2012年10月

2012年10月22日 (月)

Office Web Apps 2013 サーバーを運用管理する上での備忘録を兼ねて。

ログ

Office Web Apps 2013 に関するログは、既定では次の場所に作成されます。エラーが発生した場合などの、トラブルシューティングの際にはまずここを確認しましょう。

  • %PROGRAMDATA%\Microsoft\OfficeWebApps\Data\Logs\ULS

使用するアカウント

なお、Office Web Apps は SharePoint のシステムアカウントでは動作しないため、動作確認する際には必ずユーザーアカウントを使用しなくてはいけません。これは仕様ですので、覚えておきましょう。

プロトコル : WOPI

Office Web Apps 2013 では WOPI (Web Application Open Platform Interface ) プロトコルを使っています。そのため、SharePoint Server 2013 および Office Web Apps 2013 サーバーのログを確認する際には、アクセスしたコンテンツのURLとともに "WOPI" というキーワードに注目しましょう。

このプロトコルの仕様書は次の場所からダウンロードできます([MS-WOPI].pdf)。

開発

Office Web Apps Server 2013 はWOPI プロトコルをサポートする製品と連携できるようになっており、カスタム ソリューションの開発も可能です。

この点に関しては、英語ですが Wictor Wilen という方がブログにカスタム WOPI クライアント アプリケーション開発の記事を連載していらっしゃるので、ご興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。

2012年10月19日 (金)

※ SharePoint Server 2013 プレビューを使用

SharePoint Server 2013 ではライセンス管理のための新機能が導入されました。

これまで 「ライセンスは Enterprise CAL を持ってはいるが、一部のユーザーにしか機能を開放しない」というものや「導入コストを下げるため一部のユーザーにのみ Enterprise CAL を購入したい」というニーズがかなり多くありました。SharePoint 2010 まではファーム、Web アプリケーション、サイトコレクション、サイト単位で Enterprise Edition で利用できる機能をそれぞれオンにしたりオフにしたりできましたが、ユーザー単位で管理することはできません。

SharePoint 2013 では Active Directory のセキュリティ グループなどを使って、特定のユーザーにのみ必要なライセンスの機能を不要するという管理ができるようになりました。ただし、この機能は既定でオフになっており、かつ管理は Windows PowerShell を使用しなければなりません。

現在SharePointサーバー上で利用可能なライセンスを確認するには次のコマンドレットを実行します

> Get-SPUserLicense License _______ Enterprise Project OfficeWebAppsEdit

特定のセキュリティ グループにのみ OfficeWebAppsEdit (ブラウザー上でWord, Excel, PowerPoint を編集できるようにする) 機能を利用できるようにするには次のように指定します。

$license=New-SPUserLicenseMapping -SecurityGroup "営業部" -License OfficeWebAppsEdit $license | Add-SPUserLicenseMapping Enable-SPUserLicensing

たとえば、上記のように実行した場合に設定内容を確認するには Get-SPUserLicenseMapping を実行します。

License01

LicenseMapping を削除するには、Remove-SPUserLicenseMapping を実行します。

License02

また、ライセンス管理機能をオフにするには Disable-SPUserLicensing を実行します。

[参考]

2012年10月18日 (木)

※SharePoint Server 2013 プレビュー版を使用

SharePoint 2010 で導入されたメディア ライブラリ(英語では Asset Library という名称です) ですが、SharePoint 2013 ではいろいろと機能が改善されています。

まず一番に挙げるのは、ファイルアップロードと同時に自動的にサムネイルが作成されるようになったことです。ファイルをドラッグ&ドロップしてアップロードした場合も同様に動作します。

AssetLibrary1
リンクをクリックして詳細画面を表示すると、動画がそのまま再生できるだけでなく、関連するドキュメントなどもアップロードできるようになっています。

また、SharePoint 2013 からはインターネットでは一般的になっている、動画コンテンツ用の iFrame タグが生成できるようになりました。


AssetLibrary10

AssetLibrary11

この iFrame タグは、Wiki ページ、お知らせやブログの本文などにも挿入できるようになっています。

IFrame

AssetLibrary7

AssetLibrary8

ちなみに、ブログ記事に動画を埋め込 むには、SharePoint 2010 では SharePoint Designer などを利用して JavaScript コードを仕込む必要がありました。

構成について

2012/10/14 現在、TechNet の記事にはサムネイルの自動生成をするには、SharePoint 2013 のフロントエンドWebサーバーに「デスクトップ エクスペリエンス機能」がインストールされている必要があると書かれています。しかし、これは Windows Server 2008 R2 SP1 を使っている場合の話であるようで、Windows Server 2012 上に SharePoint Server 2013 を構築している場合は SharePoint セットアップ時に既定でインストールされる「グラフィック管理ツールとインフラストラクチャー」と「サーバー グラフィック シェル」のみで「デスクトップ エクスペリエンス」がインストールされていなくても、サムネイルは生成されます(実機検証済み)。

[Windows Server 2012 の機能の画面」

AssetLibrary9

その他の動画の利用

sharePoint Server 2013 からは、インターネットに公開されている Youtube, BING などのサイトの動画も同様にページ内に挿入できます。ただし既定では許可されているのは下記のドメインに限定されています。

  • youbute.com
  • yotube-nocookie.com
  • player.vimeo.com
  • bing.com
  • office.microsoft.com
  • skydrive.live.com

設定はサイトコレクションごとに管理されており、ドメインを追加・削除できます。場合によっては外部ドメインからの挿入を投稿者に許可しないよう構成することも可能です。

設定方法ですが、[サイトの設定] ページから [サイト コレクションの管理] セクションにある [ HTML フィールドのセキュリティ ] をクリックします。

Video01

Video02

 

 

Office 365 の SharePoint Online がようやく RSS ビューアーをサポートしてくれるようになりました !

以前記事でご紹介したようなことが可能になります。

ご参考まで!!

2012年10月17日 (水)

SharePoint 2010 からSharePoint Web アプリケーションに認証モードが導入されました。

SharePoint Web アプリケーション作成時には、クラシック認証モードとクレームベース認証モードのいずれかを指定する必要があります。

SharePoint 2010 ではマイクロソフトの推奨はクレームベース認証モードではありますが、GUI (サーバー全体管理サイト)から作成する場合は既定値が クラッシック認証だったことや他のカスタム ソリューションとの関係もあり、実際にはクラシック認証モードにしているケースも多いようです。

SharePoint 2013では認証モードはクレームベース認証モードが主体であり、クラシック認証モードは基本的に使用しません。そうでないと Office Web Apps など、様々な機能が利用できません。 たとえば、SharePoint 2013 では OAuth 2.0 がサポートされていますが、このプロトコルを使うにはクレームベース認証モードになっていなければなりません。したがって、SharePoint 2013 で SharePoint Web アプリケーションをGUI から作成する場合、認証モードの選択画面がそもそもありません。最初からクレームベース認証モードです。

SharePoint 2013 の新規導入は別として、こうした観点から、今後既存環境をアップグレードをすることを視野に入れておく場合は、できるだけクレームベース認証にしておいた方がよいと言えます。特にカスタム ソリューションを構築しているのであればクレームベース認証モードで動作するよう十分に動作検証をし、アップグレードに備える必要があります。※ここで述べているのはあくまでも認証モードのことであり、認証方法ではありません。クレームベース認証モードでは、Windows 認証、フォームベース認証、SAMLトークンベース認証のいずれかを使用できます。

認証モードの確認

現在利用している SharePoint Web アプリケーションの認証モードを確認するには[サーバー全体管理]サイトから確認できます。ただし、切り替えは Windows PowerShell からしか行えません。そのため Windows PowerShellからの確認方法と認証モードの切り替え方法を整理しておくことは大切です。

設定を確認する

現在のSharePoint Web アプリケーションがクレームベース認証モードになっているかどうかは、次のコマンドを実行します。True になっていれば、クレームベース認証モードです。False の場合はクラシック認証モードです。

$webApp= Get-SPWebApplication http://sp2013 $webApp.UseClaimsAuthentication

SPWebApp-AuthMode

[SharePoint 2010 の場合] クレームベース認証モードに変更する (※クラシック認証にするには$false を設定する)

SharePoint 2013 に移行する前に先にSharePoint 2010上で認証モードを変更しておくには次のコマンドを実行します。

$webApp= Get-SPWebApplication http://sp2013 $webApp.UseClaimsAuthentication=$true; $webApp.Update()

[SharePoint 2013 の場合] クレームベース認証モードに変更する

SharePoint 2010 からの移行では、データベース アタッチを行います。先に SharePoint 2013 上でSharePoint Web アプリケーションを既定のクレームベース認証で作成したあと、SharePoint 2010 で利用していたコンテンツDBをアタッチします。その後、アタッチしたコンテンツDBがクラッシック認証モードとなっていた場合は、次のコマンドを実行します。

Convert-SPWebApplication -Identity "http://sp2013" -To Claims -Retain Permissions

詳細については下記の記事を参照してください。