2015年5月

2015年5月 7日 (木)

オンプレミスの SharePoint Server 2016 についていくつか情報がでてきました。主なところだけ Pickup します。

SharePoint Server 2016

5/6 (現地時間) は オンプレミスの SharePoint Server 2016 に関して IT Pro 向けの単独セッションがあり、色々と最新情報が出てきました。ちなみにこのセッションは5000名が収容できるシアター会場で行われ、SharePoint の関心度の高さが伺えます。

P5064035

ハードウェア要件/ソフトウェア要件

ハードウェア要件は SharePoint 2013 とさほど変わらないようです。

2015-05-06 15-09-01

対応 OS は Windows Server 2012 R2, Windows Server 2016。SQL サーバーは、SQL Server 2014 SP1 と SQL Server 201x となるようです。SharePoint 2013 からのアップグレードとコンテンツ マイグレーションの両方に対応するようですが、現在 SharePoint 2013 の SharePoint 2010 モードのサイト コレクションは SharePoint 2013 モードにあげておく必要があります。

Role & Services

トポロジーに MinRole という考え方が新たに導入されます。

2015-05-06 15-35-46

MinRole では、SharePoint Server 2016 から構成ウィザードで次のロールを指定できるようになります。

  • Specialized
  • Web front end
  • Search
  • Application
  • Distributed Cache

これによって、どのサーバーでどのサービスを動かすかというのを考えなくても、SharePointがその役割に応じた機能が展開され、特定のサービスを開始するようになります。これまではすべての Bits がインストールされていましたが、MinRoleの考え方では必要なものだけが構成されるため、 Footprint が小さくなるようです。

P5064040

ここで指定したロールはあとから PowerShell を使って切り替えられるようです(isServerRole スイッチというのが用意されるらしいです)。従来の SharePoint と同様に自分で特定のサービスを開始したりする場合は、Specialized ロールを選びます。簡単に言えば、これがマニュアル構成のサーバーで、他のロールは指定した役割を自動的に厳格に遂行してくれる新たなサーバーというわけですね。これにあわせて、各サーバーごとにきちんと役割を果たしているか、チェックする新たな Health Analyzer (健康診断機能) が導入されるようです。

それから、従来からあるスタンドアロン インストールはサポートされなくなります。単一サーバーのファームまたは複数のサーバーのファームのいずれかのみとなり、SQL Server Express Edition や Windows 組み込みデータベースの利用はできなくなるとのことです。

Zero Down Time Patching

従来よりパッチのサイズを小さくかつ数も少なくして、オンラインでのパッチ適用ができるようになるようです。

Boundary と Limitation

境界と制限が現状よりいくつか緩和されます!

2015-05-06 15-37-40

リスト ビューのしきい値である 5,000 が緩和されるようですが、これは期待したいですね。これが運用上もネックになっており、研修でも運用の注意点として何度も話をしてきましたから。ただ、具体的にどの程度まで許容されるのか。また、コンテンツDBの上限は TB 単位に。Office 365 環境ではサイト コレクションの最大サイズサポートが既に TB 級になっていますから、これは当然ですね。また、アップロードできる最大サイズも 10GB まで拡大します。

サイト コレクションの高速作成

既存のサイト コレクションのコピーを作ることで、高速にサイト コレクションが作成できるようになります!

多くの組織でサイト機能の標準化を行いますが、フィーチャーのアクティブ化や非アクティブ化など含めると単純にサイトのテンプレート化だけでは済まないのが現状です。だからといって、サイト コレクションのひな形をバックアップとして作成し復元することで、コピー相当の使い方をしようとすると、これではGUIDのバッティングなどの問題がおきてしまい暗礁に乗り上げてしまいます。結局はサイト テンプレートの作成と PowerShell スクリプトの組み合わせでの運用を考えないといけないことが多いのわけです。ということで、サイト コレクションのコピー作成機能は、実際にはいくつか利用上の制限事項など出てくるのかもしれませんが、期待したいところです。ちなみに、AvePoint さんのツールだと、サイト コレクションのコピー作成は既に可能になっています。

Real-time Telemetry

分析とレポーティング機能が充実してきそうです!

P5064058

P5064059

さて、現地レポートはまだまだ続きます。

2015年5月 6日 (水)

さて Keynote および Break out セッションで取り上げられている情報をいくつか拾っておきます。

Office 2016 パブリック プレビューの提供開始

Office 2016 のパブリック プレビューの提供が 5/4 より開始されました。

プレビュー版は次のURLから入手できます。ちなみに、Office 2013 と Office 2016 Public Previewの Side by Side 実行はできないとのことなので、どちらか一方のみにする必要があります。

SharePoint Server 2016

Office 2016 とは異なり、当初の予定からずれ込み SharePoint Server 2016 のパブリック ベータ版の提供は Q4 が予定されており、製品リリースは来年 Q2 を予定しています。パブリックベータが出るのも、まだまだ先ということもあり、このイベントでは、さほど情報は多くありません。

SP2016ReleaseTimeLine

現在把握しているところでは、オンプレミスの SharePoint Server 2016 は構成ウィザード実行時に、新たにロールベースでの構成ができるようになるようです。

RoleBasedInstrallation

また、詳細は不明ですが、オンプレミスと Office 365 のハイブリッド環境で、Search Index が統合され、Office 365 の検索センターサイトから、オンプレミスの SharePoint サイト上のコンテンツもシームレスに検索できるようになるようです。

Windows 10 Cortana と Power BI

Cortana は Windows 8.1 から利用できるようになった音声認識アシスタント機能です。iOS でいうところの Siri ですね。今回、Keynote では、Cortana にファイル検索を頼むと OneDrive を含め検索してくれるデモがありました。また、Power BI からもデータを検索してくれるようになっているそうで、今回のイベントの参加人数を応えてくれたり、国別の参加者を質問すると地図データにプロットされた 参加者数のバブルチャートが表示されていました。Power BI には Power Q&A という自然言語による BI データの検索機能がありますが、こういったところで使えることになってくるようです。ちょっと近未来的。

ただ、試していませんが、日本語は難しそうですね。

Office Delve / Office Graph

Office Delve (CodeName: Oslo) は既に Office 365 にロールアウトされている機能ですが、平たく言えば、ログインしているユーザーにあわせて適切であろう情報情報を自動的に検索してきてくれ、 「自分がほしい情報を探しに行かなくても、向こうからやってきてくれる」というものです。 たとえば、Outlook 内のメールや SharePoint ,OneDrive for Business , Yammer などからその人に適切であろう情報を探してきてくれて、コンパクトに表示してくれます。裏では Machine Learning が使われています。

P5053998

Office Delve が提示してくれるドキュメントは View数、Yammer のコメント数、いつ誰が更新したかなど表示されます。メールの内容も表示されますが、あくまでも、メールが閲覧できる人のみが対象であり、鍵のマークで Private な情報であることを知らせてくれます。

Office Delve に使われている仕組みが Office Graph です。つまり、Office Delve は Office Graph の仕組みを使っているアプリケーションです。ちなみに、開発者は Office Graph の機能を使って独自アプリケーションを作ることも可能です。Office Graph はOffice 365内のコンテンツだけでなく、ユーザー間のやりとりなどを分析し、Machine Learning を使って、各ユーザーと最も関連性の高いコンテンツを見つけてくれます。

P5054000

Office Delve には、今後新たにPeople Profile ページが追加され、SharePoint ユーザーではおなじみの個人用サイト(My Site) はこの Delve ベースのページに置き換わります。あちこちに散らばる情報を集約してきてくれます。この機能はオンプレミスの SharePoint Server 2013 にも更新プログラムとして今年の後半に導入できるようになるそうです。

P5053987 Office Delve People Profile

現在、Outlook, SharePoint , OneDrive for Business, Office 365 Video, Yammer, Skype for Business (旧Lync) など情報共有ツールは様々あり、また情報にあふれています。こうしたツールごとに散らばる情報を一元的にかつ、必要であろうもののみ厳選して表示してくれる機能は、よくある社内ポータルの発想ではありません。従来のポータルやグループウェアの多くの難点は、全員が共通のページを参照することになるため、最大公約数的な情報を配置してしまうので、個々人で見る と、必要な情報にはばらつきが出てきますし、結果的に不必要な情報が多くなってしまいがちです。自分に最適化されるというのは効率的ですね。また、業務プロセスと人の関わりはなかなか可視化しにくい のですが、機械的にこうしたつながりを発見し、情報をつないでいってくれるというのはこれまでとは異なる新しい発想です。

ちなみに Office Delveのモバイルアプリ Office Delve Mobile Apps for Android and iPhone が 2015/4/15 にリリースされています。

そして、Office Delve の新機能として期待値が高いのが、ダッシュボードの導入です。

P5054003

どういったチーム (Office 365 Groups) と繋がりがあり、どのくらい会議に時間を費やしているのか、メールのやり取り頻度はどの程度なのかといったワークバランスが可視化できます。業務プロセスの見直しに使えそうですね。

折角の Office Delve を有効活用できる運用管理は考えるべきところです。この辺を上手にコンサルティングしたいですね。

 

レポートの続き。

Keynote

いよいよイベント当日となった今日は、9:00 から 11:45 まで Keynote セッションが行われました。

P1013891Keynote 会場まで長蛇の列

現在、録画されたものが、Channel 9 で配信されています。

 

ちなみに、イベントの参加者は 2万人強となっているようです。北米、ヨーロッパから来ている方が占める割合が多く、日本からは2,30人くらいは来ているのかしら、と思うので数パーセントといったところでしょう。

注目キーワード

今回のイベントの柱は次の3つです。

  • Create More Personal Computing
  • Reinvent Productivity & Business Processes
  • Build the intelligent cloud

人により当然ながら注目ポイントは異なると思いますが、この中で私が注目する具体的なキーワードは次の通りです。

  • Office 2016 Public Preview
  • Office Graph / Delve
  • Office 365 Group
  • Office 365 Compliance
  • Machine Learning
  • Skype for Business
2015年5月 5日 (火)

U.S シカゴにて Microsoft 社が開催する IT Pro 向けの大型イベントが 本日 5/4 ~ 5/8 までの5日間開催されています。昨年までは SharePoint に関しては SharePoint Conference という単独のイベントが数年間開催されていたのですが、本年から Office 365 や Windows , Exchange, Skype for Business, System Center など含め IT Pro 向けのイベントとして統合されています。

現地に来ておりますので、自分の頭の整理も含め、何回かに分けてレポートしていきます。なお、同時に Twitter にもいくつか情報を流しています。

イベントへのチェックイン

今回のイベントはシカゴの McCormick Place というコンベンションセンターで開催されています。イベントの前日に、イベントに参加するための名前バッジと配布マテリアルを受け取りに会場へ。今回は混雑を避けるように、マイクロソフトが参加者の宿泊先として抑えている一部のホテルや国際空港でも受け付けを行っていたようです。

P1013747

受け取ったマテルアルは バッグと T シャツ、イベントの小冊子、最新のMSDNマガジン, Economist と3rdパーティのパンフレットです。リュックサックはマイクロソフトのロゴカラーと同じく4色から好きな色を選べます。

P5033881

雑誌 The Economist には、Microsoft 社の沼本さんの広告宣伝が掲載されています。Cloud First, Mobile First を推し進めていくぞ、というような内容となっており、リアルマドリードが導入しているクラウド ソリューションがモチーフのかっこいい広告です。ちなみに、リアルマドリードの事例は、本日の Keynote でも取り上げられていました。

P5033885