これまでユーザーアカウントは削除せず、OneDrive を含むライセンスをはく奪しているような場合は OneDrive のストレージは作成されていれば、そのまま無課金で温存されていました。むろん、ユーザーアカウント自体を削除すると OneDrive のストレージは30日(既定)で削除されます。
しかし、削除されることなく放置されたままの OneDriveはセキュリティやコンプイアンスのリスクをもたらしたり、ファイルの混乱や重複を生じるといった問題を抱えていました。
2025年1月27日以降は、こうした OneDrive のアカウントに対してのポリシーが変更され厳密な管理が必要になります。きちんと管理しない場合はいずれ自動的に削除されるかもしくはアーカイブされることになります。アーカイブされる場合、アーカイブ中はストレージ料金が追加で発生しますし、復元する場合も料金が発生します。
なお、このアップデートはこれから数か月間にわたり段階的にロールアウトされることになっています。
2025年2月17日より前からライセンスが付与されていないアカウントのタイムライン
📅2025年4月25日
この日までに、すべてのライセンスのないアカウントが読み取り専用モードへと移行します。管理者は、この日以降に確認することが推奨されます (※これより前だと状態が不完全な可能性がある)。
📅2025年5月15日
この日までに全てのライセンスのないアカウントはアーカイブモードへと移行されます。管理者は、この日以降に確認することが推奨されます (※これより前だと状態が不完全な可能性がある)。
2025年2月17日以降にライセンスが付与されなくなったアカウントのタイムライン
アカウントは60日後に読み取り専用モードとなり、93日後には基本的にごみ箱に移動します。
基本的にといっているのは、訴訟ホールドの対象になっている場合やアイテム保持ポリシーが適用されているOneDrive に関してはアーカイブされるためです。削除釣れるのはアイテム保持ポリシーが適用されていない OneDriveです。アイテム保持ポリシーは Microsoft Purview から管理者が設定する必要があります。
読み取り専用モードとは?
読み取りモードになるとファイルは引き続き表示およびダウンロードできますが、新しいファイルをアップロードしたり既存のファイルに変更を加えたりすることはできません。
アーカイブ
アーカイブされるとファイルの表示、ダウンロード、編集はできなくなります。アカウントは実質凍結され、OneDrive データにアクセスできなくなります。
アーカイブされたのOneDrive アクセスしようとすると次のようにエラーメッセージが表示されます。
ここまでを再びまとめると、2025年2月17日より前にライセンスが削除されている OneDrive に関しては勝手に削除されることはなく、放置しているとアーカイブされ、その間課金されることになります。復元する際にも課金されます。ちなみに、アーカイブされている OneDrive の復元には Microsoft 365 アーカイブの事前設定が必要です。お金がかかるならそのまま削除しようか? ということにもなるかもしれませんが、その場合はアーカイブ状態のまま削除もできます。
また2025年2月17日以降は、保持ポリシーや訴訟ホールドの対象でない場合は93日以上放置していれば削除されるということです。
条件 | アクション |
---|---|
保持ポリシーや訴訟ホールドの対象 | ライセンスの削除から 93 日後に自動的にアーカイブされます。アーカイブの復元をするためには Microsoft 365 アーカイブの設定が必要になります。 |
保持ポリシーや訴訟ホールドの対象外 | ライセンスの削除から 93 日後にごみ箱に移動され、その後完全に削除されます。 |
Microsoft 365 アーカイブが有効 | 保持ポリシーや訴訟ホールドが適用されている場合のみアーカイブされます。このアーカイブの復元に Microsoft 365 アーカイブの設定が必要になります。適用されていない場合はごみ箱に移動されます。 |
アーカイブされたアカウントからの料金
ライセンスのない OneDrive がアーカイブされた放置していると(※アーカイブされたアカウントが保持ポリシーや訴訟ホールドの対象である前提)、削除されることのないまま毎月のストレージに対する料金がかかります。また再アクティブ化の際にも料金が発生します。
アーカイブされたアカウントに対するストレージ料金は $0.05/GB/月です。また、再アクティブ化する場合は $0.60/GBが適用されます。
なお再アクティブ化は一時的なもので、再アクティブ化後の30日以内にライセンスを付与しなおすか、削除するのかを決める必要があります。削除するのであれば、OneDrive にアクセスできるようになっているので急ぎ重要なファイルなどを SharePoint サイト等に移動させます。再アクティブ化しても30日経過すれば再び自動的にアーカイブされてしまいます。
ライセンスのない OneDrive を特定する
ライセンスのない OneDrive を特定するには SharePoint 管理センターから「レポート」>「OneDrive アカウント」の順にアクセスします。この画面で保持ポリシーが適用されている OneDrive アカウントやライセンスのないアカウントなどを特定できるようになっています。
画面下部の「詳細を表示」をクリックすると対象となるユーザーアカウントが表示され、ここから削除ができるようになっています。
画面右上の「請求を有効にする」をクリックすると、SharePoint Premium の従量課金サービスの管理画面に遷移します。
この「ストレージ」>「アーカイブ」をクリックすると SharePoint サイトのアーカイブ設定と「ライセンスのない OneDrive アカウントの管理」設定画面が表示されます。OneDrive の側をオンにすることでOneDriveのアーカイブと復元ができるようになります。
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