2015年5月

2015年5月22日 (金)

Yammer の Office 365 Network などで最新情報がいくつか出てきています。

不確定要素はあるものの重要な情報も多いため、気になっているところを中心に、都度、整理します。

  • SharePoint Foundation 2016 は出荷する予定はない
  • InfoPath 2013 クライアントは SharePoint 2016 でも引き続きサポートする予定であり、SharePoint Online でも引き続き利用できる。InfoPath 2013 のサポート期限は 2023年まで。これと並行して、新しいフォームおよびワークフローのシナリオを考えているところだが、まだ具体的に発表できる段階ではない
  • SharePoint 2016 用の SharePoint Designer は出荷する予定はない。しかし、SharePoint Designer 2013 のサポートは SharePoint 2016 でも継続する。これと並行して新たなフォームやワークフローシナリオを利用できるような新しいアプリケーションを考えているところである
  • Microsoft Ignite セッションでは、SharePoint 2016 ではSAML クレームベース認証が市民権を得るような話ではあったが、NTLMやKerberos などのWindowsのクラシック認証がなくなるわけではなく、引き続きサポートはされるとのこと。ただし、ドメイン ベースの認証に対して、クラウド時代に適した認証にも取り組んでいるところである
  • Skype for Business によるオンライン会議を録画して、Office 365 Video に発行する機能はサポートする予定だが、当面はイントラネットのシナリオとなる。
  • Office 365 Video のオンプレミス版用の提供は予定されておらず、オンプレミス環境とクラウド環境のハイブリッドシナリオとなる
  • ActiveX を使った前時代的なシナリオはなくそうとしており、HTML5 などに置き換え、ブラウザー間の違いをなくそうとしている
  • SharePoint 2010, 2013 では、ユーザー プロファイルの同期に FIM が利用できるようになっているが、SharePoint 2016 では FIM はなくなる。Active Directory との同期は一方向の同期をサポートし、双方向の同期シナリオでは、外部の MIM (Microsoft Identity Manager) を使う必要がある

 

2015年5月21日 (木)

別の記事でも少し触れましたが、現在マイクロソフトは次期バージョン製品などのフィードバックを直接受け付けています。SharePoint Server についてもフィードバックできるようになっています。英語ではありますが、既存のフィードバックに投票したり、直接フィードバックしたりできます。

SharePoint ユーザーの方は、色々な想いをお持ちだと思いますので、この機会にぜひフィードバックしてみてはいかがでしょう? ちなみに、投票は1人 10 票までです。

2015-05-21 23-16-18

2015-05-21 23-17-13

Office 365 に関しては、次のURLになっています。

フィードバックサイトにアクセスすると、他のフィードバックページのリンクが掲載されていますので、気になるところも併せてチェックしてみるといいですよ。

※2015/6/19 文章を推敲し直し、一部書き換えました

はやいもので、Microsoft Ignite 2015 が終わり、2週間が経とうとしています。まだ整理しきれていない情報がいくつもあるので、時間をみつつ、まとめていきたいと思います。

今回は、その一つとして Office 365 Video を取り上げます。

弊社のオープンコースにご参加いただいている方などに、「組織内で動画の共有ニーズがあるのか、またどのような用途なのか」を時折、ご質問しています。これまで伺ったニーズには次のようなものがあります。

  • オンライン会議を実施しても参加できない人があるため、録画していつでも閲覧できるようにしたい
  • 工場をいくつかもっていて、各工場の紹介ビデオを共有したい
  • テレビなどのコマーシャル(CM)動画を共有したい
  • 自社製品の構造が複雑なので手順書だけでは伝わらないので、洗浄方法などの取り扱い方法などを動画で説明したい
  • ヘルプデスクとして操作説明などを動画で公開したい

このように動画コンテンツを共有したいというニーズはあるものの手軽に利用できる仕組みがなかったために、実際にはうまく活用できていなかったと言えそうです。

SharePoint 2013 にはそもそもメディア ライブラリと呼ばれる、動画をそのまま再生できるライブラリがあります。しかし、このライブラリは帯域調整などしてくれる機能まではなく、ネットワークの負荷なども本格的に考慮するとなると、SharePoint をホストしている IIS 側を含め、チューニングする必要があり、実際にはそこまで考慮して構築している組織はほとんどありません。したがって、事実上大量に動画を配信するのには不向きです。

既にこのブログでもご案内した通り、Office 365 では、昨年11月から先行リリースとして Office 365 Video が利用できるようになりました。Office 365 Video とは、平たく言えば、Office 365 内にテナント専用の YouTube があるようなものです。このサービスでは Azure Media Service が裏方として使われており、メディア ライブラリが抱えている各問題点を克服できるようになっています。自動的にアクセスしているデバイスの帯域を検知し、その状況で最善の解像度で提供してくれます。そして、いよいよ 2015年4月16日にワールドワイドで本格展開されることがアナウンスされました。このアナウンスからは、現在既に1か月ほど経過していますが、1,2か月中には Rollout が完了するということですから、来月までにはほとんどのユーザーが利用できるようになるでしょう。

さて、先行リリース時点ではクラウド環境であるにも関わらず、デバイス依存となる Flash での再生のみであるなど、こなれていない点が多くありました。とはいえ、あくまでも先行リリース時点の状況であり、フィードバック用サイトである Office 365 Video Feedback で様々なフィードバックを受け付けており、ここに上がった要望のいくつかが本格展開時にはアップデートとして実現されるようになりました。今後も、色々とアップデートされるようです。ちなみに、この Office 365 Video Feedback のサイトですが、誰でも利用できるようになっており、既に上がっている改善要求に投票したり(1人10票まで)、フィードバックしたりできますので、日本からもフィードバックしてみるとよいでしょう。

さて、ちょっと脱線しましたが元に戻りましょう。

仕組みについてのおさらい

Office 365 Video は動画共有の専用ポータルサイトですが、既出の通り SharePoint Online と Azure Media Service が内部的に使われています。ポータルにはチャネルと呼ばれるものを複数作成できます。チャネルは、テレビのチャンネルと似たような意味合いでとらえるとわかり易いでしょう。簡単な仕組みを紹介すると、各チャネルを作成すると、チャネルごとに SharePoint のサイト コレクションが作成され、トップレベルサイト内にメディア ライブラリが自動生成されます。このメディアライブラリは通常のメディアライブラリとは少し挙動が変えてあるようです。ユーザーは動画アップロードは、チャネルごとに行うのですが、アップロードした動画のオリジナルデータは、 裏ではSharePoint 上のメディア ライブラリにストアされ、再生が Azure Media Service 経由になります。ここで使用する Azure Media Service の利用には個別の費用は掛かりません。

ブラウザーと Playback サポート

先行リリース時点では Flash での再生のみでしたが、最新版ではHTML5にも対応するようになっています。また、ポータル自体も、最近はやりのレスポンシブ デザインでマルチデバイス対応です。

主なブラウザーの対応状況は次の通りです。その他の詳細は、「Meet Office 365 Video」を確認してください。

ブラウザOS再生サポート
IE11 Windows 8.1 HTML5
IE11 Windows 7 Adobe Flash
IE9 - 10 Windows Adobe Flash
Chrome 37+ Windows/OSX HTML5
Firefox Windows/OSX Adobe Flash
Safari 8 OSX Yosemite Adobe Flash
Safari OSX Yosemite より前 Adobe Flash

Office 365 Video のモバイル対応

iPhone および iPad で利用できるアプリが利用できるようになりました。インストールは無料です。

iOS 7.0 以降をサポートしており、iPhone, iPad, iPod touch に対応しており、日本語もサポートされています。

Office 365 Video ポータルのコンテンツをモバイル端末上で検索したり、再生したりできるだけでなく、撮影したビデオをそのまま Office 365 にアップロードすることもできます。ちなみに、現在、利用可能なサブスクリプション プランは Office 365 Enterprise E1~E4, A2,A3,A4 となっています。

早速、iPad Air にて試してみましたが、まだもっさりした動作環境となっている印象です。。。今後のアップデートに期待しましょう。

Video REST API

まだプレビューですが、REST API が公開されています。

今後のアップデート予定

近い将来次のような機能が利用できるようになるようです。

  • サムネイルを自分で選べる
  • ポータル外の Yammer フィードや内部のブログポストに埋め込める
  • REST API が本格的に使える
  • SharePoint Server 2016 のハイブリット環境から Office 365 Video が利用できる

 

と、色々と楽しみですね。

[関連情報]

2015年5月13日 (水)

先日の Microsoft Ignite 2015 で公開されたオンプレミスの SharePoint Server 2016 に関する情報ですが、Microsoft TechNet Blog に補足情報が公開されています。

これらの情報は、今後変更される可能性がありますが、Ignite でのセッション内容も踏まえつつ自分の頭の整理を兼ねて概略まとめておきます(意味の取り違いがあればご指摘ください)。


システム要件

※ディスク容量は上記資料を参照のこと

シナリオ説明ProcessorRAM
SQL Server  : 単一インスタンス 開発および評価 (最小構成サービスのみ起動) 64bit, 4コア 12-16 GB
SQL Server  : 単一インスタンス

パイロット、
ユーザー受け入れテスト(すべてのサービス起動)

64bit, 4コア 16-24 GB
Webサーバーまたはアプリケーション サーバー (3層構成) 開発および評価 64bit, 4コア 8-12 GB
Webサーバーまたはアプリケーション サーバー (3層構成) パイロット、
ユーザー受け入れテスト(すべてのサービス起動)
64bit, 4コア 12-16 GB

展開シナリオ

SP2013と基本的に同じで、次のものはサポートされない。

  • ワークグループ構成
  • クライアント OS
  • ダイナミックメモリ
  • Windows Web Server

OS要件

Windows Server 2012 R2 と Windows Server Technical Preview

.NET Framework

  • Windows Server 2012 R2 の場合→.NET Framework 4.5.2
  • Windows Server Technical Preview の場合→ .NET Framework 4.6 Preview

事前準備

従来とあまり変わりません。

  • アプリケーション サーバー ロール、Web Server (IIS) ロール
  • Microsoft SQL Server 2012 Native Client
  • Microsoft ODBC Driver 11 for SQL Server
  • Microsoft Sync Framework Runtime v1.0 SP1 (x64)
  • Windows Server AppFabric 1.1
  • Cumulative Update Package 1 for Microsoft AppFabric 1.1 for Windows Server (KB2671763)
  • Microsoft Identity Extensions
  • Microsoft Information Protection and Control Client
  • Microsoft WCF Data Services 5.0
  • Microsoft WCF Data Services 5.6
  • Microsoft .NET Framework 4.5.2
  • Update for Microsoft .NET Framework to disable RC4 in Transport Layer Security (KB2898850)
  • Visual C++ Redistributable Package for Visual Studio 2013

データベースサーバー要件

基本的には SQL Server 2014 を使用することになるが、 SQL Server 2016 もサポートする予定。

※補足---SQL Server Express Edition を使った自動インストールはサポートされなくなります。

MinRole (v1) 概要

MinRole は既に Microsoft Ignite レポート記事でご案内した通り、新たに導入されるインフラストラクチャーの概念です。

これまで私の講義でも、 SharePoint は Webフロントエンド, アプリケーション サーバーもしくはバッチ処理サーバー,

データベース サーバーなどの役割で3階層に分けましょうと説明していたわけですが、実際にインストールする際にはこうしたロールの概念はそもそもなく、インストール後にどのサーバーにどのサービスを配置するかを決定することで、ロールとみなしていたわけです。
そのためロールは、あいまいな概念でした。しかし、新たに導入される MinRole トポロジーでは、インストール時にこうしたロールを選択できるようになります。各サーバーのロールが決まっていますから、キャパシティ プランニングも簡素化され、またパフォーマンスも予測しやすくなるということです。

ちなみに、MinRoleはあくまでも推奨トポロジーということですから、従来通りのトポロジー構成でも構築は可能ということです。各ロールは6つに分かれます。

  • Special Load (他のサービスとは独立させるサーバーで構成は従来のサーバーと同様に必要なサービスを起動する。3rd パーティ、PerformancePointなどのサーバー用)
  • Web Front End (エンドユーザーからの要求を受け付ける。遅延が小さくなるよう最適化)。
  • Single Server Farm (単一サーバーにすべてのサービスを用意する)
  • Search (検索サービス用)
  • Application (バックエンドジョブやバックエンドジョブがトリガーになっている要求を受け付ける。スループットが高くなるように最適化)
  • Distributed Cache (分散キャッシュ用。オプションとして、このロールをサーバーに割り当てることで、Webフロントエンド間のエンドユーザーからの要求を負荷分散するようになる)

MinRole は製品構成ウィザード (PSCOnfig GUI) またはコマンドラインから指定できます。

ちなみに、補足ですが、Microsoft Ignite イベントでの質疑応答にありましたが、ロールはコマンドを使って後から変更できるようです。

ヘルスチェック ルールとコンプライアンス

SharePoint 2016 では、各サーバーが割り当てられたロールを徹底できるよう、新しい Health Analyzerのヘルスチェックのルールが追加されます。これによって問題があれば、通知してくれるようになるようです。

アップグレード

SharePoint Server 2013 からのアップグレードをサポートしています。SharePoint Server 2013 からアップグレードするには、データベース アタッチによるアップグレードが行えます。

インプレース アップグレードについては、記載がないですね。ちなみに、SharePoint 2010モードのサイト コレクションは、先に 2013 モードにアップグレードしてから SharePoint 2016 にアップグレードする必要があります。コンテンツDBとサービス アプリケーションDBをコピーして、SharePoint 2016 ファームにアタッチ後データベースをアップグレードするという手順となるようです。

 

 

 

2015年5月11日 (月)

Office Delve(デルブ)

再び、 Delve の話題です。先行アップデートを有効にしているテナントには既に配信されていました。

ちなみに、Office Delveが使えるのは、 Office 365 Enterprise (E1/E3/E4)、Office 365 Education (E1/E3/E4)、Office 365 Government (E1/E3/E4) です。

Office Delve に関しては既に日本語のサポートページが公開されているので、詳細は以下を参照するとよいでしょう。

Sway

現在消費者向けのプレビュー版が利用できるようになっていますが、これが今月後半に Office 365 (Business / Education ) にも導入される予定です。

Sway は手軽に見栄えの良いプレゼン資料などを作成できるものです。試しに使ってみていますが、自分の考えをレポートとしてまとめてみたりする際には、とても便利で、個人的にはとても気に入っています。

まだ、日本語には正式に対応していませんが、使えなくはないので、試しに簡単に Ignite について書いてみました。ちなみに、現在は英語のみ利用可能な状況ですが、近いうち、オランダ語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、スペイン語をサポートするようです。

作成したSwayの記事を共有するには、リンクを公開する以外に、埋め込みコードの生成もできるのは便利ですね。