Office 365 では社内コミュニケーション機能が多くありますが、SharePoint 単独で見た場合は従来では次の2つの機能がありました。
- パブリック フィード
- サイトのフィード
個人的にパブリックフィードは使い勝手が悪く感じていたため、研修でもあまり説明してきませんでしたし、おすすめもしてきませんでした。この機能は SharePoint Online でも利用できていたものの、ついに 2018年6月初旬より読み取り専用に切り替わります。
そもそもこの「フィード」機能が搭載され始めたのは SharePoint 2010からで、当時は社内 SNS は現在ほど注目されていませんでした。ようは、まだ "旬の走り" といったところだったわけです。SharePoint に社内 SNS を盛り込もうという流れはそのまま変わらず SharePoint 2013 ではこの機能を拡大し、「サイトフィード」が追加されます。いずれにしても、文字数制限など考えると社内版 Twitter を意識しているのは明かです。
さて、このパブリックフィード→サイトのフィードという流れですが、何が違うのでしょうか。
パブリックフィードは各ユーザーが持てる「個人用サイト」を起点として、全社向けに意見や情報発信を行います。一方のサイトのフィードは、公開範囲がこじんまりとしており、サイト内のメンバー間でのコミュニケーションに限定されます。つまりは "オープン"と "クローズド" の関係です。こうした性質の違いから、使いやすいのは範囲が限定的な「サイトフィード」であったため、研修やコンサルティングでもこれはお勧めしていました。しかし、なかなか"個人が基軸になって全社向けに発言する" ということに関しては統制等含め課題が山積するため勧めできなかったのです。
そんなこんなしているなか、Office 365 の世界は一変します。2012年、Microsoft 社は皆さんもご存知の "Yammer(ヤマー)" を買収し、Office 365 に標準サービスとして加えます。これまで SharePoint 上で開発を進めてきた企業内SNS は実績の多い Yammer へととってかわっていくわけです。事実、SharePoint 2013 から SharePoint 2016にかけてパブリックフィードもサイトフィードも何のアップデートも在りませんでしたから、これらへの投資は行われず、クラウドを主軸とした仕組みへと投資先が変わってきていることが推測できます(この後、さらに LinkedInを買収しますが)。
こうした流れの中で、しばらくは過渡期的に Office 365 の管理者には組織のコミュニケーション機能を「パブリック フィード」か「Yammer」かの2択から一つ選ばせるようにしてきました。
現在も Yammer ではなく「パブリック フィード」を使っている組織も少なくないでしょう。しかし、2018年6月からはパブリックフィードは読み取り専用に切り替わり、このオプションも削除されます。その代りに "Yammer" もしくはモダンUI対応ページである「ニュースページ」もしくはコミュニケ―ションサイトに切り替えることが推奨されます。
"ニュースページ" については、また別の記事で詳しく説明しようと思います。
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