2019年11月

2019年11月29日 (金)

Twitter 経由ではありますが、Delve ブログがリタイアするという情報を入手しました。具体的には下記の記事がソースです。

Delveブログって?

Delve ブログとは馴染みのない方もいるでしょう。Delve 内に個人ブログを作れる機能があり、そのブログ作成機能がなくなるという話。ご存知ない方のためにもう少し解説しておきましょう。次のスクリーンショットはDelve の[ホーム]にアクセスしているところですが、個人の自己紹介の下の部分に「ブログ」セクションがあるのが分かるでしょう。

Delve Blog

たとえば、ここで「新しい投稿」をクリックすれば、新規に記事をかけますし「すべての投稿」リンクをクリックすると過去に作成したブログ記事にアクセスできます。次のスクリーンショットは記事の例です。

2019-11-29_23-12-16

とはいえ、あくまでこの話の対象はブログであり、Delve 機能自体がなくなるという話題ではありません。

Microsoft 365 管理センターに通知が届いている?

さて話を戻しましょう。関連記事を読むと、いくつかの Microsoft の顧客に対して次のような内容のメッセージがMicrosoft 365 管理センターのメッセージセンターに届いているそうで主旨は以下の通り。

全ての顧客が対象となっている話であり、2019年12月18日から新たに Delve ブログは作成できなくなり、2020年4月17日には既存ブログは削除される

手持ちの複数の Office 365 テナントでも確認してみたのですが、そうしたメッセージは届いていません。これは本当に正しい情報なのか? 正しいとしたらメッセージが届いていない理由は?ということで正式なメッセージとして届いていない以上、フェイクニュースなどの線も疑ってみる必要があります。

問い合わせたところ。。。

ことの真相を探るべく、SRを作成してマイクロソフトに直接問い合わせしてみました。すると Delve ブログが削除されるという公式情報を社内では確認できなかったし、Microsoft 365管理センターにも確かにそうしたメッセージは届いていない、とのこと。

一応、公式にはこの情報は否定されたわけです。

Delve ブログは使うべきなのか?

ですが、こうした情報がなぜ出てきたのかという謎は残ります。リンク元を確認しても、そうフェイクニュースを作っているような方々でもないのです。ただ、思い当たる節もあり、改めて Delve ブログについて考えてみました。

そもそも Delve ブログは登場した当初は目新しく、弊社研修でもご紹介はしてみてはおりましたが、同じような機能は Sway や SharePoint ニュース記事でも提供されています(Sway のあと Delve ブログ、その後、ニュース機能の順に公開されたのですが)。むしろ、Delve ブログは投入当初から新機能などは全く追加されることなく数年が経過しています。こういった状況を考えると投資は凍結されているのだろうとみるのが、一般的な見方であり、別の新しい仕組みが出てくる可能性が高いものです。すると、Microsoft Docs に下記の記事が公開されているのを見つけました。

Creating a blog with communication sites and news posts

内容をかいつまむと、コミュニケーションサイトをブログ発信サイトとして見立てて、ニュース記事をブログ相当として利用するというものです。機能的には確かにこれで充足するでしょうし、ニュース記事として構成した方が SharePoint モバイル利用などを考えても将来的に社内の多くのユーザーが目にする機会は非常に多くなるため利点も大きい。

Delve ブログは今のところなくなるということはないようですが、個人的な見解としては、Delve ブログ自体機能もさほど充実しないままであるため、コミュケーションサイトでのブログ発信へと切り替えていく方が将来性があると考えています。

2019年11月21日 (木)

研修で遭遇したトラブル情報の備忘録です。

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SharePoint Framework (SPFx) 開発で Gulp を実行した際に、「primordials is not defined」というようなメッセージが表示されタスクが実行できないという状況に遭遇しました。私の環境は Gulp が実行できるのに、受講者の方のマシンだと実行できない。違いは?

そこで思い当たったのが Node.js のインストールバージョン。

現在 SPFx の開発環境でサポートされている Node バージョンは Node 8 または 10 で推奨は 10 。ですが、Node.js のサイトには TLS version 12 が公開されています。version 10 のダウンロードリンクを見つけられず、そのままインストールしてしまっていたという状況です。

ということで、いったん Node をアンインストールし、サポートされているバージョンをインストールしなおし。

ちなみに、Node.js の過去の公開バージョンは下記のリンク先に公開されています。

https://nodejs.org/en/download/releases/

皆様、お気をつけください。。。

ちなみに、同じ現象に遭遇した事例がフォーラムにも上がっていました。

SPFx | GULP Error primordials is not defined ao executar o comando gulp --tasks

2019年11月11日 (月)

おとといの 11/9 夜に帰国しました。

さて、Ignite 情報を引き続きまとめておきたいと思います。前回までの補足も含めて書き足します。

Business Process and List

PowerApps や Power Automation (旧 Flow) 、リストの組み合わせでの利用に関するロードマップが公開されています。つぶやいているように、今年一瞬の間、利用できそうなメニューだけは表示されていた「Excel から新規リスト作成」機能が来年に延期されています。現在もExcel スプレッドシートからリストを作成する機能は利用できますが、ActiveXを利用する上、出来上がるのはクラシックリストという制限付きになっています。これが、モダンリストが生成できるようになるはずなんですが。。。去年の Ignite 2018 ではデモしていたんですげど、いろいろと事情があるようで来年に持ち越しのようですね。

SharePoint Framework 

次はそろそろ 2.0 が出るのか、と思っていましたが次は v1.10 です。

1.10 から SPFx for Teams はアプリカタログから配布できるようになります。

あと新しい拡張機能として "Query Modifications for search " 。

また今年5月に Microsoft Build で発表された Fluid Framework を SharePoint 上でも利用できるようになるとのこと。そもそも Fluid Framework とはという方は下記の記事をどうぞ。

ところで Fluid Framework の機能は大体わかった。が、ビジネスソリューションとしてどんな使い方がよいだろうというところの提示はなく、AI との組み合わせをからめつつ模索する必要がありそうです。

Stream 

Stream についてあまり詳しく触れませんでしたので補足します。前回の記事でもご紹介した通りね録画ビデオのバックグラウンドノイズを AI を使って低減する機能が搭載されます。GA は CY20 の Q2。

 

また日本語を含む追加言語対応も行われ、トランスクリプトなどが利用できるようになります。これは既に GA。 手元の環境で確認してみると下記のようにトランスクリプトが生成されており、検索もできます。下手な議事録は不要ですね。ビデオ検索は現在は Stream 上でしか行えませんが、近い将来 Microsoft Search から Stream 上のビデオも検索できるようになります。

Stream-Transcript

 

PowerApps 上でのビデオ再生は YouTubeくらいしか利用できないのですが、ようやく Stream上のコンテンツも再生できるようになるようです。GA は CY20 Q1を予定。

また、Stream モバイルアプリでは短いビデオの録画ができ、絵文字やカスタムイメージ、テキストなどを挿入するといった編集も可能です。こちらはGA の予定が CY20 Q1。

Teams 

Teams もいろいろな機能がアナウンスされていますが、主だったところを。

まずはプライベートチャンネル。同一チーム内の特定のメンバーでだけ会話やファイル共有ができるようにプライベート チャネルが利用できるようになります。Slack では既にある機能らしいですが。ちなみに、この機能はいくつか注意事項があるのでそれを踏まえた運用が必要です。プライベートチャネルごとに、裏でサイトコレクションが作成されていきます。このサイトコレクション内のサイトは特殊な設定になっているため、一般的なチームサイトとは異なると考えた方がよさそうです。またプライベートチャネル利用時の制限等もあるので、気を付けたいところ。

チャット、ミーティング、ファイルなどをポップアップ表示できるオプションが追加されるとのこと。つまりマルチウィンドウで操作できるということ。ミーティング中にちょっと別のタブで開いてたファイルを確認したい、、といったことがよくあるので、これがあればかなり操作性が上がりますね。

あとSharePoint 関連では、SharePoint 上のリストやライブラリを Teams 上で利用するには URL をコピーしていちいちタブとして貼り付けていたのですが、少しでもその手間を省けるようにSharePoint側から Teams 側にタブとしてコンテンツを追加する機能が搭載されるようです。

PowerApps は Teams 内で利用できますが、モバイルアプリからは利用できません。しかし、IT 管理者は PowerApps をテナントのアプリカタログへと発行できるようになり、Teams モバイルアプリ内からも PowerApps にアクセスできるようになります。

ということですでに PowerApps のポータル画面には [Teams に追加] メニューが表示されるようになっています。これを使って展開できるというわけですね。

Teams-App

Power Platform (Power Automate, Power Virtual Agent)

Power Platform は Office 365 で重要な要素の一つです。ここに新たに Power Automate と Power Virtual Agent が加わります。

まず最初にPower Automate から。これはもともと Microsoft Flow と呼ばれていた機能がリネームされたものであり、RPA が搭載されたことが大きな目玉です。Power Automate はデスクトップ上で操作した内容を記録し、そのまま再生できる。記録した内容とステップはクラウド上に保管されるだけでなく、270種類以上のコネクターと連動させられます。

Power Virtual Agent はチャットボットをローコードで手軽に作れるというもの。

Twitter を追いかけていると、この2つに関しては、発表があってからすぐにかなりの方が試されたようですね。RPA という言葉がパワーワードですし、それだけ期待値が高いということでしょう。特に Virtual Agent, 所謂、チャットボットは個人的にとても注目していただけあり、やはりな、という感じです。

そして個人的にはアメリカ赤十字社の事例にあった「IT担当者でなくとも自分で導入する」という点がとても重要だなと感じています。ITは難しいとか、専門家が対応するとかという時代はとっくに過ぎ去っていると思っています。ユーザーであっても Excel や PowerPoint がちょっと使えますというごく初歩的なスキルで甘えていられない。コンピューターサイエンスを知らなくても、もっと高度なITを利用できるようになっているし、利用できるようになるべきだと思っています。IT部門の役割を見直す時期に来ているんですが、あまりそうした意識が持てずにいる方も少なくないように思いますね。

さて、この Power Platform もちろん、SharePoint ともかかわりが深い。Epsode 1 の記事でも紹介した通り、ドキュメント ライブラリ上でメタデータを設定するフォームが PowerApps でカスタマイズできるようになります。この機能は今月ロールアウトが開始されるとのこと。

Power-Apps-Custom-Form-in-SharePoint-Document-Library-1024x541

なお、来年の早々に、SharePoint Online の管理者はカスタムアプリとフォームのパッケージを含めてサイトテンプレートをプロビジョニングできるようになるようです。

あと、既存 PowerApps ユーザーには朗報がもう一つ。ゲストアクセスが GA になりました!

Office 

Excel もいろいろと進化があるようです。たとえば、AI を利用し、自然言語クエリによって欲しいグラフなどを手軽に生成することもできるよう。

まず注目すべきは Office Script でしょうね。Excel 上の操作を記録し、再生する機能です。まぁ、マクロみたいなものなのですが、面白いのが手動でスクリプトを開始できるだけでなく、PowerApps Automate を使って定期的に実行したり、フロー内で特定の条件で実行させることができる点ですね。この機能は2019年末までに Excel on the web 上で Public Preview として利用できるようになるそうです。

他にも個人的には「Sheet View」という新機能が興味深いなと思っています。これ SharePoint リストのビューをExcel に持ち込んだような形の機能です。表のフィルター条件をビューとして何パターンが登録して、ビューを切り替えて利用できるようになります。同時編集時にもそれぞれにビューを切り替えて操作できるようです。

その他の詳細は下記を参照のこと。

Excel Announcements @ Ignite 2019

Microsoft Ignite 2019 has begun and there are lots of announcements coming your way throughout the week. Here is some of the Excel news that will be presented at Ignite this year: Easily turn data into insights with natural language query Rolling out today to Office Insiders, natural language qu...

モバイル向け Office アプリはこれまで Word, Excel , Power Pointを別々にダウンロードしていたが、新しい Office は、1つに統合するとのこと。詳しくは ITmedia さんがまとめているので、こちらの記事がおすすめです。

Microsoft Officeのモバイル版プレビュー公開 Word、Excel、PowerPointを1つにまとめた高機能アプリ

米Microsoftは11月4日(現地時間)、フロリダ州オーランドで開催の年次テクニカルカンファレンス「Microsoft Ignite ...

Visual Studio Online

VS Online はWebアプリケーションとして実装された統合開発環境であり、Visual Studio Code がベースになっている。このツールは Microsoft Build で発表されたが、今回は Public Preview 開始のアナウンスとなりました。

ということで、Git リポジトリや拡張機能わ備えたブラウザーベースのエディタが搭載されているため、Webブラウザーさえあれば、どのデバイスからでも開発ができるというもの。DevOps のメリットも多く享受できる。Self-hosted な環境を利用するならノーコストで利用可能。Visual Studio Code からも拡張をインストールすることクラウド上の開発環境を利用できるようにもなるとのこと。SharePoint Framework を使った開発は VS Code を利用するため、このあたりがどうなるかは確認しておく必要がありそうです。

Visual Studio Online VS Code Quickstart

[番外編]

機能云々ではないところも少し。

マイクロソフト認定試験が無料に

今回のMicrosoft Ignite 2019 および各国で開催される Microsoft Ignite The Tour 2019-2020 のいずれかに参加していると、Microsoft のいくつかの認定試験が無料で提供されるそうです。イベントの最終日から 180 日間有効だそうで、どれがその対象になるのかは下記のリンク先を参照してください。

Microsoft Ignite and Microsoft Ignite The Tour: Free Certification Exam Offer

Thank you for attending Microsoft Ignite 2019 or a Microsoft Ignite The Tour 2019-2020 event. All attendees will be given a free certification exam, subject to certain exceptions,* to help you continue skilling up and prove your technical expertise to employers and peers.

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Episode 4 に続く (たぶん)。。。

2019年11月 8日 (金)

昨日に続き、Episode 2 です。

これを書いている今日はオーランド最終日で、現在 6時半。もうすぐ日の出を迎えます。

さて、SharePoint に関する情報を追加しておきます。

ちなみに、クラウドのデータ量が 5年でこんなに増大してます。管理方法などいろいろと考え方を変える時期に来ているのは明らかですね。

リスト

嬉しい機能アップデートがてんこ盛りです。

リストフォームの列の順番の入れ替えが簡単になるほか、表示非表示のための簡単な条件式も書けるようになるので、ちょっとしたものなら PowerApps なんかなくてもちょこちょこっとユーザーが操作できるようになります。Excel の延長って感じですから、これくらいのことなら IT とかヘルプデスクに依頼しなくても自分で対応できるでしょう 。

JSON を書かなくても行単位での色分けや列の書式もリッチな見た目にできるなど、Excel の条件付き書式っぽい機能が盛沢山。

それからスクリーンショットもない地味な変更点ですが、リストのビューで列の入れ替え時にビューを自動保存してくれます。多くの方が、私を含め、ついうっかり保存し忘れていると思うので 朗報です。

複数行テキスト列はクラシックな編集画面のままでしたが、ようやくモダンに!

クラックサイトではWebパーツ間接続っていうのをよくやっていました。よくあるのがリストとライブラリとで同一の値を持つ列を追加しておいて、Webパーツをそれぞれ追加しておき互いに接続します。接続するのはフィルターのため。リストのアイテムを選択すると、そのアイテムの値に基づき同じ値を持つファイルだけが絞り込まれる。これをモダンサイトでもできるようなります。ダイナミックフィルターと呼ぶようです。

サイトページに追加したリストとやライブラリのWebパーツからメタデータの編集もできちゃいます。

 

メタデータ

コンテンツタイプをハブサイト内のライブラリに適用できるようになります。またコンテンツタイプをテナント全体で使えるようにするコンテンツ タイプハブっていうのがあるのですが、ちょっと下火かなぁと思っていましたがそうではないようです。

管理メタデータの管理も強化されます。

ポータル

ハブサイトを使い始めている組織も増えてきていると思います。その参考情報も。

新たにニュース Webパーツのソースでハブを指定したり、ナビゲーションでもハブを指定できるなど、ハブを使うとサイトの設定が一括化できるのでこれは便利そうです。

またハブの利用状況の分析もできるようになるんですね。これもサイトの利用状況と同じく、ハブ全体をみたいというのは、よくご質問いただいていたところです。朗報。

ところでこのハブサイト。ハブサイト同士を接続できるようになるようですね。ハブ同士を入れ子というか階層化できるのかという質問はよくいただくんですが、できないと答えていたのに。お客さんのハブサイトの設計をする際に、説明していても皆さん大抵がリンクの関係がこんがらがってきます。その都度、整理して説明しているのですが、これが階層化できちゃということ。うまーく設計しないと、さらに、こんがらがるでしょうね。

ナビゲーション部分の対象ユーザー機能も利用できるようになるとはアナウンスされていましたが、こんな画面になるようです。フッターにも対応。セキュリティグループを指定できる。

IMG_4255

サイトスクリプトとデザインも改良を重ねてきていますね。ハブのナビゲーションも編集できるようになるし、ヘッダーなどのレイアウトも変更できる。何よりフォルダーやファイルが追加できるようになっているというのも素敵です。

スクリプトは JSON 形式で用意しますが、Get-SPOSiteScriptFromWeb を使うことで既存のサイトのリストやライブラリからスクリプトを生成できます。

SharePoint PnP PowerShell などで提供されているサイトのプロビジョニング機能に比べると、サイトスクリプトなら抽出が楽だし、適用するのに PowerShell を毎度使わなくていいというのが魅力。

ファイル

さっき使ったファイルをすぐに見つけたい! よく使うからすぐにアクセスできるようにしたい! といった要求にこたえるのが、あちこちに追加される Recommendation 機能。

OneDrive に関しては Nestle さんの事例が公開されていますね。World Wide で 約30万ユーザーですって。

外部共有に関して。

検索

SharePoint の検索機能は Microsoft Search へと拡大されます。

検索機能はカスタマイズが来年の焦点。まず検索系のWebパーツが増えます!

検索結果のカスタマイズはやったことがあるかたはご存知ですが、JavaScript を書く必要があったため難易度がとても高く、研修でも演習でカスタマイズをやってましたが、皆さんぐったりするのがほとんどです。がしかし! GUIベースでカスタマイズできるようになります。これは画期的! (まぁ、不便さにならされてきたので、こういうところで感動してしまう悲しさもちょっぴり感じます)。

サイトの検索結果のカスタムページは単純にサイトページで作成し、PowerShellで適用します。

今後のロードマップ。

Microsoft Search に関する詳細。

検索Webパーツを SharePoint Framework を用いて作成することも可能ですが、下記に Modern Search Web Parts (Reactベース) が公開されています。

Microsoft Steam

トランスクリプトとキャプションが日本語対応します。

Stream Webパーツから再生する際、AI がバックグラウンドのノイズを除去してくれるノイズキャンセリング機能が搭載されます。

PowerApps 上でもようやく Stream のビデオが再生できるようになります。教育コンテンツが作りやすくなりそう。

ロードマップは下記の通り。

管理

SharePoint 管理センターの機能もアップデート。複数のサイトを選択して、一括してハブに関連付けたり、各サイトの所有者だけでなくメンバーも確認・編集したりできます。

これは SharePoint に限られないのですが、Office 365 全体の管理者のロールに Global Reader というのが追加されます。全体の設定が確認できるけど、操作はできないというユーザーです。

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なお、SharePoint や OneDrive の関連セッションの一覧は下記に公開されています。

Ignite 2019 guide to SharePoint, OneDrive, Yammer, Stream and related technology sessions

"Prepare the umbrella before it rains." - Malay Proverb Let technology rain. With less than two weeks until Microsoft Ignite 2019, the SharePoint, OneDrive, Yammer and Stream speakers are firing on all cylinders to finalize their sessions for this year's conference. And while the Ignite session ca...

さて、OneDrive , PowerApps, Microsoft Automate, Teams などまだネタがあるのですが、続きはまた帰国後、かな。

2019年11月 7日 (木)

今年も Microsoft Ignite 2019 が始まりました。場所は去年に引き続き米国オーランド。去年は 9月末に開催されましたが、今年は 2019年11月4日~8日までの5日間の開催となっています。

Vision Keynote はオンデマンドが公開されており下記のリンク先からアクセスできます。

Microsoft Ignite

Join Scott Guthrie & Eric Boyd at the Microsoft Azure + AI Conference in Vegas Nov 18-19, 2019 Curious about what to expect at Microsoft Ignite? Watch these videos to get an overview of the types of break-out topics, solutions, and themes that will be covered at this year's event.

今回は参加者は世界中から 2,500 + となっているようですが、相変わらず広い会場は熱気にあふれています(-追記- 実際には3万人近かったようですね)。Ignite のブレークアウトセッション等はオンラインで同時配信されるので日本でも視聴できますが、日本では夜間の時間帯であることや(オンデマンドでも遅れて配信はされますが)、参加者の様子を肌で感じるにはやはり現地が一番良いように思います。かつて妊娠中にやむなく参加登録はしたものの渡航はせず日本からオンデマンド視聴で勉強を試みたこともありました。が、やはり日本にいると、日常にどうしても忙殺されるので思うように情報収集できなかったこともあり、可能な限りは、やはり現地に赴いて時間を確保するのがよいなぁと思っています。

さて、Microsoft CEO であるサティア ナデラ氏が講演する Vision Keynote は会場が従来とは異なり先着3,000名までという小規模な場所になりました。メイン会場以外はViewing 会場が複数用意されており、そこから中継を見ることになります。せっかくなのでメイン会場入りを目指します。Keynote は9時からの開始であるものの、入場券配布が 7時からとなっているため、並ぶため7時を少しすぎたころに到着。が、もうすでに長蛇の列。

なんとか会場には何とか入れたのですが聞くところによると人によっては5時から並んでいたとか。

さて、今回もSharePoint を中心に情報収集を行っています。といっても Teams, PowerPlatform , Microsoft Search など多岐にわたり SharePoint にかかわりがあるので、周辺に関しても情報収集が必要です。

ところで、このイベントに先行してSharePoint Conference 2019 が5月に開催され、今年はそちらにも参加してきました。そこで発表された新機能などは、実は多くが、まだこれからロールアウト開始予定となっており、今回のイベントでは来年に向けての方向性を示すような内容になっている印象です。利活用の具体的な内容や Tips などは SharePoint Conference の方が当然ながら多く、面白かった。

さて、今年のセッションの傾向ですが、45分のブレークアウトセッションばかりとなり、昔のような75分セッションはありません。そのため各セッション慌ただしいところもあるのですが、45分の方が集中して聞けるし、1日に多くのセッションに参加できる利点はあります。その他にも数多くの Workshop や、日本でいうところの Expo 会場が今年は The Hub という名称になっており、ここで20分間のシアターセッションが数多く開催されています。興味のあるセッションは時間帯が重なることも多く、時間のやりくりに苦労します。もちろん専用のモバイルアプリが提供されているのでセッションの一覧などはすぐに確認はできます。電車の時刻表を眺めて乗り継ぎを考えるかの如く、移動時間を考えて色々と作戦を練らなくてはいけません。まぁ、それが一種楽しさでもあるのですが。

参加できなくても各セッションは24時間以内にオンデマンドでも配信されます。そのため、参加したいセッションが重なっても後でゆっくり閲覧できますし、聞き逃したところもすぐに見直せます。

そろそろ SharePoint 関係の話をしましょう。

今回はセッション名からは SharePoint の冠が外れているものも多い印象です。しかし、SharePoint の人気に陰りが出たという意味では決してないようです。個人的な見解としては、どのセッションでもファイル共有などはインフラとして当たり前のように SharePoint や OneDrive を利用しているため、SharePoint 単独利用での悩みごとの解説よりも、各サービスとの組み合わせ方、利用の仕方に焦点があたっているとみています。たとえば、AI によるドキュメントの分析とメタデータ抽出なども当たり前に SharePoint 環境が使われています。といいつつ、セッションタイトルに SharePoint が含まれているセッションは相変わらず人気で、各セッションはだいたい満員になっていたようです(私も時間的にすべてのセッションに出たわけではないのですが)。

またSharePointと関わりの深いTeams はホットなサービスであることは間違いなく、冠が付くセッションはかなり多い印象ですね。

Knowledge

さて、今回の SharePoint に関する目玉となるキーワードは "Knowledge" です。ここには AI をふんだんに活用しています。この中心となるプロジェクトとして "Project Cortex" が発表されました。このProject Cortex に関してはまた記事を分けて書きたいと思います。日本企業では、利用したくともいろいろと障壁がありそうなので、その辺も踏まえて。。。

SharePoint 関連でのアナウンスメントで最も興味を持ったものの投票とその結果が公開されていますが、やはり Cortex 一番人気です。かくゆう私も Cortex に投票しましたが。

気づいたことはTwitter 上に投稿するようにしています。取り急ぎ、これらをまとめて掲載しておきます。メモ書きのような感じですが、深堀したいキーワードは改めて記事にまとめたいと思います。

アクティブユーザー

SharePoint Online の月間のアクティブユーザー数は 100 million (1億)を越えているそうです。

機能カテゴリ

SharePoint Online の現在の機能カテゴリは次の通りです。

  • File sharing and content collaboration
  • Shared data and business process solutions
  • Communications and employee experiences
  • Knowledge sharing and discover
  • Security and governance
  • Customization and sensibility

ポータル

サイトページ (ニュース投稿含む) はスケジュール発行ができるようになります。

多言語機能も新たに提供されます。昔の SharePoint を知っている方はバリエーションっていう機能があったのを記憶しているのではないでしょうか。それの改良版っていう感じですね。以前の機能と同じく、各言語ごとにページが自動複製されるようですが、大元の言語サイトでコンテンツに変更があると、他の言語ページ上では変更点が確認できるようになっており、そこだけピンポイントで翻訳すればいいようです。詳しくはもう少し調べてみないと。。。

SharePoint モダンサイトのデザイン集である SharePoint look book も最新版 (v2) にアップデートされます。

ハブサイト

ハブサイトに関連付けられているすべてのサイトにアクセス権限を同期できるようになるようです。

SharePoint Home site

ユーザーのランディングページとなる SharePoint Home サイトがいよいよ GA となりました。今週からロールアウトが開始されます。ユーザーはまず、SharePoint Home にアクセスをしてから、そこから各 SharePoint ハブなどにアクセスしていくことになります。サイト自体はコミュニケーションサイトで作成し、AI などを使ってログインユーザーに最適な情報も組み合わせて表示する(パーソナライズ)ことになります。ナビゲーション部分も対象ユーザーが設定できるため、ログインユーザーごとにナビゲーションの表示も異なります。

Intelligent Intranet

ロードマップ。細かい解説はまた追々。。。

ファイル管理

従来は1ファイルあたり 15 GB 未満までサポートされていましたが、一気に 100 GB まで上がります。

OneDrive クライアントの同期機能では、差分同期も可能になっています。更新分のみをアップロードする仕組みになったということ。

それからサイトページやニュース記事では「後のために保存」(後で読むために保存というのが、正確でしょうけど)というブックマーク機能が提供されていますが、ファイルにも導入されます。

それからドキュメントライブラリのフォームが PowerApps でカスタマイズ可能になります。こりは Coming soon となっていて、去年からアナウンスされていたので、ようやくといったところです!

用語ストアのモダン化

用語セットなどの管理画面はクラシックUIでしたが、いよいよモダンに! また分析機能も搭載されます。分析に関してはSharePoint 管理センターからアクセスすることになるみたいですが。

ちなみに、ファイル管理ではメタデータ管理が今後より重要になっていきます。メタデータ管理がしっくりこない方もいますが、ファイル管理はいかに見つけやすくするかが大切です。そう考えれば、雑多にあふれるファイルは何らかの方法で仕分けて整理整頓する必要があるわけですが、これを人の手でやったり AI を利用したりすることになります。

リストやライブラリ

新機能が山ほどあるので取り急ぎリンクだけ貼っておきます。

検索結果のカスタマイズ

サイトの検索結果ページをカスタマイズできるようになります。Webパーツを配置してアレンジできるだけでなく、SharePoint Framework を使って開発した独自の 検索用Web パーツなども配置して利用できるようです。

SharePoint Spaces

SharePoint 上で 3D データなどを管理し、ホロレンズと連携できる SharePoint spaces の Public preview は来年開始されるようです。昨年にも同様に話はあったものの、それほど進んだようには見えず、結構ずれ込んできているようですね。

セキュリティ & コンプライアンス

ロードマップ

 

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と、ひとまずここまで。もうちょっときれいに整理したいところですが時間がないので。

Project Cortext はもちろん、SharePoint リストの新機能とか、Teams や Stream の新機能などもまとめなくてはいけませんね。

本日は4日目。そろそろ、行く時間となるので、これからセッションに参加してきます。ちなみに、私にとっては今日が最終日。明日、帰国の途につきます。。。