2020年3月18日 (水)

Office 365 を活用したテレワークについて vol.4

これまでの記事


4回目となる今回はタスク管理を取り上げます。

タスク管理と一言でいっても、プロジェクト管理を想像する人もいれば、単にメンバー間で仕事を分担するだけだったり、自分の「やることリスト」の管理だったりとさまざまです。

プロジェクト管理という話だと、おそらく何らかのツールを使っていることも多いでしょうから、特段 テレワークだから云々という話にはなりにくいと思います。

テレワークを中心としているので、離れていても関係者でスムーズに分業できるようにするために、今回は単純な「仕事の分担」と「やることリストの管理」を題材にしましょう。

Microsoft Teams とタスク管理

テレワークを行うことになったら、せっかく Office 365 を利用しているのであれば Microsoft Teams を主軸に置くとよいだろうという話を Vol 1 が一貫して説明してきました。

Teams 内にチームが作成されると、Office 365 のサービスの一つである Microsoft Planner もチーム単位で利用できるようになります。このツールを使って、仕事を効率よく分担し、進捗具合を互いに確認しあえるというわけです。 Coworking_space

ここで案外重要なのが、業務をタスク分解すること。

そもそも、タスクってどう作ればいいの ? という話です。

さまざまな業種、業態があり、業務は多岐にわたります。一概に「こういうのをタスク登録するといいよ」という話はしにくい。ですから、コンサルティングする立場になったときには関係者から話を伺ってアドバイスすることになります。それでもやってみないとわからないところはあるので、どういった粒度でタスクを仕分けるのが良いかを皆でしっかり議論し、まずは試してみることです。うまくいかなければ、粒度を変えて再度挑戦しながら定着させていくことが大切でしょう。

組織が大きくなればなるほど、仕事が俗人化しやすい。誰かがなんとなく、やってくれていて、よくわかっていないということも少なくないでしょう。そんな環境こそ、Planner を使ってみるのは良いかもしれません。

例えば、仕事を依頼するときは、チャットやメールでなぁなぁにせず、必ずPlanner 上にタスクとして登録していくというルールにする。すると誰にどの程度負荷がかかっているか、また遅れが出ているかなども少なからず可視化できるはずです。

さぼることを心配する? 

特にテレワークでは「会社にいないと遊んでしまうのでは」と考える組織が日本では少なくないようです。 Business_sabori_pc_solitaire

ですが、やるべき仕事が決まっていて、それを期限までにどの程度こなせているか、キャパシティをオーバーしているようならだれが協力できそうかを調整できる体制が整えば、時間の多くは各人の自由裁量にしたいところ。



ちなみに Twitter 上にはこんな意見も。

※余談ですが、越川さんはもともと Microsoft の方で、Skype for Business の前身となる製品を担当されていた時期があり、その製品に関する研修を私が担当させていただいていたので少し一緒にお仕事をさせていただきました。もう、十年以上前になるかも。

そして、さぼる心配より、さぼろうと思わないように仕事に対するやりがいを重視する組織であって欲しいとも思います。そのため、誰がどんな仕事をしていて、必要があれば助け合って効率よく仕事を終わらせるよう、リモートであっても協力しあいたいですね。

Microsoft Planner を使ったタスク管理

チームメンバーで共通の目的を達成するために必要なタスクをそれぞれに割り振っていき、終わったタスクから消し込んでいく。これが Planner におけるタスク管理の基本的な考え方です。何パーセント進んだかといった管理はしません。終わったか終わっていないか。これがすべて。 Kjhou_shifukuソフトウェアを使わなければ、こうした仕事の分担は昔であれば、まずタスクを付箋紙に書き出し、担当者を決め、ホワイトボードなどに張り出して、優先順位や処理する順番などをみなで調整します。これと同じ形式で、チームメンバー間の仕事を捌きます。

Planner を使うときに知っておきたい用語が、プラン、バケット、タスクです。

平たく言えば、プランは複数のタスクをひとまとめにするための大きな入れ物であり「製品発表会イベント」や「オンライン マーケティング」、「リモートワーク支援」など、いろいろ考えられます(インターネットの検索エンジンで "Microsoft Planner" というキーワードで画像検索をすると参考になります)。こういったところは柔軟な発想が求められるところでしょう。プラン名を下手に「○○部」などとしてしまないこと。もしそうなりそうなら、部内で抱えている仕事を洗い出し、仕事を分類して、プランの名前を決めてやるといった前処理を考えましょう。

この中にタスクを登録します。とはいえタスクの中には順番があったりと、さらにこまかな分類したくもなる。そこでバケットの登場です。ようはバケツですね。バケツを複数用意して、そこにタスクを登録していく。プラン名もバケツ名、タスク名も自由に指定できます。どう使うかはいろいろと工夫ができます。

チーム内には複数のプランを作成できるようになっています。図に示すと次のようなイメージです。

プラン_バケット_タスク

タスクは人に割り当てていきます。1つのタスクを1人または複数に割り当てられます。人がいて、そこに仕事を当てはめていくのではなく、タスクが先にあります。Planner 上でのタスク追加の操作も、こうした思想のもとにあります。

そして、タスクは「なるべく短期に消し込める」レベルに仕事を分解しておくことがとても重要! 

いつまでも消し込めないようなタスクを作ると、いつまでも片付かず次第にタスク管理をしなくなります。なるべくはプラン内にタスクが残っていないのが理想で、消していくきとでだいぶ仕事が片付いた! と思えるようにしたい。それでも、こまめにタスクを消し込まない人がいれば、オンラインミーティングなどで進捗を確認して一緒に消し込んでいくというような対策も考えておくとよさそうです。

Teams 内での Planner の利用

Teams の各チームにはタブとして Planner のプランを追加できるようになっています。具体的な操作イメージは次のビデオを参照してください。

プランの新規作成、バケット作成、タスクの作成の流れが分かります(音声なし)。

タスクの消し込みは次の通り。グラフ表示もできるため、進捗の遅れを確認できます。

なお、使い方に関する公式資料は次のリンク先に公開されています。

プランにタスクを追加する

タスクを割り当てられると、担当者にメールが送信されるようになっています。

タスクに関する会話

Teams を使っているので進捗伺なども、チャネル内のメッセージのやり取りで対応できます。

補足 : タスクの自動作成

余談ですが、申請処理の業務の場合は申請があればタスクが自動的に作成されるとか、1つのタスクが終わったら次のタスクが自動生成されるというような業務フローを作りたい場合は、Office 365 プランに含まれる Power Automate を使うとよいでしょう。

知見の共有

チームメンバー内でのタスク管理は試行錯誤することも少なくありません。たとえば、社内でタスク管理について「うちはこうやって見ている。いい点と、よくない点がしかじかで。。。」というような意見交換の場を Teams 内に設け (チーム作成しておくのがよいかも)、定期的なオンライン会議などでディスカッションするのもよさそうです。こうして蓄積したナレッジを他の業務にも社内で横展開していけると理想です。

個人のタスク管理

Planner とは異なり個人的な日々のタスクを登録して管理するのが To Do です。

チーム内で割り振られた仕事ばかりでなく、個人的に今日やるべきことを書き加え、その日に優先すべきものを確認します。毎朝、もしくは前日などにこれを確認するといった習慣化もできると、時間の切れ間のないリモートワークでは時間のメリハリをつけやすくなります。

この機能はWebブラウザーからも利用できますし、Windows 10 用の専用アプリや iPhone / iPad / Android に対応したモバイルアプリも公開されています。ちなみに、各アプリで少しずつ利用できる機能が異なります。

https://to-do.office.com/

画面イメージ

仕事はもちろん、買い物リストとか、料理のレシピなども登録できます。

Outlook on the web はタスク管理は To Doを使えるようになっています。メールにフラグを設定するとタスクとして登録できるように構成できます。また、メール自体または本文の一部から簡単にタスク登録もできます。また先ほど Planner から割り当たられたタスクも To Do にも追加されるように構成できます。今日、すべき項目を To Do で毎日確認し、優先順位を考えながら仕事を終わらせ、終わったものからすっきりと消し込んでいきましょう。

具体的な操作は下記のアニメーション GIF を参照してください。画像をクリックすると拡大表示できます。

タスクの登録

このように To Do は自分がすべき仕事を一元化できるツールです。

全体イメージ

To Do の最新情報や Tips などは 公式のTwitter アカウントをフォローすることをお勧めします。

Microsoft To Do 公式 Twitter アカウント


今回はここまで。

次回は SharePoint と Teams を取り上げたいと思います。

 

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