カテゴリ「Microsoft Lists」の18件の投稿 Feed

2020年8月 7日 (金)

Microsoft Lists (Microsoft リスト)は、Target Release となっている一部のテナントにはロールアウトが始まっていますが、私の使っているテナントは残念ながらまだです。ところで、表題にある通り、2020/8/5 (US時間)にMicrosoft 社にて Microsoft Lists に関する Webinar と「AMA (Ask Microsoft Anything)」(時間内なら、なんでも質問してね、というものです) がオンラインで開催されました。 それぞれ1時間ずつで、計2時間です。日本時間では 8/6 2:00 AM ~ 1時間という、まさに真夜中だったため、参加できなかった方も多いと思います。私も、眠りにおちながら... という状況でありましたが...

Webinar 

Webinar は Microsoft Teams の Live Meeting で行われており、質疑応答も含めて 1時間ほど実施されましたが、 YouTube に録画が公開されています。

Microsoft Lists の細かな使い方を紹介しているので、使い方を確認するのに是非一度ご覧になることをお勧めします。

あらためて気づいたことなどを書き留めておきましょう。

利用できるテンプレート

リストはテンプレートから作成する方法と、スクラッチ作成、Excel からのインポート作成の 3種類があります。テンプレートは下記の通り。

リストテンプレート

  • Issue tracker
  • Employee onboarding
  • Event itinerary
  • Asset manager
  • Recruitment tracker
  • Travel requests
  • Work progress tracker
  • Content scheduler

通知のところはよくなりますね。下記は既存の SharePoint リストの通知であり柔軟性に乏しいため SharePoint Designer で通知のためのカスタム フローを作ることも少なくありません。特にトリガーの種類が少ないのが難点。

従来の通知

しかし、Microsoft Lists になると複数の条件が指定できます。

ルールのトリガー

特に次のトリガーが嬉しい。

  • 特定の列が変更されたら (A column change)
  • 特定の列の値が変更されたら( A column value changes to something)

こうしたトリガーをもとに作成するルールの画面は次のようになっています。

ルール

Microsoft Lists の新しいルールとともに、Power Automate にも特定のアイテムやファイルの変化を取得するというアクションが利用できるようになっており、これと組み合わせた処理ができるようになっています。

Power Automate 特定の値の変更を取得する

カレンダー表示については Outlook on the web に近いUIですね。これがこのまま Teams にタブとして追加できるはずなので、期待は大きいです。

カレンダー表示

さて、ずっと気になっていたコメント機能ですが、リスト単体で利用するときにはリストアイテムに書き込まれ、Teams に追加して利用する場合は Teams 内の会話に持っていけるということです。

はリスト内でのアイテム単位でのコメント (YouTube の画質が悪いので見えにくいですね...)

コメント

は Teams 内でのアイテム単位での会話 (YouTube の画質が悪いので見えにくいですね...)

会話

それからリストフォームのカスタマイズは JSON を使う必要があり、こちらはデザイナーが用意されているわけではないよう。ここで気付くのが列のグループ化です。Status やLinked  Items といった項目でグループ化できていますね。これは既存のリストにはないところで Power Apps でこの手のカスタマイズをしていたので、便利に使えそうだなぁとは思います。ベースはSharePoint リストなので、列の条件指定で表示非表示も対応できますしね(といっても、複雑になると大変ですが)。

フォームカスタマイズ

AMA

質疑応答に関しては下記に公開されています。

https://techcommunity.microsoft.com/t5/microsoft-365-ama/bd-p/microsoft365ama

個人的に気になったところだけ、個人的な見解も含め、下記にまとめておきます。

Q.リストと CDS (Dataflex) との使い分けに関するガイドラインのようなものはありますか?

これについては下記のリンク先を参考にとの回答でした。

Benefits of PowerApps vs Teams Lists

そこに書かれている内容を抜粋しましょう。

Microsoft Lists is an app that enables Microsoft 365 users to quickly create a list that helps to collaborate with their peers to track information. It provides all the necessary capabilities and features for your users to get started to organize and track work. As always, the app is extensible for power users and makers to configure and customize the app with features built on SharePoint and with Power Platform. 

With respect to the app experiences, the apps are available in different hosts. For Power Platform Dataflex apps (new name for CDS), the apps will be only available in Teams app. However, Microsoft Lists will be available in the Lists app, SharePoint Online and within Teams app as well. 

Dataflex Pro ではなく Dataflex との比較で書かれていますが、要するにMicrosoft Lists の利点は情報の追跡をするために利用できるテンプレートが豊富にあり、すぐにリストが作れるところが優れているということでしょう。また、Dataflex は Teams 内でしか利用できませんが、リストは List アプリ、SharePoint Online, Teams アプリ内などでも利用できる点も利点と言えそうです。手軽さは リストに軍配が上がるという感じでしょうか。とはいえ、Dataflex には  Microsoft  リストと比較すると大規模データが利用できたり、細かい制御ができる点はすぐれているので、大量のデータとともに長期的な利用を考えると Dataflex に利点があるだろうと個人的には思っています。

Q.看板(Kanban)ビューはありますか? 

Kanban ビューとは、ポストイットを並べたような、カード形式の見た目のことですね。Microsoft としては重要視はしているものの、今のところロードマップには載っていないようです。ただ、いろいろと素敵にデータを可視化することは考えているとのこと。

Q.行数の上限はあるの?

ベースは SharePoint リストであるため、SharePoint リストの上限と同じ。[参考] SharePoint limits

Q.カレンダー形式のビューを持っているけど、SharePoint の予定表リストのように重ね合わせる(Overlay)ことはできる?

今のところ予定はない。

Q.法律事務所向けのテンプレートは提供されないの?

将来的には追加のテンプレートをいろいろと用意する予定であり、法律事務所向けのものも、必ず追加したいと考えているとのこと。

これまでの Microsoft Lists 関連の記事

2020年7月24日 (金)

以前ブログでもご紹介した Microsoft リストの正式リリースが始まったようです!

以前の記事 SharePoint ユーザー必見! Microsoft Lists 登場

公式な情報は下記リンク先に公開されています。

Microsoft Lists begins general availability roll out to Microsoft 365

この記事では上記リンク先の内容を一部抜粋しておきたいと思います。

ロールアウト

今月 (2020年7月)は、まず Microsoft 365 内で単独利用できるリスト アプリ(Lists app) がロールアウト開始です。続く、来月には Microsoft Teams 内で利用できるリスト アプリがロールアウト開始。

ということで、Microsoft リストには名称が次の2つあるのでついでに覚えておきましょう。

  • 単独利用 ⇒  List app in Microsoft 365
  • Microsoft Teams 内での利用 ⇒ List app in Microsoft Teams

アイコンも決まったんですね。なんだかカラフル。

Microsoft-Lists_icon_white-bg Microsoft Lists icon

Microsoft Lists の新しいコンセプトビデオも公開されました。

Webinar 開催 - "Working with Microsoft Lists"

2020年8月5日 9:00 am (PST) から一時間ほどの Webinar が開催されるようです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

タイトル : Working with Microsoft Lists

説明(和訳) : Microsoft Lists のエンジニアが、Microsoft Lists を使い始める方法をご紹介します。テンプレートからリストを作成し、情報を追加してから、条件付き書式設定、ルール、主要なコラボレーション機能を使用して、自分だけのリストを作成します。デモも豊富に行い、多くのことが学べます。

ICSファイルのダウンロード : Webinar_WorkingwithMicrosoftLists_attendee_080520-9am-PT.ics

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この Webniar の直後に 1時間のAMA が開催されるとのこと。AMA とは "Ask Microsoft Anything" の略で、いわば「なんでも、聞いてちょうだいタイム」ですね。Microsoft リスト、SharePoint リスト、リスト + Teams 統合、リスト + Power Platform 統合などについて質問を受け付けてくれるようです。

Microsoft Lists AMA : 2020年8月5日 10:00 am ~ 1時間

その他にも "A home for all your lists" と題した Podcast も公開されています。

Microsoft リストについて学ぶには...

Microsoft リストの詳細については Microsoft Lists resource center が用意されているので、ここから情報収集できるようです。

Microsoft Lists resource center

Microsoft Lists に関する FAQ からの回答の抜粋 

  • 新しい Microsoft リストのホームページと事前に用意された 8つのリストのテンプレートが 2020年7月末よりロールアウトを開始 (最初は 対象リリース顧客から、その後、その他のテナントにロールアウト)
  • リスト アプリ in Microsoft Teams は 2020年8月末にロールアウト開始
  • 全てのテナントへのロールアウト完了は 2020年10月末までを見込んでいる
  • SharePoint が利用できるプランなら、Microsoft 365 および Office 365 サブスクリプションで Microsoft リストは利用できる
  • Microsoft To Do と Planner と Microsoft リストの違いとしては、To Do と Planner は個人またはチームの仕事をタスクを使って管理することを助ける専用アプリであり、タスクは完了すれば非表示になっていく。しかし、Microsoft リストはステータス管理ゃライフサイクル、所有権などの構造化された情報を収集、閲覧、フィルター、並び替え、共同作業し、共有できるという点が異なっている。

 

もう間もなく、Microsoft リストが利用できるようになりそうです。楽しみ待ちましょう!

 

 

2020年5月20日 (水)

Microsoft の開発者向けイベントである「 Build 2020 」にて新たに「Microsoft Lists (リスト) 」が 発表されました。

この Microsoft Lists は SharePoint がベースになっており、 Microsoft 365 アプリの一つとして提供されます。

Microsoft Lists とは?

Microsoft Lists は次のように説明されています。

Your smart information tracking app in Microsoft 365

直訳すれば「Microsoft 365 内で動作する賢い情報追跡アプリ」といったところでしょう。

SharePoint には現在も "リスト" という機能が用意されており、多くの方が簡易データベースとしていろいろな用途で利用してきました。

Microsoft Lists は、平たく言えば、これをもっとビジネスシーンに沿って使いやすくしたものです。これがあれば、多くの場合 SharePoint リストではなくMicrosoft Lists を使った方がよいということになりそうです。

Microsoft Lists のコンセプト ビデオが YouTube に公開されています。楽しそうな音楽とともに発信されるメッセージはわくわくするような雰囲気ですが、残念ながらこれだけでは、あまりよくわからないでしょう。

そこで、もう一つのビデオを紹介しましょう。こちらはより具体的に説明しています。

といっても、ビデオを長々とみている時間がないという方もいらっしゃるでしょう。

そこでこのビデオから重要な部分をかいつまんでおきます。かいつまむ割には長いですが(笑)。

まずは見た目からアプリのイメージをつかもう

ビデオの冒頭ではソフトウェア開発を題材にしたIssue Tracker (課題管理)リストを説明していますが、次のような表形式であり、カラフルでアイコンなども充実しているようです。この見た目、日本人好みだと思いませんか?

画面の上の部分の操作コマンドを見ると、SharePoint リストとほぼ同じといったところ。リストの操作に慣れていれば、すぐに使えそうです。

First Look -1

次はこのリストから Event Itinerary (イベントの日程表) を作成したところであり、カレンダー形式で表示されています。ここは重要ですね。また後程説明しますが、このアプリはMicrosoft Teams上でも利用できます。そもそもSharePoint もカレンダー機能がレスポンシブ対応になっておらず、なかなかうまいソリューションがなかったのですが、これがあればカレンダーを Teams 上からも利用できるということです。

First Look -2

さらにこのリストからカード形式の見た目も作成できる。この例ではAsset Manager 、つまり資産管理をするために必要な情報をビジュアルな画像とともに表示しています。

First Look -3

既に紹介したように Microsoft Teams のチーム内の各チャネルにタブとして Microsoft Lists を追加できます。

First Look -4

とここまでが、画面イメージの説明です。

作り方は? 

Office 365 アプリランチャー内に Microsoft Lists へアクセスするアイコンが用意されるそうです。これをクリックするとたどり着くのが次の画面。

これが Microsoft Lists のホームページと呼ばれるもの。

First Look -5

画面上部の「Create new list」をクリックすると新規にリストが作成できます。

First Look -6

次の4つから作れるようで、この辺はSharePointリストと同じです。

  • 空白リストから
  • Excel から
  • 既存リストから
  • テンプレートから

※裏ではSharePointサイト内にリストが作成されることになるのですが、ユーザーにはそれを意識させない作りになっているようです。

ビデオ内では Event itinerary リストテンプレートを選択してみたところを紹介しています。サンプルデータとともにどんなリストが作れるのかを確認してから作成できるようになっています。一見すると、このまま社内研修の一覧などに使えそうです。

First Look - 7

リストを作成する際には次の項目を指定しています。

First Look -8

  • リスト名
  • リストの説明
  • アイコンの背景色
  • アイコン
  • 保存先

保存先は My lists と Microsoft 365 グループに接続されたチームサイトのいずれかを選ぶことになります。My lists は個人利用のための場所であり、OneDrive for Business と同じような使い方になりそうです。あとから必要があれば、他のメンバーと共有できるとのこと。

アイテムの追加や編集は SharePoint リストの「クイック編集」とほぼ同じですね。メニューを見ても「Exit quick edit」とありますし。

First Look -9

SharePoint リストと同じくビューも持っています。ただし、リストと大きく違うのは「Autofit height」があること。これを選ぶと、フィールドに収まり切れない説明部分が折り返し表示になり、各行の高さが自動的に調整されます。Excel のセルの折り返しと同じようなものですね。モダンリストを使っている方の中には、これをするために今は、列の書式をわざわざ書いている方も少なくないでしょう。

First Look - 10

First Look - 11

そしてベースが SharePoint なので、SharePoint リストと同じく列の書式、ビューの書式も使えます。

First Look - 12

SharePoint リストと違うのがコメントですね。アイテムごとにコメントできる! これは SharePoint リストには今のところありません。

First Look - 13

First Look - 14

それからリストに対して素早く「ルール」を作れる。ルールにより、列の値が変わったら、アイテムが作成されたら、といった条件で誰かに通知を送信できます。これは SharePoint リストの「通知」設定の進化版といったところでしょう。

First Look - 16

First Look - 16

一つのリストに対して複数のルールが指定できます。

First Look - 17

カード形式のビューもデザイナーツールが用意されているため、JSONなど書く必要がなく、誰でも手軽に構成できます。とはいえ、画面下部には Advanced mode リンクがあるので、従来のビューの書式同様にJSONも書けるようですね。

First Look - 18

First Look - 19

そして、クラシックリストの時と同様に「カレンダー」ビューが作れる!!

First Look - 20

Teams 連携!

Microsoft Teams 内に追加することによる利点も 見逃せません。
まず、アイテムの表示フォームは独自に作れるということ。それから、アイテムごとに会話がつながっていくということですね。この点は現在のSharePointリストと Teams の連携ではリスト単位での会話のつながりになってしまうのですが、アイテム単位で会話がつながるというのは強力です。

First Look - 21

Power Platform 連携!

SharePoint リストと同様に Power Apps や Power Automate と組み合わせた利用もできるそうです。

モバイルでも使える!

Microsoft Lists はモバイルアプリとして iOS および Android でも利用できます。リストの作成から閲覧、アイテムの追加、編集まで!

特に、閲覧部分はうまい具合にヌルヌルっと横にスクロールしていますね。これは実際にビデオで確認してみてください。

First Look - 23

First Look - 23

補足

ここで、Microsoft Tech Community で発表された内容も加味しておきましょう。

Microsoft Lists は SharePoint リストを包括するとのこと。Microsoft Lists のストア先はSharePointサイトとなっているため、SharePointチームサイトから直接アクセスすることも可能だということです。

Templates_ Event itinerary - in SP-team-site

もっと知りたい方への情報リソース

Microsoft Lists 情報リソースは次のリンク先にあります。

http://aka.ms/MicrosoftLists

いつから使えるのか? 

さてこの機能いつから使えるのか? ということですが、Microsoft 365 Roadmap を見ると、リリース時期が June CY2020 となっています。もうすぐといいたいところですが、いつも通り対象リリースから順次ロールアウトしていくことになるでしょうし、Tech Communityの記事でも夏の終わりごろまでに利用可能になるとのこと。モバイルは年末までに利用できるようにするみたいですが、ロードマップには iOS用のモバイルアプリは既に追加されています。

ちなみに、2020年5月19日付で In Development ステータスとして新たに追加されたのが次の機能群です。まずはこれらの機能から展開されていくということです。

Roadmap

最後に独り言

早く利用できるようになって、もっと仕組みを知りたいところです。

さあて、本格的に使えるようになったら、SharePoint の研修内容を組みなおしていかないといけないなぁ... SharePoint リストとの違いと使い分けがポイントになりそうです。

関連情報