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2016年9月14日 (水)

第一弾としては2016年3月にOffice 365 の新たなアクティビティ レポートがロールアウトされましたが、また新しくなります。旧利用レポートのほとんどは新しい管理センターに移行されているとのこと。

New Udage reports for SharePoint Online,
OneDrive for Business and Exhange Online [Office Blog]

 

具体的には Office Blog の表題通り、次の3つの利用状況レポートが提供されます。

  • SharePoint Online
  • OneDrive for Business
  • Exchange  Online

詳細は Office Blog に記載されているため、ここでは概要を整理します。

SharePoint Online

ユーザーがどの程度、ファイルを格納したり共有したりしているかを確認できます。作成・編集、削除、内部共有、外部共有の各アクティビティごとにグラフを表示します。ユーザーごとのファイルに対するアクティビティを確認できます。他にも、どのユーザーがドキュメントをローカルマシンに同期しているか、また内部または外部共有しているかなどを確認できる。将来的にはページ訪問(Page Visits)などの追加アクションも確認できるようになるとのことですが、あくまでファイル共有を中心としたアクティビティのみであり、リストに関しては詳細なアクティビティログは無い模様。

New-usage-reports-for-SharePoint-OneDrive-and-Exchange-1

OneDrive for Business

 全体のどの程度のユーザーが OneDrive を使っているかだけでなく、どのユーザーが OneDrive を使っていて、ローカル マシンにファイルを同期しているかなども確認できるようです。

Exchange Online

 メールボックスの利用状況レポートでは、どの程度のアイテムが各ユーザーのメールボックスに格納されているか、またどの程度までストレージ容量が使われているかなどを確認できるようになります。ユーザーごとの使用容量を手早く確認したいというニーズは少なからずあったため、これは朗報です。

New-usage-reports-for-SharePoint-OneDrive-and-Exchange-3

今後について

数ヶ月以内に Office 365 グループ、Yammer グループなどに関するレポートも追加する予定であるとのこと。 地域ごとまたは部署ごとといった、より柔軟な切り口での分析を行えるよう Office 365 用のPower BI のコンテンツ パックへの期待が高まっているのは Microsoft としては把握しており、この秋以降にロールアウトを開始できるようにする予定になっているそうです。個人的には Power BI を使った分析がやはり一番期待しているところです。なお、秋のプランには、利用状況データにプログラムからアクセスできるよう新たな公開 APIの提供も含まれるということで、AvePoint 社などの SharePoint に関するレポート ツールを持っているところは機能がアップデートされることになるのではないでしょうか。

2016年7月26日 (火)

Microsoft 社の Office Blog で新しい SharePoint リストに関するアップデート情報が正式に公開されました。

Today, we’re pleased to announce the rollout of modern lists to
SharePoint, along with one-click integration of PowerApps and Microsoft Flow.
—Read on to learn more.

 Office 365 を利用しているユーザーのうち先行リリースを設定しているユーザーには、新しい SharePoint リストが 2016年8月よりロールアウト開始されます。

さて、新しいリストがどのようなものかをまずはコンパクトに説明しておきましょう。

先日ロールアウトが開始された新しいドキュメント ライブラリと似た見た目になっており、リボン メニューはなくなります。

Modern-SharePoint-lists-are-here-1

SharePoint モバイル アプリにも最適化されています。モバイル ブラウザーの画面イメージは次の通り。

Modern-SharePoint-lists-are-here-2

さて、ここからが肝心のお話です。

既存のリストは " SharePoint クラシック リスト" と呼ばれますが、ほとんどの SharePoint リストは自動的に新しいインタフェースを継承することになるそうです。ただし、従来のモードも引き続きサポートするとのこと。ユーザーがリストにアクセスする度にMicrosoftはカスタマイズの互換性をモニタしているそうです。サポートされないブラウザーや JSLInkのカスタマイズなど、互換性の阻害要因があれば、自動的にクラシック設定のままにします。もちろん、ユーザーは従来の画面のままを選択することも出来るほか、管理者はリスト、サイト、サイトコレクション、テナントレベルで既定値をクラシックのままにしておくこともできるそうです。そして、"クラシックモードを削除する予定は当面ない" ということが重要です。

現在のクラシックのままでは、やはり昨今のWebの技術からすると古さは否めず、レスポンシブWebデザイン対応にもなっていません。そのため、モバイル ファーストを考えるとそろそろ大幅な変更を加える過渡期に来ているのは間違いありません。

ただし、ユーザーからすればいきなり変えられても困る、というところは当然であり、当面の猶予期間内に徐々に新しいインターフェイスへ移行を進めていく必要がありそうです。なお、Modern SharePoint リストのカスタマイズ手法は、近くにリリースされる SharePoint Framework で対応していくことになります。

SharePoint リストをかなり使い込んでいるケースとしては、Notesからの移行などでよく見られるワークフローとの組み合わせがあります。リストの見栄えは、少し前までは InfoPathでカスタマイズというのが主流であり、ここにいくらか XSLTでのカスタマイズなどもありました。しかし、昨今の技術移り変わりの中ではすでに古びてしまい、いろいろとほころびを見せていたわけです。マイクロソフト社はこうしたリストのカスタマイズやワークフローに関して、新しいアプローチとしてAzureを基盤とする PowerApps と Microsoft Flow を推し進めています。PowerApps は端的に言えば、入力フォームを作成して、データの取得と保存までノンコーディングで開発するツールであり、Microsoft Flow はデータフローを制御するツールです。

こうした新しい技術のアプローチの特徴としては、モバイルを意識したシンプルなUI と、データフローが SharePointの内側に閉じず、外向きに向かっており、Microsoft 社以外も含め様々なサービスとつながることです。それもノンコーディングで。そこで挙げられるのが、Exchange, SQL , Dynamics, Salesforce, Google, Mail Chimp, Twitter, Wunderlist などであるわけです。

弊社の研修などではよく、「Office 365 をクラウド版のグループウェアと呼ぶのは日本のマーケティング上の話であり、海外ではこうした呼び名はほとんど見られない。言葉は陳腐化するためである。従来からあるグループウェアの発想からは異なっているので言葉にとらわれないように」というようなことを再三申し上げています。従来のグループウェアのイメージは、各製品の内部ですべてが完結する方向でしたが、現在は外向きです。製品の垣根を越えたデータのやりとりがよりスムーズに出来るようになってきています。そのため、マイクロソフト社はこうした流れを止めてしまわないよう、諸刃であるデータのセキュリティや機密性を確保するため、Office 365 全体としてセキュリティ強化、コンプライアンス強化にもより積極的に取り組んできているようです。

とかくアップデートというと振り回されがちですが、全体像を見据えながら、進化の方向性を見定めOffice 365 の活用を進めていくとよいのではないでしょうか?

2016年7月15日 (金)

SharePoint 2013 から導入された検索サービスの継続クロールですが、これを設定すると既定では15分間隔でクロールが実行されます。対象は SharePoint 上のコンテンツに限ります。ところが、この設定をしても必ず4時間おきに増分クロールがスケジュールされます。これはな何をやっているのか?

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カギはユーザー プロファイルの検索にあります。ユーザー プロファイルは継続クロールの対象外であり、必ず増分クロールでないとインデックスが生成されないそうです。ちなみに、ユーザー プロファイルはフルクロールでもダメ。必要なのは増分クロールです。

つまり、ユーザー プロファイルを更新しても最大4時間待たないと検索結果に反映しないということ。

これは、SharePoint 2016 でも同様で、何より SharePoint Online も該当します。オンプレミスであれば、4時間おきですし、ファーム管理者が適宜必要なタイミングで増分クロールを実行することもできます。やっかいなのが、SharePoint Onlineです。こちらは、夜間は2時間おき、日中は最大8時間だそうですが、その日中が日本時間とは限らないため全く読めません。

結論としては SharePoint Online の場合は、ユーザープロファイルを更新してから結果が反映されるまで「一晩の寝かせる」くらいの感覚でいた方がよさそうです。漬物みたいですけどね。以前、SharePoint Online でユーザーの検索結果のカスタマイズを試していて、はまりまくりました。皆さんもお気を付けください。

[参考]

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2016年6月 9日 (木)

Microsoft Planner が2016年6月6日に正式に利用可能になりました(プレビューでは、Office 365 Planner と呼ばれていました)。これは、タスク管理をビジュアル管理するツールです。これから数週間の間に、Office 365 ユーザーに対して順次この機能が展開されていきます。

PlannerOV

Microsoft Planner についてご存じない方も多いと思いますので、本記事では概要を説明します。

公式情報 : Microsoft Planner ready for showtime

Microsoft Planner が登場するまでの経緯

従来の SharePoint Server や SharePoint Online ではタスク管理は簡易的にタスク リストで行います。使い勝手は Microsoft Project の簡易版的なものです(事実、Microsoft Project と同期でき、プロジェクト管理者は Microsoft Projectで、メンバーへのタスク公開はSharePoint 上でというように使い分けられます)。ただ、これは複数のサイトに散らばって作成されてしまうため、集約表示および管理できる機能が望まれていました。そこで SharePoint Server 2013 ではタスクの集約ができる機能として "Work Management" という機能が新規に追加されました。サーバーの基盤管理者が追加設定することで利用できる機能であり、あちこちに散らばっているタスクをユーザーの個人ポータルに集約表示できます。また、Outlook (Exchange) 内のタスクや Microsoft Project Server 上で管理される個人タスクも併せて取得できるようになっていました。SharePoint Online でも一時期、この機能が利用できるようになっていたのですが後にこの機能が削除され、これに変わる新しい機能が出てくるというアナウンスがでました。この Work Management 機能に変わるのが、"Microsoft Planner" です。

タスク管理の考え方を根本的に見直し、新たな Office 365 の一機能としてリリースされたというわけです。

どんな機能が利用できるのか  "Storyboard と Microsoft Planner"

Microsoft Planner の考え方は、ホワイトボードや壁に付箋を貼ってタスク管理するのと同じような発想です。タスクをカード形式で管理します。こうした手法は「ストーリーボード (法)」とも呼ばれます。簡単に言えば、各々が対処すべきタスクをカードに書き出して、これを貼り出し、カテゴリ分けし時系列で並べるなどして管理する手法です。もともとは、ウォルトディズニーが映画作成するために編み出した方法だそうです。こうしたタスク管理ツールは、Microsoft 社以外では Trello などが知られています。

[参考] [第7回]ディズニーも使う「ストーリーボード法」を我がものにせよ

Microsoft Project と Microsoft Planner

タスク管理といえば、他に Microsoft 製品には Microsoft Project 製品群がありますが、これはプロジェクト遂行のためにコスト管理など含め PMBOK などを実践する比較的玄人向け (IT業界でいうプロフェッショナル ですね) のツールです。ガントチャートやタイムラインを使った進捗管理が主体です。一方の、Microsoft Planner はもっと手近で手軽に仕事の作業進捗管理をするものであり、個人レベルでは、どれだけタスクを消し込んでいき、表示されるカードを減らしていくかということに終始することになります。MS Projectは全体把握に主軸がありますが、Planner は作業を着々と終わらせていくことに主軸があるように思います。

使い勝手は?

Microsoft Planner で具体的にどのようなことができるのかは次の動画で確認できます。

 

Microsoft Planner 内の構成

Microsoft Planner を初めて使い始める際に、全体構成を把握しておいた方がスムーズに利用を始められるでしょう。そこでイメージを簡単にまとめてみました。

Planner

最初に作るのは "プラン" です。プラン内に複数のタスクを作成していきます。プランは、一般的には業務単位、プロジェクト単位で作成し、メンバーに仕事を割り振って作業分担するわけですね。そして、各タスクは、"パケット" (日本語のバケツ) という単位で仕分けられるようになっています。※2016年6月現在、タスクの担当者は 1ユーザーのみとなっています。

利用者は複数の業務やプロジェクトに携わっていることがほとんどですから、全体として自分が関わっている仕事を見渡せるようになっている必要があります。これを俯瞰するのが Planner ハブという画面です。そして、自分が抱えているタスクを素早く把握し、作業が終わればすぐに消し込めるように "マイタスク" という画面で自分に割り振られているタスクのあるプランを一覧できるようになっています。

Office 365 グループとプラン

プランは Office 365 グループの一機能として搭載されるため、プラン=Office 365 グループと考えてよいでしょう。そもそも Office 365 グループは、文字通り Office 365上に作成できるグループですが、すぐにコラボレーションができるようにメンバーを束ねるだけでなく、ファイル共有のストレージ (OneDrive for Businessがベース) や予定表、会話スレッドなどの機能がグループごとに作成されます。

PlannerAndO365Groups

そのため、タスク内に追加する添付ファイルはメンバーの共有ストレージに格納できるためアクセス権限管理などほとんど考慮する必要はありませんし、複数のタスクで共有されているファイルだけをまとめて取り出すこともできます。

既定ではユーザーはいつでもプランを作成できるのですが、削除はできません。プランを削除するということは、Office 365グループを削除するということであり、基盤管理者が行います。

利用できるユーザー

Microsoft Planner が利用できるユーザーは次のサブスクリプション プランに加入している組織のユーザーです。この機能がロールアウトされるとOffice 365 のランチャーからアクセスできるようになります。

  • Office 365 Enterprise E1 - E5
  • Office 365 Business Essentials
  • Office 365 Premium
  • Office 365 Education

2016-06-09 0-23-52

※先行リリースを利用できるよう設定しているテナントではすでに利用できるようになっています。

今後について

今後も機能改善や追加を継続するそうです。数ヶ月後には次の機能が追加される予定とのこと。

  • 1つのタスクへの複数のユーザー割り当て
  • 外部ユーザー アクセス
  • プランのテンプレート
  • ボードのカスタマイズ機能
  • iOS, Android, Windows 用のアプリ

ということで、今後もいろいろと楽しみですね。

2016年5月26日 (木)

SharePoint 2016 では Office 365 とのハイブリッド構成が注目機能となっています。

さて、こうした環境構築する場合は、Office 365 テナント側でパブリックな DNS ドメインを設定したうえで、Readiness Check (準備チェック) を実施することが推奨されています。このツールは Office 365 の導入時に利用するものですが、ハイブリッド構成時にも念のため実行して確認しておいた方がよいようです。

具体的には、Office 365 の管理センターから準備チェックツールを入手し実行します。ウィザードになっています。

入手方法や使い方は下記の Office サポートのページに掲載されています。

Office 365 の準備チェック (日本語)

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ちなみに英語のみですが Office 365 コミュニティサイトにも同様の情報が公開されています。ほぼ同じ内容です。

https://community.office365.com/en-us/w/deploy/office-365-readiness-checks


さて試した結果を簡単にご案内しましょう。

まず https://portal.office.com/tools にアクセスします。Office 365 のグローバル管理者アカウントでサインインする必要があります。ちなみに、マイクロソフト社の資料によっては掲載されているURLが異なっているものがありますが、2016年5月現在は先ほどのURLが正しいURLであるようです。すると下記のようなページにアクセスできます。このページの "Office 365 の正常性、準備、接続のチェック機能で Office 365 の構成をチェック" をクリックします。

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次に表示される画面で [簡易] を選択し、[次へ]をクリックします。

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[確認の実行]をクリックすると HrcClientLauncher.exe  がダウンロードされます。

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EXEファイルを実行すると、次に下図のような画面が表示されることがあります。既存 PC に Microsoft Office 365 Support Assistant 3.5 がインストールされていない場合に表示されます。この場合はそのまま[実行]をクリックします。あとは ClickOnce によって自動的に実行されます。その間、しばらく待機します。

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少し経つとウィザードが自動開始されます。

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チェックが完了すると次のような画面が表示されます。今回利用していたWebブラウザーが Google Chrome であったため、コンピュータの設定項目で警告が表示されています。ちなみに、この実行環境はWindows 10 です。

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検証環境のActive Directory のドメインコントローラーで実施してみたのが↓です。

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ウィザードでは次のカテゴリに対してチェックが実行されますが、上図のようにマシン環境によっては検出される項目が変化するようです。

  • SharePoint
  • ネットワーク
  • コンピュータの設定
  • ドメイン 
  • Office

それぞれ結果のステータスが Passed (合格), Warning (警告) , Failed (エラー) で表されます。エラーになっている項目は修正しておいた方がよい項目です。結果は XML 形式でエクスポートすることも可能です。