2020年2月

2020年2月27日 (木)


前回は後半で MyAnalytics を使って業務時間を可視化できるということを説明しました。

これに関して少し補足しておきましょう。

MyAnalytics に表示される情報はあくまでもプライベートな情報であり、上長やシステム管理者であっても閲覧はできません。詳しくは下記のリンク先に書かれています。

MyAnalytics privacy guide

"時間" つながりで、続いては時間管理について触れていきましょう。 Character_mezamashidokei


自宅にいることになれば、いつもの仕事の場所とは環境が異なるため、仕事だけに集中できるとは限りません。もっとも、職場でも「これ、参加する必要あるのかな? 」という会議に呼ばれたり、急に「ちょっといい?」と声を掛けられ、自分の仕事に集中できるとはかぎらず、リモートワークの方がはかどる可能性もあります。

もう一つ気になるのが、切れ間なく仕事をすることにつなってしまうのではという点です。

ちなみに、私自身は十年ちょっと前に主人と2人で会社を立ち上げてからは自宅兼事務所で仕事をしています。とはいえ、当初はオンプレミスの時代でしたから、客先に行くのは当然といったところはありました。しかし、Office 365 の導入が進むことで、顧客先に赴くことも非常に少なくなり、在宅ワークしている時間は格段に増えました。また、5歳の幼稚園児も抱えており、子育ても真っ最中です。そんな話も少し踏まえながら書き進めますね。

閑話休題。

時間管理において考えなくてはいけないことは何か?

以下に順を追って述べていきます。

作業場所はさまざま

Business_eigyou_man

今回のテーマとなっているテレワーク (リモートワーク) では、前回も書いたように全ての業種でこれを行うのは難しいでしょう。会社に出向く人、客先に行く人、工場や現場などに赴く人も当然ながら多くいらっしゃいますし、それによって社会生活が回っているのも事実です。ただし、人によってはリモートワークできるのであれば、非常事態時においては、人との接触を極力少なくすることは感染拡大防止にはとても重要です。

現在、政府は 2週間の間の、可能な限り大勢との接触を避けるよう対策を進めています。なるべく、こうした施策には協力することが必要です。地球上の南極以外のすべての大陸で感染者が報告されましたし、パンデミックと医療機関の崩壊がもっとも危惧するところで、社会経済に非常に大きなダメージを与えかねない状況にあります。ちなみに、過去パンデミックになったスペイン風邪の例が根拠としても挙げられており、今日、東京都の医師会の会見でも触れられていました。ご存知ない方は、京都府の資料が参考になりそうです。

第4号平成20年9月発行(PDF:529KB) - 京都府

リモートワークできる人は、自宅でも仕事できる環境にあり、自宅からでも出社中、客先等、あちこちで業務にあたるメンバーと協働していく必要があるわけです。また、風邪症状があれば、まず出勤してはいけない。こうした意識付けは大切であり、各組織で対応をしているとは思います。 Sick_seki_virus

そして、業務メンバーがどこにいても業務効率がほとんど変わらないように組織として体制を組んでいくことが重要です。そこにITを役立てるという話の一つがリモートワークです。

そもそも、時間や場所を問わず、短い時間で素早く多くの仕事をこなせるよう ITを使った情報共有の仕組みは進化してきています。たとえ、一日中のリモートワークは無理でも、体調が悪いから休む連絡をし、代わりの人を手配するとかといったことも業務であり、こうした情報連携などをどこにいても素早くこなせるというのが本質でしょう。

余談ですが、しばしば、SharePointで「行き先掲示板」を作れないかという相談をいただきます。昔であれば、携帯電話を会社支給するといったことも少なく、組織の代表電話に電話がかかってくると「○○さん、今日どこだっけ?」というのをホワイトボード上の行き先掲示板で確認し、「ただいま、あいにく外出しておりまして、○○時以降であれば、戻ってくるようです」といった電話対応をしたものです。「誰よりも早く電話をとる」ことが、新卒のだったりもしました (今も、そういうところがあるかもしれませんが)。

しかし、現在は Teams でも メールでも、電話でも、LINEでも、昔に比べれば多くのコミュニケーションツールがあります。「どこにいるか」ではなく、「どの手段を使えば、素早く連絡が取れるか」の方が重要でしょう。

チャットを中心としたコミュニケーション

Teams 上でのチャットは、場所やシチュエーションを問わず連絡が取りやすい手段です。客先でも、リモートでも、社内でも手軽にすぐにコミュニケーションを開始できます。

また電話やメールに切り替えたい場合も、Teams 内では連絡先カードが表示されるようになっているため、ここから連絡先情報を得られます。もちろん、そもそもOffice 365 上にこうした連絡先情報をきちんと入れておくことが前提です。

ちなみに、連絡先の検索は https://www.office.com 上からも行えます。

Search - Contacs on office.com

Delve 上でも検索できます。

その他にもOutlook やSharePoint のモバイルアプリ上からも検索できます。

ところで、手軽にコミュニケーションが取れるということは、時間な縛りに際限がない状況だとも言えます

スケジュールをきちんと共有しよう

仕事仲間を気遣う意味でも「○○さん、今日の予定どうなっていたかな?」というのをすぐに確認できるといい。幸いOutlook では他の人の予定も参照できます。そのためにも予定表にスケジュールをしっかり入れておくことは大切です。各自でOutlook に予定をまめに入れておきましょうということです。自分のためでもあり、他の人もためでもあります。

モバイル版の Outlook アプリもあるので、利用できる方は、スマホなどから、どこにいても、いつでもスケジュールを確認および追加するようにできるとよいでしょう。

必要に応じてテレワークする日を登録しておきましょう。例えば、終日テレワークの日は Outlook 上に「終日イベント」として登録しておくのもお勧めです。「終日イベント」にしておくと、MyAnalytics もこの情報は業務分析には利用しません。

次の図は Outlook on the web 上から登録してみているところです。

それから、リモートワークの日ではなく、あくまでも有給などを取得した休日に関しては Outlook の「自動応答」を設定しておくようにします。次の図は Outlook on the web の例です。

Out of Office

詳しい手順は次のリンク先を参照してください。

Outlook on the web で自動応答 (不在時) を送信する

Outlook から不在時の自動応答を送信する

Tips : Power Apps アプリを使った自動応答設定

ここで Power Apps を使った Tips もご紹介しておきましょう。Outlook 上での不在通知設定は案外、面倒です。これを簡単設定できるアプリを作成できます。

ちなみに、Power Apps をご存知ない方へ向けて補足です。Office 365 のほとんどのプランに Power Apps のライセンスが付属します。ローコーディングで誰でも手軽にアプリを作れるというものです。しかもモバイル利用もできる。ただし、テナント管理者がこの機能をつかわせないよう制限しているケースも少なくないのが残念なところ。Power Apps で何ができて、情報システム部門としてどのように管理すべきか決まっていない、もしくはユーザーにアプリを自由に作れるようにすると問い合わせ対応などが大変なので対象外にするなど、理由はさまざまです。それでも着実に Power Apps は各組織に広がってきています。

さて話を戻しましょう。

Power Apps のテンプレートに「Out of Office」という、そのものずばりのアプリがあります。English 版のみですが、ここは少し日本語化してあげればいいだけのことなので、Power Apps でアプリ開発できる方はほんの少しの調整で日本語化できると思います。もちろん、英語のままでも利用できます。どんなものなのか、音声はありませんがビデオをご覧ください。

設定結果は下記の通り。

2020-02-27_14-42-29

こんなアプリがあれば、手軽に不在通知を設定できますね。なお、アプリはPC上でも動作しますが Power Apps モバイルアプリに配信できるので、スマホや iPad などからも利用できます。

フレキシブルな時間の使い方も考慮

大抵の人はいくら集中できるといっても、四六時中、ずっと仕事に集中するということは無理でしょう。職場でもリフレッシュする時間を持っているはずです。それはリモートワークしていても同じですね。

仕事する時間をある程度、決めておき、メリハリをつけることも大事です。そうした意味でも、本来なら会社の業務時間中だからといってPCの前に必ずしも張り付くことは強要しないにほうが望ましいでしょう。

もちろん、業務時間はPCの前に張り付いておきなさいというお達しがあったり、業務によっては決まった時間帯にいつでも連絡がとれるよう待機しておかなくてはいけない仕事もあるでしょう。また、出社している人と合わせないと仕事にならないなど事情はあるでしょう。ただし、全体的にはそうした仕事に携わっている割合というのは、比較的少ない方でしょう。それでも、先ほど政府からの要請で全国の公立小中高等学校が3月2日より春休みまでの長期間、休校措置をとることになりました。当然、私立の学校も追随するでしょう。そうすると今回ばかりはリモートワーク中でも、やはり子供の面倒を見なくてはいけないこともあるでしょうし、そもそもお昼ご飯の調達もあり、誰か具合が悪くなれば通院なども必要で、所用で席を外すことも想定内です。

色々な状況に備えて、可能な限り、時間には融通を聞かせるように柔軟性は持たせておいた方がいい。もちろん、1日あたりの労働時間の範囲ないで、ある程度、仕事に割り当てられる時間帯を選択できるようにしておきたい。

そこで時間の使い方を考えるうえではタスク管理も視野に入れる必要があります。優先順位と対応する時間帯、期限などなど。どのように仕事を分担するのか。このことに関しては次回の記事でツールと組み合わせた使い方などをご紹介したいと思います。

計画を立てるために

ツールも活用しながら仕事のタイムスケジュール計画を立てるためには、前回の記事の MyAnalytics のところでもでも触れたようにまずは、稼働日時をしっかり設定することです(ちなみに、 Outlook 上の稼働日時が予定表や MyAnalytics で使われており、初期のころは Outlook 上からしか稼働日時を設定できませんでした。しかし、あとから機能が MyAnalytics ページに追加され、こちらかも設定できるようになっています。つまり、どちらから設定しても基本的に同じということです)。

そのうえで、毎日フォーカス時間を最低 2時間は確保するようにできればなおよし。

また、どうしても連絡が取れない時間帯があれば、それをスケジュールに追加しておいてあげるとよいでしょう。逆に、確実に連絡が取れる時間帯をスケジュールに追加しておくという発想でもいいかもしれません。

いずれにしても、こうしたルールをメンバー間で決めておくようにするとコミュニケーションもスムーズです。

ちなみに、リモートワークに関わらず、Outlook 上にスケジュールを入れるときには必ず、公開方法を指定することです。特に「予定あり」や「退席中」はよく利用するステータス設定です。

Outlook - Schedule Status

公開方法の選択肢には「非公開」もあります。プライベートな予定もある程度、ここに入れておくようにして、必要に応じて内容を完全に非公開にしておけば、相手には「何かしらこの時間帯は予定があるな」ということまでを把握できるようにもできます。

※非公開オプションは、うっかり設定し忘れることもあるので、あまり詳細に書き込まない方がよさそうです。随分、昔のことですが、私の上司のスケジュールに謎の女性の誕生日が予定としてうっかり公開されていて、社内で話題になったことも。。。(笑)

予定表の共有

予定表は既定では組織内のすべての人が「何か予定が入っているな?」というところまで見えるように設定されています。Outlook on the web の場合は、予定表ページの右上にある「共有」をクリックすると現在の状態が確認できるでしょう。

2020-02-27_15-52-19

一緒に仕事をしているメンバーにはもう少し細かいところもまで表示できるようにしたいと思ったらユーザーやグループを指定して閲覧可能範囲を設定します。

他の従業員の予定を参照するには次のような手順で設定できます。Outlook on the web の例で紹介しましょう。

参考 : シフトを組んでいる業務などでは。。。

シフトを組んで業務にあたっている場合は、Teams のシフト機能を使ってみるのもよい機会かもしれません。Teams の左側にある ... をクリックすると[シフト]というのが表示されます。

Teams - Shift

これをクリックしてアクセスするとチームごとのシフトが作成できます。

Shift チーム管理者は PC 上でシフトを組む

現場のメンバーはモバイル版の Teams アプリ上でシフトを確認したり、メンバーからの連絡を受けたり、シフトの交換などをやり取りできます。

Screenshot_20200227-181141

詳しくは下記のリンク先を参照してください。

Shifts の使用を開始する

業務時間を自分なりに計画する

際限なく仕事をしないようにするために、自分で業務時間を計画しましょう。9時以降は仕事をしないとか、朝早く起きて仕事をするとか、リズムが決められればベストです。もしくは、日中の方が仕事の効率がいいのであれば日中の時間帯でフォーカス時間を確保できると理想的でしょう。

ちなみに、Teams アプリをモバイルにインストールしていると、便利である反面、昼夜問わず連絡が来てしまう可能性があります。それではメリハリがつきません。

そこでこんな設定をしておきましょう。まず、左上のハンバーガーメニューをクリックします。

Teams - Mute -1

次に「通知」をタップします。

Teams - Mute -2

「通知を受け取る」設定は、既定はいつでもになっていますが、「デックストップまたは Webで非アクティブな場合のみ」を選んでおくとよいでしょう。

Teams - Mute -3

さらに上の画面の上部の「通知オフ」をタップします。表示される画面上で、通知をオフにする時間帯を指定しておきます。

Teams - Mute -4

さらに前回ご紹介した MyAnalytics を使えば、業務時間をどう使ったか、業務時間以外にどの程度仕事をしたのかなど、どのように仕事に取り組んできたかを自動的に集計してくれるため、客観的に捉えられると思います。MyAnalytics では Weekly メールも送信されるようになっているため、そんなタイミングで毎週、振り返ってみましょう。

次の図が週ごとに送られてくる MyAnlytics の分析レポートの例です。

My Analytics - Mail

 

 


さて、今日はここまで。

次の記事では Microsoft Teams を使ったオンライン会議の実施に関して知っておきたい機能やタスク管理について触れたいと思います。

 

【オフィスアイ】1日でわかる! Microsoft Teams および Yammer による Office 365 利活用ワークショップ

対象者は、Office 365 をこれから導入する予定の方。Office 365 の導入を支援する方。初めて Office 365 の運用管理を担当する方。Office 365 を導入済みだが一部の機能しか利用しておらず、全体的な機能の利活用を見直したい方です。詳しくはお問合せください。

2020年2月26日 (水)


2020年2月24日、新型コロナの感染症拡大を防ぐために、厚生労働省が基本方針の具体化に向けた見解を公開したことは周知のところだと思います。

新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解

この専門家会議は、新型コロナウイルス感染症の対策について、医学的な見地から助言等を行うため、適宜、政府に助言をしてきました。  我々は、現在、感染の完全な防御が極めて難しいウイルスと闘っています。このウイルスの特徴上、一人一人の感染を完全に防止することは不可能です。 ...

そもそも国内企業や組織の中にも感染者が確認されたことで、テレワークの導入および実践を速やかに行う必要があるところも出てきており、今回の基本方針に向けた見解が公開されたことで、こうした流れを後押しする一定の役割を果たしていることは間違いなさそうです。

もちろん、業務によってはどうしてもテレワークが難しいものもあるため、猫も杓子もテレワークとはいかないでしょうが、可能な限りテレワークに切り替えられる場合は速やかに対応すべき時期に来ていますし、ITを活用したスムーズな情報連携が必要になってきています。

弊社の研修に関しても、全国各地から研修へ参加いただいておりますが、既に組織によっては出張が禁止されているところもでてきているようです。そのためお客様のご協力もお願いしつつ、まずは3月末まで Microsoft Teams を使ったオンライン会議による研修の実施に切り替えていくように段取りしています。もともと少人数制の研修なので、こうした対応がとりやすいというのもありますが。

さらに、こうした状況を踏まえ、私の方でも、少ない知見かもしれませんが、Office 365 に関しては一般の人よりは知見をもっているであろうことから、これを生かすべく、いくつかブログ記事として公開していくことにしました。もちろん、私のブログを見る方の中には、そんなの知っているよという話も出てくると思いますが、基本的なことも含め整理し、いろいろな機能をどう生かすかについてのヒントになれば幸いです。ちなみに、実際に先日、終日 Teams での研修をとあるお客様に向けて実施しましたので、そのことについてもどこかで触れたいと思います。

テレワークに向けて

Zaitaku_telework_man
テレワークは単に自宅から仕事をするという話ではありません。リモートで互いにやり取りするからこそ、集中して業務にあたることもできるでしょうから、テレワークを組み合わせることで業務効率の向上も図りたいところです。

Office 365 の様々な機能をうまく活用してスムーズな情報伝達に生かし、業務効率も向上させたい。という思惑があるものの、それ以前に課題も少なくありません。

たとえば、情報漏洩防止の観点から会社支給のPCは持ち出しがそもそも容易ではない。この点についてはOffice 365 や Azure AD などによる情報漏洩防止対策およびセキュリティ対策と社内のルール化で対応することになるわけですが、そのあたりはシステム管理者の方が頑張っていることでしょう。本記事ではどうセキュアにするかという話は、いったん度外視します。

この記事ではテレワークをするユーザーに向けた役立つ情報を提供することにフォーカスを絞ります。

まずはPCもしくはモバイルを持ち出せることを前提にして話を進めていきましょう(ちなみに、このブログを見ている方々はそれなりにITリテラシーは高い方だと想定しています。そういう方でないとこのブログにはきっとたどり着かないでしょうし。。。)。

Computer_headset

ところで、PC以外にカメラやヘッドセットがないという組織が少なくないようです。実際にカメラを通じてお互いの様子を知るというのは、コミュニケーションにおいては重要です。少なくともこうした備品は組織が用意したいところですし、個人で購入して利用するのでもいいのではないでしょうか?

それからIT云々ではない話も。

自宅に書斎を持っていない方も少なくないようです。知り合いの鍼灸師さんによると、リモートワークが増えたことで、肩や腰がガチガチに凝り固まっている方も多くなったとのこと。PC操作に適した机や椅子などをきちんと用意せず、長時間無理な姿勢を続けていることが多くの原因であるようです。これで具合が悪くなっては本末転倒です。PC作業に適した自宅の環境として、せめて椅子と机は疲れにくいものを用意するに越したことはありません。

Katakori_woman

Microsoft Teams をコミュニケーションの中心に

Kaiwa_communication_business
Office 365 を利用している方の多くは既に Microsoft Teams を使い始めていると思います。しかし、まだ Skype for Business の展開がようやく終わったところで Teams に関してはこれから導入を検討するという組織も、実は結構あるようです。とはいえ、Skype for Business では情報共有の仕組みとしては不足する点が多いのは否めません。また、Skype for Business もしくは Teams も使えるけど、結局メールばっかりだなぁという組織もあります。メールだけでは、テレワークのコミュニケーションは不十分です。Office 365 を利用できるのであれば、Teams は絶対に欠かせません。

なぜか? 

Teams の利点は、会話もしながら、ファイル共有や様々なサービスとの連携ができるところにあります。チャットだけやって終わりというのでは、いまいち力量が発揮できません。Teams については個人的には「アプリの煩雑な操作を少なくして、思考をいかに継続できるか」という点にメリットがあると考えています。Skype for Businessは会話が主体でしたが、実際にはファイルを探してきて共有したり、別のシステムにアクセスして情報を確認したりと、付随する操作が多くあります。たとえば、「あのファイルどこだっけ?」と探す間に、考えが中断してまいます。いったん思考が中断すると元の思考に戻るまで最大23分ほどかかるとか。Teams では仕事に必要な情報をチームという枠の中に一通り収めてしまい、そこからコミュニケーションを始められるというのが、Teams の最大の魅力です。思考が分断されにくくするわけです。

==ここから先は Teams を知っている方、もしくは使っている方に向けた話になりますがご容赦ください。===

こうしたことから、Teams によるコミュニケーションをテレワークの柱として、一緒に業務を行う人を集めてチームを作り、チームメンバー内でコミュニケーションを図っていくことが重要になってきます。

このとき、下手に組織をとらわれすぎる必要はありません。組織単位で必ずしも業務は行っていないでしょう。日頃、メールや電話でやり取りをしている人をチームメンバーとして束ねることを優先してください。

以前、研修中に参加者の方々とディスカッションしていた時に「チームってどのぐらいのメンバー数がいいですか?」という質問が投げかけられました。実際に導入している組織の方からは「10人未満が快適に会話ができる」という意見も。それぞれの業務によるとは思いますが、特定の業務に関しては日ごろかかわりがある人というのはそう多くはなく、フランクに会話できることも大切です。このときの会話で、興味深かったのが「下手に気を遣って上長をメンバーとして追加したけど、それで会話がしにくくなった。。。」というのです。

MyAnalytics を使って自分の仕事の時間の使い方などを振り返ってみよう

Office 365 の契約プランによっては MyAnlaytics が利用できます。このサービスのURLは下記の通り。

https://myanalytics.microsoft.com/

このサービスは自分の業務時間を可視化してくれるものです。テレワークというタイミングで自分の活動状況を客観的に見てみるのも大切です。

このサービスでは実に様々な情報を表示してくれますが、特に「ネットワーク」ページや「コラボレーション」ページを見ると、過去1年間の Office 365 を介した作業情報(メールのやり取り、チャット、オンライン通話、会議など)をもとに解析し、人とのかかわりが分かります。日ごろ誰とよくコミュニケーションをとっているかを把握しやすく、Teams 上でのチーム構成を考える際にヒントになるでしょう。

たとえば、次の図はネットワークのページです。

画面上部には過去4週間にわたり、頻繁にやり取りしたユーザー数が表示されます。この例では 8 です。その隣に表示される 76 という数字は過去1年間にやり取りしたユーザー(同僚)の合計数です。「上位の共同作業者」では、やり取りしたトータル時間の長いユーザーから順に表示してくれます。この部分は過去4習慣以内の情報です。

2020-02-26_17-15-38

ちなみに、ネットワークページの詳細は下記に掲載されています。ただ、さほど神経質に各項目を細かく確認しなくても大雑把に情報をとらえてみるだけでも価値があります。

ネットワーク

次は「コラボレーション」ページです。ここでは過去4週間以内に会議、電子メール、チャット、通話にどの程度時間を費やしたか確認できます。

2020-02-26_17-17-06

現時点で表示される情報は過去の活動状況であるため、テレワーク導入後にどう変わるのか比較するのにスクリーンショットをとっておくと興味深い変化があるかもしれません。

こちらも詳細情報は下記に記載されています。

グループ作業

自分の環境で確認するには

このサービスが付属している主なプランは次の通りです。

  • Office 365 Business Premium
  • Office 365 Business Essentials
  • Office 365 E1 / E3 / E5

主なプラン以外の詳細については下記のリンク先を参照してください。

MyAnalytics plans and environments

自分がどのプランを使っているかを確認するには、Office 365 のサイトの右上に表示されるユーザーアイコンをクリックし、「マイアカウント」>「サブスクリプション」の順にたどってみましょう。たとえば、Office 365 E3 を利用している場合は次のように Office 365 E3 プラン内に "Insights by MyAnalytics" と表示されます(テナント管理者が有効にしていれば)。

2020-02-26_17-26-37

Office 365 E5 や フル機能版の MyAnalytics のアドオンを追加購入している場合は次の図のように「Microsoft MyAnalytics」と表示されるはずです。もちろん、こちらもテナント管理者がユーザーに対して有効にしていればということにはなります。

2020-02-26_17-31-48

今回のブログの記事では、Full 機能版に関しては割愛します。 Insights By MyAnalytics (Office 365に標準付属のサービス)が基本です。

MyAnalytics をきちんと使ったことのないという方も多いと思います。基本的にはほったらかしでかまわないのですが、稼働日と稼働時間は設定を確認しておいた方がいいでしょう。画面左下の「構成設定」をクリックすると稼働日と稼働時間を指定できるようになっています。なお、変更したデータは翌週から反映されることになります。

2020-02-26_17-58-12

テレワークでのオンライン会議は Teams または Outlook 上で時間を予約する

対面式のオンライン会議は時間を決めて行い、あとは基本的にはチャットを主体にコミュニケーションをとることになります。Teams は Outlook の予定表と連動しているため、どちらからでも事前に会議の招集が行えます。Teams や Outlook on the web では、会議メンバーを追加すると設定する時間帯から、各メンバーの空き時間候補を表示してくれるため、時間調整もスムーズです。例えば、いったん仮予約として登録しておき、すぐにチャットを使って各メンバーに確認をとるというのでもよいでしょう。

下図は Teams 上での会議予約の画面です。

2020-02-26_18-06-14

業務時間の確保

これはテレワークに限りませんが、自分が業務に専念できる時間帯は確保したいところ。

会議の時間調整をOutlookなどが行ってくれるためには、各ユーザーはそもそも予定表に必要な予定を書き込んでおくことが大切です。「あ、その時間帯は都合がわるい」というような調整は話し合いでなく、なるべく自動化したい。

そこで、もう一つのキーワードが「フォーカス時間」です。MyAnalyticsを見ているとよく出てくるキーワードでもあります。2時間以上の連続した空き時間であり、自分の業務に専念できる時間のことを指します。連続した時間が確保できた方が効率よく業務が行えるというのは感覚的にもわかるところでしょう。自分がしなくてはいけない業務があればどの程度の時間を確保しておこうか考えてあらかじめ予定表に予定を登録し、時間帯を確保します。

この作業は Outlook on the web を使うと簡単です。具体的な手順は次のビデオを参照してみてください。予定表から任意の日付をダブルクリックして、Insights 機能を呼び出すだけです。

Outlook on the web 上のInsights を使うことでフォーカス時間を自動的に確保するように設定できます。向こう2週間にわたり2時間の連続した時間を探し出し、予定をブロックしてくれます。ブロックした時間帯になると Skype for Business もしくは Teams のステータスが自動的に"応答不可"に切り替わってくれます。

これによりMyAnalyticsの「フォーカス」ページに次のような情報が表示されます。

2020-02-26_18-25-49

フォーカス時間の自動予約の詳しい仕組みは次のリンク先を参照してみてください。

Focus plan


さて長くなってきたので、続きはまた次の記事で。

次回は時間管理について取り上げます。

 

【オフィスアイ】1日でわかる! Microsoft Teams および Yammer による Office 365 利活用ワークショップ

対象者は、Office 365 をこれから導入する予定の方。Office 365 の導入を支援する方。初めて Office 365 の運用管理を担当する方。Office 365 を導入済みだが一部の機能しか利用しておらず、全体的な機能の利活用を見直したい方です。詳しくはお問合せください。

2020年2月 5日 (水)

今日確認できているだけで、結構な数の新機能が展開されてきています。対象リリースのテナントには順次ロールアウトされている模様です。

まずは、ビューの書式はこれまでJSONを記述する必要がありましたが、新しい簡易設定として「交互の行のスタイル」という設定ができるようになりました。

試しに列の書式と一緒に使ってみましたが、キチンと両方が反映されるようになっています。

2020-02-05_22-32-25

それから、リストおよびライブラリのフォームも、列の表示・非表示や順番の入れ替えも簡単に行えるようになっています。

こういった操作の簡単さになれると、本当にクラシックなSharePointサイトには戻れませんね。

今日確認できているだけで、結構な数の新機能が展開されてきています。対象リリースのテナントには順次ロールアウトされている模様です。

まずは、ビューの書式はこれまでJSONを記述する必要がありましたが、新しい簡易設定として「交互の行のスタイル」という設定ができるようになりました。

試しに列の書式と一緒に使ってみましたが、キチンと両方が反映されるようになっています。

2020-02-05_22-32-25

それから、リストおよびライブラリのフォームも、列の表示・非表示や順番の入れ替えも簡単に行えるようになっています。

こういった操作の簡単さになれると、本当にクラシックなSharePointサイトには戻れませんね。

SharePoint Online のサイトページやニュースは更新履歴をビジュアル確認できるようになりました(この機能は現在ロールアウト中)。

2020-02-05_22-16-35

操作などの詳しくは下記のビデオを参照してください(音声なし)。

ビデオを見るとわかりますが、どの部分をどのように変更したかがビジュアル的にもひと目で分かりやすくなっています(Wordの変更履歴に似ている)。

次に展開される予定の多言語対応の機能でもこの機能が応用されることになっています。一つ段階が進んだとみていいでしょう。現在開発中にの多言語対応の機能は昔はバリエーションと呼んでいた機能の後継にあたります。新しい多言語機能がどの程度使いやすくなったのか、ロールアウトされるのが待ち遠しいです。