2024年7月

2024年7月30日 (火)

Microsoft 365 とは全く関係のないネタです。

長年 Android 携帯ユーザーですが、携帯をカバーのない状態でうっかり落としてしまい角のガラスがひび割れ、そのせいでタッチスクリーンが部分的に動かなくなってしまいました。念のため再起動で復活できないかと試すと、そもそも再起動後は「パターン」認証が必要で、それがタッチスクリーンの故障でできない。認証されないとアプリも通信も何も機能せず、文字通り何も使えないのです。

そのままだと電話も使えないので取り急ぎ、新しい端末を入手したものの、アプリはすべて手動で移し替える必要がある。しかも、アプリのうちおサイフケータイのデータなどは元の端末からの操作が必要。

さて、どうしようかと思っていたところ、ネットで USB マウスを接続すれば、パターン認証を利用できるという情報を得たのです。ダメもとで試してみようと Type-C の USB マウスを入手して(変換アダプタがあればそれでType-A などでつないでももちろんOK) 接続してみました。するとマウスカーソルが表示され、パターン認証もクリア!! 

ということで、ようやくすべて復旧できました。めでたし、めでたし! 

2024年7月29日 (月)

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2024年7月現在、Microoft 365 管理センターからテナント管理者は、ユーザーのパスワードをリセットする際にメールで送信できる機能があります。具体的には「サインイン情報を自分にメールで送信」オプションです。

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この機能がセキュリティ強化のため2024年8月30日以降廃止(削除)されます。その代わり、「印刷」オプションが利用できるようになりユーザーアカウントの詳細をPDFに保存して、安全な方法でユーザーと共有できるようになります。

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2024年7月21日 (日)

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SharePoint のドキュメント ライブラリと OneDrive ではバージョン管理の履歴を制限できるようになります。これまで、バージョン履歴がストレージの容量を圧迫してしまうことも少なくありませんでした。そこで、Microsoftは新しいバージョンの制御方法を導入することにしたのです。

ドキュメント ライブラリと OneDrive のバージョン履歴の制限の概要 (プレビュー)

従来からドキュメント ライブラリの所有者はライブラリ単位でのバージョンの制限は設定できていました。既定ではメジャーバージョンを500作成するようになっていますが、これを容量の圧迫を考慮して必要に応じて少なくするといった対応をとってきていたわけです。しかし、今回のアップデートにより、システムが自動的に判断して(インテリジェントに)、バージョンの世代や復元の確立などの要素を考慮して保持するバージョンを決定するように構成できます。ただし、従来通りの手動での管理の余地も残すため、要件に合わせて選択肢の幅が増えることになります。

📅パブリック プレビュー期間

2024年5月上旬からロールアウトを開始し、2024年6月下旬までに完了予定。この期間は既定でオフなので、必要に応じてオプトインする必要があります。

📅GA

2024年8月下旬よりロールアウトを開始し、2024年10月中頃まで完了予定。

事前設定

パブリックプレビュー中はこの機能は既定でオフになっています。オプトインするにはテナントレベルの管理者が SharePoint Online 管理シェルを使って有効化する必要があります。管理シェルのバージョンは 16.0.24810.12000以上が必要です。

利用するコマンドは次の通りです。

Set-SPOTenant -EnableVersionExpirationSetting $true

上記の設定を行うと SharePoint 管理センターの「設定」ページに次のように「バージョン履歴の制限」という管理項目が追加されます。

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設定

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バージョン管理の履歴を制限する設定では SharePoint と OneDrive の双方に対して組織全体としてバージョン管理をどのように行うのかを決定します。

オプションとして自動と手動があります。既定値は “手動” です。

手動

手動では単純に時間の経過をベースに古いものを削除します。

メジャーバージョンの数の既定値はこれまで通り "500" であり、この数を超えると自動的に古いものから削除される仕組みです。

時間は、一定の期間を経過したバージョンを削除するというものですが、既定では"しない" になっています。

メジャーバージョン数は従来のチームサイトの設定と同様に最低100、最大50,000を指定できます。

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時間は、既定値は “しない” ですが、これ以外に次の選択肢があります。

  • 3か月
  • 6か月
  • 1年
  • ユーザー指定

このUIからは30日未満の値は指定できません。公開されているAPI経由では30未満にすることはできますが、ユーザーによる不注意からデータが損失してしまう可能性が高くなるためMicrosoftはこうした設定は推奨していません。

自動

自動設定が推奨値です。自動オプションに関しては、特に指定する項目はありません。こちらは単に時間の経過だけを考慮するのではなく、アクティビティを考慮するというのがポイントです。

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この設定では、最近作成したほとんどのバージョンにアクセスできますが、古いバージョンで保持されるバージョンが少なくなります。

利用する確率の高そうなバージョンのみを残し、使わないであろう古いバージョンは適宜、間引いていくアプローチです。このようにしてストレージ使用量を最適化します。Photo

Microsoft の資料(Plan version storage for document libraries(Preview) - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn)を見ると次のような例が挙げられています。3つのオプションでの比較です。

  • 手動: 60日経過すると削除
  • 手動: 500バージョン以上は古いものから削除
  • 自動


3か月間、バージョンが追加された後の経過がどうなるのかを示しています。Automaticsettingversionstorage60日経過すると削除するパターンでは、3か月以上経過すると保持されるバージョンが0になり容量は最も節約できますが、反面、以前のバージョンに復元することはできなくなります。

従来の500バージョン保持だと、6月時点で最大500バージョンに達しているため、これ以降も継続して500バージョン保持したままです。容量が減ることはありません。その代わり、保持している500バージョン中の任意のバージョンに復元できます。

自動の場合は、6月時点で保持するバージョン数を必要な数に抑えてくれているので103 まで減っています。8月以降、何も編集などされなかった場合も最低17バージョンは保持しているので、容量を抑えつつ、以前のバージョンに戻せる余地を残しています。

ここまでをまとめると次のことが言えます。

 

バージョン制限 メリット デメリット
手動: 保持日数の制限 容量を最大限節約できる 編集しない期間が長くなると、以前のバージョンに戻せなくなる (バックアップが全くない状態)
手動: 保持バージョン数の制限 容量はあまり節約されない 保持しているバージョンからいつでも復元できる (バックアップが機能している)
自動 容量を節約しつつ、バックアップとしても機能する 保持するバージョン数は少なくなる

 

設定単位

テナントレベルでの設定はテナント全体でこれから新規に作成されるドキュメント ライブラリすべてに適用される既定値を指定することになります。

ただし、サイト単位、ライブラリ単位での設定も可能です。ライブラリ単位での個別の設定が最も優先されます。

サイト内に新規にライブラリが作成されるときに、サイトレベルでのバージョン履歴の制御設定があるかどうかが確認され、なければテナントレベルの設定を適用する。あれば、そのサイトの制御を適用するということになります。

なお、サイト単位の設定は PowerShellコマンドを使用する必要があります。

サイトのバージョン履歴の制限を変更する (プレビュー) - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

OneDrive (Business) に関しても基本的にはテナントレベルの設定を引き継ぐことになりますが、ユーザー単位での設定も可能でこれは PowerShellを利用する必要があります。

PowerShell (プレビュー) を使用して OneDrive のバージョン制限を設定する - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

SharePoint ドキュメント ライブラリ

ドキュメントライブラリの設定にある「バージョン管理」では、新たに「バージョンの時間制限」という項目が追加されます。

新規に作成するライブラリでは、既定ではテナントレベルの設定が適用されます。スクリーンショットでは「自動」になっています。この項目からライブラリごとにテナントレベルやサイトレベルとは異なる個別の設定ができるわけです。

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既存のドキュメントライブラリについては、今回のアップデートの影響は受けず設定はそのままで、勝手に設定が変更されることはありません。また、既存のライブラリのバージョン管理設定を “自動” に変更した場合は、その後に作成されるバージョン以降が自動管理の対象となります。

ちなみに、ファイルのバージョン履歴を確認してみると新たに「有効期限」という列が追加されていることがわかります。各バージョンがいつ頃削除されるかがわかるということですね。

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自動でかつマイナーバージョン管理を行う場合は、従来と異なり、保持するマイナーバージョン数は指定できません。これも自動的に管理されることになります。

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この状態でバージョン管理はどうなるのかということですが、試すと一定の規則性は見いだせましたが確実ではありません。ただ、時間が経過すると古いバージョンが間引かれていくことはわかります。

保持されるバージョン

最初のバージョン、最新のメジャーバージョン、現在のバージョンの3種類

有効期限が設定されるバージョン

基本的にマイナーバージョンは30日後に削除されます。ただ、試すと一部、60日保持するものもあるようです。また古いめじーバージョンも基本的には公開後、30日経過すると削除されます。

ちなみに、次のスクリーンショットは1か月以上前のバージョン履歴の状態です。

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次は7月21日現在の状態です。古いバージョンが間引かれているのがわかりますね。

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自動設定によるバージョン履歴の削除のアルゴリズム

自動設定によるバージョン履歴の削除アルゴリズムが公開されています。最大500保持の原則は変わらりませんが、30日以内のバージョンは基本的に制限500個内ではあるが全バージョン保持する方向で、1か月を超えると、徐々に時間単位、日単位、週単位で最初のバージョンという具合に減っていきます。Photo_2

既存バージョンについて

すでに説明した通り、既存のライブラリは新たなバージョン管理の対象とはならず、また既存のライブラリでも設定を個別に変更した場合は変更後に作成されるバージョンからが新規ロジックによる制御対象になります。

Photo_3 実際に既存のライブラリでバージョン履歴がどうなるのかを試した結果が次の図です。

Photo_4

既存バージョンのトリミング

ここまで確認してきたように、既存バージョンは従来通り残ります。ストレージ容量を節約できるよう新たにトリミングするための PowerShell コマンドが利用できるようになっています。これはサイト単位またはライブラリ単位の設定です。

指定できるオプションは次の通りです。

  • 期限切れとする日数を指定します。これにより対象となるバージョンはトリミングジョブをキューに入り非同期にバッチ処理されます。
  • 保持するメジャーバージョン数を指定します。これにより対象となる古いメジャーバージョンはトリミングジョブをキューに入り非同期にバッチ処理されます。
  • 推定自動トリミング アルゴリズムを使用してバージョンを削除するよう指定します。

他にも進行中のトリミングジョブの状態を取得したり、ジョブを中止するコマンドなども用意されています。詳しくは次のリンク先を確認してください。

サイト、ライブラリ、または OneDrive (プレビュー) の既存のバージョンをトリミングする - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

バージョンストレージの使用状況レポートの生成

現状を把握し、バージョン履歴の制御計画を立てるために現在のバージョンストレージの利用状況レポートを生成できます。

レポート生成は PowerShellを使ってサイト単位で出力します。出力結果はあらかじめ指定した SharePoint のドキュメント ライブラリにCSVファイルが生成されます。ジョブは数日間にわたって非同期に実行されるため完了までに小規模なサイトやライブラリの場合は24時間以上、大規模な場合は数日かかります。

レポートは徐々に作成されるため生成されるCSVファイルを覗くことで途中経過を確認できますが、ファイル自体を編集していけません。これを行うとジョブが失敗するとのこと。

詳しくは下記のリンク先を確認してください。

サイトのバージョン ストレージ使用状況レポートを生成する (プレビュー) - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

2024年7月20日 (土)

タイトルにあるよう Microsoft 365 開発者プログラムのサブスクリプションへの参加条件が変更されています。

※2024年1月にアナウンスがあったため、すでにご存じの方も多いかもしれませんが、改めてブログに記録しておこうと思います。

Microsoft 365 開発者プログラムとは?

Microsoft 365 E5 Developer のサブスクリプションを取得することで、開発目的での Microsoft 365 に関するソリューション開発を支援するためのプログラムです。運用テナントとは別に取得し、開発者の裁量で管理設定などを行えるので、開発者にとっては運用環境における組織制約にとらわれずに開発を進められるメリットがあります。

Excel, Outlook, Word や PowerPoint などの Webアドイン、SharePoint, Teams, Microsoft Graph などを利用できます。

FAQにも書かれていますが、このサブスクリプションに含まれるものは次の通りです。

  • Avatars for Teams
  • Immersive spaces in Teams
  • Microsoft Entra ID P1
  • Microsoft Entra ID P2
  • Azure Advanced Threat Protection
  • Azure Information Protection Premium P1
  • Azure Information Protection Premium P2
  • Customer Lockbox
  • Exchange Online (Plan 2)
  • Flow for Office 365
  • Information Protection for Office 365 - Premium
  • Information Protection for Office 365 - Standard
  • Microsoft Entra Rights
  • Microsoft Azure Multi-Factor Authentication
  • Microsoft Cloud App Security
  • Microsoft Forms (Plan E5)
  • Microsoft Intune
  • Microsoft MyAnalytics (Full)
  • Microsoft Planner
  • Microsoft StaffHub
  • Microsoft Stream for O365 E5 SKU
  • Microsoft Teams
  • Mobile Device Management for Office 365
  • Microsoft Purview eDiscovery (Premium)
  • Office 365 Advanced Security Management
  • Office 365 Advanced Threat Protection (Plan 1)
  • Office 365 Advanced Threat Protection (Plan 2)
  • Office 365 Privileged Access Management
  • Office 365 ProPlus
  • Office Online
  • Phone System
  • Power BI Pro
  • PowerApps for Office 365 Plan 3
  • SharePoint Online (Plan 2)
  • Skype for Business Online (Plan 2)
  • Sway
  • To-Do (Plan 3)
  • Whiteboard (Plan 3)
  • Yammer Enterprise

Power Automate に関しては含まれていない機能もありますし、Power BI に関しても Power BI Pro のライセンスのみが含まれており、Premium は含まれていません。というように大事なことが FAQ に多く書かれていますので利用予定の方は必ず確認しておくようにしておきましょう。

サブスクリプションの条件の変更

従来は Microsoft 365 開発者プログラムは誰でも無料でサインナップできるようになっていました。このことは下記の記事を見てもわかります。

Start your journey to becoming a Microsoft 365 developer - Microsoft 365 Developer Blog

SharePoint Framework 開発などでも自分専用のテナントを手軽に取得できるとあって、利用する方も多かったと思います。無償とはいえ、2019年4月以降、60~90日ごとに定期的に更新されるようになっており、その間に利用を続けていれば期限なく利用できますが、しばらく全くテナントを使っていないような場合は更新がされず、テナントが削除されることになります。ちなみに、取得できるのは1人1テナントです。※(訂正)電話番号で識別するので1電話番号につき1テナントになるということでした。

これが、現在、タイトルにある通り、このプログラムへの参加条件が変更されたことがアナウンスされました。元の記事は2024年1月25日付のものですが、2024年2月に内容の一部がアップデートされています。

Latest updates to the Microsoft 365 Developer Program

記事によれば、現時点ではMicrosoft 365 開発者サブスクリプションへのアクセスは、Visual Studio Enterprise の有効なサブスクリプションを持つ開発者または組織に限定されるとのこと。この場合は有効期限は Visual Studio サブスクリプションの有効期限に準ずることになるそうです。この条件を満たしていれば追加費用なくこのプログラムに参加できるとのこと。

また、次の Microsoft AI クラウドパートナープログラム参加者は開発者向けサブスクリプションへのアクセスを許可するリストに追加するために、Microsoft パートナーに問い合わせるように書かれてもいます(出典)。

  • Azure Expert MSP
  • Legacy Gold/Silver
  • Managed Partners
  • Microsoft Action Pack
  • Partner Launch Benefits
  • Partner Success Core Benefits
  • Partner Success Expanded Benefits
  • Solutions Partner
  • Specialization Partner
  • Premier or Unified Support plan members

このことは、Microsoft 365 Developer プログラムへのサインアップのページにも記載されるようになったようです。

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(追記) 要は、Visual Studio の当該サブスクリプションがなくても Developer プログラム参加資格を満たすアカウントであれば取得はできるということですね。で、この場合は60~90日のアクティビティベースの更新となる。

必要なサブスクリプションの詳細は先に挙げた FAQ に書かれているので確認してください。

サブスクリプションの資格がないならどうする?

冒頭に紹介したブログでは「サブスクリプションの資格がなければ、別途シングルライセンスの Microsoft 365 プランを購入し、開発用に構成する必要があります。この場合はアドオンとして Copilot のライセンスも購入できます。」といった旨で書かれています。

ということで、買いましょう、だそうです。

すでに持っているけれどどうなる?

ただし、すでにサブスクリプションを持っているメンバーはこの変更は受けません。従来通り60~90日間のアクティビティに従って更新が許可されるかどうか決まるようです。

以上、備忘録でした。

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2024年7月16日 (火)

Microsoft OneDrive for the web に新たにリストやファイルをフィルターするためのファイルの種類が追加されました。

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追加されたのは次のファイルの種類です。

  • OneNote
  • Microsoft Lists
  • ビデオ
  • Loop
  • 写真 ※写真は実際には項目がないので、アナウンス時点での誤記かもしれません。
  • Whitboard
  • Power BI

上のスクリーンショットでは [その他] をクリックしたときにドロップダウンメニューが表示され、ここに新しいファイルの種類があることがわかります。このドロップダウンメニューは、ホーム以外に、共有、お気に入り、ユーザー、会議の各ビューでも利用できます。

ロールアウト時期

  • 対象リリース: 2024年7月上旬~7月中旬
  • 一般提供: 2024年7月中旬~7月下旬