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2019年7月16日 (火)

私が利用している Office 365 テナント(対象リリース設定済み) では、SharePoint Online のモダンサイトにいよいよ「対象ユーザー(audience targeting)」機能がロールアウトされてきました。


[参考] Office 365 Roadmap | Target content to specific audiences

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/roadmap?filters=SharePoint&searchterms=News%2C%26%2Cpage%2Ctargeting


2019年4月末からロールアウト開始とされていたのですが、私の利用しているテナントでは 7月11日から利用できるようになったので3か月ほどかかったことになります。他のテナントはもう少しかかる可能性があります。

対象ユーザー設定とは?

対象ユーザー設定というと、もともとオンプレミスの SharePoint サイトでは利用されてきた機能でもあるため経験者にとってはなじみのある機能でしょう。

では、少し SharePoint の歴史を遡ってみましょう。

SharePoint Server 2007 より前の製品では現在のようなアクセス権限の概念がなく、簡単に言うと、コンテンツの表示・非表示のみをコントロールしていました。今のように誰が書き込めて、誰が承認出来て、誰がダウンロードできて、、、というようなコンテンツごとの詳細な設定はなかった。そのため「誰に表示するのか」を指定するのに使っていたのが対象ユーザーという仕組みです。SharePoint 2007 以降は現在の SharePoint Online にも引き継がれているアクセス権限の概念が登場したことで、より詳細な権限管理ができるようになり、対象ユーザーを利用する場面は極端に少なくなりました。そのためクラシック SharePoint サイトではWebパーツとナビゲーション設定で使う程度です。

と、ここまで歴史的な流れを見てきたところで重要なポイントを見逃してはいけません。それは「対象ユーザー設定というのはセキュリティ設定ではない」ということ。

情報を秘匿する必要があればアクセス権限を設定するというのは従来通り変わりません。たとえばコンテンツを検索すれば、アクセス権限設定に基づいた条件でコンテンツが検索されることになっています。したがって対象ユーザーとはフィルター機能の一種であり、「このコンテンツは特定のユーザーにしか関係がないから、見えても構わないのだけれど、他の大事な情報が埋もれないように見えないようにしておこう」という発想のもと使うものです。

モダンサイトでの対象ユーザー設定

モダンサイトでも対象ユーザーが使えるようになりました! タイトルに記載した通りサイトぺージおよびニュースを対象にするというシナリオが最もニーズがあるところでしょう。なお、ヘルプを読むとあらゆるファイルがこの機能の適用対象となってはいるのですが、アクセス権限設定とは別に対象ユーザー設定をすべてのファイルに対して設定するというのは、ニーズの洗い出しが広範囲になりすぎてしまうため、最初は「ニュース」に絞った方がよさそうです。

繰り返しになりますがモダンサイトであっても、従来の対象ユーザーの考え方と同じくフィルター設定です。「閲覧しようと思えばできるが、関係があるのは特定のユーザーたちなので、その人たち向けに配信する」というスタンスに変わりありません。ですから、対象ユーザーを設定する前に目的のユーザーが最低限、閲覧アクセス許可レベルを付与されている必要があります。

ページ単位の設定

設定手順ですが、まず各サイトの「サイトのページ」にアクセスします。サイトのページ ライブラリの設定にアクセスし、「全般管理」セクションにある「対象ユーザーの設定」をクリックします。

SitePage - Audience 1

既定では対象ユーザーの機能がオフになっているため、「対象ユーザー設定の有効化」のチェックボックスをオンにし、[OK]をクリックします。

SitePage - Audience 2

なお、上記スクリーンショットの説明にあるように、対象ユーザーとして指定できるのは次のグループです。

  • Office 365 グループ
  • Azure Active Directory グループ (動的メンバーシップも対応している)

したがって、対象ユーザーを設定する際には、個々人を By Name で指定するのではなくグループとして指定することになるため注意してください。

さて、ここまで設定ができると「サイトのページ」ライブラリには「対象ユーザー」列が自動的に用意されます。ページごとに公開対象となるグループを「対象ユーザー」列に指定します。

SitePage - Audience 3

この設定を毎回するのは大変ですが、既存ページをコピーしたりテンプレート化すれば、作業は軽減されるはずです。

なお、ニュースを表示した状態でも「対象ユーザー」は設定できます。ページを編集した状態で「ページの詳細」をクリックするとプロパティが表示されます。

※【重要】対象ユーザー設定時のコツ※

どうも、現在のところ、対象ユーザー設定時にはコツがいるようです。メールアドレスなどを入力するとグループ名の候補が表示されますが、これをマウスで選択しても、うまく選択されません。候補は無視して Enter キーを押下して確定するとうまく設定できます。

Webパーツ側の設定

さて、ここまでで設定が終われば、あとはWebパーツ側の設定をするだけです。対象ユーザーに対応しているのは「強調表示されたコンテンツ(Highlighted content)」と「ニュース」Webパーツの2つです。それぞれ、フィルターなどのセクションに「対象ユーザーを有効化」という設定があるため、これをオンにします。これによって不必要にすべてのニュースが表示されないように抑制してくれます。

SitePage - Audience 4

 

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2019年7月10日 (水)

Office 365 では OneDrive for Business や SharePoint 上で、当たり前のように Office Online が利用できます。Office Online とは Word Online, Excel Online, PowerPoint Online などの総称ですね。

ところで、この機能があれば Webブラウザーさえあればいつでもファイルの閲覧ができ、ちょっとした編集もできるのはご存知だと思います。しかし、Online 上で新規にファイルを作成するときや、作成済みのファイルのファイル名の変更方法を知らない方が意外と多いようです。

SharePoint の研修をやっているときに、この方法を案内すると「えっ、そうだったの?」と言われることがほとんどなので、ブログにも書いておくことにしました。

たとえば Word Online を使っているとします。下図に示す Word Online 上の画面上部のところはファイル名となっていて直接編集できます。Word なら既定値は ドキュメント となります。まぁ、一見すると編集できそうもない見た目なのですが。。。

2019-07-10_18-28-33

実際の操作画面は下記をどうぞ(音声なし)。

Excel も PowerPoint も同じ理屈です。ご参考まで。

SharePoint Online 上のモダンサイトでいったんは SharePoint ハブとして構成していたものの、ハブを解除したらトップリンクバー部分にハブで使っていたナビゲーションが残ってしまいました。今回使っているのはチームサイトであり、トップリンクバーは簡単には編集できません。

下図でいうところの Top というリンク部分です。

2019-07-10_14-27-05

サイトの設定ページにアクセスしても、それらしい設定メニューはなくあるのはサイドリンクバーの編集メニューのみ。

しかし、そこは昔取った杵柄。「おそらくクラシックサイトのトップリンクバー機能が裏では残っているだろうな、」と踏んで、クラシックサイトで使っていたトップリンクバーの編集リンクを思い出します。確か次の構文です。

https://<サイトのURL>/_layouts/15/topnav.aspx 

ということでこのURLにアクセスすると、見事、リンク先ページは生きており、やはりここに Top のリンクが配置されていました。次のように削除し無事解決!

ちなみに、ハブ構成にした場合のナビゲーションがこのリンク先で編集できるわけではないので、誤解なきようお願いします。また、このリンク先のトップリンクバーの編集ページはサイトの設定ページからも隠されているわけですから、積極的に利用するのは非推奨であり、モダンサイトでは使わないのが無難です(あくまで昔の名残ということで)。

たまたま、ハブ登録を解除したらリンクが残ったという場合の対応方法を書き残してみました。

2019年6月 7日 (金)

SharePoint Online 管理センターでは徐々にエネルギー機能が充実してきています。最新機能ではアクティブサイトの一括編集ができるようになります。私の利用しているテナントでは既にこの機能がロールアウトされていますが、まだ機能が展開されていないテナントもあると思います。

複数サイトコレクションを選択したうえで、次の操作ができます。

  • 共有設定
  • 削除
  • ハブサイトの関連付け

2019-06-07_14-07-05

 

 

2019年5月11日 (土)

SharePoint Online 管理センターが徐々に刷新されていっています。

従来の管理センターのサイドリンクバー部分にあった項目のほとんどは「クラシック機能」というメニューにまとめられました。

次のスクリーンショットは従来の管理センターのメニューです。

2018-09-21_15-40-43

「設定」以外がクラシック機能メニューへとまとめられているのですが、個人的な見解で言えば上部に並んでいる次の項目は、SharePoint 利用者全体からすれば利用頻度は低いかもしれませんが、まだまだ現役で利用する機能だと言えそうです。

  • 用語ストア
  • ユーザープロファイル
  • 検索
  • アプリ

しかしながら「その他のクラシック機能」にまとめられているところは、もう利用頻度は低いよなぁ。。。(InfoPath なんて、サポート期限が見えているし、将来的には引退かぁて) という項目です。

SharePointOnlineAdminCenter-ClassicFeatures

 SharePoint Online 管理者にとっては設定項目も多く、ただでさえ覚えることが多い。そのためこうした観点をもって、一般的に利用頻度が高い機能から設定項目などを重点的に覚えていくようにするとよいかもしれません。