カテゴリ「Power Apps」の33件の投稿 Feed

2024年5月24日 (金)

Power Apps のキャンバスアプリは、これまではテナントレベルの設定では「disableShareWithEveryone」設定は既定でオフでしたが、Microsoft 365 メッセージセンターにて2024年5月23日付でこの設定が既定でオンになることがアナウンスされました。

つまり、キャンバスアプリは既定では「すべてのユーザー」という特殊グループを使って共有できなくなるということです。

これは、Microsoft の最近のセキュリティの推奨として掲げている「 Secure by default 」(既定の状態でセキュア)であるようにするためです。

※余談ですが Default とは「既定値」と一般的に訳されますが英語の本来の意味合いは「ほっといても」とか「なにも特別なことをしないでも」です。

このような設定に変更されたため不用意な範囲にアプリが共有されデータがさらされることがないようになるわけです。

ロールアウト時期

これから数週間でロールアウトされるということなので、2024年の夏ごろまでにはこの設定に変更されるようです。管理者側で特別な設定は不要で自動的にオンにかわります。

今後の影響について

すでに「すべてのユーザー」と共有しているキャンバスアプリに関しては、既定の設定変更による影響は受けません。この設定がオンになる前に行われたあらゆる接続には影響しません。

この既定値の変更をオプトアウトする場合は、PowerShellコマンドで設定を変更する必要があります。

Microsoft Learn | 全員との共有を制御する

マイクロソフトとしては、キャンバスアプリを「Everyone」グループと共有しないことを推奨するとのことで、その代わりに大規模なグループと共有する必要がある場合は、1つ以上のセキュリティグループを使って共有することを検討してほしいとのことです。

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2024年1月12日 (金)

昨年末に行われた Japan Power Platform Conference 2023 で登壇したセッションの録画が公開されています。

登壇資料は下記の通りです。

すべてのセッションの録画は下記の YouTube に公開されています! 

Japan Power Platform Conference 2023 の全ての録画

Japan Power Platform Conference 2023 - YouTube

2023年8月16日 (水)

Power Apps や Power Automate などでコンテンツの翻訳を行うには手軽に利用できるのが Microsoft Translator コネクターです。

Microsoft Translator の初期バージョンはすでに廃止になっており、2023年8月現在は Microsoft Translator V2 が主流ですが、Microsoft Translator V3 がプレビューとして登場しています。

ドキュメントでアクション一覧を確認してみると、V2では3つのアクションのみが提供されており、単純に文字列を翻訳するだけでした。

20230816_164922

これに対してV3ではドキュメント自体を翻訳できるようになるようです。アクション数も格段に増えています。

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2023年5月19日 (金)

Power Apps でキャンバスアプリを作成するときに、最初にタブレットか携帯かいずれかのレイアウトを選択しなくてはいけません。どちらの端末でも共通のアプリで対応したいと思うことは少なくないはずです。

そこで提供されているのが、コンテナコントロールでありこれを使うことでどの端末でもうまくレイアウトが適用されるように「レスポンシブ デザイン」を用いることができます。

詳しくは下記のリンク先を参照してください。

📝 レスポンシブなキャンバス アプリの構築 - Power Apps | Microsoft Learn

ただし、この記事を書いている2023年5月15日時点ではプレビューに難点があります。それは、タブレットや携帯画面をエミュレーションできないということ。ですが、これができる新しいプレビュー機能が利用できるようになります。一足早く試すには、現在、プラットフォームのバージョンが 3.23053.23 以降でないと試せません。

まずはアプリの設定を切り替えます。設定メニューから、[サポート]をクリックし作成バージョンを確認しておきましょう。この例では 3.23052.19 です。別バージョンに切り替えるためすぐ下の[編集]をクリックします。20230519_174333

これで作成バージョンを3.23053.23に切り替え、[再読み込みおよびバージョンの適用]ボタンをクリックします。

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アプリが再開したら、プレビューしてみましょう。すると、タブレット、携帯、ブラウザー、向きを切り替えるメニューが表示されます。これでそれぞれの端末をエミュレートできるわけです。

20230519_174448

この新しいプレビュー機能を使えば、レスポンシブ対応なキャンバスアプリ作成もスムーズに取り組めますね。

2023年5月 2日 (火)

Power Apps を使ってSharePoint リストのカスタム フォームを作成するとき既定では「既定の環境」にフォームが作成されます。

Power Apps 管理用のPowerShellコマンドを使えば、任意の「運用環境」にカスタムフォームを作成できるようになります。SharePoint リストのカスタム フォームの作成環境とそれ以外を分けて容量の管理、ポリシー管理などを管理したいというようなケースではこうした設定も必要になるでしょう。

設定変更における注意点

カスタム フォームの作成先の既定の環境を変更するには、指定先は「運用環境」である必要があります。また、作成先環境を指定したとしても既存のカスタム フォームが新たな環境に移動されることはなく、そのままです。

また、新たに指定した環境をユーザーが利用できるように「環境作成者 (環境メーカー: Envrironment Maker)」の役割を各ユーザーに対して付与する必要があります。既定の環境のままであれば、この役割の付与はすべてのユーザーに対して自動的に行われますが、新規に指定する場合は自動では行われないため運用方法を考えないといけません。たとえば、新規に追加したユーザーアカウントに対して必ずこの環境のロールの追加もするといったようなルール策定です。 さらに、既定の環境の場合はそもそも環境の削除ができませんが、それ以外の環境の場合は環境は削除しようと思えばできてしまいます。この場合、当然、この環境に含まれるカスタム フォームも一緒に削除されます。

PowerShell コマンドで指定する

Power Apps の管理者用コマンドの基本的な利用方法は下記のリンク先を参照しましょう。

PowerShell のサポート - Power Platform | Microsoft Learn

では PowerShell コマンドに移りましょう。次のコマンドを実行して既定のカスタム フォームの作成環境を確認します。

Add-PowerAppsAccount

#SharePointカスタムフォームが作成される環境の取得
Get-AdminPowerAppSharepointFormEnvironment

これにより既定の環境を使っているかどうかがわかります。既定の環境名は Default- で始まります。20230501_093656

環境を変更するためのコマンドは Set-AdminPowerAppSharepointFormEnvironment を使用しますが、環境名を指定する必要があります。名前はGUIDで指定する必要があるため、まずは既存の環境の一覧を確認し目的の環境の名前を把握します。

Get-AdminPowerAppEnvironment コマンドを使用します。

#環境の一覧 (運用環境のみ)
Get-AdminPowerAppEnvironment | Where-Object {$_.EnvironmentType -eq 'Production'} | Select-Object -Property EnvironmentName, DisplayName, EnvironmentType

コマンドを実行すると、運用環境の情報が一覧できます。

20230501_104207

設定を変更していきましょう。この例では5e0b10a0 で始まる環境を指定します。次のコマンドを実行します。

#既定のカスタムフォームの作成環境を指定する (ここでは環境名は伏せています)
Set-AdminPowerAppSharepointFormEnvironment -EnvironmentName '5e0b10a0-*************' 

最後に既定のカスタムフォームの作成先の環境が変わったことを確認します。

20230501_100130

設定が反映されるまで少し待ってから、新規に SharePoint リストのカスタム フォームを作成してみましょう。環境が既定の環境ではなくなっていることがわかります。

20230501_103050

管理センターからも確認してみましょう。環境のリソースに保存した SharePoint リストのカスタムフォームがあることが確認できます。

20230501_103154

元の状態に戻すには、次のコマンドを実行します。

#既定の環境に戻す
Reset-AdminPowerAppSharepointFormEnvironment
#SharePointカスタムフォームが作成される環境が既定の環境に戻ったことの確認
Get-AdminPowerAppSharepointFormEnvironment

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