2008年9月

2008年9月30日 (火)

前回に引き続きご紹介するのは、コンテンツ DB に関するものです。既定では新規にWebアプリケーションを作成する時に対応するコンテンツDBを1つ作成することになります。つまり、1 Web アプリケーションあたり1コンテンツDBという対応付けになるわけですが、コンテンツDBはより細分化でき、サイトコレクション単位でコンテンツDBを持たせることができるようになっています。このようにコンテンツDBを細分化できることを知っていると、データベースのバックアップ計画を立てる際に役立ちます。なお、コンテンツDBはサイトコレクションより細かい単位での分割はできません。

新たにコンテンツDBを追加して、既存のサイトコレクションを移動する手順は以前の記事でご紹介しました(前回の記事はこちら)。

今回は、stsadm.exe を使った別のアプローチをご紹介します。

◆新たに作成するサイトコレクションを新しいコンテンツDBに作成する

構文は次の通りです。

stsadm -o createsiteinnewdb -   -url <新しく作成するサイトコレクションのURL>  -owneremail <サイトコレクションの所有者の電子メールアドレス>

コマンドラインの詳細は次のサイトを参照してください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262407.aspx

◆ 既存のコンテンツDBを新しいコンテンツDBに移動する

このコマンドはSharePoint Server 2007 SP1 から提供されるようになったものです。構文は次の通りです。

stsadm -o mergecontentdbs   -url <URL 名>   -sourcedatabasename <移動元のデータベース名>   -destinationdatabasename <移動先のデータベース名>

コマンドラインの詳細は次のサイトを参照してください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262923.aspx

以上が stsadm.exe についてバックアップと復元などの基本機能以外で知っておくとよいと思われた機能です。次回の記事では、これまでの記事でご紹介した stsadm.exe を利用した例をまとめておきたいと思います。

2008年9月25日 (木)

stsadm.exe は SharePoint では欠かせないコマンドラインベースの管理ツールです。意外とご存じない方が多いのですが、SharePoint Server 2007 では、このコマンドラインは独自に拡張できるようになっています。以前のバージョンではこれができませんでした。どのように機能拡張ができるかは、今後別の投稿でご紹介する予定ですが、こうした仕組みにより、たとえば、SharePoint Server 2007 の SP1 をインストールすると stsadm.exe のコマンドライン オプションが新たに追加されていたりします。

stsadm.exe についてはたくさんのコマンドラインオプションがありますので、知っていると便利そうな機能をいくつか回を分けてご紹介してみたいと思います。今回ご紹介するのは以下のもので、これは SharePoint Server 2007 SP1 からの機能です。

サイト コレクションに制限を設定して、特定の組織単位 (OU) のユーザーに対してのみアクセスを許可する」

サイトの管理者は AD 上のユーザーやグループを自由に追加でき、追加されたユーザーはサイトコレクションごとに管理されます。つまりサイトコレクションを分けて管理をしていたとしても、同一ユーザーを複数のサイトコレクションに追加できることとなるため、サイトコレクションごとに管理対象となるユーザーを厳密に分離することはできません。しかし、こうしたニーズがある場合、stsadm.exe に新たに追加された機能を用いることで、指定したOUに所属するユーザーのみを特定のサイトコレクションに限定することが可能となります。

実行するコマンドラインの基本構文は次の通りです。

stsadm.exe –o setsiteuseraccountdirectorypath –url site collection url -path OU path

詳細は次のサポート技術文書にあります。
http://support.microsoft.com/kb/943100/ja

たとえば SharePoint サイトにユーザーを新規に追加しようとする場合、こうした制限を設けておくと、指定しているのOUのユーザーのみが検索結果に表示されるようになります。

2008年9月16日 (火)

業務提携のご案内

この度、弊社オフィスアイ株式会社と AvePoint Japan 社と協業することとなりましたので、こちらのブログでもご案内いたします。

[オフィスアイ株式会社] http://www.office-i-corp.jp/
[AvePoint Japan社] http://www.avepoint.co.jp/news/2008/09/08/jp_50_r/

AvePoint Japan 社は SharePoint のバックアップソリューションを提供する会社であり、マイクロソフト社のゴールドパートナーとしてすでにU.S.では実績のある企業です。今年5月に日本法人ができたことをきっかけに、弊社としても今後のSharePoint に関するコンサルテーションをする際にこうしたツールのご提案やご提供もできればと思い、国内では最初となるリセラー契約を結びました。

なお、今後は弊社の強みである「教育」を生かし、AvePoint 社の提供するツールに関する技術教育のコンテンツ開発や実施なども共同で行っていく予定でおります。

弊社としては、主軸はこれまで通りSharePointに関する研修実施といった技術教育支援となりますが、これまでは標準機能での機能紹介のみであったところに、具体的なソリューションのご提案などもできるようになりますので、ご興味がありましたらお問い合わせくださいませ。

お問い合わせ

セミナー実施のご案内

AvePoint 社が開催する「第一回 SharePoint 管理ソリューションセミナー」(無償)が 2008/10/2 に実施されます。そこで 30 分ほど私も登壇させていただくことになりましたので、ご興味があれば、こちらもご参加くださいませ。

「第一回 SharePoint 管理ソリューションセミナー」の詳細および申込はこちら

2008年9月11日 (木)

MOSS のセミナーを実施していて多いご質問は、Office クライアントの互換性の問題です。

基本的に MOSS2007 は 2007 Office system 中の製品ラインナップの1つであり、MOSS 2007 がサーバーとしての役割として動作し、Word 2007 や Excel 2007 といった Office 2007 アプリケーション はクライアントとして利用できるようになっています。そのため、Office 2007 を利用していると MOSS の様々なな機能をフルに利用できるわけです。

とはいえ、Office 2007 にまだバージョンアップしていない方も多いのが現状でして、下位バージョンを使っている場合はどこまで機能が利用できるのか知りたいというご質問が多いです。

となると様々なバージョンのOffice を用意して機能検証を細かく行いたいところですが、なかなかそうした時間もとることができないので、参考までにマイクロソフトが公開している下位互換性に関するドキュメントをご紹介しておきます。内容をすべて確認してはおりませんが、参考にはなるのではないかと思います。

Microsoft SharePoint Products and Technologies Document: Microsoft Office Programs and SharePoint Products and Technologies Integration – Fair, Good, Better, Best

公開日が2007/4となっており結構前に公開されたものです。英語のドキュメントです。

2008年9月 8日 (月)

ブログへの情報公開が遅くなりました。すでにご存じの方も多いと思いますが、Visual Studio 2008 extensions for WSS v1.2 日本語版がリリースされています。

Visual Studio 2008 extensions for WSS v1.2 ダウンロード

機能は全く VSeWSS v1.1 と変わりませんが、そもそも VS 2008 としてワークフロー開発効率は高いですし、LINQ を使用したデータソースアクセスなどが利用できるので開発効率は非常に上がりますね。また、Visual Studio 2008 Tools for Office system を使った Office クライアントのカスタマイズ性も向上しているので、そういったメリットも大きいです。

先日開催された Microsoft TechEd 2008 Yokohama のブレイクアウトセッションでは SharePoint と Office クライアント アプリケーションの統合ソリューションシナリオをご紹介しました。と、ようやく大変だったTechEd も終わったことですので、滞っていたブログの更新ももう少し頻度を上げていこうと思います。また、TechEd でご紹介したデモ環境を構築する際に、いろいろと調べたことなどあるので、そのあたりの開発ネタなどもちょくちょく投稿する予定です。