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2016年10月11日 (火)

割と使いにくいと、機能をオフにされることの多かったサイトの機能である 「ダウンロード最小化戦略 (MDS)」ですが、近ごろSharePoint Online をでは動作していないのでは ? と気づきました。

"start.aspx が URL にでてこない。。。"

調べているとサポート技術文書が公開されていました。

要約すると、リストやライブラリがモダンUIになると MDSをサポートしないので、クラシックUIのリストやライブラリもMDSを無効化していて、これは期待通りの動きだとのこと。

いろいろと変わっていて変化を追いかけるのが大変です。。。軽微な変更だと間違い探しのよう。。。

ちなみに、2016年10月現在、オンプレミスの SharePoint 2013 と SharePoint 2016 ではまだ MDSは健在で動作します!

2016年10月 3日 (月)

お蔭様で今年も Microsoft MVP の再受賞できました(MVPは1年ごとの受賞期間となっており、毎年、1年間の活動報告とともにノミネーションを行い、米国Microsoft社の審査によって受賞の可否が決まります。私は 10月から1年間の受賞期間となっています)。

ところでMVPには受賞分野が定められており、昨年までは SharePoint Server 分野が設けられていました。私自身は最初は SharePoint Services の分野で受賞していましたが、それが2年後 SharePoint Server 分野に編成され、それを含めSharePoint 分野では昨年まで国内最長の12年連続受賞させていただいていました。しかし、昨年の受賞期間の途中から分野が再編成されプロダクト カットではなくなり、" Office Servers and Services " というコミュニティ エリアに組み込まれました。本年度はこのエリアでの再受賞となりました。

さて、投稿ついでに SharePoint の最近の動向についてダイジェストに触れておきましょう (細かい説明は、また折を見て記事にします)。

SharePoint Server 2016 の登場とFeature Pack

今年は SharePoint Server 2016 が登場しました。現在 Office 365 に含まれる SharePoint は先行してアップデートが行われていますが、これがあるタイミングで切り出されオンプレミス環境で使えるようになっているというのが、オンプレミス環境での SharePoint Server の状況です。Office 365はめまぐるしいアップデートが行われており、ある日突然操作画面が変わるということもあります。もちろん、テナントの管理者には通知されているのですが、テナント管理者が必ずしも SharePoint に精通しているとは限らず、通知内容がユーザーにきちんと伝わっていないようなケースも少なくありません。その点、オンプレミスの SharePoint の場合は最新機能がすぐに利用できるわけではありませんが、その分、変化が緩やかであり、余裕をもってユーザー対応などが行えるメリットがあります。また、SharePoint Server 2016 の現在リリースされているバージョンは SharePoint Server 2013 から比較すると、機能面では機能改善が多く見られるもののユーザーが明らかに戸惑うような新機能はありません。しかし、Office 365 で培われたノウハウがさすがに生かされている感があり、システム的に安定し、応答速度も速くなっている印象があります。

この SharePoint Server 2016 ですが、新たな取り組みとして Office 365 で先行している機能の一部を Feature Pack という形で追加インストールできるようになっています。先日米国アトランタで開催された技術者向けイベント Microsoft Ignite 2016 にて、いよいよ最初のFeature Pack 1 が 11月にリリースされるとのアナウンスがありました。内容については別の記事にまとめたいと思います。

Office 365グループ

Office 365 に関しては注目すべきは "Office 365 グループ" です。しばらく前から利用できるようになった機能ですが、徐々に機能が追加されてきて最近になってようやっと使えるようになってきた感があります。従来はOffice 365 は Exchange Online, SharePoint Online と、、プロダクトごとにサービスが分かれていましたが、こうしたサービスの差異をユーザーは意識しなくてよいように、またより簡易的にグループワークができるような仕組みとして利用できるのが Office 365 グループです。グループと言っていますが、ただのグループではなく、グループを作ると "情報共有の場" が同時に作成される仕組みになっているのが特徴です。現在はグループを作るとグループ用のメールボックスが作成され、OneDrive for Business の環境が用意されます。つまり、ユーザー間のコミュニケーションの場とファイル共有の場が自動的にセットアップされる仕組みです。ここに今月以降、新たに SharePoint Team Site も自動生成されるようになります。とはいえ、「どう使わせるのか」という運用面での課題があります。新しい仕組みが登場している過渡期であり、SharePoint と Office 365 全般に関するある広い知見がないと運用に迷うと思われます。この点に関しては、弊社で実施する研修ではワークショップ形式を主体に、ディスカッションの場を提供していきたいと考えてます。情報を整理し、組織に適した形で、短期または中・長期的にとるべき方向性を見定めるお手伝いができればよいなと思っています。

モバイルを意識したUIや開発

そして、すでに本ブログでも何度か取り上げてきているようにOneDrive for Businessにせよ、SharePoint にせよ、モバイルを意識したUI のつくりになってきています。現在はレガシーUIとモダンUIのどちらかを選択できますが、モダンUIではリボン メニューもなくなるなどオンプレミスとはUIがガラッと変わってきています(それぞれ新しいUIを持つリスト、ライブラリは Modern List , Modern Library と呼ばれています)。SharePoint チームサイトのページも変更され、Modern UIになります。すべて Responsive Webデザインです。

こうした状況を受けカスタマイズや開発に関しても、すでにアナウンスされていますが、ガラッと変わってきます。開発者の方は SharePoint Framework と Office Pattern and Practiceがキーワードです。SharePoint Framework は JavaScript ベースの新たな開発フレームワークであり、新たなWebパーツ開発の手法になってきます。そのため開発者は JavaScript の習得は必須であり、オープンソースのツールも使えるため既存の開発者も以前に増してSharePointソリューション開発へのハードルが下がってくるのではないでしょうか。ちなみに、Microsoft Ignite での SharePoint Framework を習得するためのハンズオンラボでは、 TypeScript + Yoeman + Visual Studio Code などを用いた開発手順になっていましたが、これは一例です。

SharePoint Designer ワークフローとInfoPath の後継としては Microsoft Flow, Microsoft PowerApps が現在プレビュー状態にあります。こちらはビジネス ユーザー向けの開発ツールであり、ノンコーディングで開発できます。これもモバイル利用も含めたアプリ開発となっています。

最後に

と、ざっと書いても SharePoint に関しては新たなトピックスが目白押しであり、今年度も、やることがたくさんありそうです!  優先順位をうまく調整しながら、体系立てた情報と現場に即決する情報をバランスよく、かついち早くお伝えしていきたいと思います。

ちなみに、Microsoft Ignite では全体として1400セッション強あり、 Office 365 関連セッションが 400近く、SharePoint 関連セッショは200セッション近くあり、まだまだ人気は健在です。日本国内とは情報量が雲泥の差です。

このあたりの情報をうまく日本にフィットした形で提供していけるよう今後も引き続き Office 365 などのクラウドも視野に入れた SharePoint の利活用支援を行っていきたいと思いますので、皆さまどうぞよろしくお願いいたします!

2016年9月14日 (水)

第一弾としては2016年3月にOffice 365 の新たなアクティビティ レポートがロールアウトされましたが、また新しくなります。旧利用レポートのほとんどは新しい管理センターに移行されているとのこと。

New Udage reports for SharePoint Online,
OneDrive for Business and Exhange Online [Office Blog]

 

具体的には Office Blog の表題通り、次の3つの利用状況レポートが提供されます。

  • SharePoint Online
  • OneDrive for Business
  • Exchange  Online

詳細は Office Blog に記載されているため、ここでは概要を整理します。

SharePoint Online

ユーザーがどの程度、ファイルを格納したり共有したりしているかを確認できます。作成・編集、削除、内部共有、外部共有の各アクティビティごとにグラフを表示します。ユーザーごとのファイルに対するアクティビティを確認できます。他にも、どのユーザーがドキュメントをローカルマシンに同期しているか、また内部または外部共有しているかなどを確認できる。将来的にはページ訪問(Page Visits)などの追加アクションも確認できるようになるとのことですが、あくまでファイル共有を中心としたアクティビティのみであり、リストに関しては詳細なアクティビティログは無い模様。

New-usage-reports-for-SharePoint-OneDrive-and-Exchange-1

OneDrive for Business

 全体のどの程度のユーザーが OneDrive を使っているかだけでなく、どのユーザーが OneDrive を使っていて、ローカル マシンにファイルを同期しているかなども確認できるようです。

Exchange Online

 メールボックスの利用状況レポートでは、どの程度のアイテムが各ユーザーのメールボックスに格納されているか、またどの程度までストレージ容量が使われているかなどを確認できるようになります。ユーザーごとの使用容量を手早く確認したいというニーズは少なからずあったため、これは朗報です。

New-usage-reports-for-SharePoint-OneDrive-and-Exchange-3

今後について

数ヶ月以内に Office 365 グループ、Yammer グループなどに関するレポートも追加する予定であるとのこと。 地域ごとまたは部署ごとといった、より柔軟な切り口での分析を行えるよう Office 365 用のPower BI のコンテンツ パックへの期待が高まっているのは Microsoft としては把握しており、この秋以降にロールアウトを開始できるようにする予定になっているそうです。個人的には Power BI を使った分析がやはり一番期待しているところです。なお、秋のプランには、利用状況データにプログラムからアクセスできるよう新たな公開 APIの提供も含まれるということで、AvePoint 社などの SharePoint に関するレポート ツールを持っているところは機能がアップデートされることになるのではないでしょうか。

2016年7月26日 (火)

Microsoft 社の Office Blog で新しい SharePoint リストに関するアップデート情報が正式に公開されました。

Today, we’re pleased to announce the rollout of modern lists to
SharePoint, along with one-click integration of PowerApps and Microsoft Flow.
—Read on to learn more.

 Office 365 を利用しているユーザーのうち先行リリースを設定しているユーザーには、新しい SharePoint リストが 2016年8月よりロールアウト開始されます。

さて、新しいリストがどのようなものかをまずはコンパクトに説明しておきましょう。

先日ロールアウトが開始された新しいドキュメント ライブラリと似た見た目になっており、リボン メニューはなくなります。

Modern-SharePoint-lists-are-here-1

SharePoint モバイル アプリにも最適化されています。モバイル ブラウザーの画面イメージは次の通り。

Modern-SharePoint-lists-are-here-2

さて、ここからが肝心のお話です。

既存のリストは " SharePoint クラシック リスト" と呼ばれますが、ほとんどの SharePoint リストは自動的に新しいインタフェースを継承することになるそうです。ただし、従来のモードも引き続きサポートするとのこと。ユーザーがリストにアクセスする度にMicrosoftはカスタマイズの互換性をモニタしているそうです。サポートされないブラウザーや JSLInkのカスタマイズなど、互換性の阻害要因があれば、自動的にクラシック設定のままにします。もちろん、ユーザーは従来の画面のままを選択することも出来るほか、管理者はリスト、サイト、サイトコレクション、テナントレベルで既定値をクラシックのままにしておくこともできるそうです。そして、"クラシックモードを削除する予定は当面ない" ということが重要です。

現在のクラシックのままでは、やはり昨今のWebの技術からすると古さは否めず、レスポンシブWebデザイン対応にもなっていません。そのため、モバイル ファーストを考えるとそろそろ大幅な変更を加える過渡期に来ているのは間違いありません。

ただし、ユーザーからすればいきなり変えられても困る、というところは当然であり、当面の猶予期間内に徐々に新しいインターフェイスへ移行を進めていく必要がありそうです。なお、Modern SharePoint リストのカスタマイズ手法は、近くにリリースされる SharePoint Framework で対応していくことになります。

SharePoint リストをかなり使い込んでいるケースとしては、Notesからの移行などでよく見られるワークフローとの組み合わせがあります。リストの見栄えは、少し前までは InfoPathでカスタマイズというのが主流であり、ここにいくらか XSLTでのカスタマイズなどもありました。しかし、昨今の技術移り変わりの中ではすでに古びてしまい、いろいろとほころびを見せていたわけです。マイクロソフト社はこうしたリストのカスタマイズやワークフローに関して、新しいアプローチとしてAzureを基盤とする PowerApps と Microsoft Flow を推し進めています。PowerApps は端的に言えば、入力フォームを作成して、データの取得と保存までノンコーディングで開発するツールであり、Microsoft Flow はデータフローを制御するツールです。

こうした新しい技術のアプローチの特徴としては、モバイルを意識したシンプルなUI と、データフローが SharePointの内側に閉じず、外向きに向かっており、Microsoft 社以外も含め様々なサービスとつながることです。それもノンコーディングで。そこで挙げられるのが、Exchange, SQL , Dynamics, Salesforce, Google, Mail Chimp, Twitter, Wunderlist などであるわけです。

弊社の研修などではよく、「Office 365 をクラウド版のグループウェアと呼ぶのは日本のマーケティング上の話であり、海外ではこうした呼び名はほとんど見られない。言葉は陳腐化するためである。従来からあるグループウェアの発想からは異なっているので言葉にとらわれないように」というようなことを再三申し上げています。従来のグループウェアのイメージは、各製品の内部ですべてが完結する方向でしたが、現在は外向きです。製品の垣根を越えたデータのやりとりがよりスムーズに出来るようになってきています。そのため、マイクロソフト社はこうした流れを止めてしまわないよう、諸刃であるデータのセキュリティや機密性を確保するため、Office 365 全体としてセキュリティ強化、コンプライアンス強化にもより積極的に取り組んできているようです。

とかくアップデートというと振り回されがちですが、全体像を見据えながら、進化の方向性を見定めOffice 365 の活用を進めていくとよいのではないでしょうか?

2016年7月15日 (金)

SharePoint 2013 から導入された検索サービスの継続クロールですが、これを設定すると既定では15分間隔でクロールが実行されます。対象は SharePoint 上のコンテンツに限ります。ところが、この設定をしても必ず4時間おきに増分クロールがスケジュールされます。これはな何をやっているのか?

2016-07-15 10-48-54

カギはユーザー プロファイルの検索にあります。ユーザー プロファイルは継続クロールの対象外であり、必ず増分クロールでないとインデックスが生成されないそうです。ちなみに、ユーザー プロファイルはフルクロールでもダメ。必要なのは増分クロールです。

つまり、ユーザー プロファイルを更新しても最大4時間待たないと検索結果に反映しないということ。

これは、SharePoint 2016 でも同様で、何より SharePoint Online も該当します。オンプレミスであれば、4時間おきですし、ファーム管理者が適宜必要なタイミングで増分クロールを実行することもできます。やっかいなのが、SharePoint Onlineです。こちらは、夜間は2時間おき、日中は最大8時間だそうですが、その日中が日本時間とは限らないため全く読めません。

結論としては SharePoint Online の場合は、ユーザープロファイルを更新してから結果が反映されるまで「一晩の寝かせる」くらいの感覚でいた方がよさそうです。漬物みたいですけどね。以前、SharePoint Online でユーザーの検索結果のカスタマイズを試していて、はまりまくりました。皆さんもお気を付けください。

[参考]

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