カテゴリ「Power Automate」の37件の投稿 Feed

2024年9月25日 (水)

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Power Automate を使って複数の Excel ファイルを一括生成し、それぞれの Excel ファイルで特定のOffice Scripts を実行するようにフローを組んでいたとします。Office Scripts を実行するわけですから、 Excel Online (Business) コネクターを使います。このコネクターには次の2つのスクリプト実行アクションがあります。

  • SharePoint ライブラリからスクリプトを実行する
  • スクリプトの実行

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このコネクターに最初に追加されたのは「スクリプトの実行」であり、スクリプトはユーザーの OneDrive に格納されている前提でした。ですが、そのあと、スクリプトを SharePoint のドキュメント ライブラリに格納して複数ユーザーで共有利用ができるようになりました。そこで新たに追加されたアクションが " SharePoint ライブラリからスクリプトを実行する" です。

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さて、従来からある "スクリプト実行" アクションは、スクリプトがOneDrive (Business) に格納されていることが前提であるため同時アクセスは考慮されていません。

たとえば、ファイル作成をする際に Apply to each を使って処理するときに Apply to each には「コンカレンシー制御」オプションがあります。既定ではオフで最大50まで指定できます。

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これを使えばファイル作成をバトンリレー式に1つのファイルが作成されてから次のファイルを作成するという処理を複数のファイル作成を同時に一斉作成できるようになります。ならば、このオプションを有効にしてファイル作成後にいっきに各ファイルで Office Script も動かそうか考えるわけですが、この場合はスクリプトファイルへの同時アクセスが生じることになりフローはエラーとなります。

ですが、後発のアクションである「SharePoint ライブラリからスクリプトを実行する」を利用する場合は、最初から複数同時アクセスを考慮しているため Apply to each のコンカレンシー制御を有効にしても問題なくフローが実行できます。

試しにコンカレンシー制御をおこなわずに5つのファイルを一括作成してみたところ、Apply to each には42秒ほどかかりました。

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ですが、コンカレンシー制御を有効化したところわずか9秒に短縮されました。

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このようにコンカレンシー制御はフローのロジックによって向き不向きがありますが、うまく活用できればフローの実行時間が短縮できます。

2024年6月 6日 (木)

↓の前回の続きの記事です。

SharePoint Technical Notes : Exchange: 大量メール送信機能 (HVE) パブリック プレビュー (lekumo.biz)

HVEアカウントを作成したら、Power Automate から送信テストをしてみます。Power Automate には SMTPコネクターが用意されているためこれを利用します。

たとえば、「フローを手動でトリガーする」を指定し、次に「SMTPコネクター」のメール送信アクションを追加します。この環境での利用が初回である場合は、接続の作成が必要です。この時に HVE用の SMTPサーバーアドレスやユーザー名/パスワード、SMPTサーバーポート、SSL の有効化を行います。

20240606_154009_2 接続を追加したら、再び「メールを送信する」アクションを選択し、パラメータを指定します。「すべて表示」をクリックすると、CC, Bcc, 重要度、添付ファイル、宛先、件名、ボディを指定します。ちなみに、差出人として自分のメールアドレスを指定するとフロー実行時に「メールボックスへのアクセス権限がない」とエラーになります。大量メール送信であるため、通常は送信専用アカウントとすることになるため差出人は空を指定しておく方がよいでしょう。

20240606_154031 以上で、あとはフローを実行するだけです。

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2024年5月28日 (火)

Power Platform の製品エンジニアリング チームはそうとウェアを更新しており、修正とマイナーまたはメジャーアップデートを含む更新は毎日もしくは毎週行われています。ただし、すべての地域の顧客環境に更新を展開するには数日から数週間かかることもあるわけです。

Microsoft は顧客からフィードバックを得るために Power Apps プレビュープログラムを用意しており、これを利用するためには、従来は、組織内に「米国(プレビュー)」という地域を選択した環境を作っておくというのがこれまでのアプローチの一つでした。この環境を利用することで、数日間の間、最初に機能が展開されるためユーザーは新機能をいち早く把握でき、フィードバックできたのです。

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ですが、現在、環境を新規に作成する際に「米国(プレビュー)」という地域は選択肢から削除されています。その代わりに早期リリースサイクルの環境というものが新たに利用できるようになっています。

早期リリースサイクル環境 - Power Platform | Microsoft Learn

新規に環境を作成するときに地域とは別に「新機能を早期に取得する」オプションをオンにすることで早期リリースサイクル環境になります。20240528_130345

現時点では、このオプションを選択できる地域は限られており、2024年5月28日現在では以下の地域のみになっているようです。

  • 米国
  • ヨーロッパ
  • オーストラリア
  • カナダ

ちなみに、従来の「米国(プレビュー)」には Dataverse データベースは追加できませんでしたが、この新しい機能は Dataverse データベースの追加も可能です。

どの環境が早期リリースサイクルを採用しているかは Power Platform 管理センターの「環境」一覧にある「リリース サイクル」列で確認できます。

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2024年5月15日 (水)

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SharePoint サイトで作成するページにはコメント機能があります。既定ではオンになっています。うまく利用すれば、閲覧者とのコミュニケーションの場として利用できます。

とはいえ、コメントが不要なケースもあります。その場合、ページ単位で有効・無効にはできます。それ以外にテナント全体で一括でオフにすることもできます。が、コメント機能が不要なのは自分が利用しているサイトだけで組織全員がどう考えているかまで把握できないものです。そこでサイト単位でオフにできないかという話になってきます。

実際にサイト単位での無効化はできるのですが、これはAPIを経由する必要があるため PowerShellなどを使わないといけません。SharePoint サイトを利用しているユーザーのほとんどは PowerShellに精通してはいないでしょうから、この選択肢をとるのもなかなか難しい。

そこで比較的ユーザーとして手軽な手段として Power Automate を使う方法を紹介します。Power Automate の SharePoint コネクターには「HTTP要求を送信」するアクションがあります。これを使うと SharePoint の REST APIを利用できます。

フローの作り方

今回は手動でトリガーするフローにします。次のようにフローを作成します。

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「SharePoint にHTTP要求を送信します」アクションは次のように構成します。

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まず、目的のサイトのURLを指定します。方法は POST を選択します。URIは「_api/web」と指定します。これで SP.Webオブジェクトを操作できます。

「すべてを表示」ボタンをクリックして、ヘッダーやボディの入力画面を表示します。

ヘッダーは次のように指定します。X-HTTP-Methodは大文字で “MERGE” を指定します。

Accept application/json;odata=verbose
Content-Type application/json;odata=verbose
X-HTTP-Method MERGE
If-Match *

ボディは次のようにJSONを指定します。CommensOnSitePagesDisabledプロパティの値を true にすることで無効化します。再び有効化したければ false にします。

{
"__metadata":{"type":"SP.Web"},
"CommentsOnSitePagesDisabled":"false"
}

以上でフローは完成です。

実行を試す

動画で確認してみてください。


YouTube: SharePoint ページ上のコメント機能をサイト単位でオフにする

2024年1月12日 (金)

昨年末に行われた Japan Power Platform Conference 2023 で登壇したセッションの録画が公開されています。

登壇資料は下記の通りです。

すべてのセッションの録画は下記の YouTube に公開されています! 

Japan Power Platform Conference 2023 の全ての録画

Japan Power Platform Conference 2023 - YouTube