2018年7月

2018年7月27日 (金)

 2018年7月下旬より SharePoint Online でのサイト作成機能が更新されます。

詳しくは下記の記事を参照してください。

Updates to SharePoint self-service site creation

Empower users to create their own sites and watch their productivity soar. Beginning in late July of 2018, we'll begin rolling out several improvements to the SharePoint site creation experience - to empower more users and provide the right controls to admins. Included in this update are the abili...

さて、この記事の内容をピックアップしておきましょう。ちなみに、今回する新機能により、これまでの SharePoint サイトの運用やサイト設計がまた少し様変わりします(うちのSharePoint 研修の一連のテキストも改訂しないと、、、)。

※ SharePoint Online ではクラシックUI前提の "チームサイト" は "チーム サイト(クラシック表示)" というサイトテンプレート名になっており、モダンUI対応の方は単に "チーム サイト" と呼びます。

 追加される新機能

次の機能が追加されるとのこと。

  • Office 365 グループ作成ができないユーザーでもモダン チーム サイトを作成できるようユーザーに許可する
  • 作成するサイトの既定の言語を選べる
  • ユーザー自身によるサイト作成(サブサイトを含む)を許可または拒否するかを管理者が設定できる

 Office 365 グループ作成ができないユーザーでもモダン チーム サイトを作成できるようユーザーに許可する

 最初からサイト全体がモダンUI対応になっている、いわゆる "モダンSharePointサイト" のテンプレートは "チームサイト" か "コミュニケ―ションサイト" かですが、"チームサイト"の方は必ず Office 365 グループが紐づいていました。しかし、この更新で、Office 365 グループが紐づかない 単独の SharePoint サイトコレクションとして "チームサイト" が作成できるようになります。そのため、Office 365 グループを作らせないようにしていたユーザーでも "チーム サイト" (モダン) は作成できるということですね。

ということで、SharePoint Online の管理センターに次のような設定があります。

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各設定は SharePoint Home からサイト作成させる場合の話で上 2 つが重要です。一番上が既定値で、Office 365 グループを作成できないユーザーの場合はクラシックUIのチームサイト (実質、サイトコレクション) を自分で作成できるよということ。二番目が、グループを作成できるユーザー以外には[サイトの作成]メニューは非表示にするよという設定ですね。

ここが↓のように新しくなるそうです。

NewCreateModernSite

モダンサイトかクラシックサイトかの選択になり、モダンサイトの場合 Office 365 グループ作成権限がなくてもサイトが作れるよということ。こちらの方が分かりやすいですね。

ご存知ない方もいると思いますが、Office 365 に接続されていないクラシックなSharePoint サイトも後から Office 365 グループに接続できます。ですから、今回の措置でもおそらく、あとから Office 365 グループには必要に応じて接続できるのではないかと思います。

ちなみに、特定のユーザーにだけ Office 365 グループに紐づく チームサイトを作成できるよう制限する場合は従来通り Azure AD Premium P1 が必要で、手順も変わらずです。

いつものように最初は対象リリースの顧客にロールアウトが開始され、ワールドワイドでのロールアウト完了は 2018年8月末までを予定。

作成するサイトの既定の言語を選べる

 Office 365 テナントの既定の言語とは異なる言語をサイト作成時に選択できるようになります。

現在は言語が選択できませんが、

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これが選択できるようになる。

SubSIteCreation

 

ユーザー自身によるサイト作成(サブサイトを含む)を許可または拒否するかを管理者が設定できる

現在、サイトの管理者は[サイト コンテンツ]ページからサブサイトが作成できますが、このメニューの表示を制御する設定が SharePoint Online 管理ポータルにあります。

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ただし、これは Office  365 グルーブに接続されているサイトに限った設定です。

新たな設定では次の3つになります。クラシックサイトも対象となるというのが新しい点ですね。

  • サブサイト コマンドを非表示にする
  • クラシック サイトでだけサブサイト コマンドを非表示にする
  • 全てのサイトでサブサイト コマンドを非表示にする

今後 SharePoint サイトの構造は1サイトコレクションに1サイトという構造にして、SharePoint Hub を使って必要に応じて複数のサイトコレクションを集約するアプローチがとれます。関連記事はこちら。現在 SharePoint Hub はプレビューですが、詳しくはまたの機会にあらためて記事にしましょう。

 

harePoint Online のモダン SharePoint サイトである「チーム サイト」をSharePoint Designer 2013 (SPD 2013) で探ってみました。せっかくなのでブログで共有しますが、非常にマニアックなので、気になる方だけどうぞ。

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この新しい方のチーム サイトのテンプレートのIDは STS#3 というもの。クラシックUIのチームサイトは STS#0 なので、サイトテンプレートの名前こそほぼ一緒ですが、IDは異なっているわけです。

そもそも SPD 2013 で接続できるのか、という話ですが、勿論接続できます。

ただ表示されるメニューが少し異なります。何が違うかといえば "マスターページ" のメニューがないこと。下はクラシック チーム サイトに接続した場合です。

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しかし、モダン チーム サイトにアクセスするとこれが非表示になる。

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ちなみに、マスターページがないわけではありません。[すべてのファイル]からたどればマスターページギャラリーにはアクセスできます。サイトの設定ページなどはモダンUIに対応していないため、従来通り seattle.master は参照できないといけませんしね。

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ナビゲーションメニューに[マスタ ページ]がないということは、手軽には ASP.NET で言うところの "コンテンツ ページ" が作れないということです。さて、どうしようか? サイトのページ ライブラリであれば、Webパーツページは作れるはずです。ということで作ってみます。

ビデオの手順でもわかるように、スクリプトエディタWebパーツやコンテンツ エディタWebパーツはありません。モダン チーム サイトは NoScript という設定となっているため、カスタムスクリプトは実行できない。その代り、SharePoint Framework もしくは SharePoint Framework Extensions を使ってスクリプトを使ったカスタマイズをすることになります。

とはいえ、本当にスクリプトは実行できないの? と疑ってみます。作成したWebパーツページにスクリプトを組み込んでみましょう。まずは、"埋め込みコード" を使ってみますが、確かに受け付けません。また SPD 側でソースコードを編集して保存すると、スクリプトを書き込む以前に編集保存を拒まれます。

さて、サイト ページについて確認しておきましょう。サイトページはクラシックのチームサイトでも、SharePoint Online の管理者が許可していれば利用できるので、モダン SharePoint サイトに限った話ではありませんがついでに確認してみましょう。

当然、サイトページのソースコードも SPD を使えば確認できます。中身を見ると下記のようになっており、見慣れた Page ディレクティブ内のマスターページを参照する MasterPageFile 属性はもうありません。

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念のためWikiページと比較しましょう。こちらは次のように Page ディレクティブに MasterPageFile 属性を持っています。

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さらに気になったところとしては「サイトオプション」です。ここはクラシック サイトとはかなり違います。

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モダン SharePoint サイトは Office 365 グループに接続されているからでしょう、GroupId や SiteCoolectionGroupId... といったプロパティがありますね。GroupType が Private とか。ここを見れば、プライベートグループか、パブリックかもわかるのか。

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ということで、色々と違いがあって面白いですね。

 

2018年7月25日 (水)

本日 (2018年7月25日) 、次期オンプレミス版の SharePoint である "SharePoint Server 2019 Privew" がいよいよ利用可能になりました。

Announcing Availability of SharePoint Server 2019 Preview

Bill Baer @williambaer Senior Technical Product Manager, SharePoint "The beginning is the most important part of the work" - Plato. In May at the 2018 SharePoint Conference in Las Vegas we broadly announced our vision, strategy, timeline, and investment areas for SharePoint Server 2019. Today...

SharePoint 2019 は次世代の SharePoint とも呼べるものです。もちろん、ベースは SharePoint 2016 。SharePoint 2016 の時と同様に、SharePoint Online のプラットフォームをコアプラットフォームとしています。ただ、現在の SharePoint Online は SharePoint 2016と比較すると、かなりの機能差があり、もはや別製品であるくらいの違いがみられます。その SharePoint Online の機能をいくつか取り入れるとなると、確かに次世代と呼べるのだろうと思います(SharePoint Online はモダンUI などの投入により、既に次世代と言えます)。

では SharePoint 2019 での 注目の機能について、ピックアップしておきましょう。

モダン ユーザー エクスペリエンス

本ブログでもたびたび取り上げていますが、SharePoint Online では当たり前に利用されるようになってきたモダンUIが満を持してオンプレミスに投入されます! チームサイトはモダン UI に対応するため、従来トップべージに利用されてきた Wikiぺージだけではなくサイト ページが利用できるようになります。これに伴い WebパーツもモダンUI対応のWebパーツになります。

ちなみに、開発者の方は新たなWebパーツ開発に必要な知識としてSharePoint Framework にぜひ取り組んでおきましょう。Webパーツ開発は C# などのサーバーサイドプログラミングではなく、フロントエンド技術を用います。TypeScriptやSass を使ってより効率よくWebパーツ開発できます。SharePoint Framework は SharePoint 2019に対応したというアナウンスはまだですが、既に SharePoint 2016 Feature Pack 2 では対応していますので、時間の問題です。

リストもモダンUIが利用できるようになるため、何度か本ブログでも取り上げている「列の書式」を使ったカスタマイズも可能です。

ライブラリもモダンUIが利用できます。

その他、SharePoint モバイルも利用できるようになるようですね。現在 SharePoint モバイルでは、SharePoint Online にアクセスして各コンテンツを利用できるようになっていますが、これがオンプレミス版にも対応するとなると、たとえばモバイル端末上でニュース記事(お知らせに代わるもの)を手軽に読め、さらに[後で読む]機能などもあるためこうした環境が整えば、かなり利便性がよくなると思われます。

ファイル共有

アップロードできるファイルサイズの上限が 250MB までだったものが、SharePoint Online と同じく 15GB までに上がります。またファイルやフォルダ名も SharePoint Onlineと同様に、 # や % もサポートされます。アプリ開発に使われるファイルなどにこうした文字が含まれることがありますが、こうしたファイルもSharePoint や OneDrive に格納できるようになります。

URLパスの長さも260から400まで(ユニコード単位) 拡大されます。

入手方法

本日から Microsoft Download Center からダウンロードできます。フィードバックは SharePoint Server 2019 Preview Forum まで。他にも SharePoint Server Suggestion Box へ機能などの提言も受け付けるとのこと。

その他資料は以下の通り。

インスト―ル手順はざっと見てみましたが、従来と変わりません。また必要なスペックもさほど変わっていないようです。サポートする SQL Server は SQL Server 2016 と SQL Server 2017 の Windows 版のみ。OSは Windows Server 2016 もしくは Windows Server 2019 Preview (LTSC)。

正式リリースの時期は?

正式リリースの時期は 2018年下半期を予定しているとのこと。例年だと、9月に Microsoft Ignite で大々的に発表されます。今年も 9月末に Microsoft Ignite 2018 カンファレンスがU.S オーランドで開催される予定であるため、このタイミングもしくは前後で正式にアナウンスされるのではないかと思います。

 

2018年7月24日 (火)

Office 365 を利用していて、高度な開発やカスタマイズを行うのに知っておきたい Azure Functions 。

学習に向けてよさそうな資料が無料配布されているのをつい最近知りました。

 

Azure Serverless Computing Cookbook

Spend more time building great apps and less time managing server infrastructure. Get your solutions to market faster using Azure Functions, a fully managed compute platform for processing data, integrating systems, and building simple APIs and microservices. In this e-book you'll find use cas…

 

さて、ぼちぼち勉強していくかな。

2018年7月23日 (月)

モダンUIになっているサイトのサイドリンクバーは[編集]をクリックすれば、素早くナビゲーションが編集できます。音声はありませんが、基本操作を動画にしてみました。ちなみに、このサイトは Office 365 グループに接続されている SharePoint サイトであるため URL 以外にも会話や Microsoft Planner, 予定表などのリンクも生成できるようになっています。

SharePoint Server 発行インフラストラクチャーがアクティブ化されている場合

上記のサイトはサイトコレクションのフィーチャー(拡張機能)の一つである「SharePoint Server 発行インフラストラクチャー」機能がアクティブ化されていない場合の例です。モダンUIでは、この機能がサポートされません。SharePoint Onlineでは新しいページ発行の仕組みに置き換えているところであり、この仕組みはもやは古びれてしまっている。そもそも、この古い仕組みの元となっている機能は Content Management Server 2002 当たりから引き継がれているものです。さすがにアーキテクチャーが約20年前となってきており、モダンUIでは互換性は重視していないということです。家で例えるならもう住み替え時なのです。

しかし、私が利用してきたサイトコレクションもこの機能をアクティブ化することを前提にしてきているため、非アクティブ化することでどういった問題が発生するか影響を確認する時間も十分にとれない。。。。となれば、この設定はアクティブなまま、たとえサポートされなくても、一部の画面はモダンUIにしていこう。サイトコンテンツを新しいサイトに移行するのも簡単ではないし。ということで、既存サイトの一部の設定をモダンUIになるように構成しなおしながら、利用するというジレンマが生まれます。

すると、ナビゲーション設定はどうなるでしょぅ? 本来モダンUIになっているサイトではサイドリンクバーは手軽に編集できますが、既存サイトに関してはナビゲーション部分は従来通り設定する必要があります。つまりあまり直感的には操作できません。サイドリンクバーを[編集]メニューから編集しようとすると、「ナビゲーションの設定」ページに遷移します。この画面で「構造ナビゲーション」を変更します。

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しかし、上記の動画と同じように "サブリンク" を作成できるものの階層としては見出しとその直下のみで、2段階までしか設定できません。これより階層を深くしようとすると管理ナビゲーションが必要になりますが、途端に設定するためのハードルが上がります。ちなみにモダンUIでは「最近使った項目」は非表示になりました。

ですが、モダンUIにはまだない良い点としては「対象ユーザー」が指定できるところでしょう。特定のグループメンバーにしかリンクを表示しないという設定はモダンUIでのナビゲーション編集にはない機能です。

ということで、既存サイトをモダンUI化することはできるにはできますが、最初からモダンUIになっているサイトと比較すると操作性や機能性に差があり、どちらにも一長一短があります。