16日をもってシャットダウンされてしまいました。生成AI の登場により、ナレッジマネージメント関連で Microsoft が開発してきた技術はどんどん生成AIベースに置き換わってきている印象があります。以前は、社内版 Wikipedia を独自AIで作らせるような取り組みとして Viva Topics というものがありましたが、Microsoft は生成AIへと大きく舵を取りCopilot へと役割が移管することになり、ついに日本語対応は正式に行われることなく 2025年2月22日にサービスが終了してしまいました。こうしてみると、Microsoft が独自に開発してきたAIの一部については、長らく言語の壁も抱えてきたように思います。

Delve がシャットダウンされて、およそ1年後となる2025年11月の Microsoft Ignite 2025では Work IQ が発表されました。Work IQ は、Delve が進もうとしていた方向性を生成 AI を使って再定義した強力な仕組みととらえることもできるでしょう。

Microsoft Graph の強みを生かし、ユーザー自身の仕事(メール、ファイル、会議、チャットなど)を理解して、先回りして様々なタスクなどを提案したり実行してくたりする仕組みです。単なるファイルの提案でなく、「仕事をしてくれる」というところまで踏み込んでいます。Work IQ によって最適なAIエージェントを提案・支援してくれるということにもなるでしょう。

Microsoft はWork IQ は「知能レイヤー」であるとしています。Work IQ は次の3つの要素から構成されています。

  • データ… Graph から取得する組織内の知識(メール、ファイル、会議、チャットなど)
  • メモリー…ユーザーの好み、習慣、業務、人間関係など
  • 推論…データとメモリーを組み合わせて次のとるべきアクションを予測

Graph が提供するデータに推論に特化した生成AIの力を添えて、エージェントがユーザーの文脈、関係性・意図を理解できるようにするわけですね。

少し前までは生成AIは単なる人間みたいな話し相手だったチャットボットだったものが、「ユーザーに代わって仕事をこなしてくれる」というAIエージェントへと進化しました。

現在、Microsoft 365 ではビルトインのエージェントだけでなく、Copilot Studio などを使ったカスタム エージェントや 3rdパーティのエージェントも利用できるようになっています。がしかし、これだけ多くのエージェントがあれば、どんな時にどのエージェントを使えばいいかユーザーが判断しなくてはならいない。これをそのユーザーの行動などからどんな仕事を日々行っているのかといったことも含めて情報を持っており Work IQは、その場で適切なAIエージェントの提案および実行も含めて面倒を見てくれる。

そしてMicrosoft 365 Copilot ユーザーが様々なLLMモデルを使用した複数のエージェントを安心・安全に使えるように組織として統制・管理し、発見・展開を支援する仕組みとして Agent 365 が登場したわけです。

SharePoint Technical Notes : Microsoft Agent 365 とは?

Microsoft が考えている構想は、実によくできているなと感じます。

ということで、有償の範囲と無償の範囲は、検索を軸にしたストーリーで見るとわかりやすいように思います。

無償版で十分という場合は、組織内の情報をうまく再利用するという土壌が醸成されていないか、そういったことを必要とする業務スタイルにないのかもしれません。全体最適化の話の一部で、部分最適化ではないので。

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Microsoft Ignite 2025で Microsoft Agent 365 がアナウンスされました。

ここでは Agent 365 といったいどういったものなのかの概要をつかめるように要点を抑えていきたいと思います。

なお、現時点では Microsoft Agent 365 はプレビューでありいち早く機能を利用してみるには Frontier プレビュープログラムに参加する必要があります。また利用するテナントでは少なくとも1つの Microsoft 365 Copilot ライセンスを持っており、 Microsoft Agent 365 を Frontier で有効化する必要があります。詳しくは下記のリンク先を参照してください。

Microsoft Agent 365の概要 | Microsoft Learn

Agent 365 とは?

IDC (International Data Corporation) によると2028年までに作成されるエージェントは13億にも上るだろうと予測されています<IDC レポート #US53361825>。

エージェントの技術革新と共に、増え続ける組織内のAI エージェントの制御手段を整備することは急務です。つまり「単にエージェントを導入して終わり」ではなく、それらを制御し、監視し、保護し、より効果的に活用するための適切なツールも同時に整える必要が3あります。そうした背景から登場したのが Agent 365 です。

Agent 365 はエージェントの制御プレーン (Control Plane) であるとMicrosoft の資料には書かれているのですが、プレーンという言葉に馴染みのない方もいるでしょう。プレーンとはシステムやネットワーク内でのある役割を担う「層」のことを呼びます。役割が階層化されていているときには「レイヤー」といいますが、特に階層があるわけでなく、特定の役割を担う機能などの集まりを表現する際には「プレーン」呼びます。

さて、話を戻しましょう。

Agent 365 はエージェントの制御プレーンであり、エージェント制御を目的とした機能群として提供されます。

企業がユーザー管理に使っている既存インフラをエージェントに対しても対応できるように拡張するものです。つまり、Agent 365 は人間の従業員が使っているのと同じレベルのアプリやセキュリティ保護機能をAI エージェントに対しても提供し、安心して業務に取り組めるようにします。AI エージェントは人の代理で動く以上、ある意味「ひと」と同等に管理する必要があるわけですね。

また、Agent 365 が人間の従業員が使っているのと同じレベルのアプリやセキュリティ保護機能をエージェントに対しても提供することで、ユーザーは安心して業務に取り組めるようなります。

Agent 365 には次のMicrosoft のセキュリティと生産性ソリューションが含まれます。

  • Defender

  • Enra

  • Purview

IT部門は Microsoft 365 管理センターでエージェントが管理でき、Microsoft 365 アプリ上だけでなく、他の業務フローにおいても人間のマネージャーと一緒にコラボレーションできるよう設定できます。

Microsoft Ignite 2025 のブレイクアウト セッション

Agent 365 を理解するのに Microsoft Ignite 2025 のセッションの中でも「Explore Microsoft Agent 365 security and governance capabilities (BKR269)」から情報を抜粋しながら情報を整理していきます。このセッションは概要をつかむのにとても分かりやすかったためです。

エージェントはユーザーと同じく保護される必要がある

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  • ユーザーとエージェントのやり取りの保護
  • エージェント同士のやり取りの保護
  • エージェントがモデルポイズニングを媒介しないように保護

ユーザーとエージェントのやり取りは保護する必要があります。Agent 365 ではどのエージェントにアクセスできるかを管理して、プロンプトやレスポンスを保護することで、プロンプト インジェクションのようなユーザーからのエージェントへ侵害を防ぎます。

エージェント同士のやり取りについては、どのエージェント同士が接続できるのかをガードレール設定し、Agent to Agent 間の接続を保護し、エージェント間の過剰共有を防ぎます。

エージェントがモデルポイズニングの媒介にならないように保護する必要もあります。Copilot自体はモデルポイズニングされるような経路は存在しませんが、3rdパーティ製エージェントや外部LLM との連携ではこの点は考慮する必要があります。そのため、どのエージェント、どのLLMを許可するのかを制御できる必要があるのです。

Agent 365 の5つの機能

Agent 365 にはデジタル資産全体のエージェント管理に必要なすべての機能が含まれています。機能は次の5つに分類できます。

  • レジストリ (Registry)…Agent 365 は組織が利用するエージェントすべてのインベントリを提供するレジストリを持つ

  • アクセス制御 (Access Control)…エージェントの権限管理やリソース保護を行う

  • ビジュアル化 (Visualization)…エージェントと人、データの関係をマッピングして、その行動やパフォーマンスをリアルタイムで監視できる

  • 相互運用 (Interop)…エージェントをアプリやWork IQ と連携させることができるようにして、エージェントが人間の業務フローに参加して業務の文脈が理解できるようにする

  • セキュリティ (Security)…エージェントを標的とした脅威を防止・検出・対応できる「脅威からの保護」とエージェントが作成・使用するデータを過剰共有・漏洩・リスクのある行動から守る「データセキュリティ」の提供

Agent 365 のエコシステム

Agent 365 は Microsoft だけのものではなく、どんなエージェントにも対応できるようになっています。既にパートナーエコシステムを構築してきており、現在も日々、広がっているそうです。

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パートナーは自社開発しているエージェントを Agent 365 SDK と統合することで、Microsoft 365 の Defender, Entra や Purview といったセキュリティ製品もその SDK の一部として機能するため、その恩恵を受けることが可能になります。

エージェントIDの保護

これからは、従来のユーザーID管理と同様にエージェントにIDを持たせることによる管理も必要になってきます。

  • エージェントIDとライフサイクルの管理
  • 誰がエージェントを作成し管理できるのかの統制 (ポリシー定義)
  • エージェント権限の管理
  • アプリ、ツール、システムや他のエージェントにアクセスするエージェントアクセスの保護 (リソースアクセスの保護)
  • 悪意のあるもしくはコンプライアンスに準拠しないトラフィックからのエージェントの保護 (インターネット脅威からの保護)

Microsoft Entra Agent ID

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Microsfot Entra にはエージェントごとにエージェントIDが登録できます。

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エージェントごとに割り振られるエージェントIDとレジストリを使うことで、すべてのエージェントのライスサイクルをワークフローで発見・管理し、アクセスガバナンスも行えるようになります。

Agent ID はユーザーIDと同じように扱うことができるため、エージェントの権限やライフサイクルも管理も可能です。エージェントID があるので条件付きアクセス、ID保護も可能できます。

条件付きアクセスによるトラフィックス フィルタリングを使えば、エージェントのリソースアクセスも保護できます。

現在、Entra 条件付きアクセスではポリシーの割り当て対象にエージェントを選べるようになっています。20251125_164427

展開のための Agent blueprint

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エージェント展開のために、Agent blueprintというものがあります。これはエージェント展開のための青写真、つまりは設計図です。

アプリケーション内に複数のエージェントが含まれていることはよくありますが、例えば、すでにセキュリティ コパイロットには12のエージェントがあるような状況です。とはいえ、増え続ける個々のエージェントのインスタンスを大規模に管理するのは大変です。

そのため大規模展開では、テンプレート化された設計図(blueprint)が必要であり、これがないと管理が破綻することになってしまいます。

実際には、事前にこれから展開するエージェントに対するAgent Blueprint (エージェントの名前、所有者、アクセス権限など) を定義して、これに基づいてエージェントにアクセストークンを発行することになります。Blueprint に紐づくサービスプリンシパルを作成して、資格情報(クライアントシークレットやマネージドID)を設定します。このトークンがあることでエージェントが認証・認可を受けてドさできるようになるわけです。

最終的には組織で利用可能なエージェントとして Microsoft 365 のレジストリエントリとして登録しまするこれによって管理者はエージェントの存在を把握し、アクセス制御・監査・ポリシーが適用できるようになります。

なお、Agent blueprint の作成などは、Agent 365 CLI を使います。

詳しい情報は次のリンク先を参照してください。

Microsoft Entra - Agent registry

Entra ID にはエージェント レジストリがあります。これには3つの目的が存在します。

  • エージェント フリート全体を可視化
  • エージェント同士で発見させる
  • エージェントの許可と検疫を行う (どのエージェントを許可してどのエージェントを隔離するかを制御)

ちなみに、現時点では Entra Agent ID を持つエージェントがすでにある場合と、自分で登録する Agent ID とがあります。

前者は Copilot Studio で作るエージェントが該当します。後者は、開発者やユーザーが自分で登録するエージェントで、外部ベンダーが提供するエージェントの登録などです。

これに加えて シャドーエージェントも見つけてくれるようになるとのこと。組織内で非公式に導入しているエージェントも見つけて管理できるようにするということですね。

エージェント管理に関する役割

AIエージェント管理には「スポンサー」という役割が登場します。Entra ではエージェント管理のための管理者が3つあり、その一つです。

  • 所有者
  • スポンサー
  • マネージャー

所有者

Agent blueprint と Agent ID の運用管理担当。技術管理者。

スポンサー

ビジネス担当者。技術的な管理アクセスはせず、アクセスレビュー、インシデント対応などエージェントの目的とライフサイクルの決定に責任を持つ。スポンサーとなっているユーザーの退職や移動では別の人やグループに役割を継承させる必要がある。

マネージャー

組織階層内のエージェントの担当をする個々のユーザー。Entra レポート エージェントのアクセスパッケージを要求できるユーザー。

スポンサーという概念が含まれるのが興味深いですね。技術者とビジネス的な判断をする人を分離するための考え方です。

[参考] Microsoft Entra エージェント ID の管理関係 (所有者、スポンサー、およびマネージャー) - Microsoft Entra Agent ID | Microsoft Learn

まとめ

Agent 365 はこれから増え続けるエージェントを適切に管理するための仕組みであり、組織はAI エージェントに関してはベスト・オブ・プリードの考え方で導入していくことになるため、部分最適化を合理化しつつ、組織としては統合とガバナンスを考慮しなくてはいけない。その根っこの部分を Agent 365 で管理していくことになるということです。ここには、Mirosoft が持つ既存のインフラソリューションとして、Entra, Purview, Defender をうまく取り込んで有効活用する形にしているのは、うまい戦略だと思います。

参考情報

コース紹介

弊社「オフィスアイ株式会社」では、Microsoft 365 に関するオリジナルトレーニングを提供しています。AI エージェントのナレッジ基盤となる SharePoint を中心に、Microsoft Copilot Studioによるエージェント開発入門コースや Microsoft Purview による機密情報保護やライフサイクル管理など体系的に学べます。

【オフィスアイ株式会社】Microsoft 365 関連研修コース

2025年10月27日 (月)

2026年1月にはMicrosoft は PowerPoint からスライドの再利用の機能を Windows および Mac のデスクトップ版から廃止されことになりました。以降はこの機能は使えなくなります。

この変更はPowerPoint の体験をシンプルにして、既存の機能と重複する機能を取り除くためのものだそうです。おそらくは生成AIによるスライドの再利用という方向性にいくんでしょう。

そういえば、この「スライドの再利用」の機能は PowerPoint としての機能なのですが、その昔、オンプレミスのSharePoint には「スライド ライブラリ」というスライドを組織で再利用するための専用のドキュメント ライブラリがあったんですよ。ただ、コンセプトは良いのだけれど機能的には使いにくくて(スライドを探しにくかったり、プレビューがしにくかったり) で、わりとすぐに廃止になったんです。

こうしてみてくると、いつでもMicrosoftはいかに情報を再利用できするか試行錯誤してきていて、今回の PowerPoint のスライドの再利用も生成AIを使った方向性に舵を切るために行った決断だろうと思いますね。

📅ロールアウト

この機能の廃止は2025年12月には開始し、2026年1月中に完了します。

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2025年10月21日 (火)

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Microsoft は欧州委員会(European Commission)と合意に達し、2025年11月1日からMicrosoft 365 E3 およびE5に Microsoft Teams を含めたバンドルでの販売できるようになったそうです。

Evolving our productivity offerings to resolve Microsoft Teams concerns| Microsoft 365 Blog

ちなみに、欧州委員会は EU(欧州連合)の執行機関であり、法律の提案や監視を行う機関です。この機関が加盟国の利益を代表して独占禁止法などの競争政策を監督し、企業の合併や市場支配に対して調査および是正を行います。

Teams がバンドルされなくなった背景

ことの発端は、2020年にSlack が欧州委員会に対して Microsoft を提訴したことに始まります。

Slack は「Microsoft が Teams を Office 365 にバンドルして提供することで、不公平な競争をしている」と主張。

その後、欧州委員会は 2023年7月に正式な調査を開始します。Microsoft はこの懸念に対応するために欧州経済領域(EEA)およびスイスで Microsoft Teams を Microsoft 365 から分離することを決定しました。ちなみに、スイスはEU加盟国ではないもののEUと包括的な二国間協定を結んでおり、EUの市場とは密接に連携しているためこうした対応になったようです。

さらに余談ですが、欧州経済領域(EEA)は、EU加盟国とEFTA(欧州自由貿易連合)の加盟国の一部(ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)で構成されています。

ライセンス体系の変更

今回の合意を受けて、ライセンス体系が次のように変わります。

  • Teams を含むプラン/Teamsを含まないプランを世界中で選択可能になる

  • Teams を含むプランと含まないプランの価格差を明確化することで競争の公平性を確保

  • Teams単体の価格も最低価格を設定し、バンドル版より安くならないように調整

最後に Teams 単体の最低価格をバンドル版より安くしない理由としては、例えばバンドル版を購入して Teams を外し、単体で安く買うということが可能になるような価格回避の抜け穴を防ぐためです。分離したライセンスをMicrosoft は出したものの、実際には Teams を安く入手できる

たとえば、次のようなケースを考え見ましょう。仮にTeams 単体が$6.00だとして、バンドル版より安いとします。

  • Microsoft 365 E3 (Teams あり) … $38.00 (約5,700円)

  • Microsoft 365 E3 (Teams なし) … $29.45 (約4,420円)

この場合は価格差は$6.00(約900円)です。ですが、ここに Microsoft 365 E3 (Teamsなし) + Teams単体の組み合わせで購入する場合は$33.45 (約5,320円)となり、Teams ありを購入するよりも$2.55(約380円)安くなります。

このように Teams を利用するのであれば “Teams を含む Microsoft 365” と “Teamsのない Microsoft 365 +単独のTeams” の組み合わせでも価格差がありません。ですが、Teams を必要としない場合は、Teamsを含まない Microsoft 365 を購入することで明らかに安くなるわけです。

欧州経済領域(EEA) 向けの追加保証

合意をとった以上、EEAに対して不利益がでないよう追加の保証も発表されました。EEAの顧客は契約期間中に Teams を含むブランから含まないプランへと年次更新時に切り替えられるようになります。割引率も維持され、パートナーも同様の保証が提供されます

価格差の維持

Microsoft Teams の有無による価格差は2025年11月1日から7年間、USDベースで固定される予定です。ただ、その後については未定のようですね。

Teams の有無による価格差の例) 参考換算: 1ドル=150円

Microsoft 365 と Office 365 スイートのTeams 有無による価格差
プラン 価格差 日本円換算(約)

Microsoft 365 E3 / E5

Office 365 E3/E5 

$8.55 (€8.00) 約1,280円

Microsoft 365 Business Standard

Microsoft 365 Business Premium

Office 365 E1

$3.21 (€3.00) 約480円
Microsoft 365 Business Basic $1.60 (€1.50) 約240円
Microsoft 365 F3 $1.07 (€1.00) 約160円
Teams 単独の価格
プラン 価格差 日本円換算

Microsoft Teams Enterprise

Microsoft Teams EEA

$8.55 (€8.00) 約1,280円
Microsoft Teams Essentials $3.21 (€3.00) 約480円

2025年11月1日以降のライセンス体系と価格

2025年11月1日より、世界中の新規顧客は再び Microsoft Teams が含まれるMicrosoft 365および Office 365 Enterprise スイートを購入できるようになります。また、Microsoft Teams を含まない Microsoft 365 および Office 365 Enterprise も引き続き購入可能です。