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2024年7月20日 (土)

タイトルにあるよう Microsoft 365 開発者プログラムのサブスクリプションへの参加条件が変更されています。

※2024年1月にアナウンスがあったため、すでにご存じの方も多いかもしれませんが、改めてブログに記録しておこうと思います。

Microsoft 365 開発者プログラムとは?

Microsoft 365 E5 Developer のサブスクリプションを取得することで、開発目的での Microsoft 365 に関するソリューション開発を支援するためのプログラムです。運用テナントとは別に取得し、開発者の裁量で管理設定などを行えるので、開発者にとっては運用環境における組織制約にとらわれずに開発を進められるメリットがあります。

Excel, Outlook, Word や PowerPoint などの Webアドイン、SharePoint, Teams, Microsoft Graph などを利用できます。

FAQにも書かれていますが、このサブスクリプションに含まれるものは次の通りです。

  • Avatars for Teams
  • Immersive spaces in Teams
  • Microsoft Entra ID P1
  • Microsoft Entra ID P2
  • Azure Advanced Threat Protection
  • Azure Information Protection Premium P1
  • Azure Information Protection Premium P2
  • Customer Lockbox
  • Exchange Online (Plan 2)
  • Flow for Office 365
  • Information Protection for Office 365 - Premium
  • Information Protection for Office 365 - Standard
  • Microsoft Entra Rights
  • Microsoft Azure Multi-Factor Authentication
  • Microsoft Cloud App Security
  • Microsoft Forms (Plan E5)
  • Microsoft Intune
  • Microsoft MyAnalytics (Full)
  • Microsoft Planner
  • Microsoft StaffHub
  • Microsoft Stream for O365 E5 SKU
  • Microsoft Teams
  • Mobile Device Management for Office 365
  • Microsoft Purview eDiscovery (Premium)
  • Office 365 Advanced Security Management
  • Office 365 Advanced Threat Protection (Plan 1)
  • Office 365 Advanced Threat Protection (Plan 2)
  • Office 365 Privileged Access Management
  • Office 365 ProPlus
  • Office Online
  • Phone System
  • Power BI Pro
  • PowerApps for Office 365 Plan 3
  • SharePoint Online (Plan 2)
  • Skype for Business Online (Plan 2)
  • Sway
  • To-Do (Plan 3)
  • Whiteboard (Plan 3)
  • Yammer Enterprise

Power Automate に関しては含まれていない機能もありますし、Power BI に関しても Power BI Pro のライセンスのみが含まれており、Premium は含まれていません。というように大事なことが FAQ に多く書かれていますので利用予定の方は必ず確認しておくようにしておきましょう。

サブスクリプションの条件の変更

従来は Microsoft 365 開発者プログラムは誰でも無料でサインナップできるようになっていました。このことは下記の記事を見てもわかります。

Start your journey to becoming a Microsoft 365 developer - Microsoft 365 Developer Blog

SharePoint Framework 開発などでも自分専用のテナントを手軽に取得できるとあって、利用する方も多かったと思います。無償とはいえ、2019年4月以降、60~90日ごとに定期的に更新されるようになっており、その間に利用を続けていれば期限なく利用できますが、しばらく全くテナントを使っていないような場合は更新がされず、テナントが削除されることになります。ちなみに、取得できるのは1人1テナントです。※(訂正)電話番号で識別するので1電話番号につき1テナントになるということでした。

これが、現在、タイトルにある通り、このプログラムへの参加条件が変更されたことがアナウンスされました。元の記事は2024年1月25日付のものですが、2024年2月に内容の一部がアップデートされています。

Latest updates to the Microsoft 365 Developer Program

記事によれば、現時点ではMicrosoft 365 開発者サブスクリプションへのアクセスは、Visual Studio Enterprise の有効なサブスクリプションを持つ開発者または組織に限定されるとのこと。この場合は有効期限は Visual Studio サブスクリプションの有効期限に準ずることになるそうです。この条件を満たしていれば追加費用なくこのプログラムに参加できるとのこと。

また、次の Microsoft AI クラウドパートナープログラム参加者は開発者向けサブスクリプションへのアクセスを許可するリストに追加するために、Microsoft パートナーに問い合わせるように書かれてもいます(出典)。

  • Azure Expert MSP
  • Legacy Gold/Silver
  • Managed Partners
  • Microsoft Action Pack
  • Partner Launch Benefits
  • Partner Success Core Benefits
  • Partner Success Expanded Benefits
  • Solutions Partner
  • Specialization Partner
  • Premier or Unified Support plan members

このことは、Microsoft 365 Developer プログラムへのサインアップのページにも記載されるようになったようです。

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(追記) 要は、Visual Studio の当該サブスクリプションがなくても Developer プログラム参加資格を満たすアカウントであれば取得はできるということですね。で、この場合は60~90日のアクティビティベースの更新となる。

必要なサブスクリプションの詳細は先に挙げた FAQ に書かれているので確認してください。

サブスクリプションの資格がないならどうする?

冒頭に紹介したブログでは「サブスクリプションの資格がなければ、別途シングルライセンスの Microsoft 365 プランを購入し、開発用に構成する必要があります。この場合はアドオンとして Copilot のライセンスも購入できます。」といった旨で書かれています。

ということで、買いましょう、だそうです。

すでに持っているけれどどうなる?

ただし、すでにサブスクリプションを持っているメンバーはこの変更は受けません。従来通り60~90日間のアクティビティに従って更新が許可されるかどうか決まるようです。

以上、備忘録でした。

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2024年7月16日 (火)

Microsoft OneDrive for the web に新たにリストやファイルをフィルターするためのファイルの種類が追加されました。

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追加されたのは次のファイルの種類です。

  • OneNote
  • Microsoft Lists
  • ビデオ
  • Loop
  • 写真 ※写真は実際には項目がないので、アナウンス時点での誤記かもしれません。
  • Whitboard
  • Power BI

上のスクリーンショットでは [その他] をクリックしたときにドロップダウンメニューが表示され、ここに新しいファイルの種類があることがわかります。このドロップダウンメニューは、ホーム以外に、共有、お気に入り、ユーザー、会議の各ビューでも利用できます。

ロールアウト時期

  • 対象リリース: 2024年7月上旬~7月中旬
  • 一般提供: 2024年7月中旬~7月下旬
2024年7月12日 (金)

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Microsoft Teams の録画の保存先はチャネル会議以外の場合は、これまで会議の録画を始めた人の OneDrive (Business) でした。ですがアップデートにより、保存先が会議の開催者の OneDrive へと変更されました。

ロールアウト

このアップデートは一般提供としては、2024年6月中旬~6月下旬までとなっています。

特に設定は必要なくロールアウトされると自動的に挙動が変更されます。ただ、2024年7月12日現在、Microsoft Roadmap を見るとまだすべてのテナントでロールアウトが完了しているわけではないようです。

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録画の保存先を従来通りの録画開始者の OneDrive に指定できるのか?

この挙動は、一時的に上書き可能で、管理者がPowerShellを使ってユーザーレベルポリシーであるTeamsRecordingRollOutPolicyを変更することで、従来通り録画の開始者のOneDriveアカウントに録音を保存し続けることができます。例えば、既存のワークフローを移行する必要がある場合や、Teamsアカウントに委任権限がある場合などです。

ただし、ロールアウトから3か月後にはこのオーバーライドポリシー(ポリシーの上書き)は停止されるということなので注意してください。

ファイルへのアクセス権

会議の開催者の OneDrive に格納されるようになった場合でも、共同開催者として指定されているユーザーは「編集可能な共有リンク」が生成されるため、ファイルのダウンロードや編集などが可能です。たとえば、OneDrive の「共有」から「あなたと」タブをクリックすると、共有されているリンクを確認できます。

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2024年5月17日 (金)

Microsoft 365は検索機能を更新し、特定の自然言語ベースの検索サポートを2024年7月1日以降、廃止します。ただし、キーワードベースの検索機能は引き続き利用可能です。とはいえ、もともと日本人はキーワード検索が主流だったのでさほどインパクトはないとは思います。

Updates to natural language-based search in Microsoft 365 - Microsoft Support

ここからは個人的な見解です。もともとMicrosoft Search は Bing.com で培ってきた自然言語検索と SharePointが長年培ってきたキーワード検索とを包括的に使えるようになっていました。Microsoft Search は SharePoint だけでなく、Outlook, Teams などでも利用されてきたのです。ですが、ここにきて自然言語ベースの検索をやめてキーワード検索だけにするという発表があったということは、Microsoft Copilot for Microsoft 365 との差別化が進むということでしょう。Copilotはセマンティックインデックス検索を導入して、プロンプトからユーザーの指示の意図を推測して検索するという全く新しいタイプの検索を行います。従来の自然言語での開発は中止して、Generative AI へと全面投資することではないかと思います。

2024年5月15日 (水)

Microsoft Forms のフォームへの回答結果が Excel ファイルと同期する機能がプレビューとしてロールアウトされる話については以前、記事を投稿しました。

SharePoint Technical Notes : Microsoft Forms: Excel とのライブデータ同期のサポート(プレビュー) (lekumo.biz)

[関連情報] Introducing Forms data sync to Excel - Microsoft Community Hub

2024年5月15日現在で確認したところ、すでにこの機能が予定通りロールアウトされてきているので改めて機能についてまとめておきたいと思います。

おさらい

まずはおさらい。新機能は次の通りです。

  • フォーム/クイズのページ上で自分の OneDrive 内に Excel ワークブックを作成できる
  • フォームへの回答はこのワークブックに自動的に同期される
  • ワークブックを Excel for the web で開いている間は新しい回答も自動的に同期される
  • Excelの共同編集者も Excel for the web 上で同期された回答を受け取れる

注意点は次の通り。

  • ライブデータをトリガーできるのは Excel for the web 上に限定される。データをデスクトップアプリで分析したい場合でも自動的に最新情報を受け取りたいのなら Excel for the web でファイルを開いておく必要がある
  • フォームはフォーム、Excel は Excel で別々に権限は管理することになる。要するにFormと同期するようにしたExcelファイルの編集者がその フォームの作成者になるわけではないということ

既存のグループフォームと Excel 用フォームも引き続き使えますが利用しているテクノロジーは古く、最終的にはすべてのフォームの種類が新しいソリューションへと徐々に移行する予定とのこと。

個人用フォーム/クイズの場合

個人用フォーム/クイズの場合は、「応答」タブで結果を表示するときに「Excel で結果を開く (プレビュー)」ボタンが表示されます。これをクリックするとここまでの応答を含む Excel ファイルが OneDrive (Business)内に作成され、同期が開始されます。作成場所は OneDrive 直下で、フォームと同じ名前のファイルが作成されます。

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作成された Excel ファイルを開くと、同期されていることを知らせるアクションバーが表示されます。

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実際の挙動は下記の通り。

グループ フォームの場合

グループ フォームの場合はフォームで初めて「Excel で開く」をクリックすると新規にExcel ワークブックが作成されます。作成先は、チームサイト内の「ドキュメント(Shared Document)」です。

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ちなみに、別ファイルとして保存する場合は、「Excel で開く」の横の三点マーク (...)をクリックし、「すべての回答を新しいブックへ同期する」を選択すると新規にExcelブックを作成して同期します。ファイル名は末尾に "1" などの数値がつき、一意になります。

クイズの対応は?

なお、現時点ではグループの場合は「クイズ」は Excel との同期は行われません。

ファイル名の変更

個人用、グループ用ともにファイル名は変更可能で、同期は引き続き行われます。

以上です。また GA された時に、何か変更点があれば記事にします。