SharePoint で目的のコンテンツが見つからないという時、「検索範囲」というものが存在していることを意識していないことが原因かもしれません。
そもそも、どこから検索をはじめても、常にすべてのサイトから検索してくるというのはよく考えれば非効率です。これでは目的のコンテンツ以外もキーワードに引っかかってくるかもしれず、本当に欲しい情報が埋もれがちに。たとえば、現実世界で何か探すとしましょう。もしテレビのリモコンが見つからなければ、利用する可能性の高いリビングでまずは探すでしょう。靴下が片方なければ、ソファーの下、洗濯機の中などありそうなところから探すものです。デジタルの世界も基本は変わらないのです。
より目的のコンテンツを適切に検索できるよう、検索を始めた場所によって検索範囲は適切に絞り込まれるようになっています。例えば、契約書を管理するサイトで検索を始めれば、そのサイト内のみをまずは検索します。これによって契約に関わるコンテンツだけが検索結果に表れるでしょう(検索しやすいよう、情報の性質、種類でサイトが分類されてるのが理想的)。
ということで、SharePoint を含むMicrosoft 365 では検索を開始する場所によって既定の検索範囲というものが決まっています。一般的な検索の開始場所は次の通りです。
- Office.com (microsoft365.com)
- SharePoint スタートページ
- SharePoint ホームサイト
- OneDrive for Business
- ハブサイトのホーム
- ハブサイト以外の各 SharePoint サイトのホーム
- 各サイトのライブラリやリスト
検索をする場所によって下記の通り範囲が異なります。最上位が最も検索範囲が広く、下に行くほど検索範囲が狭くなっていきます。
なお、アクセス権限は担保されるため閲覧権限をもっていないコンテンツは検索結果に表示されることはありません。
検索場所 | 検索範囲 | 検索対象 |
office.com / microsoft365.com | Microsoft 365 全体 |
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SharePoint スタートページ / SharePoint ホームサイトのホームページ |
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OneDrive for Business | 検索範囲は選択できる。
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ハブサイトのホームページ | ハブサイトおよび関連付けられたすべての SharePoint サイト |
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ハブサイト以外の各サイトのホームページ | 今、検索を開始しようとしているサイト内 |
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各サイトのリストやライブラリ | 現在表示しているリストまたはライブラリ |
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上の表に書いた通り、各検索場所では検索ボックスに既定で表示される文言(プレースホルダー)が実は異なります。注目していなかった方はぜひ注目するようにしてみてください。
例えば、Office.com で検索するときは単に「検索」と書かれています。
SharePoint スタートページでは「SharePoint 内を検索」
といった具合で、これは既定の検索範囲を示しています。
それぞれを少し詳しくみてみましょう。
Office.com
Office.com (https://www.office.com もしくは https://www.microsoft365.com) から検索するときにはSharePoint だけでなく、アプリ、メッセージ(Outlook, Teams) などのMicrosoft 365 全体が検索対象となります(ただし、現時点では Viva Engage (Yammer) は含まれない)。SharePoint に限って言えば、サインインしているユーザーが参照できるすべてのサイトが検索対象です。ちなみに、メッセージに関しては、Outlook は自分のメールボックスが対象であり、Teams はチャットやチャネル内のメッセージが検索対象になります。
SharePoint スタートページ/SharePoint ホームサイト
SharePoint スタートページはアプリ起動メニューまたはスイートバーにある SharePoint のロゴをクリックすればアクセスできます。SharePoint ホームサイトは組織の管理者がホームとして指定したコミュニケーションサイトです。
この時注目してもらいたいのが検索ボックスに表示されている文言です。「SharePoint内を検索」となっています。こう表示されていれば、すべての SharePoint サイト(OneDriveも含む)が検索対象です。
これが表示されている場合、検索範囲はテナント内の全 SharePoint サイトと SharePoint 管理下にある情報が対象です。
- すべてのSharePoint サイト
- すべてのサイト内のリストやライブラリなどのコンテンツ(ファイルやリストアイテムも含む)
- すべてのサイト内のニュース
- すべてのサイト内の画像
- 連絡先 (Delve で管理しているユーザープロファイル)
もちろん、アクセス権限は考慮されるため、ログインしているユーザーが参照できないコンテンツは検索結果には表示されません。
OneDrive for Business
OneDrive for Business から検索する場合は、すべての SharePoint サイトを対象にしたファイル検索になります。OneDrive for Business と言えばファイル管理が中心です。そのため、検索対象も「ファイル」のみです。
検索するとき検索ボックスに検索範囲が3つ表示されます。
- 自分のファイル
- すべてのファイル (既定値)
- 組織全体
既定では「すべてのファイル」となっており、検索範囲がすべての SharePoint サイト(OneDrive も含む)となります。したがって、検索結果を確認する際には「場所」の列を確認することが大切です。ここには格納されているサイトとライブラリのパスが表示されます。
「自分のファイル」を選択すると自分の OneDrive for Business 内の検索に限定されます。そのため場所はOneDrive for Business 直下に既定で作成されているドキュメント ライブラリのバスである Documents > で必ず始まります。
なお、検索範囲として「組織全体」を選ぶと SharePoint スタートページの検索画面に画面遷移することになります。たとえば、ファイル以外にページやニュースなどを探したいときや画像の絞り込み検索がしたいときにこれを選びます。もちろん、会話を検索したい場合は、明示的に www.office.com (または www.microsoft365.com) にアクセスして検索するようにします。
ハブサイトのホーム
ハブサイトのホームページの検索ボックスには既定では「サイト全体を検索」と表示されます。つまり、ハブサイトおよびハブに接続されたサイト群全体を検索対象にしているということです。ハブサイトに子供のハブや孫のハブが接続されている場合は、それも検索範囲です。ただし、子供のハブのホームページで検索する場合は、上位検索はせず(検索範囲を広げず) 自分管理下のハブと孫ハブが検索対象になります。同様に孫ハブで検索すると孫ハブ内しか検索しません。
ハブサイト以外の各 SharePoint サイトのホーム
ハブサイト以外のサイトのホームページで検索した場合は、検索ボックスに「このサイト」と表示されます。この場合は文字通り、今、検索を開始しているサイト内のみが検索範囲だということです。
各サイトのライブラリやリスト内の検索
サイト内のリストやライブラリの各ビューにアクセスした状態で検索を始める場合は、検索ボックスには「このリスト」や「このライブラリ」と表示されます。ですから、いまアクセスしているリストまたはライブラリ内に限定した検索です。
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