2016年4月

2016年4月28日 (木)

Office 365 で OneDrive for Business や SharePoint Online 上に作成したドキュメントを共有していると、Office 365 Delve に表示されるようになっています。Office 365 Delve の利点は、自動的に人とのつながりをもとに、ログインユーザーに関係があるであろう他のユーザーが作成したドキュメントも一覧できることにあります。もちろん、当然アクセス権限は見ているため、アクセスできるドキュメントしか表示はされません。

とはいえ、人の作成したドキュメントをおすすめ表示してくれるというのは便利であるものの、勝手に広めてほしくないドキュメントもあるわけです。例えば、作りかけのものなどあります。見てもいいけど、まだ作りかけだし、、、というような具合ですね。

こうした場合は、次のように列を追加し、Delveへの表示をオフにしておきましょう。ただし、この手順は SharePoint Online 側で行ってください。OneDrive for Business でも設定は可能ですが、少々設定手順が込み入ってきますので、ユーザーレベルでは対応が難しいと思います。そもそも、OneDrive の運用として他のユーザーに共有したくなければ、共有設定をしない、もしくは "全員と共有" フォルダーには格納しないようにするという運用が良いと思います。さて、手順です。

  1. 管理者として、リストやライブラリに HideFromDelve という名前の "はい/いいえ" 列を追加します。既定値は、"いいえ" にします。
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  2. ユーザーは、必要に応じてこのプロパティを "はい" に変更します。
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  3. 上記の例では、2つのファイル(Delve Test A.pptx, Delve Test B.pptx) をアップロードしていますが、Delve 上の最近更新されたドキュメントでは一方のファイルしか表示されません。一方は、非表示 ("はい") にしたからです。

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もちろん、意図的にドキュメントを検索すればヒットはするのですが、少なくとも勝手に他のユーザーに勧めない、ということです。繰り返しになりますが、このアプローチは他のユーザーに "見せる" ことを前提にしています。他のユーザーには見せたくない! 検索もしてもらっては困る。というような場合は、あくまでもアクセス権限をきちんと設定しておくことをお忘れなく。

さて、少し技術的に掘り下げておくと、現在 SharePoint Online の検索スキーマには、HideFromDelve という管理プロパティが定義されています。この管理プロパティに ows_HideFromDelve というクロールされたプロパティがマップされるようになっています。Office 365 Delveは内部の仕組みは検索ですから、この管理プロパティを元に検索結果から除外するようになっているようです。

[参考] Delve でドキュメントを非表示にする

※上記資料は、サイト列を作るといいつつ、手順はリスト列の作成手順になってしまっています。が、そもそもサイト列である必要はありません。列名が HideFromDelve という名前になっていればOKです。

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2016年4月 8日 (金)

2016年4月から順次、SharePoint Online のドキュメント ライブラリの機能が大幅にアップデートされます。とはいえ、まずはお試し期間が用意されており、移行期間中は、旧ライブラリのままにしておくことも可能です。かなり使い勝手が変わりますし、プレビューであるようなので、実運用しているライブラリは設定変更せず、テスト用にライブラリを作成して、そこで機能検証を十分に行っておいたほうが良さそうです。

本件について Office 365 管理センターには次のようなメッセージが届いていましたので、念のため掲載しておきます。

" In the new document library, documents can be displayed using classic or thumbnail views for a graphic look and feel. Libraries now support uploading folders and links in addition to single files. Documents can be grouped with views directly from the library home screen, and selected documents can be pinned to a highlighted section at the top of the library. A new document information panel displays in concert with the document library, and allows easy access to previews, activity history, sharing, and metadata editing. Document management functions are moved to a clean, responsive menu pane and the Ribbon is removed from the UI. "

見た目や使い勝手は OneDrive for Business に近づいている印象です。OneDrive for Business も土台は SharePoint なのですが、通常の SharePoint サイトとは使い勝手がかなり違っていましたので、シームレスな操作感になるようにしているのかもしれません。

基本的な使い方は画面ショットだけではわかりにくいので簡易説明の動画を公開しました。まずは、これを御覧ください。

  

以下では、新機能のまとめと、動画で説明できていないところを補っておきます。主な新機能は次の通りです。

  • リボン メニューではないが、目的物を選択すると関連メニューや項目が表示される
  • Information ウィンドウにいろいろな機能が追加されている
  • Spotlight 機能が追加された
  • メタデータの編集が簡単になった
  • ビューの設定変更も簡単になった (ただし、凝った設定は従来通りの手順となる)

ただし、動画でも説明していますが、クイック編集ビューがなくなったので、メタデータの一括変更はかえってしにくくなっていますし、メタデータナビゲーションが表示されません。そのほか、動画では説明しませんでしたが、別ライブラリなどにある既存ファイルへのリンクも簡単に追加できるようになっています。

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i のアイコンをクリックした際に表示されるウィンドウの呼び名は、"ドキュメント情報パネル" ですね。古い話ですが、SharePoint 2007 と Office 2007 とを組み合わせて使うと Office クライアント側に SharePoint 上のメタデー
タが編集できるように表示されていたのがドキュメント情報パネル(DIP) だったのですが、Office 2016 にはこれがなくなっていました。が、今度は、SharePoint側でまたこの名称が復活ですね。

ちなみに、サイト管理者としては、ライブラリごとに新機能にするかレガシーのままにするか設定できるようになっています。設定箇所は、[ライブラリの設定]>[詳細設定]内にあります。

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※下のように詳細設定の最後の部分にある[リストの表示]が新たに追加されている。

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最後に

本設定変更については、"お試しください。ご意見をお待ちしております" ということですので、今のうちに、いろいろとフィードバツクしたほうが良さそうですね。フィードバックは Office 365 管理センターに届いているメッセージに対して行えば良いようです。

 

 

SharePoint Online 上で現在確認できている問題について情報共有しておきます。

1. Outlook on the web などのランチャーの一部が正常に動作しない

時期は定かではありませんが、少なくとも今年に入ってから、この問題が発生しているようです。

Internet Explorer 11 を使って SharePoint Online サイトにアクセスしている場合で、Wikiページの名前が ホーム.aspx などのように日本語となっている場合に、このページにアクセスした後に、Office 365 のワッフルメニュー(ランチャー) から下記のコンテンツにアクセスしようとするとエラーになります。

  • メール
  • 予定表
  • 連絡先

エラー表示は下記の通りです。

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エラーとなるのは、次のようなURLの場合です。

  • https://<テナント>.sharepoint.com/SitePages/ホーム.aspx

下記のようにURLエンコードされていれば、問題になりません。

  • https://<テナント>.sharepoint.com/SitePages/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0.aspx

とはいえ、大変困ります。Wiki ページ作成時に Wiki のシステムとしての醍醐味の一つである [[単語]] を使ってリンクを生成する場合は、どうしても既定では日本語になります。もちろん、[[ページ名|表示名]] とすれば、英語表記と日本語表記は区別できますが、いちいちこれを行うかというと現実的では無いでしょう。

Google Chrome などでは発生しないため IE 11 の問題であるようです。Office 365 で SR も上げましたが、解決策としては上記のようにエラー画面になっても、画面をリフレッシュすればアクセスできるので、しばらくはこれで対応して欲しいということでした。こんな対応ではいけませんね。

2. バージョン管理設定で承認を必須にしていた場合に自動生成されるビュー名が勝手に変更される

私の利用しているテナントで発生している問題事象について共有しておきます。他のテナントで発生しているのかどうか、現時点では不明です。

リストやライブラリでバージョン管理設定をしており、"承認" を必須にしています。すると、自動的に "承認/却下アイテム" というビューが生成されるのですが、これがいつの間にかすべて "12月" という名前のビュー名に変わってしまっています。

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新たに設定したところでは、こういったことにはならないようなのですが、これを設定しておいた既存のリストやライブラリは全滅で、全部意味不明の "12月" に変わってしまっていました。何らかの更新のタイミングで発生したバグでしょう。SR を出していますので回答がきしだい、また本記事に追記します。

こういうの、とても困るなぁ。。。