2017年10月

2017年10月27日 (金)

私の管理している Office 365 テナントの管理センターに次のようにサイトコレクション アプリカタログ機能がもうすぐロールアウトされるというメッセージが届きました。

Site Collection App Catalog is a new Office 365 feature for SharePoint Online. We'll begin rolling this feature out in November. This message is associated with Office 365 Roadmap ID 24254.

一般の利用者にとっては、アプリカタログとは? と思うと思いますが、独自開発したWebパーツなどのSharePointのカスタム アプリケーションを展開するときに使うサイトのことです。これが従来はテナントレべルでしか利用できなかったため、ちょっとしたカスタマイズを展開するにも、全社レベルの展開かぁと躊躇されることもあったわけです。

しかし、このサイトコレクション単位でのアプリカタログが利用できると、特定のサイトコレクションのみで特定のアプリが利用できるようになり、サイトコレクションの管理者レベルで管理できます。

特にこれから SharePoint Framework および SharePoint Framework Extensions を使ったカスタマイズが主流になっていくと思われますので、アプリ展開基盤が整っていくことは非常に喜ばししいことです。

2017年10月17日 (火)

前回紹介した新しいSharePoint管理センターですが、前回の記事を修正しました。

[SharePoint Online] 新しい管理センター (Preview)

最初記事では先行リリースに対してロールアウト中としましたが、Microsoft Ignite 2017 にて先行プレビューを申し込んだテナントのみが対象です。申し込んだのをうっかり忘れていて、先行リリースと勘違いしてしまいました。

さて、本件に関して Microsoft 社より正式に SharePoint Online Admin UI Early Preview - October 2017 Release Notes の案内が届きました。

せっかくなので、前回の記事には掲載していない情報を抜粋し共有しておきます(元は英語なので、日本語化できるとこは簡易的に訳して掲載します)。

サポートされるブラウザー

  • Internet Explorer と Chrome のみ (現時点)

サイト管理

  • 取得できるサイト情報としては、サイト名、ストレージの使用量、プライマリ管理者、最終アクティビティ日、作成日、サイトのURL, 外部共有セット、グループ接続の有無、閲覧されたファイルまたは編集されたファイル数、ページビュー、ファイル数がある
  • サイト一覧のビューでは列の表示非表示が可能
  • グループに接続されていないサイトの管理を支援するための詳細情報ペインの提供
  • 複数のサイト管理者に対してカスタムメッセージとサイト情報を電子メール送信して連絡をとれる
  • サイトを削除するとごみ箱に移動する (グループに接続されたサイトはサポートされていない)

サイトの詳細情報ペインは下記のように情報が取得できます。

NewSharePointAdminCenter1

電子メールに関しては次の通り。

NewSharePointAdminCenter2

サイト設定

  • テナントでまだ古い同期クライアントをサポートしている場合にのみ、Sync メニューが表示される

まだ実装されていない機能

※これから機能を追加したり改善する予定ということのようです

まだサポートされていないブラウザー

  • Microsoft Edge, FirefoxとSafari (←どおりで Edge だとホームのチャート表示ができなかったわけだ。。。)

ホームページ

  • チャート表示に5秒以上かかることがある
  • デザインが携帯電話やタブレットにスケールしない

サイト管理

※サイト管理は機能が多いためそのまま転記

  • Grouping is not supported but sorting and filtering work
  • Batch operations are not supported except to email admins
  • Email generated when using email admins needs a better format
  • Site level sharing status cannot be modified
  • External sharing column and sharing details in info panel do not reflect tenant level sharing settings
  • It takes several minutes for team & communication sites to show up in the list after they have been created
  • Modern sites created by the admin put the SharePoint admin as the primary admin when it should be optional
  • If the user tries to create a team or communication site and then decides to create a classic site, classic site creation fails
  • Template names for modern sites (team and communication) show up as "Group" & "Site Page Publishing"
  • Cannot view or update administrators for group connected sites
  • Cannot delete group connected sites
  • One SPO admin cannot delete sites created by another SPO admin, but this works in class admin UI
  • Custom views are not available
  • Activity data is refreshed too frequently making it challenging to work with because it is greyed out

期待したいのは、一括処理の部分と、グループに接続されていサイトは管理者が "グループ管理者" と表示され、Office 365 グループ管理の方からたどらないと誰かわからないのでこれの改善ですね。またグループ接続されているサイトは何かとまだ管理できないことが多いのでこちらも改善待ちです。

ごみ箱

  • 一括処理
  • ごみ箱からさらに削除できない (つまりHard Delete はできないので、30日待つしかない)
  • 復元したサイトはサイト管理ページ内に自動的には反映されない (※これはまだ試していないのですが、早期改善が欲しいところです)

その他

クラシック表示の管理ポータルの詳細機能は今後実装予定とのこと

 

2017年10月16日 (月)

現在、 Microsoft Ignite 2017 で先行プレビュープログラムに申し込んだテナントから 新たなSharePoint 管理センターが利用できるようになっています。申し込んでいない方はしばらく待つ必要があります。現在、 Preview 版ではありますが、2018年初頭での GA を目指しているそうで、2018年の末までには 新しいSharePoint 管理センターを既定の管理画面として利用できるようにするというロードマップが示されています。

Preview への申し込み

従来は下記の通り、オンプレミスの SharePoint の管理画面を色濃く残しています。つまりはSharePoint Online の画面がモダンUIになっているのに、管理画面が追い付いていない。新しい管理センターが利用できるようになると従来の SharePoint 管理センターの画面右上に [新しい SharePoint 管理センターをお試しください]と表示されます。

2017-10-13_9-49-08

ではクリックしてみましょう! 

新しい SharePoint 管理センター

新しい SharePoint 管理センターについて確認していきます。

ホーム

まずホーム ページです。SharePoint に関するアクティビティが確認できるほか、SharePoint に関するアップデート情報だけがメッセージセンターで確認できます。サービスの稼働状況も確認できます。全体的な画面構成は、OneDrive 管理センターにあわせてあり非常にシンプルです(画面切り替え時に操作性を損なわないよう、同じような画面にしてある)。サイドリンクバー部分には OneDrive 管理センターへのリンクが掲載されているため、すぐに切り替えられます。

2017-10-13_15-49-17

 

サイト管理

続いてサイドリンクバーから[サイト管理]にアクセスしてみましょう。

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ここでは、従来のSharePoint管理センターには表示されなかった下記のサイトコレクションが表示され、容量やサイトコレクションの作成者など確認できます。またこの画面自体 Modern UI のSharePoint リストと似た操作性になっているため、並び替えやフィルターなども手軽に行えます。従来ではこうした情報は PoweShellコマンドを実行しなければ取得できませんでした。

  • Office 365 Video ポータルの各チャンネル (※ Office 365 Video ポータルは将来的には Microsoft Stream に移行されますが、現在使用しているものはそのまま継続利用できます。Office 365 Video ポータルはベースが SharePoint でできており、チャンネルごとにサイトコレクションが裏で作成される仕組みです。一方の Microsoft Stream はSharePoint ベースではなくなります)
  • Office 365 グループに紐づく SharePoint サイト (Microsoft Teamsの新規チーム, Microsoft Plannerの新規プラン, Yammer の新規グループから作成されるものも含まれる)

ごみ箱

続いてサイドリンクバーの[ごみ箱]です。

2017-10-16_10-02-46

ここには、削除済みのサイトコレクションが表示されます。削除済みサイトコレクションは30日以内であれば、ここから復元も可能です。

設定

最後に[設定]です。現在は設定できる項目は非常に少なく、次の2つのみ設定できます。

  • リストとライブラリのエクスペリエンス (モダンUIまたはクラシックUI)
  • 通知

あくまでこれは現時点ということであり、将来的には色々と機能が追加されていくようです。下記はMicrosoft Ignite 2017 関連セッションのスライドから抜粋したものであり、まだモックアップとのこと。

NewSharePointAdminCenter-mockup

サイトコレクションの作成

 ところで、新しい管理センターでサイトコレクションを作成してみようとしましたが、選択できるクラシック UI のサイトテンプレートが限られています。

  • ドキュメント センター
  • エンタープライズ Wiki

たとえば、クラシック UI のチームサイトを引き続き使いたい場合はここからは作成できません(Office 365 グループを新規に作りたくないような場合)。またSharePoint Framework での開発ではクラシック UI の "SharePoint 開発者向けサイト" テンプレートでサイトを作成しておく必要がありますが、これもだめですね。ちなみに、旧 SharePoint 管理センターは引き続き利用でき、ここでは従来通りサイトテンプレートを選べます。

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プレビューという状況を考慮する

まだプレビューですから、新管理センターの方が便利な機能もありますが、まだ旧管理センターでないと設定できないものもあります。2018年に様々な機能が追加されてくるとうことあで、ウォッチしておく必要がありますね。とはいえ、使えるところは新しい管理センターを使い、プレビューの段階であるからこと、必要な機能などあればフィードバックしていくことが大切です。より使いやすい管理ツールになるよう情報提供をしていく方向でドンと構えておきましょう!

Microsoft Ignite 2017 関連セッション

Microsoft Ignite 2017 での関連セッションは下記の通りです。下記セッションでは、新しい管理センターの話はもちろん、監査やレポート機能の話まで含まれています。これらに関してはブログでも追々取り上げてみたいと思います。 

 

2017年10月15日 (日)

Microsoft Ignite 2017 で発表がありましたが、2017年9月26日付けで SharePoint Framework (SPFx) 開発で利用する Yeoman Generator の 1.3 がGAとなっています。SFPx 開発している方は、アップデートしましょう。

このアップデートにより、次の 2つの SPFx バージョンを手軽に切り替えられます。

  • オンプレミスの SharePoint 2016 (Feature Pack 2が適用されていること) でも Online でも動作する
  • SharePoint Online のみで動作する

SharePoint 2016 も Feature Pack 2 から SPFx がサポートされるようになりましたが、SPFx のバージョンは 従来通り v 1.0 でないといけません。一方、最新バージョンは v1.0.2 となっており、これは SharePoint Online でしかサポートされません。

ということで、Generator 1.3 を適用すると次のように、どちらの環境用にプロジェクトを作成するのか聞かれるようになります。

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これまで何度か記事に取り上げてはいますが、SharePoint Framework ってよく知らないという方もいらっしゃると思いますので、その辺の記事を近く公開したいと思います。

2017年10月13日 (金)

Office 365 の管理センターにアクセスしたら、次のようなメッセージが表示され "パスワードの無期限設定" を勧められました。

2017-10-13_7-55-25

[推奨事項を表示]をクリックすると下記の画面が表示され

「ユーザー アカウントをクラウドで管理していますが、パスワードの有効期限のルールが設定されていません。ユーザー アカウントをクラウドで管理している場合は、パスワードを無期限に設定することをお勧めします。そうすることで、ユーザーがパスワードの定期的な変更による混乱を避けることができます」

という内容が表示されます。

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2017年5月に Newsweekが記事としても取り上げていましたが、「米政府機関は "パスワードの定期的な変更は推奨しない" ように米国標準技術研究所(NIST)が発行する『電子認証人関するガイドライン』の新版からルールを変えています。これを受けて各所でパスワード変更について話題になっていました。

ところで、Microsoft の方針はどうなんでしょう? 

ということで上記画面の "Learn more about why we recommend this" リンクをたどると次のPDFが表示されました。

2017-10-13_9-03-43

最初にIT管理者に向けて次のサマリーが出ています。

読めば、"従来通りの強力なパスワードを設定"しつつ、ポイントとしては "Eliminate mandatory periodic password resets for user accounts" というところですね。定期的なパスワード変更はやめようと。そして、"Enforce registration for multi-factor authentication" ということで、当たり前ではありますが、多要素認証を使わせようね、ということですね。

このドキュメントは20ページにわたり詳細が書かれているので、一度、目を通しておくとよさそうです。

Office 365 を導入している企業の多くでは多要素認証の導入も進んでいるので、このあたりは当たり前になってきているかもしれません。それでも旧態依然とした体制の組織も中にはあるでしょう。ご参考まで。