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2011年7月 8日 (金)

ようやく「ひと目でわかる SharePoint Server 2007 」の後継本である「ひと目でわかるSharePoint Server 2010」がようやく完了しました。多くの方に書籍はまだかという声をいただきつつ、大変お待たせし大変申し訳ありませんでした。おかげさまで、ようやく出版にこぎつけることができました。

書籍は、Amazon からお買い求めいただけます。

ひと目でわかるSharePoint Server 2010

著者:オフィスアイ株式会社 山崎愛、 北端智、 インフォシェア株式会社 西岡真樹
発行:日経BP社
判型:B5変型版
ページ数:468
価格:定価3150円(本体3000円+税)
ISBN:978-4-8222-9436-6
発売日:2011年7月21日
発行日:2011年7月25日

書籍のターゲットは、SharePoint 2010 のサイト管理者入門者から中級者くらいを想定しています。Tips もちりばめているので入門者の方だけでなく、すでにある程度触っていて独学で取り組んでいる方にも最適な内容です。また、 単なるステップバイステップではなく、「概念→操作+Tips」という流れにしているため、操作の意味を理解しながら学習できるように構成しています。 また、章建ても 「概要→ユーザーとしての操作方法→サイト管理者としての管理タスク→サーバー管理者が把握しておくべきこと」という順にし、 SharePoint サイトを利用していく全体像を意識しながら、体系立てて学習できるよう配慮しました。

SharePoint Server 2010 はSharePoint Server 2007 と比べても非常に機能が増えています。そのため、なかなかすべての機能を本当に "ひと目で" 理解できるのかといえば、そればNoと言わざるを得ません。しかし、書籍では、サイト管理者の方ができるだけ困らなくて済むよう基本をしっかりと学習できるように構成していますので、この書籍を何度も繰り返し読んでいただき、実機で試していけば確実に基礎力が身に付きます。逆に言えば、本来は、この内容を把握することがサイト管理者としての最低ラインとして望ましいのだということを知っていただければとも思います。

[目次]

第1部 :  SharePoint Server 2010 の概要
    1. SharePoint Server 2010 の基礎 (製品の概要説明、用語解説など)
第2部 : SharePoint Server 2010 のユーザー利用
    2. SharePoint サイトで共有できる情報の種類の整理
    3. 画面の基本操作を理解しよう
    4. ページを作成してみよう
    5. ファイルを共有してみよう
    6. リストを使ってみよう
    7. リストとライブラリーで共有の機能を利用しよう
    8. 検索してみよう
    9. ソーシャルネットワーク機能を使ってみよう
    10. SharePoint Server 2010 をもっと活用してみよう
第3部 : SharePoint Server 2010 のサイト管理
    11. 管理タスクの整理
    12. 基本的なサイト管理を行おう
    13. サイトのコンテンツを管理しよう
    14. アクセス権限を管理しよう
    15. サブサイトを作成してみよう
    16. フィーチャー(機能)を管理しよう
    17. Web Analytics を使ってサイトの利用状況を確認しよう
第4部 : SharePoint Server 2010 サーバーの管理
    18. サーバーの導入
    19. 管理ツール
    20. ファーム構成ウィザードの使用
    21. サービス構成後のサーバーの状態確認 (ファーム内のサーバーの情報)
    22. ファーム管理者の設定
    23. 管理アカウントの構成
    24. Web アプリケーションの構成
    25. サイト コレクションの作成と管理
    26. 主要サービス アプリケーションの管理
    27. その他のサーバー設定
    28. サーバーの監視
    29. バックアップと復元

ちなみに、すでにリアルコムさんが書かれている同じようなタイトルとなっている「ひと目でわかる~」が出版されていますが、実は、今回出す書籍の姉妹品として後から出す予定だった書籍です。しかし、私たちの執筆が大幅に遅れてしまったため、順番が逆になってしまいました。本来は、今回出版する「ひと目でわかる Microsoft SharePoint Server 2010 」をお読みいただき、一通りの基本機能を把握していただいたうえで、リアルコムさんの「ひと目~」で応用的な使い方を把握できるという流れになっていますので、両方お買い求めいただくと幸いです。

2011年6月29日 (水)

ブログをしばらくご無沙汰していましたが、そろそろ再開します (最近 Lync 2010 を使ったソリューション開発などにも取り組んでいるのでそのあたりの情報なども公開していく予定です)。さて、Office 365 が大々的にラウンチした陰で、U.S 時間の 2011/6/28 付けで SharePoint 2010 Service Pack 1 の提供が開始されたようです。

では、SP1 についてかいつまんで説明します。

インストールについて

SP1 には 2011年4月までの累積的な更新プログラムと 2011年6月までの更新プログラムが含まれているため、直接RTM環境にインストールできます。次のサイトでは更新プログラム適用ベストプラクティスが書かれていますが、SharePoint Server 2010 を導入している場合は、常に先にSharePoint Foundation 2010 SP1 をインストールしてから SharePoint Server 2010 SP1 をインストールすることが推奨されているため、この順でインストールすることをお勧めします。

http://technet.microsoft.com/en-us/sharepoint/ff800847

また、SP1 インストールする前に下記の URL に公開されている既知の問題を確認するようにしましょう。

http://support.microsoft.com/kb/2532126

上記ブログでは SP1 インストール後に Jun 2011 の CU (累積的な更新プログラム) をインストールすることを強く勧めると書かれていますのでこの点も注意が必要です。また、資料を見るとOffice Web Apps をインストールしている場合は、Office Web Apps にも SP1 が提供されているため SharePoint 2010 SP1 をインストールした後に Office Web Apps SP1 を適用するようにした方がよいようです。

主な新機能と機能強化について

SharePoint Server 2010 および SharePoint Foundation 2010 SP1 では新機能が追加され、機能強化も行われます。ホワイトペーパー(http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=26573) が公開されているので、そこからいくつか主なものだけ抜粋します。

「SQL Server コードネーム "Denali" 上へのインストール」

SQL Server 2005 と SQL Server 2008  のサポートは継続されますが、これ以外に SQL Server "Denali" もサポートされます。

「サイトのごみ箱」

SP1 からサイトのごみ箱が利用できるようになります。これまではサイトは削除するとバックアップから戻すのが一般的でした。SP1からはリスト、ライブラリ、リストアイテムを削除した場合と同じように削除したサイトはごみ箱にいったん移動するようになるため、誤って削除してしまったとしても簡単にごみ箱から戻せます。サイトを削除すると、トップレベルサイトにあるごみ箱に移動します。復元するには、サイト コレクションの管理者が、トップレベルサイトのサイトの設定ページにアクセスし、ごみ箱から復元します。

SP1-SiteDelete-01 

SP1-SiteDelete-02 

Windows PowerShell を利用する場合は、「Remove-SPWeb  http://sp2010  -Recycle」というように -Recycle パラメータを指定します。なお、サイト コレクションを削除した場合もリストアができるようになりますが、リストアはRestore-DeletedSPSite コマンドレットを使用する必要があります。

参考資料

「StorMan.aspx(記憶域メトリックス)」

SharePoint Server 2007 まで、サイトコレクションに対してクォータ設定をしているとストレージの空き領域が確認できる StorMan.aspx ページがありました。しかし、SharePoint 2010 からはこのページが削除されてしました。SP1 では、改善された StorMan.aspx が導入されます。このページはサイト コレクションの管理者がアクセスできるようになっており、管理メニューの名称は記憶域メトリックスです。

Sp1-StorMan 

「ブラウザーサポート」

IE 9 と IE 8 の標準モードのサポートが提供されるほか、Google Chrome ブラウザーもサポートされます!

 「 Windows PowerShell コマンド」

サイトのごみ箱機能がサポートされるため、次のコマンドが新たに加わります。

  • Get-SPDeleteSite, Remove-SPDeleteSite, Restore-SPDeleteSite

※そのほか、RBSの対応も若干変わるため Move-SPSite にパラメータが追加されます。

検証環境でのテスト

さっそく検証環境に SP1 をインストールしました。手持ちの環境はSharePoint Server 2010 1台のみで以下の通りです。

  • Windows Server 2008 R2 SP1 ( Hyper-V の Guest 環境) 日本語環境
  • SharePoint Server 2010 (Office Web Apps  + Language Pack : 英語)  日本語環境
  • Visual Studio 2010 SP1

SP1 は次のものをダウンロードし順にインストールしました。私の環境ではインストールの所要時間は DB のアップグレードを含めると全部で60分程度でした。

  1. SharePoint Foundation 2010 SP1 (Japanese)
  2. SharePoint Foundation 2010 Language Pack SP1 (English)
  3. SharePoint Server 2010 SP1 (Japanese)
  4. SharePoint Server 2010 Language Pack SP1 (English)
  5. Office Web Apps SP1 (Japanese)

ちなみに、私の環境ではインストール中に「Visual Studio Just-In-Time デバッガー」が何度も起動し「ハンドルされていない例外 ("System.Security.Cryptography.CryptographicException")が OWSTIMER.EXE で発生しました」というメッセージが表示されました。これについては引き続き調査してみます。さて、インストールが完了するとサーバーの全体管理サイトではサーバーの状態が次のように表示され、アップグレードが必要であることが示されます。※なお、インストール完了時点では手元の環境の構成データベースのバージョンは 14.0.4762.1000 です。

SP1-01 

また、データベースの状態も次のように表示され、ここでもアップグレードの必要性が示唆されます。

SP1-02 

データベースをSP1にアップグレードするためにSharePoint製品構成ウィザード(PSConfig) を実行します。

SP1-03 

ウィザードが完了すると構成データベースのバージョンが 14.0.6029.1000 となり、正しく構成されたことが確認できます。 

 Sp1-04

Sp1-05 

なお、SP1 適用後に手元の環境ではユーザープロファイルの同期を行う Forefont Identity Manager Synchronization Service が手動開始に変更されサービスが開始されなくなりました。このためいったんこのサービスを自動開始に変更し、サーバーの全体管理サイトから再び "User Profile Synchronization Service" を開始しました(※"EndpointNotFoundException" エラーが頻繁に表示されたら、このサービスが開始されていない可能性が高いです)。

以上、ご参考まで。

2011年1月31日 (月)

日本ユニシスさんが SharePoint 2010 に関する無償セミナーを開催されるようです。ほかにAvePoint Japan さん、サイボーズさんが協賛されていて、なかなか興味深いですね。興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。なお、先着100名様ということなので、お申込みをされる方はお早めに。、

セミナー タイトル

グローバル情報共有戦略とSharePoint  ~ SharePoint ユーザー企業から見る日本特有の障壁とその解決策~

開催日時 2011年2月25日(金)14:00 ~17:30 (13:30開場・受付開始)
開催場所 東京コンファレンスセンター・品川 4階ルーム406

セミナーの詳細と申込み先は↓です。

申込みサイト: https://evesys.unisys.co.jp/public/seminar/view/1114

2011年1月19日 (水)

Ineternet Expolorer (IE) では SharePoint サイトにアクセスする際に、ユーザー名とパスワードが聞かれないことがほとんどだと思います。IE ではユーザー名とパスワードを聞かない代わりに Windows OS へのログイン アカウント情報をそのまま渡すような仕組み(設定)を持っています。この設定が既定で有効に動いていると、サイトにアクセスする際にユーザー名とパスワードは聞かれません。もちろん、この設定は変更できるため、常にユーザー名とパスワードを求めるよう IE を設定することもできます。この仕組みをご存じない方も多いのではないでしょうか。

この設定は、IE の[インターネット オプション設定] - [セキュリティ] タブ にあるゾーンのセキュリティ設定にあります。通常は SharePoint サイトは "信頼済みサイト" に URL 登録をしておくことが一般的であるため、たいていは "信頼済みサイト"ゾーンを選択し、[レベルのカスタマイズ] ボタンをクリックして、設定の最下部にある [ユーザー認証] で、"イントラネット ゾーンでのみ自動的にログオンする" または "現在のユーザー名とパスワードでログオンする" のいずれかを指定します。

IE-Zone-Security 

SharePoint Server 2010 では Firefox のアクセスもサポートされていますが、IEと異なりFirefox は既定で SharePoint サイトに自動ログインしません。ただし、設定を変更することで自動ログインも可能になります。

次の手順で設定できます(NTLM認証の場合)。

  1. Firefox を起動し、アドレスバーに "about:config" と入力し、Enter キーを押下します。
  2. "動作保障対象外になる" 旨の警告が出ますが、[細心の注意を払って使用する] ボタンをクリックします(※自己責任で設定を試してください)。
  3. [フィルター]バーに、"network.automatic-ntlm-auth.trusted-uris" と入力します。
  4. "network.automatic-ntlm-auth.trusted-uris" 項目をダブルクリックし、自動ログインしたい URL を記述します。たとえば、http://sp2010 と指定します(最後のスラッシュは不要です)。
    Firefox-autologin 

以上で設定は終わりです。

[参考] http://sivel.net/2007/05/firefox-ntlm-sso/

2010年10月 4日 (月)

おかげさまで、今年も SharePoint の分野で Microsoft MVP を受賞することができました。最初の受賞が 2004年10月からですので、連続受賞も7年目突入です。現在、SharePoint 2010 の書籍の執筆をしているためブログなどがなかなか更新できませんが、さまざまな形で情報提供していきますので、引き続き皆様、よろしくお願いいたします。