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2016年6月 9日 (木)

Microsoft Planner が2016年6月6日に正式に利用可能になりました(プレビューでは、Office 365 Planner と呼ばれていました)。これは、タスク管理をビジュアル管理するツールです。これから数週間の間に、Office 365 ユーザーに対して順次この機能が展開されていきます。

PlannerOV

Microsoft Planner についてご存じない方も多いと思いますので、本記事では概要を説明します。

公式情報 : Microsoft Planner ready for showtime

Microsoft Planner が登場するまでの経緯

従来の SharePoint Server や SharePoint Online ではタスク管理は簡易的にタスク リストで行います。使い勝手は Microsoft Project の簡易版的なものです(事実、Microsoft Project と同期でき、プロジェクト管理者は Microsoft Projectで、メンバーへのタスク公開はSharePoint 上でというように使い分けられます)。ただ、これは複数のサイトに散らばって作成されてしまうため、集約表示および管理できる機能が望まれていました。そこで SharePoint Server 2013 ではタスクの集約ができる機能として "Work Management" という機能が新規に追加されました。サーバーの基盤管理者が追加設定することで利用できる機能であり、あちこちに散らばっているタスクをユーザーの個人ポータルに集約表示できます。また、Outlook (Exchange) 内のタスクや Microsoft Project Server 上で管理される個人タスクも併せて取得できるようになっていました。SharePoint Online でも一時期、この機能が利用できるようになっていたのですが後にこの機能が削除され、これに変わる新しい機能が出てくるというアナウンスがでました。この Work Management 機能に変わるのが、"Microsoft Planner" です。

タスク管理の考え方を根本的に見直し、新たな Office 365 の一機能としてリリースされたというわけです。

どんな機能が利用できるのか  "Storyboard と Microsoft Planner"

Microsoft Planner の考え方は、ホワイトボードや壁に付箋を貼ってタスク管理するのと同じような発想です。タスクをカード形式で管理します。こうした手法は「ストーリーボード (法)」とも呼ばれます。簡単に言えば、各々が対処すべきタスクをカードに書き出して、これを貼り出し、カテゴリ分けし時系列で並べるなどして管理する手法です。もともとは、ウォルトディズニーが映画作成するために編み出した方法だそうです。こうしたタスク管理ツールは、Microsoft 社以外では Trello などが知られています。

[参考] [第7回]ディズニーも使う「ストーリーボード法」を我がものにせよ

Microsoft Project と Microsoft Planner

タスク管理といえば、他に Microsoft 製品には Microsoft Project 製品群がありますが、これはプロジェクト遂行のためにコスト管理など含め PMBOK などを実践する比較的玄人向け (IT業界でいうプロフェッショナル ですね) のツールです。ガントチャートやタイムラインを使った進捗管理が主体です。一方の、Microsoft Planner はもっと手近で手軽に仕事の作業進捗管理をするものであり、個人レベルでは、どれだけタスクを消し込んでいき、表示されるカードを減らしていくかということに終始することになります。MS Projectは全体把握に主軸がありますが、Planner は作業を着々と終わらせていくことに主軸があるように思います。

使い勝手は?

Microsoft Planner で具体的にどのようなことができるのかは次の動画で確認できます。

 

Microsoft Planner 内の構成

Microsoft Planner を初めて使い始める際に、全体構成を把握しておいた方がスムーズに利用を始められるでしょう。そこでイメージを簡単にまとめてみました。

Planner

最初に作るのは "プラン" です。プラン内に複数のタスクを作成していきます。プランは、一般的には業務単位、プロジェクト単位で作成し、メンバーに仕事を割り振って作業分担するわけですね。そして、各タスクは、"パケット" (日本語のバケツ) という単位で仕分けられるようになっています。※2016年6月現在、タスクの担当者は 1ユーザーのみとなっています。

利用者は複数の業務やプロジェクトに携わっていることがほとんどですから、全体として自分が関わっている仕事を見渡せるようになっている必要があります。これを俯瞰するのが Planner ハブという画面です。そして、自分が抱えているタスクを素早く把握し、作業が終わればすぐに消し込めるように "マイタスク" という画面で自分に割り振られているタスクのあるプランを一覧できるようになっています。

Office 365 グループとプラン

プランは Office 365 グループの一機能として搭載されるため、プラン=Office 365 グループと考えてよいでしょう。そもそも Office 365 グループは、文字通り Office 365上に作成できるグループですが、すぐにコラボレーションができるようにメンバーを束ねるだけでなく、ファイル共有のストレージ (OneDrive for Businessがベース) や予定表、会話スレッドなどの機能がグループごとに作成されます。

PlannerAndO365Groups

そのため、タスク内に追加する添付ファイルはメンバーの共有ストレージに格納できるためアクセス権限管理などほとんど考慮する必要はありませんし、複数のタスクで共有されているファイルだけをまとめて取り出すこともできます。

既定ではユーザーはいつでもプランを作成できるのですが、削除はできません。プランを削除するということは、Office 365グループを削除するということであり、基盤管理者が行います。

利用できるユーザー

Microsoft Planner が利用できるユーザーは次のサブスクリプション プランに加入している組織のユーザーです。この機能がロールアウトされるとOffice 365 のランチャーからアクセスできるようになります。

  • Office 365 Enterprise E1 - E5
  • Office 365 Business Essentials
  • Office 365 Premium
  • Office 365 Education

2016-06-09 0-23-52

※先行リリースを利用できるよう設定しているテナントではすでに利用できるようになっています。

今後について

今後も機能改善や追加を継続するそうです。数ヶ月後には次の機能が追加される予定とのこと。

  • 1つのタスクへの複数のユーザー割り当て
  • 外部ユーザー アクセス
  • プランのテンプレート
  • ボードのカスタマイズ機能
  • iOS, Android, Windows 用のアプリ

ということで、今後もいろいろと楽しみですね。

2016年5月26日 (木)

SharePoint 2016 では Office 365 とのハイブリッド構成が注目機能となっています。

さて、こうした環境構築する場合は、Office 365 テナント側でパブリックな DNS ドメインを設定したうえで、Readiness Check (準備チェック) を実施することが推奨されています。このツールは Office 365 の導入時に利用するものですが、ハイブリッド構成時にも念のため実行して確認しておいた方がよいようです。

具体的には、Office 365 の管理センターから準備チェックツールを入手し実行します。ウィザードになっています。

入手方法や使い方は下記の Office サポートのページに掲載されています。

Office 365 の準備チェック (日本語)

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ちなみに英語のみですが Office 365 コミュニティサイトにも同様の情報が公開されています。ほぼ同じ内容です。

https://community.office365.com/en-us/w/deploy/office-365-readiness-checks


さて試した結果を簡単にご案内しましょう。

まず https://portal.office.com/tools にアクセスします。Office 365 のグローバル管理者アカウントでサインインする必要があります。ちなみに、マイクロソフト社の資料によっては掲載されているURLが異なっているものがありますが、2016年5月現在は先ほどのURLが正しいURLであるようです。すると下記のようなページにアクセスできます。このページの "Office 365 の正常性、準備、接続のチェック機能で Office 365 の構成をチェック" をクリックします。

2016-05-26 7-46-17

次に表示される画面で [簡易] を選択し、[次へ]をクリックします。

2016-05-26 7-59-09

[確認の実行]をクリックすると HrcClientLauncher.exe  がダウンロードされます。

2016-05-26 10-15-41

EXEファイルを実行すると、次に下図のような画面が表示されることがあります。既存 PC に Microsoft Office 365 Support Assistant 3.5 がインストールされていない場合に表示されます。この場合はそのまま[実行]をクリックします。あとは ClickOnce によって自動的に実行されます。その間、しばらく待機します。

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少し経つとウィザードが自動開始されます。

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チェックが完了すると次のような画面が表示されます。今回利用していたWebブラウザーが Google Chrome であったため、コンピュータの設定項目で警告が表示されています。ちなみに、この実行環境はWindows 10 です。

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検証環境のActive Directory のドメインコントローラーで実施してみたのが↓です。

2016-05-27 4-58-57

ウィザードでは次のカテゴリに対してチェックが実行されますが、上図のようにマシン環境によっては検出される項目が変化するようです。

  • SharePoint
  • ネットワーク
  • コンピュータの設定
  • ドメイン 
  • Office

それぞれ結果のステータスが Passed (合格), Warning (警告) , Failed (エラー) で表されます。エラーになっている項目は修正しておいた方がよい項目です。結果は XML 形式でエクスポートすることも可能です。

 

2016年5月25日 (水)
2016年5月17日 (火)

Office 365 グループに関して、最近いくつか更新されたのいくつかをまとめておきます。

グループメンバーを他のグループに追加する

最新のアップデートで、既存の配布リストやOffice 365 グループのメンバーを別の Office 365 のメンバーとして追加登録できるようになりました。グループの入れ子ということではなく、グループ内の既存メンバーを展開して、このメンバーを別のグループにコピー追加するイメージです。したがって、既存のグループそのものは温存されます。

下の図では、既存の Office 365 グループにメンバー追加する際に、配布グループを検索して、そのメンバーを新規メンバーとして追加しています。同様の手順で他の Office 365 グループも検索してメンバー追加できます。

2016-05-17-Group01

ただし、既存のセキュリティ グループからメンバーをインポートすることは今のところ(2016年5月現在)できません。とはいえ、今後、対応できるよう検討しているそうです。

パブリック グループとプライベートグループの変換

Office 365 グループにはパブリッグ グループ(公開) とプライベート グループ (非公開) の2つがありますが、以前までは作成時にどちらかに決めたら、あとからWebブラウザー上から変更できませんでした。しかし、最新のアップデートでは、い ずれのグループにも変更できるようになっています。

2016-05-17-Group02

グループの作成画面の更新

従来はメールが有効なセキュリティ グループ作成は Exchange Online の管理ポータルから作成する必要があったりと統一された管理ページがありませんでした。新しいOffice 365 管理センター プレビューからは次のグループが作成できるようになりました。

  • Office 365 グループ
  • 配布リスト
  • セキュリティ グループ
  • メールが有効なセキュリティ グループ

これでグループ管理は少しわかりやすくなったのではないでしょうか?

2016-05-17-Group03

2016年5月12日 (木)

Office 365 と オンプレミスの SharePoint Server とを連携させたハイブリッド構成に関する資料は下記のページにまとまっています。SharePoint Server 2016 関連も公開されています。ご参考まで。


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