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2021年4月 7日 (水)

モダンサイト用の新たなサイトテンプレートが利用できるようになります!

[Microsoft 356 Roadmap]

新しいサイトテンプレートの概要

サイト テンプレートはシナリオベースとなっており、各テンプレートにはあらかじめ入力されたコンテンツやWebパーツが含まれており、組織のニーズに合わせてカスタマイズも可能。モバイルでも利用できるとのことです。

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テンプレートの選択画面
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テンプレートの適用とプレビュー

SharePoint look book で公開されているものと同じようなものなのかなと思っていたのですが、画面を見る限りデザインは異なっているようです。

クラシックな SharePoint サイトは比較的手軽にテンプレート化できましたが(といっても課題も多かったですけど)、モダンサイトにはこれがなく、似たようなことをしようとするとサイトデザインとサイトスクリプトを自分で用意する必要がありました。新たなサイト テンプレートは、このサイトデザインをビルトインで Microsoft がいくつか新たに用意するよということです。まだサイトデザインやサイトスクリプトについて学習していない方は、この機会に学習して準備しておきましょう。ということで、従来のサイト デザインが「サイト テンプレート」と呼ばれるようになります。

"以前のバージョンの SharePoint では、サイト テンプレートはサイト デザインと呼ばでしたが、今後はサイト テンプレートと呼ばれます。" 

SharePoint サイト テンプレートを適用およびカスタマイズする - Office サポート (microsoft.com)より引用

ロールアウトの時期

まずは対象指定リリースのテナントから段階的に導入されることになるということで、標準リリースとなっているテナントでは利用できるようになるのは少し先になるようです。

  • 対象指定リリース(選択されたユーザーまたは組織) : 4月下旬から5月中旬
  • 標準リリース : 5月中旬から6月下旬

なお、この新しいテンプレートは無効化することはできないとのこと。

利用可能なシナリオ ベースのサイトテンプレート

コミュニケーション サイトとしては従来のショーケース、トピック、空白以外に、次の4つが追加されます。

イメージ テンプレート名 説明
256b4b21-4480-4ee3-a9c5-9537c115575a 部署 閲覧者と部門のニュースを関連付け、今後のイベントを強調表示し、頻繁にアクセスするファイルに簡単にアクセスできます。
15e9d40c-2a7c-4102-a864-8697bce9d893 リーダーのつながり (Leadership connection) 会話、ニュース、イベントに参加して、リーダーとチーム メンバーをつなげて、組織の文化を構築します。
F87d13fb-ccf0-4239-a5aa-612c6c2d13b6 ラーニング の中心 (Learning Central)  イベント、ニュース、および特別なカリキュラムリソースを紹介する 1 つの場所として、組織内でユーザーが最初にたどり着くサイトです。
8a61badc-7178-4e38-9818-265299fbf325 新しい従業員のオンボーディング  新入社員の研修プロセスを通じて新入社員を関与して指導することで、新入社員のオンボーディングを合理化および調整します。 

「ラーニングの中心」というサイトテンプレートは、なんだか日本語としてしっくりこないので実際にロールアウトされるときにはそのままカタカナでラーニング セントラルなどになるのではないかなと思っていますが、社内外の研修の情報を整理するのに必要な Webパーツなどがそろっていそうです。オンラインでの研修が可能なのであれば、これとMicrosoft Teams のウェビナー機能を組み合わせていくとよさそうです。

あとは、従業員のオンボーディングとありますが、この辺りは Microsoft Lists にも同じ名前でテンプレートが用意されており、これと組み合わせると入社したらやるべきことを整理できそうです。もちろん、不足する部分は Power Apps でアプリを作ったり、Power Automate で自動化することも念頭に入れておくことが大切でしょう。

あと、コミュニケーションサイト テンプレートがベースであるため、コミュニケーションは必要があれば、 Yammer を使って補っていこうというのが、テンプレートの特徴の一つです。例えば、リーダーシップのつながり サイトもリーダシップチームとのコミュニケーションは、 Yammer で行うことを前提としたテンプレートになっています。

チームサイトとしては従来のテンプレートに加えて新たに次の4つが用意されます。なお、従来のチームサイトのテンプレートは「チームの共同作業」という名称になるようです(独り言 : サイトのフィーチャーにも「チームの共同作業」というのがありましたが、サイト自体がシナリオベースになったことで、サイトの一機能だったものが格上げされたような印象です)。

イメージ テンプレート名 説明
12319460-3768-42a8-adda-4e4cccc31668 イベントの企画 チームとイベントの詳細を調整して計画します。 既製のイベントのまとめとイベントの状況に関するニュース投稿テンプレートを使用して、チームを最新の状態にすばやく更新します。
93b79ce3-73ff-4d63-b9e8-b2811956f837 プロジェクト管理 頻繁に使用するツールにアクセスし、プロジェクトの更新を共有し、会議のメモを投稿し、チームドキュメントをアップロードできる、チームの共同作業スペースを作成します。
D4502edd-cfd0-46fa-bb35-7e855ee0fe21 トレーニングとコース コースのリソース、ニュース、イベントを共有して、コースの参加者と学生を特定の学習機会に備えます。
2f24fb97-d7ea-4054-adec-e7f009983197 トレーニングと開発チーム  ブレーンストーミングを行い、他のユーザーの学習と成長を支援する機会を計画します。

このチームテンプレートは、基本的には Microsoft 365 グループとともに使うことになるでしょうから、Microsoft Teams のチームと組み合わせて利用することになることを想定しておくことが大切だといえそうです。

プロジェクト管理の場合は、チームメンバーで Teams上で会話しファイル共有をしていくことに加え、サイト機能もうまく組み合わせる必要があるところでしょう。テンプレートだけではなく、どんな使い方をしていくとよさそうか、組織内でディスカッションできるといいでしょうね。ということで、Teams でチームを作るときにプロジェクト管理を行う用途なのであれば、このテンプレートを適用しておくとよさそうです。

そのほか気になるのはトレーニング(研修)関連です。「トレーニングとコース」は、主に先生と生徒の間で利用することを想定しているようです。Teams を使ってオンラインでのコミュケーションに加え、ファイル共有など含め研修参加者や学生との情報共有をする場として利用しやすいように、Webパーツ等が事前設定されているようです。「トレーニングと開発チーム」は講師や先生同士でのコミュニケーションを支えるサイトテンプレートのようです。カリキュラムの相談や学生もしくは社員の育成に関してやり取りする場として使えそうです。たとえば、ここで話あった内容から Microsoft Viva Learning のコンテンツが決まるといったフローも考えらそうです。

新しいサイトテンプレート(サイトデザインとサイトスクリプト)を利用するメリット

サイトデザインとサイトスクリプトは、従来のサイトテンプレート化とは概念が全く異なります。従来のサイトテンプレート (*.wspを作る場合) は、鋳物の鋳型のようなものでサイト作成時に選ぶ必要があり、サイト作成後にはテンプレートがアップデートされたとしても、よくも悪くも影響を受けませんでした。

一方のサイトデザインとサイトスクリプトですが、サイトスクリプトと呼ばれるスクリプトを SharePoint 管理者が用意します。これは JSON形式で書かれたサイトの部品作成指示書のようなものであり、Aというスクリプトを実行するとリストが作成される。Bというスクリプトを実行するとナビゲーションとサイトのテーマを変更する。といったように、複数のスクリプトを用意できるようになっています。サイトスクリプトはそのままでは実行することができず、サイトデザインというものにひとまとめにしていく必要があります。たとえば、コミュニケーションサイトには「トピックス」や「ショーケース」というサイトデザインがあります。このサイトデザインを適用したら、AとBのスクリプトを呼び出そうとか、Cだけ呼び出そうとか、そういうようなことができるわけです。つまりこのアプローチというのは、空白のコミュニケーションサイトまたはチームサイトのテンプレートからサイトを作って、一から手で設定していく内容を Excel のマクロのように自動化するという発想がベースとなっています。

そのため、サイトデザインは、作成後のサイトに再適用できるのです。この点が、従来のサイトテンプレートとは発想が大きく異ります。

以上のことから、新たなサイトテンプレートというのは新規にサイトを作成するときに選べますし、既存サイトにも適用できます。新たなリストが作られたり、テーマが適用されたり、ナビゲーションが追加されてりすることになります。心配なのは既存のリストやライブラリ、ページがすべて置き換わってしまうのかという点だと思いますが、基本的にこれはありません。基本的には足し算または上書きであり、すでにあるものはそのままです。これはサイトデザインとサイトスクリプトの挙動がそうなっているためです。

サイトデザインについて学ぼう

不安のある方は、とにかくまずはサイトデザインとサイトスクリプトを学習しておきましょう。独自のサイト テンプレート作成もできますが、結局この部分は自分でサイトデザインを作る必要があるのです。

独学したい方は下記に情報が公開されていますので、これが参考になります。

SharePoint サイト デザインとサイト スクリプトの概要 | Microsoft Docs

また実際に試せる環境があるのがベストですので、Microsoft 365 開発者プログラムにサインアップして、気軽に利用できる自分用の学習用テナントを手に入れることも大切です。このプランは学習用途のものなので運用環境としては利用できませんが、Microsoft 365 E5の機能が25シートまで付属しており、これを無料で試せます。詳しくは下記のリンク先を参照してください。

Microsoft 365 開発者プログラムに参加する | Microsoft Docs

新しいテンプレートを利用するために準備すること

新しいテンプレートを利用するために準備することとして、まずはユーザーにこうしたテンプレートが利用できるようになることの周知をすることが大切です。

すでに Microsoft のサポート文書が公開されているので、まずはこれを確認することでしょう。

SharePoint サイト テンプレートを適用およびカスタマイズする

このページ内で大事なのは FAQ の部分です。特に抑えておくべきところを書き出しておきます。

  • サイト デザインを適用するには、サイトの所有者権限以上が必要
  • ハブに関連付けられている場合は、テーマは従来通りハブから継承することになる。テンプレートを適用してすぐにはテンプレートのテーマが自動的に使われるものの、発行後しばらくするとハブのテーマに更新される
  • 一度サイトテンプレートを適用すると、自動的に元に戻すことはできないが、手動で元の状態に戻していくことはできる(ナビゲーションを削除したり、テーマを更新するなど) ⇒ ※筆者注※前の状態を覚えておくことができれば、の話ではありそうですね。
  • サイトの[設定]パネルに表示される[サイト デザイン]が[サイトテンプレート]に置き換えられる

ということで、新しいテンプレートの知識をしっかりと身に着けるには「サイトデザインとサイトスクリプト」について学んでおいた方がいいよ、ということでもありますね。

2021年3月10日 (水)

昨年 Microsoft Stream の新しい Stream 機能が発表され、段階的な移行が既に始まっています。

そこで移行に向けて情報を整理しておきたいと思います。

まず手始めに把握すべきは、Microsoft Teams の録画の保存先が従来の Stream のストレージではなく、 OneDrive for Business または SharePoint にとって代わることになるということです。このことに関しては以前にもブログに投稿しています。未読の方はご一読ください。

SharePoint Technical Notes : 新しい Microsoft Stream と SharePoint (lekumo.biz)

現在の移行に向けたスケジュールの確認

Microsoft 社が公開している新たな Stream に向けたロードマップは次のリンクを確認しておきましょう。

Use OneDrive for Business and SharePoint for meeting recordings - Microsoft Teams | Microsoft Docs

この一部下記に抜粋します(少し読みやすく翻訳を変更しています)。

日付  イベント     
2020 年 10 月 5 日

(完了)      
Teams 会議ポリシーを有効にして、会議の録画を Microsoft Stream (クラシック) ではなく OneDrive for Business と SharePoint に保存できるようになる
2021年1月7日より開始

(完了)      

組織の Teams ミーティング ポリシーを変更して明示的にストリームに設定しない限り、新しい Teams ミーティングの記録はすべて OneDrive for Business と SharePoint に保存されます。

引き続き Microsoft Stream (クラシック)に保存する場合は、ポリシーの値を明示的に Stream に設定する必要があります。

2021 年 7 月 7 日から段階的に展開する 

すべてのお客様 (エンタープライズ、教育、GCC)
Microsoft Stream (クラシック) には、新しい会議の記録を保存できません。ユーザーがをチームの会議ポリシーを Stream に変更した場合でも、すべての顧客の会議記録は、OneDrive for Business と SharePoint に自動的に保存されます。

 

お客様がリリースのタイミングをコントロールできるように、この日までにこの機能をロールアウトすることをお勧めします

会議の録画の保存場所の確認

今後の録画の保存場所は次の通りです。

チームのチャネル以外の会議の録画

レコーディングしたユーザーの OneDrive for Business / レコーディング フォルダー内に保存されます。

チャネル会議の録画

チームに紐づく SharePoint サイトの「ドキュメント」ライブラリ内の「チャネル名」>「Recordings」フォルダ内に格納されます。

ダウンロードを禁止する方法の確認

チーム会議以外の場合は、録画は OneDrive for Business に保存され、同じ組織内の参加者にはこの録画へのリンクが読み取り専用で渡されます。とはいえ、ダウンロードはできる状態となります。

チャネル内での会議以外で会議を開催したときに社外のメンバーがいる場合は録画に対して権限は付与されません。そのため閲覧もダウンロードもできない状態となります。しかし、社内のメンバーの場合は表示のみのリンクが表示され、これのリンクが Teams 内に共有されます。

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一方でチーム内のチャネル上での会議の場合、チームメンバーがアクセスできる SharePoint サイトに録画ファイルが格納されることになるため基本的にはチームメンバーはファイルの削除やダウンロードできてしまいます。

このように、会議の開催および参加方法によって生成される録画ファイルに付与される権限や保存場所が異なります。詳しくは下記のリンク先を確認してください。

OneDrive for Business と SharePoint を使用して会議の記録を行う - Microsoft Teams | Microsoft Docs

2021年4月以降の変更 

チャネル会議以外の録画については読み取り専用のリンクは、既定でダウンロードを禁止するオプションがオンになった状態で生成されるように変更されます

しかし、引き続きチャネル会議ではチームメンバーに対して SharePoint サイトの既定の権限が付与されることになるため、[編集]アクセス許可レベルが付与されることになります。またチームの所有者はサイトコレクションの管理者権限となるわけです。そのため、ダウンロードなどが許可される状態になります。

したがって機密性の高い内容が録画されるようなケースではダウンロードを含めて制限するために、チャネル会議は使ってはいけません。OneDrive for Business から必要なメンバーにダウンロードを禁止した形でリンクを配ることが必要です。

将来的にはチャネルの録画の取り扱いに関しては新しい仕組みが出てくるようですが、今のところ詳細は不明です。

なお、これらの変更は新たに作成される録画に対してだけ影響し、既存の録画ファイルの権限を自動で変えるようなことはありません。

この変更の適用時期は次の通りです。

  • 2021年4月上旬から6月上旬まで

会議の録画の保存先をOneDrive および SharePoint に切り替える方法の確認

2021年7月7日以降は Microsoft Stream(クラシック) には新しい会議の録画を保存できなくなります。

しかし、これより前に保存先を OneDrive for Business および SharePoint に切り替えることもできますし、逆に Stream のままにしておくこともかのうです。こうした変更には PowerShell を利用し、Teams の会議のポリシーを変更します。従来通り Stream をしばらく使い続ける場合は次のコマンドを実行します。

制約についての確認

SharePoint や OneDrive for Business 上に格納された録画に関して現時点では下記のような制限事項があります。

  • クローズド キャプションは英語のみ対応
  • トランスクリプトの表示、編集、検索などは行えない
  • トランスクリプトは編集できないが、キャプションのオン/オフを切り替えられる
  • 記録を共有するユーザーを制御することはできるが、共有アクセス権を持つユーザーが記録をダウンロードできないようにすることはできない
  • 記録の保存が完了しても、メールは送信されない。完了したレコーディングは、会議のチャットに表示される
2021年3月 8日 (月)

Microsoft 365 の SharePoint (SharePoint Online)では、2021年3月よりアプリバー(App Bar) が順次ロールアウトされています。

これは大幅なアップデートの一つとなっており、テナント内のすべての SharePoint サイト(現時点ではモダンサイトのみ)の共通ナビゲーションとなるものです。

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画面左端に表示されているのが App Bar (アプリバー)

そのため、サイト単位でカスタマイズするといったことはできません。また、テナント管理者が一時的にこの機能の利用を延期することはできますが(2021年10月31日まで延長は可能)、将来的にはどの SharePoint サイトにも表示されるメニューになっています。

うまく構成すれば複数のSharePoint ハブへの行き来が容易になるので、しっかりと活用しましょう。

私が管理しているテナントの一つは「対象指定リリース」として指定しており、いち早くこの機能が利用できるようになりました。そのため、実際に私の環境をベースに解説していきたいと思います。

読み進める前に

この記事を読み進めるには SharePoint モダンサイトと SharePoint ハブや SharePoint ホームサイトの基礎知識が必要です。少なくとの下記の記事を未読の方は、一読してから読み進めてください。

SharePoint ハブ (Hub) を利用しよう (weblogs.jp)

メニューの構造

アプリバーはすべての SharePoint サイトの左端に表示されます。既定では次の4つで構成されます。

  • グローバル ナビゲーション
  • 個人用サイト
  • 自分のニュース
  • 自分のファイル

[動作イメージ(音声なし)]

グローバル ナビゲーション

ホーム(家)のアイコンをクリックすると表示されるナビゲーションです。既定ではここには、 SharePoint スタートページにリンクされます。ただし、テナント内でSharePoint ホームサイトを設定している場合はグローバルナビゲーションをカスタマイズできます。

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個人用サイト

個人用サイトは、SharePoint スタートページと同様にフォローしているサイトと最近使ったサイトが表示されます。

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自分のニュース

AI がログインユーザーに対してお勧めのニュースを表示してくれます。

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自分のファイル

ログインユーザーが最近使ったファイルが一覧表示されます。

グローバル ナビゲーションの構成

テナント内で SharePoint ホーム サイトを指定している場合は、グローバル ナビゲーションが構成できるようになっています。ホームサイトの設定をしていない場合は、グローバル ナビゲーションを構成できません。

たとえば、私が管理するテナント内では Home@オフィスアイという名前の コミュニケーション サイトを SharePoint ホームサイトとして設定しています。このサイトを組織内で最初にユーザーがアクセスするサイトとして位置づけています。こういうサイトをランディングサイト(着地点となるサイトという意味)とも呼びます。

ホームサイトの設定は SharePoint 管理者やテナントの全体管理者が設定するものです。詳しくは下記のリンク先を参照してください。

組織のホーム サイトをセットアップする - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Docs

このサイトがあると、このサイトの管理者は歯車のアイコンから[グローバル ナビゲーション]設定が利用できます。ここからアプリバー(App Bar) のグローバル ナビゲーションの設定を行えるようになっています。ちなみに、グローバル ナビゲーション以外はカスタマイズができません。出来合いの機能をそのまま利用する必要があります。

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既定ではグローバル ナビゲーション設定はオフになっています。そのため既定では SharePoint スタートページが表示されます。

Content

これをオンにすると、下記の設定ができるようになります。

  • ロゴ
  • タイトル
  • ナビゲーションソース

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ロゴ

ロゴに画像を指定すると、アプリ バーには既定のホーム アイコンではなく、指定した画像が表示されるようになります。

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ロゴの使用は次の通り。

  • ロゴのサイズは 20x20 ピクセルである必要がある
  • ファイルの種類は PNG
  • 透明の背景が推奨される

タイトル

ナビゲーション内の最初の見出しがタイトルです。ここには会社名やポータルの愛称などを自由に指定できます。

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ナビゲーション ソース

グローバルナビゲーションパネルに表示されるナビゲーションソースを選択するところです。ソースを選択した後、必要に応じてグローバルナビゲーションを編集できるようになっています。この部分は SharePoint ホームのサイトの所有者やサイトコレクションの管理者が編集できます。

なお、グローバルナビゲーションの実装は設定が反映されるまで、最大24時間かかることもあるとのこと。このテナントも有効かしてからきちんと動き出すのに結構時間がかかりました。一度、反映された後はナビゲーションソースの変更などは比較的早く反映されているようです。

ソースには次の2つの選択肢があります。

  • Home site navigation
  • Hub or global navigation

Home site navigation

これを選択すると SharePoint ホームサイトのナビゲーションがそのまま、このナビゲーション部分に表示されるようになります。

つまり、どのサイトからでも素早く SharePoint ホームサイトのナビゲーションにアクセスできるので、ホームサイトのナビゲーションに様々な SharePoint ハブへのリンクを追加しておけば、様々なハブへとすぐにアクセスできるわけです。

ホームのナビゲーション

もし SharePoint ホームサイトがハブサイトになっている場合は、もう一つの Hub or global navigation を選択すると、ホームサイトのナビゲーションでなく、ハブナビゲーションが表示されるようになります。

Edit global navigation リンクをクリックすると、グローバルナビゲーションを編集できます。この編集画面は SharePoint のナビゲーション設定なので、ラベルやリンクの追加はもちろん、対象ユーザー(Audiences to target) も指定できます。

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Home global navigation を選択している場合は、ここで編集すると SharePoint Home サイトのナビゲーションを編集していることになります。

SharePoint ホームサイトがハブサイトとして指定されていない状態で、Hub or global navigation を選択したらどうなるでしょうか?この場合は、グローバルナビゲーション パネルに表示される内容を独自に作成できます(セカンダリ セットと呼ばれる)。

図1

実際に試してみると次のようにユーザーには独自のナビゲーションが表示されるようになります。

独自のナビゲーション構成

最後に

アプリバーは特にハブが複数あるような場合に、各ハブへのリンクをグローバル ナビゲーションとして用意できるので使ってみると、必要な情報に素早くアクセスできるようになり、とても使い勝手が良いものです(目的のリンクをできるだけ探さなくて済む)。

うまく取り入れていただきたいところですが、そのためにはしっかりとした SharePoint ハブの設計と SharePoint ホームサイトを全社的に取り決めていく必要があります。ホームサイトはテナント内で1サイトしか指定できません。

さらに、この アプリバーはまだ準備が整っていない組織では機能を一時的に無効化できます。といっても延命措置にほかならず、2021年10月31日までの延長でそれを過ぎれば必ず全サイトに表示されるようになります。なるべく早い段階で運用方針やルールを取り決める必要がある部分でしょう。

延長する設定等の公式情報については下記のリンク先を参照してください。

新しい SharePoint アプリ バーを使用してグローバル ナビゲーションを設定する - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Docs

 

2021年3月 5日 (金)

2021年2月に Microsoft 365 の新しいサービスとして Microsoft Viva が発表されました。そして先日実施されたオンラインイベント- Microsoft Ignite 2021 でも Microsoft Viva のセッションがありました。セッション内容に関しては適宜 Twitter (@ai_yamasaki) でつぶやいていたのですが、改めてブログに整理しておきたいと思います。

お勧めセッション

Microsoft Viva の概要を把握するには下記のセッションがお勧めです。この記事はこのセッションの内容をベースにしています。

MyIgnite - Meet Microsoft Viva: a new kind of employee experience

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Microsoft Viva は 4つのコンセプトで構成されている

Microsoft Viva は特に今回の新型コロナウィルス(COVID-19) の影響により、多くの人に働き方を変えることを余儀なくされました。ただし、これは必ずしも悪いことばかりではなく、これからの新しい働き方を強力に推し進めることにもなっています。そこで Microsoft Viva の登場です。ニューノーマルの世界で、よりよく働いていけるよう Microsoft 365 が持っている様々な機能をうまく連携させて支援しようというものです。

Microsoft Viva には次の4つのコンセプト(=製品)があります。

  • Viva Topics 
  • Viva Connections
  • Viva Insights
  • Viva Learning

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それぞれ個別にみていきましょう。

Viva Topics 

日々の業務ではなんかしら情報を探したり、再作成するのに、年で平均すると7週間もの時間をかけているそうです。情報をいかに探しやすくしていくかというは、業務の効率化では非常に重要です。

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Viva Topics とは、組織のナレッジを蓄積し、いわば組織内の Wikipedia を作ろうではないかというのが基本コンセプトにあります。Viva Topics は AI を使って組織全体にわたりコンテンツやかかわりのある精通したひとを自動的に関連付けて分別し、整理してくれる。たとえば、プロジェクト、製品、プロセス、顧客などの単位で情報を自動的に関連付けまた仕分けてくれます。

Viva Topics はトピックス(社内の用語など)をクリックすることで、 Office, SharePoint, Teams といったアプリ内にカード形式でこうしたドキュメントやビデオ、関連する人などの情報を提示してくれます。また、Microsoft Search 内でも利用できるようになっています。このことについては以前、自分の検証環境で実験を行っているので、そのビデオを共有しておきましょう(音声はありません)。ちなみに、Viva Topics は現在英語環境でのみ動作がサポートされているため、日本語はまだ認識してくれていません。ビデオではSharePoint のサイトページに記載している SharePoint Syntex や Power Automate などのトピックスを AI が自動的に検出し、リンクを生成してくれていることがわかります。リンク先にはトピックスページがあるのですが、これは本来 AI が作ってくれるもののようです。ですが、日本語環境では動作していないため、手動でトピックスを登録し実験しています。

もととなるトピックスは Topic Center という特殊な SharePoint サイトを用意し、そこでトピックスページを管理していきます。画面では、AI がまだうまく日本語情報などを拾ってくれていないため、各トピックはすべて手動登録しています。

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トピックスページは次のようなページです。

Topics

こうしたトピックは、ページ内で発見されたトピックスに対してリンクが自動生成されたり、検索結果に表示されたりします。

なお、トピックはページ(ニュースを含む) 内で ハッシュタグとしてリンクすることもできます。

ちなみに、これからMicrosoft Teams 内でも Viva Topics は利用できるようになります。

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Teams 内でトピックの詳細をクリックすると、Teams 内の Viva Topics アプリ内にトピックページが表示されます。

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このトピックスページに関連する Yammer のコミュニティも自動的に集めてきてくれます。

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中央に位置するのがトピックに関連する Yammer コミュニティ

さらに Outlook 上ではメール送信者などのコンタクト カード上にも、その人のスキルなどの一環として関連トピックスが表示されます。

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以上のように社内に散らばる関連ドキュメント、SharePoint サイト、人、Yammer コミュニティ等を自動的にうまく集約して、素早く組織のナレッジにアプローチできるように支援してくれるのが Microsoft Viva Topics です。

今後予定されている機能などのロードマップも公開されています。

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Viva Connections 

Viva Connections は組織内の文化とコミュニケーションに対する機能です。

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まずはベースとなるコンセプトを見ていきましょう。

リモートワークになって実に 60% の人がひととのつながりが希薄だと感じているそうです。

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Microsoft 365 では、コミュニケーションと人との結びつき(エンゲージメント)には SharePoint, Yammer, Teams が利用できるわけですが、自分たちの経験を1か所から共有したい。そんなニーズにこたえるアプリが Viva Connections です。これは Digital Gateway とも呼ばれており、いろいろな情報への入り口ととらえることができます 。

Viva connections は Microsoft Teams 内で使用できるようになっており、各自の業務に必要な情報を素早く得られます。ログイン ユーザーごとに必要な情報を提示できるため、その人にとって不要な情報(ノイズ)をカットしてくれる。さらにこのアプリはシームレスに Yammer のコミュニティと接続されており、考えやアイディアを組織内に素早く共有できるようになっています。ひとと素早くつながることができるということですね。

適切なタイミングで適切な人に必要な情報を伝えられるように考慮されているのですが、これを支えているのは SharePoint です。SharePoint が持つ、ページのスケジュール発行機能や Azure AD のグループと組み合わせてリンクに対象ユーザー指定するなどして実現しています。

Teams 内の Microsoft Viva アプリ
Teams 内の Microsoft Viva アプリ

ここまでのことを踏まえると、Microsoft Viva Connections は SharePoint, Stream, Yammer, Microsoft Teams にそれぞれ散らばって蓄積されている情報をログインユーザーに最適な形で集約してくれるアプリであるととらえることができそうです。"Connections"  という単語にはどうやら、「人のつながり」という意味だけでなく、「システムのつながり」も含めた二重の意味合いが含まれているのでしょう。

Viva Connections はログインしている人に関連するニュース、会話、コミュニティなどを接続することで人とのつながりを形成し、組織の文化をも新たに創出できるよう支援することが主たる目的ですね。組織内のデジタル トランスフォーメーション(DX)を推進するツールの一つといえます。

なお、今月から順次 Windows デスクトップ用の Microsoft Teams 内で Viva Connections が使えるようになるそうです。

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Viva connections はモバイルアプリも提供されるとのことですが、提供時期は今年の夏の終わりごろとなる見込みです。

Viva Insights (インサイト)

Viva Insighs のテーマは「生産性とウェルビーイング」。

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米国内の労働者の 76% が燃え尽き症候群(burnout) を経験しているそうです。由々しき問題ですね。

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つまりは、がむしゃらに働ぎすぎるのではなく、時間をうまく使って働くことが大切です。Viva Insights ではここを支援したい。

Microsoft Viva Insights は個人、マネージャー、組織のリーダーらの経験に基づき設計しており、プライバシーやセキュリティには十分に配慮して作られています。Viva Insights は対象により次の3つに細分化されています。

  • Personal Insights
  • Management Insights
  • Organizational Insights

Personal Insights 

Personal Insights の言葉のニュアンスは個々人の時間の使い方を客観的にとらえ洞察するといったところでしょうか。 「ウェルビーイングを優先し、生産性を高める」というのがコンセプトです。

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ところで "ウェルビーイング"は最近よく耳にしますが、これは心身共に健全な状態でいられることを指します。心身が疲れ切っていては仕事の効率もあがりませんからね。

この Personal Insights はパブリック プレビューとなっておりMicrosoft Teams  内ですでに利用できるようになっています。 Teams 内でアプリを検索すると見つかります。

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現在このアプリでは、 One on One ミーティングの設定とフォーカス時間の確保のみが利用できるようになっています。ただし、今後、いろいろと機能が追加されてくるようです。

ところで、この機能、どこかで見たことがあるなぁと思った方はご明察。MyAnalytics ですね。ということで、MyAnalytics と密接に関係しています。Microsoft Viva Insights の登場により MyAnalyticsの側にもいくつかの新機能が登場しています。たとえば、「メール配信の遅延設定」が追加されました。メールを送信する際に、業務時間外などの場合、同僚が勤務時間になるまでメール配信を遅らせようというものです。ひとの時間をへたに奪わないための配慮ができますね。

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詳しくはこの辺り。

Outlook のインライン提案 - Workplace Intelligence | Microsoft Docs

この設定は Windows 用の Outlook のみで利用できるとのことですが、現在利用できるのは Microsoft E5 のみ。ですが、Microsoft 365 E1/E3 も対象となっておりロールアウトプロセスに入っているそうです。

その他にもMyAnalytics ではフォーカス時間(自分の仕事に専念できる時間帯)をOutlook上にスケジュールとして確保できるようになっていますが、それ以外にも、フォーカス時間を確保するタイミングであるとか、Microsoft Teams の通知をフォーカス時間の間は、無音にするように設定できるようにもなっています。

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さて、以前アナウンスのあったバーチャル通勤 (Virtual Commute) の機能ですが、これは次の四半期に Viva Insights アプリにロールアウトされる予定だそうです。バーチャル通勤って何? と思った方は、次のビデオで確認してみてください。

Manager Insights 

Manager Insights は従業員をマネージメントする立場の人が、ストレスや燃え尽き症候群につながるような働き方のパターンを見出すのが目的です。具体的には、やたらに会議が多すぎたり、自分の仕事に専念できる時間が十分にとれていないといった傾向を見ることになります。

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Organizational Insights

直訳すれば組織レベルでの洞察ということです。組織全体としての働き方のパターンや傾向に光を当てようという試み。

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働き方だけでなく、従業員がどう感じているのかも重視します。

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アプリでその日の気分を報告している

ちなみに Manager Insights や Organizational Insights 機能を利用するには Microsoft Workplace Analytics を別途購入する必要があるとのこと。そのためか、セッションでは案外さらっと案内されて終わりでした(Microsoft Docs 等を見ているとこのあたりの Organizational Insights は Leaders Insights と表示されているようです)。

コンセプトは下記のビデオを見るとイメージしやすそうです。

[関連情報]

その他、時間の使い方への提案

Microsoft Viva アプリはストレスの低減のために、瞑想へといざなってくれます。

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瞑想(meditation) の実施

この辺は私自身が最近 Fitbit を使っているのですが、こうしたアプリでも同様に瞑想機能がついているので比較的最近ではなじみのある機能でしょう。となると、将来的にはスマートウォッチと連携したりするとよさそうですね。

他にもこのアプリは、1日の時間を計画的に使っていくためにいろいろと支援してくれます。たとえば、メンタルを休める時間を1日2回は確保するとか、新しいスキルの習得や自己研鑽のために勉強の時間を2時間まで確保するといったことができるようです。意識的にこうした時間を計画的に確保することは非常に重要ですね。

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Viva Learning

最後に Viva Learning 。コンセプトは「スキルの習得と成長」です。

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従業員のスキル習得は、各自のキャリア形成を支援するだけではなく強い組織づくりに役立つものです。 最近の LinkedInの報告によると、組織が教育や人材開発に投資することで 94% の従業員がより長く組織に留まってくれることが分かったそう。 人材育成に投資する組織は、良い人材の確保しやすくなるといえます。

Viva Learning は Microsoft Teams 内に学習用の中央となるハブを提供してくれます。従業員はこのハブから様々な教材にアクセスできるのです。Viva Learning でも AI を使って、適切なタイミングで適切な教材をユーザーに薦めてくれます。各教材(コンテンツ) は LinkedIn Learning, Microsoft Learn や独自コンテンツなどを取り入れられるようになっています。

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そのほか、主導型学習システムなどとも一緒に利用できるそう。

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Viva Learning のアプリは Microsoft Teams 内のチャネルタブとして追加もできるようになっています。チャネルタブとして追加するときに、タブを追加する人が目的のコンテンツをライブラリから選んで追加できるので、業務ごとに必要な教育コンテンツを用意しておけるということです。

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マネージメント側にもうれしい機能が用意されています。例えば、各メンバーの学習の進捗なども一覧できるようになっています。

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Viva Learning は 来月4月にパブリックプレビューになる予定です。

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最後に

Microsoft Viva は、Microsoft 365 がもつそれぞれの機能をうまく活用していくソリューションとしての真価を発揮する製品群といえます。こうしたツールを有効活用するためにも、こうした仕組みの要となる SharePoint や Microsoft Teams, Yammer  などもこれからも継続的に情報をキャッチアップしていく必要がありますね。

なお、ここで紹介しきれていない詳細は下記の関連セッションやブログなどのリンク先を参照してください。

関連セッション

その他の関連セッションは次の通りです。

Blog

Microsoft Viva の公式ブログです。

Microsoft Viva Blog - Microsoft Tech Community

今回の Ignite 2021 に関連するブログの記事は次の通りです。

公式ハッシュタグ

Microsoft Viva の公式ハッシュタグは #MSFTViva です。Twitter での情報発信および収集などで利用していきましょう。

2021年2月15日 (月)

私が実施している SharePoint の研修では3年ほど前から「サブサイトを作らずに SharePoint ハブを導入しましょう」という話をずっとしてきています。また拙書の「ひと目でわかるOffice 365 導入・管理編」の書籍でもこのことに触れています(※ひと目~は2017~2018年にかけて書いた内容なので、あっという間に古くなってしまいましたが...) 。

が、よく考えるとこのブログでは SharePoint ハブについて触れていなかったなと思ったので、改めてここに書いておきたいと思います。

特にこれから SharePoint のモダンサイトの導入を検討している方は サブサイトは塩漬けにして新たに作るサイトは「SharePoint ハブを使わないという選択肢はない」という心づもりでいてください。すでに登場している様々な SharePoint ポータルの新機能群はサブサイトがあることを考慮していません。ハブサイトを使うことが前提です。ニュース Webパーツもしかりです。

これまでの SharePoint : サイトコレクションとサブサイト

SharePoint サイトを構築するときに、従来はサイトコレクションを作成してその中に複数のサブサイトを作成するという方法をとってきました。

従来のサイト構造

この概念はさかのぼると オンプレミスの SharePoint Server 2007 から始まったものです。それから10年が経ち、このサイト構成の抱えている課題を新たなアプローチで解決していこうという取り組みの一つが「SharePoint ハブ」なのです。ですから、SharePoint ハブって何がいいの? と思った方は現在サイトコレクション構造について問題はないのか、一度考えてみてください。

サイトコレクションとサブサイトの構造が抱える課題について考える

課題について考えるために、よくある問題を取り上げてみましょう。

いったん作成したサブサイトは別のサイトコレクションに手軽に移動することができません。これをやろうとすると、3rd パーティの管理ツールを購入するとか、自前でプログラムを書くとかして既存サイトの内容を別のサイトコレクションのサブサイトにコピーしなくてはいけません。これは非常に大がかりです。仮に移動できたとしても既存のコンテンツへのリンク切れが発生することもあるでしょう。権限も一から再設定する必要があります。どれくらいの時間とコストと労力が必要になりそうか、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。

ところで、そもそもサイトの移動が必要になるのは、どんなニーズなのか。たとえば、サイトコレクションの分け方のルールが業務にあたる人の作業動線にあっていないケースなどがありますし、組織改編も少なからず影響します。

たとえば、IT部全体が提示するルールとして本社と関連会社とでサイトコレクションを分ける決まりにしていたとします。業務内容を吟味してサイト構造を考えていくのではなく、あらかじめ決めたユーザーの種類(この例では本社のひとか関連会社のひとか)で分けるルールにとりあえず乗っかってしまう。ですが、実際には2つのサイトで実は同じ業務を実施しなければいけないことが分かった。具体的には関連会社も含めて社内研修の実施を管理するような場合があげられるでしょう。研修の申し込みの手続きや研修のレポートの提出などの流れは、実はどちらも一緒なのにサイトが複数に分かれてしまう。これにより社内の研修担当の方は複数のサイトを管理しなくてはならなくなります。

このようにサイトをとりあえず分けたのはいいけど、実際に使い始めると、一緒に管理したほうがいいな、ということは少なくありません。

また同一サイトコレクション内にサブサイトを作っていく場合も、SharePoint Server 2007 で得た教訓として「サブサイトの階層が深くなりすぎると管理が煩雑になる」というのがわかっているので、SharePoint Server 2010 のころから(2010年あたりから) たいていはトップレベルサイトの配下の2階層目に複数のサイトを作成していくという構成をとってきました(このように提案するコンサルタントが多かったはずです)。どう管理が煩雑なのか? たとえば、階層が3階層あるとして、2階層目のサイトが不要になったとします。不要なサイトは削除したい。ですが、2階層目は3階層目にサイトがぶら下がっているので削除できません。また、3階層目のサイトを2階層目に格上げしようとしたとします。これは簡単な設定で格上げできたのですが、課題としてはURLが変わるのでリンク切れが起きやすいこと。そして、設定によってはアクセス権限が変わる可能性がある。サイトは親子関係にしている場合は親サイトから権限の継承ができるためです。

もちろん最初からうまく柔軟性のあるサイト構造の計画が立てられればいいのですが、実際にはやってみないと分からないことも多いのです。そこで大事になるのが「サイト同士の構成を柔軟に変更できる」という考え方です。SharePoint ハブではこの課題を少ない手間で克服できる仕組みが用意されています。

ちなみに、従来のサイト構造の考え方には、「なるべく関連するサイトは同一のサイトコレクションの中にサブサイトを作ることでまとめあげていく」とうものがありました。これによる恩恵の一つは、同一サイトコレクション内ならナビゲーションが共通化しやすい点が挙げられます。特に 「SharePoint Server 発行インフラストラクチャー」という機能をアクティブ化することで、サブサイトを容易にナビゲーションに追加できるようになっていました。しかし、モダンサイトではどうでしょう? 前述したサイトコレクションのフィーチャーである「SharePoint Server 発行インフラストラクチャー」のアクティブ化はサポートされません。発行機能は新しい仕組みが標準搭載となり、レガシーな発行機能は使う必要がなくなったためです。ナビゲーション構造も SharePoint ハブという新しい概念により、前述のフィーチャーに頼らなくてもよくなっています。

サブサイトを作成せずにハブで構成するメリットとは?

ここでそろそろ本題に入りましょう。

SharePoint ハブは、SharePoint の検索エンジンの大幅増強の恩恵を受け満を持して登場した仕組みです(ちなみに、SharePoint の検索エンジンは現在、Microsoft Search という上位概念の一部として位置づけられています)。

SharePoint ハブを利用するメリットとして押さえてもらいたいのは次のポイントです。

  • サブサイトという物理的な階層構造を取りやめ、複数のサイトコレクションを論理的にひと塊にできる
  • ひと塊といっても階層構造にはなり、ハブサイトとファミリーサイトという2階層構造になる
  • ひと塊にするときハブナビゲーションと呼ばれる共通ナビゲーションが利用できるようになる
  • 論理構成なので、手軽にサイトの階層構造が変更できる
  • 検索範囲として「ハブ」全体の検索もできる

SharePoint ハブの全体構成は車輪を想像すると分かりやすいでしょう。車輪のハブがあり、そこから放射線状に車軸がでます。

車軸

SharePoint でハブサイト構造にする場合は、まずは SharePoint 全体管理者または Microsoft 365 全体管理者が任意のサイトをハブとして設定します。このサイトはチームサイトでもコミュニケーションサイトでも、クラシックサイトでもモダンサイトでも構いません。といってもハブナビゲーションを利用できるのはモダン表示になっているサイトであるため、クラシックサイトでもサイトページやモダンリストやライブラリが構成されていることが望ましいといえます。このハブサイトに任意のサイトをファミリーサイトとして論理的に接続していきます。 SharePoint Hub

1つのテナント内で指定できるハブサイトの数は2,000サイトまでとなっています。ファミリーサイトには数の制限はありません。ファミリーサイトは、必ず1つのハブサイトを持ちます。複数のハブサイトを持つことはできません。ハブサイトを「親分」とするなら、各サイトはどのハブにも所属せず1匹狼でいるか、もしくはハブに接続して親分を1人持つかのいずれかになるということです。

サイトコレクション内のサブサイト構成というのは、物理的な構造でした。そのため柔軟性に欠けるところが少なからずあったわけです。一方でハブサイトでの構造は、サブサイトはやめてサイトコレクションを論理的に階層化しようというコンセプトです。論理的な接続構成なので、各サイトのハブの接続の解除も別のハブへの接続も一瞬です。アクセス権限はそのまま温存されます。サイトコレクションのトップレベルサイト同士を接続することになるので、URLはハブに入ろうが入るまいが変わりません。サイトの構造変化に強いということです。

このあたりの説明は実際のサイトでのデモをしたほうがわかりやすいと思うので、ビデオにしましたのでご確認ください。

サイトコレクションという概念はサイトをひと塊として扱うための仕組みです。しかし、新たな SharePoint ハブの登場によりサイトコレクションを使ったサイトの塊を作る必要がなくなりました。そのため SharePoint に関する公式資料でもサイトコレクションという言葉は徐々に使われなくなってきています。サイトコレクションといいつつ、サイトはトップレベルサイトのみ。1つしかないので、単に「サイト」という表現に変わってきています。現に、SharePoint 管理センターでも実質サイトコレクションの管理なのですが、「サイト」という言葉が使われています。

SharePoint 管理センター

Microsoft Teams と SharePoint の関係

新型コロナの感染拡大により、多くの組織で Microsoft Teams の導入が加速度的に進みました。このMicrosoft Teams ですが、この中には複数のチームを作成できるようになっています。業務チームによる業務遂行を効率化するために、これを使えるようになっているわけです。

各チームには、かならずチームごとに SharePoint のチームサイトが作成され接続されるようになっています。これを切り離すことはできません。

Teams と SharePoint

ここで作成されるサイトとはサイトコレクションです。つまり、チームの数だけサイトコレクションが増えていきます。サブサイトを作ることを当たり前に考えていたとしても、実際にはすでにサブサイトを使わない多くのサイトコレクションが存在しているわです。業務チームで何か仕事をしようとするとき、いちいちサブサイトを作って、権限設定をしてナビゲーションなどを整えて、、、なんてことをしている時間がもったいないし、ある程度 SharePoint の専門知識をもっていなければこうした作業ができません。ですが、ユーザーが思い立ったらすぐに仕事仲間に情報を連携できるようにすることを最優先に考えれば、すでに出来上がっているサイトを使うのが最善策です。効率よく仕事をしたいからです。

このようにサイトコレクションが多く作成されていくので、あとから関連があるサイトをひとまとめにしたいというニーズも出てくるはずです。関連する情報をアクセスしやすくする手段としてこうしたチームサイトをハブとしてまとめていくこともできるということです。

サイト構成を抜本的に見直そう

オンプレミスの SharePoint やクラシック SharePoint を使っている方は、従来のサイト管理の発想から大きく転換期を迎えていることをぜひ意識してください。以前の考え方とは大幅に異なります。

これまではサイトコレクションとサブサイトに縛られたサイト設計を強いられてきました。ですが、それは当時は最善だったものの、現在はよりよい方法として SharePoint ハブの概念が導入されています。このタイミングでサイトの仕分け方もぜひ一度、抜本的に見直してみてほしいと個人的には思っています。

サイトは用途別で細分化していっていいです。増えても構いません。ハブという論理構成の登場により、分割されたサイトも柔軟にひと塊にできるようになりました。そして、前述したとおり SharePoint の検索機能は従来にAI の貢献もあり、比べて飛躍的によくなっています。「お知らせ」リストはやめて、ニュースを使って情報を共有していくようにします。ニュースの配信元のカテゴリはサイトです。総務とか経理とかといった組織単位でサイトを作るという固定観念に縛られないことです。業務シナリオに沿ってサイトを再構成することを検討してみてください。たとえば、出張に関する情報は「出張サイト」を作成する。ここから出張に関するニュースなどを配信する。おそらく総務が多くかかわるでしょうけれど、可能な限り業務内容によってサイトを分けてユーザーの動線も整理します。

サイトを分けると、情報発信する側がわからなくなるのでは? という心配する方もいますが、ご心配なく。ファイルサーバーの目的のフォルダーにファイルをしまうのと同じで、出張に関しては「出張」サイトにアクセスして、ニュースを書きます。福利厚生に関しては福利厚生サイトに行ってニュースを書きます。こうしてバラバラに発信されるニュースは検索機能の恩恵により、全社ポータルなどに集約表示できるようになっています。ナビゲーションはハブナビゲーションで共通化され、ユーザーが迷うことが圧倒的に少なくなります。

場所に縛られない情報公開ができるようになっているというのが、クラシックサイトを運営してきた方にとってはとても新しい発想だろうと思います。

SharePoint ホーム

ところで、ハブサイトは複数作成できるといいました。私が自分自身のノウハウ提供や研修で使用しているラーニングポータルのテナントには、イントラネットのデモ用ハブ、オフィスアイラーニングポータルハブ、演習用サイトのハブというように複数のハブを作っています。

こうした各ハブへのアクセスを一か所から行わせることはできるのか? この答えの一つが SharePoint ホームです。ホームとして指定できるサイトは任意のさいとですが、テナント内で1つだけという制限があります。ここを入り口に、複数のハブにアクセスできるようにリンクを持たせることができるようになります。

ラーニングポータルのテナントでは、会社のロゴにアクセスすると SharePoint ホームにアクセスできるように設定しています。このサイトに各ハブへのリンクを設定します。対象ユーザーの設定を使えば、各リンクを適切なユーザーに対して表示・非表示をコントロールできます。

ハブ構成の例

この SharePoint ホームを Microsoft Teams 内にも組み込んでいこう、というのがこれからの Teams との並行利用の方向性でもあります。業務は Teams を起点にするので、そこからいろんな情報にアクセスさせたい。全社的なアナウンスなどは SharePoint サイトで共有したい。ならば、Teams 内にアプリとして SharePoint ホームを追加しておこう。ここから、それぞれの情報サイト群にアクセスできるぞ、ということです。

関連ビデオ

モダンポータルに関して比較的手短に解説しているのが 2020年5月に実施した Microsoft 365 Virtual Marathon で行った下記のセッションです。以前もブログでご紹介しましたが、念のため再掲します。

すでにあるサブサイトはどうする?

すでに存在するサブサイトについては、既存のサイト構成は塩漬けにしてしまい、まったく新規に新しくポータルを作る方向で進めていくのがお勧めです。

そもそもポータルのリニューアルを掲げられれば、これを大義名分にしながら業務の見直しや断捨離を断行する絶好のチャンスとなります。併せて新しい仕組みを効率よく使ってもらうために、社内でのユーザーに対する勉強会の実施および教育する立場の人材を育成することも大切でしょう。新しい仕組みを取り入れていくことで業務効率が良くなれば、これはコストではなく人材育成への投資となるはずです。

最後に

効率が悪いと判断すれば古きを捨てて、新しきを取るというのが、業務効率化では必要です。SharePoint はモダンサイトを使い、ハブサイトの概念を生かした運用をぜひ考えてみてください。

古い仕組みに縛られていると、新しい取り組みや概念を導入する妨げになり、業務の効率化はずっと進まないままになるでしょう。世の中には「より業務効率を上げるにはどうしたらいいのか」を常に考えて新しいサービスや製品が登場しているわけです。つい考えることをやめ「使い慣れているから、それでいい」ではなく、「使い慣れているけど、現状に課題はないのか? 先々を考えて、このままでいいのか」という視点は常に持っておいて欲しいと願っています。

世の中は思っている以上にものすごいスビートで変わっています。いつの時代も変化にうまく対応していくことが求められています。