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2020年4月27日 (月)

SharePoint Online ユーザーの方向けの情報です。

日本時間の2020/4/25 にMicrosoft 365 管理センターに下記の情報が届きました。

2020-04-27_12-45-38

要するにSharePoint Online 上では SharePoint Designer を使ってカスタムフォームの新規作成や編集ができなくなりますということ。

「SharePoint Designer の機能に影響する問題が見つかったんだけれど、慎重に調査した結果、この機能自体を無効化することを決めました。代わりに Power Apps を使うようしてください」ということですね。

UTC 時間の 2020年4月25日 3:00 AM に無効にするということなので、既に無効になっているはずです。

実際に試すと新規作成したフォームの保存時に「リストの変更内容をサーバーに保存できませんでした。」というメッセージが出て終了します。

Derpicated - new custom form using SPD2013

SharePoint Designer は現在サポートされていはますが、既にメインストリームの製品ではなくなっており、ここ数年で随分と使われなくなってきています。

Power Apps や Power Automate へ置き換えられるものは、積極的に置き換えていきたいですね。

※ 2020/4/29 更新※

4/29 付けで更新情報が届きました。カスタムフォームを新規に作成することだけが出来なくなるということで、既存のカスタムフォームは使えるとのこと。編集もできるということですね。したがってタイトルも変更しました。

  • 旧 : [機能の廃止] SharePoint Designer 2013 でリスト用の新規フォームの作成と編集ができなくなる
  • 新 : [機能の廃止] SharePoint Designer 2013 でリスト用の新規フォームの作成ができなくなる

メッセージセンターの原文も追記しておきます。

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Updated April 29, 2020: At present, we are investigating several possible scenarios for editing custom forms that may not be working as expected, while others are working. We will update this post as soon as we have more details.

We’ve identified an issue that affects SharePoint Designer functionality for creating custom Forms within SharePoint Online.

We identified a code issue with an Application Programming Interface (API) associated with creating new Forms through SharePoint Designer that could cause impact to data integrity. We’ve confirmed that no customers have been affected by the code issue; however, through careful analysis we’ve determined that any changes to fix the issue would likely impact other core service components. In order to maintain our data integrity standards we’ve expedited the deprecation of this feature effective as of 3:00 AM UTC on Saturday, April 25, 2020. This change only affects the action of creating new Forms and does not impact the ability to edit previously created Forms. Users who attempt to create new Forms within the Designer will be shown an error message.

After this change was made, users may have received the error: "Could not save the list changes to the server," when creating new Forms.

Creating Forms using SharePoint Designer is a legacy feature and we recommend users who were leveraging this functionality to now use PowerApps for this purpose. PowerApps is an easy and powerful tool that allows users operating in the SharePoint Online Modern experience to create and edit custom Forms for SharePoint lists and document libraries right from a browser window. PowerApps does not require traditional coding knowledge or any additional app downloads such as InfoPath.

*Note: SharePoint Online Classic users will need to temporarily switch to the Modern experience to access and utilize PowerApps; though, all custom Forms created in PowerApps are accessible by SharePoint Online Classic experience users.

2020年4月23日 (木)

今回は SharePoint 開発経験者向けのお話。

Power Automate では SharePoint の REST APIが呼び出せます。

本題に入る前に少し状況の補足をしておきましょう。

クラシックサイトでは気軽に JavaScript を埋め込めていましたが、これにより管理者が把握できないスクリプトも溢れることになりました。さらには、何かするにも JavaScript を書く必要があるというのはエンドユーザーにとってはハードルが高い。サイロ化したスクリプトを管理下におけるよう、モダンサイトでは SharePoint Framework を使ってサイト管理者の管理下にあるスクリプトのみが実行できるように振る舞いが変わっています。またエンドユーザーでも手軽にアプリが作れるように Power Platform と SharePoint は連携できるようになっているわけです。

こうした背景から、今まで JSOM (JavaScript Object Model)ゃREST APIを JavaScript からアプローチを一部は Power Automate や Power Apps などに置き換えていく方向も考えていく必要があります。

そこで冒頭の話に戻ります。Power Automate では SharePoint REST API を呼び出せるので、これまで JSOM や REST API で培ってきた開発ノウハウを生かせる部分も多く存在します。

今回、ブログの題材は SharePoint Designer 2013 の持っていた機能の一部置き換えをしようという試みです。その一つがリストの表示・非表示。

補足説明

リストには Hidden 属性があり、SharePoint Designer では簡単にTrueもしくはFalseを切り替えられました。Hidden 属性が True となると「サイトコンテンツ」ページからリストは非表示になります(こういうリストを隠しリストと呼びます)。もちろん、URLは利用可能であるため、ユーザーが直接 URL をアクセスすれば従来通りリストにはアクセスできます。

さて、Power Automate などで処理している際にも、ユーザーには直接目につかないように隠しリストを作りたいというケースも少なくない。こうした処理を Power Apps と Power Automate で処理してやろうという話です。次のビデオでは実際の動作が確認できます。まだアプリは改善の余地はありますが、それは追々機能を拡充していく予定です。

このフローでのポイントは SharePoint コネクターの「SharePoint に HTTP要求を送信します」アクションを使うことです。今回は更新処理であるため POST します。また、リストのアップデートを行う必要があるわけですが、従来のようなページ上で JavaScript を実行するときとは異なり、X-REQUESTDIGEST の値を指定する必要はありません。

2020-04-23_12-20-11

さて利用したフローの全体画面を掲載しておきます。REST API に慣れている方は、このあたりは問題なく利用できるでしょう。

リストの表示非表示

 

AdobeStock_194043476対象者は SharePoint サイトの基本的な操作や用語が理解できている方で、Power Automate や Power Apps を使った業務改善などを検討している方です。

 

2020年4月20日 (月)

Microsoft Teams には Flow アプリを追加できるようになっています(テナントによっては不可になっていることもあります)。

Flow-Bot

このアプリ内ではフローの作成や管理はもちろん、自分と対話できるフローボットが利用できます。このフローボット自体 Power Automate を使って作成できます。

利用イメージがしやすいように、これを使って SharePoint に格納されている機密保持契約書を手軽に先方に送付するというシナリオをご紹介しましょう。このフローではTeamsのコネクターを使っていますが、いずれも現時点ではプレビューであり、フロー構築時にはいくつかの課題もあります。

構築方法については今回は深入りしませんが、まずはどんなことができるのかを知ってもらえれば、何か業務改善のヒントになることもあるのではないかと思っています。

詳しくはビデオを使って説明していますのでご覧ください。

基本的な flow bot の作り方はまた別の記事で紹介します。

【研修】SharePointユーザーのための Power Apps & Power Automate入門

AdobeStock_194043476対象者は SharePoint サイトの基本的な操作や用語が理解できている方で、Power Automate や Power Apps を使った業務改善などを検討している方です。

Microsoft Teams 内の各チームには[ファイル]タブが用意されています。このファイルタブの実体は SharePoint サイトです。

もっというと、チーム内の[ファイル]タブは SharePoint サイト上にある「ドキュメント」ライブラリ内のチャネルごとに生成されるフォルダーが紐づいています。しかし、Teams の[ファイル]タブは、SharePoint の標準的な機能の一部が実装されていません。もちろん、あくまで[ファイル]タブ経由で利用するとという限定的な話であり、[ファイル]タブのコマンドバーから "SharePoint で開く" をクリックすることで、Webブラウザーから直接 SharePoint のライブラリにアクセスすれば、標準機能がフルに利用できます。

Teams 内から SharePoint サイトにアクセスする

※補足 : Teams がリリースされて間もないころはSharePoint が持つファイル管理機能のごく基本的な機能のみしか提供されていなかったのですが、数か月前からだいぶ SharePoint のオリジナルの持つ機能に近づいては来ています。

そのため、今回のブログのタイトルにあるような Power Automate を使った承認フローを実装するには、少し工夫が必要です。

Webブラウザーから直接SharePointサイトを利用するときには、格納しているファイルに対して承認フローを開始する方法としてはファイルのプロパティを確認し、例えば "下書き" から "公開" といった値に変更したときに承認フローを自動的に開始できるようにすることも少なくありません。しかし、[ファイル]タブでは現時点(2020/4/18)ではプロパティを編集できません。さらに、手動でワークフローを開始するにもフローを手動開始するコマンドメニューがありません。SharePoint 標準では本来はできることです。

そこで、[ファイル]タブを使ってフローを開始するのであれば、手動開始とプロパティの値をトリガーにすることはあきらめる必要があります。「ファイルを新規に作成したら」という自動的にフローが開始されるトリガーを使うのが妥当でしょう。

例えば、[ファイル] タブ内の特定のフォルダーにファイルを移動したらフローが開始されるというような実装を考えます。ただここで問題なのが、SharePoint コネクターのトリガーによってはサブフォルダーからはフローが開始されないものがあるということ。[ファイル]タブはサブフォルダーに紐づいているので、ここが重要なのです。

以上のことから、トリガーには次のいずれかを使うようにします。このトリガーはサブフォルダーでも動作します。

  • ファイルが作成されたとき(プロパティのみ)
  • ファイルが作成または変更されたとき(プロパティのみ)

自動開始を前提とするので、フローを起動したときに承認者を選択させることができないので、最初から承認者を固定で指定しておくか、上司の自動取得をするなど何かしら工夫をしておく必要があります。

ところで、トリガーを設定するときですが、SharePoint サイトとの関係が把握できていないとどのフォルダーをトリガ―指定すればよいのか迷うところです。チャネルとフォルダーの関係を図解しておくと次のようになります。トリガーを構成するときには、この図を念頭に置いたうえで、チーム名と同じ名前の SharePoint サイトのURLとフォルダーを指定するようにしましょう。

Teams 内のチャネルとSharePointフォルダーの関係

なお、チャネルを最初に作ったときに(もっと正確にいうと、チャネルを作成後に[ファイル]タブに初回アクセスしたときに生成) SharePoint側にフォルダーが作成されるのですが、フォルダー生成後はチャネル名を変更しても既存のフォルダ名は変更されません。そのため、現在 Teams 内のファイルタブには関連づいているフォルダー名が表示されるようになっているので、これを手掛かりにするとよいでしょう。

Teamsファイルタブにひもづくフォルダー名

以上を踏まえ、最もシンプルな承認フローを構築すると次のようになります。ここでは細かい設定については触れませんが、詳細は例えば、既存の承認用のテンプレートを使いトリガー部分を差し替えるなどしてみてください。

承認フロー

 

【研修】SharePointユーザーのための Power Apps & Power Automate入門

AdobeStock_194043476対象者は SharePoint サイトの基本的な操作や用語が理解できている方で、Power Automate や Power Apps を使った業務改善などを検討している方です。

SharePoint Onlineでは組織全体で使用する Office テンプレート ファイルを集中管理できます。これには「組織のアセットライブラリ(Organization Assets)」を利用します。

組織のアセット ライブラリについては以前、このブログでも紹介しています。

これを利用することで、デスクトップ版のOffice アプリケーションで新規にファイルを作成する際に、組織名とともにテンプレートが表示されるようになります。残念ながら Web版やモバイル版では利用できません。

組織のアセットライブラリ - Office Templates

このテンプレートは SharePoint Online の全体管理者が指定したSharePointのドキュメントライブラリから取得しています。つまり、デスクトップ版のOffice アプリケーションにサインインするときに指定したアカウントに紐づく SharePoint 上のアセットライブラリが自動的に取得されるということです。PC を入れ替えてもいつでも組織のテンプレートを利用できるということです。また、テンプレートの管理は一般的な SharePoint のドキュメント ライブラリであるため、ファイルのアップデートも簡単です。

なお、このライブラリにテンプレートをアップロードするときには、必ずテンプレートファイル形式でファイルを保存する必要があります。PowerPoint であれば *.potx です。

ところで、大事な設定方法ですが、管理者はテンプレートを格納するライブラリを組織のアセットライブラリとして指定するには次のPowerShellコマンドを実行する必要があります。-OrgAssetType を OfficeTemplateLibrary に設定するところがポイントですね。

#変数

$LibraryUrl="https://<アセットライブラリに指定したいライブラリのURL>"
$OrgAssetType="OfficeTemplateLibrary"
$CdnType="Private"

#組織のアセットライブラリの設定
Add-SPOOrgAssetsLibrary -LibraryUrl $LibraryUrl -OrgAssetType $OrgAssetType -CdnType $CdnType