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2026年7月31日 (金)

Copilot in SharePoint の2026年7月のアップデート情報が公開されています。

What’s New in Copilot in SharePoint: July 2026 | Microsoft Community Hub

よく読みこみ、これまでの経緯なども知らないと読み取れないところもあるため、補足しながら説明していきます。

量が多く、長くなるので、お手すきの時に読み進めてください。

自然言語を使ってコンテンツを作成する

Copilot に依頼することでSharePoint 内のコンテンツから Word ドキュメント、Excel ワークブック、PowerPoint スライドを直接作成できるようになりました。

これによりサイト内にあるナレッジをコピー&ペーストすることなく数分で共有できる状態に仕上げられます。たとえば、プログラムマネージャーはプロジェクトサイトのメモをリーダーシップレビュー前に最初のトラフト状態のスライドとして作成できるようになりました。

実際に手元の環境で再現しました。次のようなプロジェクト情報をまとめたサイトを作成しています。

このサイトの情報をもとに経営層向けのスライドを作成するようにプロンプトで指示します。

次のビデオでわかるようにCopilot はプロンプトの指示に従い、サイト内の情報からスライドを作成します。スライド内ではタスク数が "11" となっていますが、タスク一覧にある完了件数である “4” と、SharePoint ページに記載しているマイルストーン表の完了件数の “7” を加えて集計していることがわかります。またWordファイルの議事録内容からもきちんと情報が取得できています。

インタラクティブなHTMLレポートを作成する

SharePoint に格納されているコンテンツからインタラクティブなHTMLレポートを生成できます。ちょっとしたものであれば Power BI を使わなくても ExcelまたはSharePointリスト と SharePoint のHTMLレポート作成機能で対応できそうです。ちなみに、これまでも HTMLファイルは SharePoint のドキュメント ライブラリにアップロードはできましたが、ブラウザー上で直接見ることはできず、ブラウザーで見るようにするためにはカスタムスクリプトの実行の有効化が必要でしたが、今回の機能はそういった設定は不要で SharePoint にビルトインのビューアーで表示できます。

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ここでも実際に試しています。次のようなExcelファイルを用意し SharePoint サイトに格納しました。

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このファイルをもとに次のプロンプトでHTMLページを作成します。

このファイル内の今四半期の売上実績データ [ 売上サンプルデータ.xlsx ] を使って、インタラクティブなダッシュボードを作成してください。
含める内容:
・総売上
・目標達成率
・実績が最も高い地域/最も低い地域
・売上の時系列推移(月別トレンド)
地域・製品で絞り込めるフィルターを追加し、経営層向けのレビューに使える見た目・構成にしてください。

これでドキュメントライブラリにインタラクティブなHTMLが生成できます。実際の操作ビデオはX(旧Twitter)で共有しているので、下記に貼っておきます。

ファイルやフォルダーの整理

ドキュメント ライブラリ内のファイルをチャットのやり取りから整理できるようになります。もともと、OneDrive に投入予定の機能でしたが、SharePoint のドキュメント ライブラリに実装されたようです。

フォルダー構造の功罪

弊社ではSharePoint サイトのドキュメントライブラリは、"なるべくなら" フォルダーのみでのファイル整理は避けた方がいいというアドバイスを常々しています。フォルダーを作る前に複数のライブラリに分けること。そのうえで、メタデータを設定して、グループ化表示で対応できるかどうか。うまくいかないようなら、フォルダーを作成するが1階層から2階層程度までといった具合です。

とはいえ、Teamsに接続されている SharePoint のチームサイトなどは既定では1つのドキュメントライブラリのみがTeams のチームに紐づくようになっているため、ファイルの仕分けはどうしても1ライブラリ内でフォルダーを使うことになりがちです。そうした場合に、ファイルを整理するのにはこの機能は使えそうです。

ただ、すでに大量にファイルが格納されている場合は、これらを新しいフォルダー構成に移動することになるため、決まった格納場所を覚えているユーザーにとっては探しにくくなる可能性が高くなります。むろん、検索機能などを使えば見つけられはしますが、こうした整理はちらかり始めた初期の段階で取り組んでいくのがよさそうです。

OneDrive 内でのフォルダー整理機能が未実装な理由を考察する

現在、OneDrive 内ではCopilot を使ったフォルダーの整理はできません。未サポートです。
それでも実際にOneDrive内で Copilot によるフォルダー整理を無理やり試すと、フォルダーの構成案を考えて作成までできますが、肝心な移動は日本語フォルダー名だとうまくいかなかったり大量のファイルがあると少しずつしか移動できないなど、問題が見つかります。もちろん、もともと未サポートですから運用環境では試さないようにしてください。

しかし、そもそもOneDrive に先に追加される予定の機能が未実装なのはなぜか? という疑問が残ります。

ここからは憶測です。OneDrive の場合は様々なアプリやPower Automate フローなどが決まったフォルダーを作成してそこに成果物を作成するようになっています。Loop, Whiteboard, Copilot Cowork のスキルなどもそうです。そのため、チャットによりフォルダー階層を変更する場合、これらのアプリが影響を受ける可能性があるため、そこが課題になっているのではないかと考えています。

ファイル共有

Copilot チャットから特定のファイルを特定のユーザーと共有できます。

作成するリンクは共有リンクではなく、固有のアクセス権を付与してURLを共有します。

承認の構成

Copilot にライブラリに対して承認を構成するよう依頼できます。ビューの作成も依頼できるので、レビュー段階に応じたトラッキング用のビューなども手軽に作成できます。また、承認期限の切れたコンテンツや次の対処に関する提案なども依頼できます。

次のビデオでは、承認の構成を行った後、ビデオ内では省略していますが、承認や却下をいくつかのファイルに対して行っています。その後、次のプロンプトを指定しています。

承認期限を過ぎた案件や、レビュー・承認が途中で止まっている案件を強調表示し、対応策を提案してください。

ルールやクイックステップの作成

Copilot に指示することで、コンテンツやメタデータが変更された際にシンプルなメールを送信するルールを作成できます。

ただし、あくまでも指定できるのは SharePoint のビルトインの機能を使える範囲です。

例えば、ルールの場合、「レビュー日の5日前にファイルの所有者にリマンドメールを送信して」とは指示できますが「5営業日前」までに送る指定はできません。また、送信先は「ルール」ではファイルの「登録者」や「更新者」などのシステム列は指定できないため、基本的には固定のメールアドレスを利用するか、別途、「ユーザーとグループ」列を使って新規に「ドキュメントの所有者」列などを指定しておき、この列をメール送信先に使う必要があります。

Copilot in SharePoint を使ってルールを作成する

Copilot in SharePoint を使ってクイックステップ列を追加する

スキルの作成と利用

現在、SharePoint には複数のビルトインのスキルが用意されています。カスタムスキルを作る create-skills や SharePoint.md を作る init 、ルールやクイックステップ及び承認の構成などをする automateなどいくつかあります。複数のスキルを組み合わせた Plan をすれば、複数のスキルを連続的に呼び出して複雑な処理を行うオーケストレーションも可能になっています。

ここで、サイトのビルトインのスキルについて補足しておきましょう。

SharePoint には次のビルトインのスキルが用意されています。これは /Skills コマンドを実行すると確認できます。

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各ビルトインのスキルは次の通りです。

 Built-in Skills

Skill 説明
automation

Quick Steps、Approvals、Workflows、Rules、Audits に関する要求を処理します。

自動化の検討、適切な仕組みの選択、通知、承認、ワンクリック操作、定期実行やイベントを契機とした処理、ルールやワークフローのレビューに利用します。

自動処理には Workflows を優先して使用し、Rules の利用は最後の選択肢としてください。

check-skills

スキル管理と品質評価を担当するスキルです。

サイト内のスキルを分析し、スキル選択の適切性、プロンプトや説明文によるトークン使用量、リンク切れや無効な参照、ツール名の不整合、重複スキル、類似した目的を持つスキルを検出してレポートします。

スキル ライブラリの棚卸し、重複排除、統合候補の検討、運用品質や信頼性の評価に利用できます。

分析結果の報告のみを行い、スキルの変更や削除は実施しません。

create-skill ユーザーが、手順、フォーマット、または定型的な作業パターンを新しいスキルとして登録したい場合に使用します。
init

SHAREPOINT.md の作成・更新を支援するスキルです。

サイト内のライブラリ、リスト、ページ、およびサイトの用途を分析し、エージェントが利用するサイト コンテキスト ファイル (SHAREPOINT.md) を生成または更新します。サイトの初期導入時や情報構造の変更後に利用できます。

SharePoint.md ファイルの作成と更新 (init)

対話によってサイトのスキル(SharePoint.md)を作成する際に、利用されます。サイトのエージェント アセットライブラリに既存の SharePoint.md があれば更新し、なければ新規に作成します。

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SharePoint.md は、サイトごとに用意する「Copilot 向けの説明書」です。Copilot がこのサイトで回答したり、ページや資料の作成を手伝ったりするときに、サイトの目的・用語・判断基準を理解するために参照します。

ポイントは、人が知っている前提や運用ルールを書くことです。なるべくフォルダーは使わわず、メタデータを利用することとか、どういうファイルをどのライブラリにしまうのかといったルールも書けます。これに従って Copilotはライブラリ構成やファイル管理の仕組みを考えてくれます。また、コーポレートカラーの指定しておけば、インタラクティブHTMLなどを生成するときのペースカラーとして使ってくれます。

Skill.md との違い

SharePoint.md は「このサイトについて知っておくべきこと」を書く場所で、Skill.md は「特定の作業をどう進めるか」を書く場所です。

両方がある場合は、まず SharePoint.md でサイト全体の前提を理解し、そのうえで必要な作業に対応する Skill.md を読み込む、という順番で考えると自然です。つまり、SharePoint.md が「このサイトでは何を大切にするか」を先に決め、Skill.md が「その前提でどう作業するか」を具体化します。

SharePoint.md は基本的にサイトに1つです。一方で Skill.md はタスクごとに複数作成できます。たとえば、提案書作成用、FAQ作成用、レビュー用、ページ作成用のように、作業の種類ごとに分けておくと使いやすくなります。

項目 SharePoint.md Skill.md
役割 サイトの前提・目的・用語・判断基準を伝える 作業手順や振る舞いを定義する
対象 サイト全体 特定のタスクや業務フロー
正式情報の場所、命名規則、コーポレートカラーの使いどころ 提案書を作る手順、レビュー観点、出力形式
更新タイミング サイトの目的や運用ルールが変わったとき 作業プロセスや成果物の作り方が変わったとき

迷ったときは、知識なら SharePoint.md、手順なら Skill.md と考えるとわかりやすいでしょう。

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サイトのエージェント アセットライブラリ

SharePoint.md を作成するには、最初にサイトコレクションの機能の「エージェントのアセットライブラリ」のアクティブ化が必要です。これを行っていないと、カスタムスキルを格納するエージェント アセットライブラリが作られません。

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エージェント アセットライブラリは次のように Skills と Plans フォルダーか用意されています。SharePoint.mdは既定では作成されませんが、作成するとエージェント アセット ライブラリの直下に SharePoint.mdは作成されます。

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フォルダーの内容は次の通りです。

フォルダー 格納される内容 役割
Skills SKILL.md 個別の再利用可能な処理単位(1つのタスクの手順)
Plans オーケストレーション定義 複数の Skill やステップを組み合わせたワークフロー定義

スキルの作成 (create-skills)

スキル作成を依頼すると create-skills によってカスタム スキル(Skill.md) が作成されます。

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スキルの品質を監視する (check-skills)

公式ドキュメントにはまだ情報がないのですが、直接、Copilot in SharePoint で確認すると以下の通りだそう。

check-skills は、サイト内のスキル品質を監査するためのビルトインスキルです。

主に確認する内容は次の4つです。

  • 選択されやすさ: 具体的な利用例・トリガー文があるか
  • サイズ: SKILL.md が大きすぎないか
  • リンク切れ: references/ などの参照ファイルが存在するか
  • ツール指定: 手順内で使うツール名が明確か

さらに、複数スキルの役割が重複していないかも確認します。要するに、スキルが「ちゃんと呼ばれる・壊れない・運用しやすい」状態かを点検するものです。

通常はCopilot が必要に応じて内部的に使うけれど、明示的に呼ぶのは、たとえば「このサイトのスキルを監査して」「check-skills を実行して」のように依頼したい時だけです。

よりクリアで信頼できるチャット エクスペリエンス

2026年7月の更新では、回答の読みやすさ・検証しやすさ・信頼性が向上しています。

  • 引用がより簡潔で、クリックして元情報を確認できます。
  • チャットに秘密度ラベルが表示され、過度な共有を防ぎます。
  • リンクが正しく整形され、すべてクリック可能になりました。
  • 推論モデルでは、回答に至る思考過程(チェーン・オブ・ソート)を表示できます。

信頼できるという意味では、これまでよりもより賢く振る舞うようになっています。たとえば、ファイルの本文まはたメタデータに「下書き」や「承認済み」が含まれていた場合でそれぞれに書かれている製品の価格が異なっていたとします。この時、優先するのは「承認済み」と書かれているドキュメントであり、単に金額を示すだけでなく、根拠として承認済みと書かれていたためという引用まで記載してくれます。

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そのためこうした情報の正確さを図れるようなステータスなど指標があれば、内容の異なる複数のファイルを一覧して、比較することもできます。

Copilot ボタンで素早く始める

1-click Q&A

SharePoint サイト内に表示される Copilot ボタンから素早く質問ができるようになっています。質問するのにフルペインを表示する必要がありません。

Helpful nudges

Agent Builder や Copilot Studio ではおなじみのスタータープロンプト(推奨プロンプト)がCopilot ボタンに表示されるようになったため、Copilot in SharePoint を初めて使う今アクセスしているページやリスト, ライブラリなどで行える操作をイメージしやすくなっています。

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--about コマンド

現在使っているAIモデルとそのバージョンを確認できます。

右のスクリーンショットでは、2026年7月31日時点では、AIモデルが GPT-5.5 reasoning モデルであることがわかります。

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管理者とサイト所有者のために

現在 Copilot in SharePoint は ワンモデル プロバイダー(One model provider) となっています。以前の AI in SharePoint は Claude ベースであり、Claude が利用できない組織では GPT にフォールバックすることもありました。ですが、現在は、最新の OpenAIモデル上で動作しており、モデルのフォールバックはありません。

これにより高品質な回答が得られ、また管理も容易になったということです。

またCopilot ボタンはサイトごとに表示・非表示できるようになっています。これはサイトの歯車アイコンから 「サイトAI」 にアクセスすることでトグルメニューから切り替えられます。

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最後に

以上が、2026年7月の Copilot in SharePoint に関する最新情報でした。

現在、SharePoint では以前から利用できているオートフィル列は非常に高速に処理できるようになっており、ドキュメントからメタデータを素早く抽出できるようになっています。またリストやライブラリも Copilot に作成してもらえます。

SharePoint のサイトの設計を効率よく行い、基本操作を知っていれば、自分で操作しなくても Copilot と相談しながら作業も依頼できますし、ドキュメントも生成してくれます。しかも、既存の SharePoint サイト内のコンテンツを使い Work IQの恩恵も受けつつです。

やりたいことはあるけど、操作は外注に依頼するというようなスタイルはもはや成り立たず、自分たちの業務にフィットする形を Copilot とともに自分たちで作り上げて時代になりました。とはいえ、Copilot も全知全能では当然なく、ときには適さない提案をしてくることもあります。そこは人が介入して、「そうではない、こうしたほうがいいと思う」というディスカッションを重ねていく必要があります。引き続き SharePoint の基本機能やよりよいサイト設計のありようをしっかりと把握したうえでデータ基盤を整えていく必要はあります。新機能をキャッチアップするといった「製品学習」は必要です。

しかし、これらがそろえば、実現したいことに思考を集中できるというのは非常にありがたく、生産性は非常に向上するといえます。うまく活用したいですね。

2026年7月 3日 (金)

Microsoft_365_sharepoint_no3

2026年6月30日に Microsoft 365 SharePoint 勉強会を行いました。

Microsoft 365 SharePoint 勉強会 #3 - connpass

1時間ほどのセミナー形式であるため、デモを中心に SharePoint の最近のアップデートから厳選して興味深いものなどを選びました。特に Copilot in SharePoint は進化のスピードが目覚ましく、この部分に興味を持った方が多かった印象です。

あとは、管理面ではファイルレベルでのアーカイブ機能やファイルレベルでのバックアップからの復元なども比較的関心が高かったようです。

X(旧twitter)における「SharePoint はファイルサーバーではない」という議論について

当勉強会では冒頭付近で、これまでも常に同じ論調で話をしてきているんですが単に「SharePoint をファイルサーバーとはとらえないでほしい」という趣旨で「SharePoint はファイルサーバーではない」という話をしています。ただ、この部分のみが X で独り歩きして、一部においてはネガティブな意見に取られてしまったようです。ただ、録画を見ていただくとわかりますが、コンテンツ管理システムとして捉えてほしいし、そもそもコンテンツ管理システムってなんだろう?というところに興味を持ってほしいという趣旨で説明していますので、その点はご承知おきください。

次回以降について

不定期ですが、今のところ、また開催していこうとは思っておりますので、時間のご都合が合えば、ぜひリアルタイムでご参加ください。

録画


YouTube: 第3回 Microsoft 365 SharePoint 勉強会の録画公開: 25周年を迎えた SharePoint の最新情報を整理しよう

スライド

スライドにはいくらか情報を追記しています。

2026年6月27日 (土)

Microsoft Purviewでは、データ損失防止(DLP) の制御を Microsoft 365 Copilot と Copilot チャットに広げ、AIが生成した応答に影響を与える外部ソースのコンテンツがもたらす可能性のあるプロンプトインジェクションのリスクを低減させます。

今回ロールアウトされる新機能ではCopilot がプロンプト処理中に外部送信者からの電子メールをグラウンディングデータとして利用できないよう管理者が除外できるようになります。

この機能を有効化すると、Copilot は既存のライセンスおよびポリシー管理に従って、信頼できる Microsoft 365 内部のデータソースだけを用いて応答を続けるようになります。

📅ロールアウト

  • パブリックプレビュー:2026年6月初旬~下旬
  • GA: 2027年1月下旬から12月下旬

適用対象

Microsoft 365 Copilot (プレミアム)または Chopilot チャットを使っている組織

構成

Microsoft Purview 管理ポータルから、データ損失ポリシーを作成する際に場所として「Microsoft 365 Copilot および Copilot Chat」を選択します。既定ではすべてのユーザーとグループが対象となるため、必要に応じて適用範囲を変更します。

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ルールを作成する際に、条件としては「電子メールの受信元」選択すると「組織外のユーザーが項目として表示されます。操作で「処理の追加」を選択すると、"Copilot によるコンテンツの処理を制限する" が選択肢に表示されるためこれを選びます。「ナレッジソースにアクセスしています」を選択します。これでブロックされるようになります。

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これで組織の許可ドメイン外の送信者からメールを受信したことをポリシーが検知すると Copilot はそのメールをグラウンディング・要約・引用から除外するようになります。なお、このポリシーで評価するのは電子メールのメタデータだけです。送信者のドメインをテナントで許可しているドメインと比較します。メールの本文が調査されるわけではありません。

ちなみに許可されたドメインとは、Exchagne 管理センターの「メールフロー」>「承認済みドメイン」に表示されるドメインです。

参考

Microsoft Purview DLP for Microsoft 365 Copilot and Copilot Chat | Microsoft Learn

2026年6月17日 (水)

Microsoft の CEO のSatya Nadella氏が X(旧Twitter)に興味深い記事を投稿されているので、少し解釈の補足も加えながら翻訳したものを置いておきます。

[引用元] XユーザーのSatya Nadellaさん: 「A frontier without an ecosystem is not stable」 / X

エコシステムを伴わないフロンティアは持続しない

私は AIドリブンな経済の中で企業の将来について実に多くのことを考え続けてきました。

この変革はこれまでのあらゆるプラットフォームのシフトとは異なります。過去、我々はデジタルシステムを用いて人の能力や価値を高めてきました。しかし、人とデジタルシステムが互いに学習しあい、認知を循環的に高め続ける「真の認知ループ」が本当に実現したのは今回が初めてです。このことは非常に衝撃的なものです。私たちが組織内における"仕事"というものをどうとらえるのかという、その概念そのものが変わるからです。

この変化の中で、真に問われているのは、デジタルツールやシステムの使い方ではありません。重要なのは、AIモデルが人や組織の専門性を吸収しつづけコモディティ化する世界において、組織がどう学び、知識財産を築き、差別化し、生き残っていくかという点です。

あらゆる企業は、私が人的資本(human capital)とトークン資本(token capital)と呼んでいるその2つの資本を築いていく必要があります。人的資本はその人の持つ知識、判断力、関係性、創意工夫やパターン認識で構成されます。一方でトークン資本はその組織が構築し所有するAI能力(つまり、モデルが吸収した組織の専門性)そのものです。

重要なのは、人的資本はトークン資本のようにコモディティ化して価値が薄まることはないという点です。人的資本は積み上げるほどに、独自性と価値が高まり、より価値のあるものにしかなり得ません。私は、人のエージェンシー(agency: 主体的な判断や行動)こそがトークン資本を成長させるドライバー(原動力)だと信じています。人は、大きな目標を掲げ、領域をまたいで点と点をつなぎ、関係を築き、何が本質的なパターン(意味のある兆しや構造)なのかを見極めます。人による指示がなければ、計算は堂々巡りになってしまいます。

本当の価値は、最良のモデルを選ぶことではなく、モデル上に人的資本とトークン資本が複利的に積みあがる学習ループを構築することにあります。皆さんは、仕事から離れたり、仕事を辞めることができますが、学びをやめることはできません。企業の未来は、人とAIの双方で学びを循環させ、その学びを組織全体にわたって複利的に増大させていく能力にかかっています。

これからの企業に必要なのは、新しい「構造的なアプローチ」です。それは企業は自社の知的財産をしっかりと守りながら、人とAIとが主体的に学びあい、絶えず進化を続けるシステム(エージェンティックなシステム)を構築することです。企業は、汎用モデルを入れ替えてでも、自社の学習システムに組み込まれた"ベテラン社員のような"専門性を失わないようにするべきです。

これは、これからの時代において、企業がどれだけ自社の"制御力"と"主権(独立性)"を保てるかを試す重要な局面です。

組織は自身のもつ業務フロー、組織に特化した知識、長年の経験から培ってきた判断力をAIシステムに置き換え、使うたびに性能が上がっていくAIシステムへと転換していく必要があります。企業内部の評価では、モデルが自社のビジネスにとっての重要な成果に対して、モデルが本当に改善しているのかを捉えるべきです(単なる外部のベンチマークではなく)。企業内部の強化学習環境は、社内の実際の業務データ(トレース)を使って、モデルを強化していくべきです。組織内に蓄積されてきた知見(institutional memory)がナレッジベース化されることで検索できるようになり、結果的にトークンの消費も節約できるようになります。

この学習ループは、企業にとって新しい知的財産になります。私はこれを「丘に登り続ける機械」のようなものだと考えています。そして、多くの資産とは異なり、このループは複利的に積みあがっていきます。業務フローが改善されるたびに、よりよいトレーニング信号が生まれ、それが企業固有の暗黙知の蓄積を加速します。これを早期に構築した企業は、どれほど新しいモデルが登場しても、他が簡単にはまねできないような優位性を持つことになります。

私たちが最も望まないのは、あらゆる業界の企業が、目にするすべてのものを飲み込む少数のモデルに価値を明け渡してしまうような世界です。もし、価値がほんの一握りのモデルに集中するなら、政治経済はそれを容認しません。産業全体を空洞化させるようなAIの未来に、社会的な許容は存在しないのです。

グローバル化の初期に何が起きたのかを思い出してみてください。アウトソーシングによって、産業経済が丸ごと空洞化しました。GDPの数字は表面上はよく見えても、雇用の喪失は現実であり、その影響はいまも続いています。私たちは、その構造をAI時代に持ち込むべきではありません。少数のAIシステムが経済的リターンを独占し、その一方で産業全体の知識が足元からコモディティ化されてしまうような未来を再び招いてはならないのです。

私の見解では、私たちが優先すべきなのは、単なるフロンティアモデルではなく、フロンティアエコシステムを構築することです。そうすることで価値があらゆる企業、産業、国へと広く行き渡るようになります。そこでは、すべての組織が自らの学習ループを持ち、その組織に蓄積された知見(institutional knowledge)をコード化し、人的資本とトークン資本が複利的に積みあがっていく仕組みを自分たちで所有できるようになるのです。

これは私の信条です。プラットフォームは内部で取り込む以上の価値を、その上に生み出せるものであるべきで、そしてすべての企業が継続的にイノベーションを起こし、自分たち自身で価値を築いていけるような世界であるべきだという考え方です。

それが実現すれば、企業は自社のためにも、周辺を取り巻く経済のためにも価値を生み出せるようになります。従業員は自らの専門性がAIによって拡張され、誰もが同じように判断できるようになり、その判断が組織全体に広がることを目にするでしょう。そしてその利益は企業や周辺のコミュニティに蓄積されていきます。

これこそが、企業が自社とより広い経済に価値をもたらす方法です。そしてそれが、私たちがともに築くべき安定した均衡状態なのです。

以下は、上記の内容をもとにChatGPTにインフォグラフィックを作ってもらいました。ご参考まで。

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2026年6月 1日 (月)

2026年3月頃から Microsoft 365 Copilot に関して新しいラベルが登場しています。特に、アドオンライセンスとして提供されてきた Microsoft 365 Copilot ですが、2026年5月1日より Microsoft 365 E7 が登場することで、アドオンではなく標準ライセンスに含まれるようになります。つまりアドオンとは限らなくなりました。

そこで、従来のアドオンライセンスにあたるライセンスを保持している場合は、容易に区別できるように M365 Copilot (Premium) という表記が使われるようになってきています。一方で、Copilot Chat までしか利用できない Microsoft 365 ユーザーは、条件により M365 Copilot (Basic) または Copilot Chat (Basic) と表示されます。単に表示上の話だけでなく機能差もあります。

  • M365 Copilot (Premium)
  • M365 Copilot (Basic)
  • Copilot Chat (Basic)

違いを見極めるポイントは、Word/Excel/PowerPoint/OneNote 内で Copilot Chat が使えるかどうか(=アプリ内の Copilot Chat が利用可能か)です。

なお、この記事は2026年6月1日現在のものであり、今後、変更される可能性があります。必ず公式情報で確認するようにしてください。

M365 Copilot (Premium) とは

Microsoft 365 E3/E5/Business Standard/Business Premium などのライセンスを持っているユーザーが追加で購入できる有料のアドオンライセンス、もしくは Microsoft 365 E7 のライセンスがあればこの機能は含まれています。

Work IQ などの Microsoft 365 Copilot のフル機能が利用できます。

  • Microsoft Graph 上の組織データを横断的に参照(メール、予定表、Teams チャット、会議録画、SharePoint/OneDrive のファイル など)
  • Work IQ を利用可能
  • Researcher/Analyst エージェントを利用可能
  • 最新モデルへの優先アクセス、高速応答、ピーク時の安定性の保証
  • Word / Excel / PowerPoint / Outlook / Teams / OneNote では、AI が統合された体験

M365 Copilot (Basic) とは

M365 Copilot (Basic) は、Copilot Chat を利用できる状態を示す表示ラベルのひとつです。

主に、Word/Excel/PowerPoint/OneNote 内でも Copilot Chat が利用できる状態のときに、この表記になります(標準アクセス)。

Copilot Chat (Basic) とは

Copilot Chat (Basic) も、Copilot Chat を利用できる状態を示す表示ラベルです。主に、Word/Excel/PowerPoint/OneNote 内の Copilot Chat が利用できない状態のときに、この表記になります。

たとえば、Microsoft 365 Copilot ライセンスを追加できないMicrosoft 365 E5 Developer 環境(例:ライセンス数 25)では Copilot Chat (Basic) 表記になることがあります。また、2,000 シートを超える企業テナントで Microsoft 365 Copilot ライセンスを持っていないユーザーも、同様にこの表記になるケースがあります。

Basic 表示のときに使える範囲(表記が分かれる基準)

項目 Copilot Chat (Basic) M365 Copilot (Basic)
表示される条件 Word/Excel/PowerPoint/OneNote 内の Copilot Chat が利用できない Word/Excel/PowerPoint/OneNote 内の Copilot Chat が利用できる
条件の例 Microsoft 365 E5 Developer 環境/2,000 シート超の企業テナントで Copilot ライセンスなし 2,000 シート未満の商用テナントで Microsoft 365 Copilot のライセンスなし
Word/Excel/PowerPoint/OneNote 内の Copilot チャット 利用不可(または制限あり) 利用可(標準アクセス
※優先アクセスはできず、パフォーマンスの保証はありません
Copilot Chat アプリ 利用可 利用可
Outlook 内の Copilot Chat 利用可 利用可
組織データ(Work IQ など) 利用不可(Microsoft 365 Copilot ライセンスがないため) 利用不可(Microsoft 365 Copilot ライセンスがないため)