さて Keynote および Break out セッションで取り上げられている情報をいくつか拾っておきます。
Office 2016 パブリック プレビューの提供開始
Office 2016 のパブリック プレビューの提供が 5/4 より開始されました。
プレビュー版は次のURLから入手できます。ちなみに、Office 2013 と Office 2016 Public Previewの Side by Side 実行はできないとのことなので、どちらか一方のみにする必要があります。
SharePoint Server 2016
Office 2016 とは異なり、当初の予定からずれ込み SharePoint Server 2016 のパブリック ベータ版の提供は Q4 が予定されており、製品リリースは来年 Q2 を予定しています。パブリックベータが出るのも、まだまだ先ということもあり、このイベントでは、さほど情報は多くありません。
現在把握しているところでは、オンプレミスの SharePoint Server 2016 は構成ウィザード実行時に、新たにロールベースでの構成ができるようになるようです。
また、詳細は不明ですが、オンプレミスと Office 365 のハイブリッド環境で、Search Index が統合され、Office 365 の検索センターサイトから、オンプレミスの SharePoint サイト上のコンテンツもシームレスに検索できるようになるようです。
Windows 10 Cortana と Power BI
Cortana は Windows 8.1 から利用できるようになった音声認識アシスタント機能です。iOS でいうところの Siri ですね。今回、Keynote では、Cortana にファイル検索を頼むと OneDrive を含め検索してくれるデモがありました。また、Power BI からもデータを検索してくれるようになっているそうで、今回のイベントの参加人数を応えてくれたり、国別の参加者を質問すると地図データにプロットされた 参加者数のバブルチャートが表示されていました。Power BI には Power Q&A という自然言語による BI データの検索機能がありますが、こういったところで使えることになってくるようです。ちょっと近未来的。
ただ、試していませんが、日本語は難しそうですね。
Office Delve / Office Graph
Office Delve (CodeName: Oslo) は既に Office 365 にロールアウトされている機能ですが、平たく言えば、ログインしているユーザーにあわせて適切であろう情報情報を自動的に検索してきてくれ、 「自分がほしい情報を探しに行かなくても、向こうからやってきてくれる」というものです。 たとえば、Outlook 内のメールや SharePoint ,OneDrive for Business , Yammer などからその人に適切であろう情報を探してきてくれて、コンパクトに表示してくれます。裏では Machine Learning が使われています。
Office Delve が提示してくれるドキュメントは View数、Yammer のコメント数、いつ誰が更新したかなど表示されます。メールの内容も表示されますが、あくまでも、メールが閲覧できる人のみが対象であり、鍵のマークで Private な情報であることを知らせてくれます。
Office Delve に使われている仕組みが Office Graph です。つまり、Office Delve は Office Graph の仕組みを使っているアプリケーションです。ちなみに、開発者は Office Graph の機能を使って独自アプリケーションを作ることも可能です。Office Graph はOffice 365内のコンテンツだけでなく、ユーザー間のやりとりなどを分析し、Machine Learning を使って、各ユーザーと最も関連性の高いコンテンツを見つけてくれます。
Office Delve には、今後新たにPeople Profile ページが追加され、SharePoint ユーザーではおなじみの個人用サイト(My Site) はこの Delve ベースのページに置き換わります。あちこちに散らばる情報を集約してきてくれます。この機能はオンプレミスの SharePoint Server 2013 にも更新プログラムとして今年の後半に導入できるようになるそうです。
現在、Outlook, SharePoint , OneDrive for Business, Office 365 Video, Yammer, Skype for Business (旧Lync) など情報共有ツールは様々あり、また情報にあふれています。こうしたツールごとに散らばる情報を一元的にかつ、必要であろうもののみ厳選して表示してくれる機能は、よくある社内ポータルの発想ではありません。従来のポータルやグループウェアの多くの難点は、全員が共通のページを参照することになるため、最大公約数的な情報を配置してしまうので、個々人で見る と、必要な情報にはばらつきが出てきますし、結果的に不必要な情報が多くなってしまいがちです。自分に最適化されるというのは効率的ですね。また、業務プロセスと人の関わりはなかなか可視化しにくい のですが、機械的にこうしたつながりを発見し、情報をつないでいってくれるというのはこれまでとは異なる新しい発想です。
ちなみに Office Delveのモバイルアプリ Office Delve Mobile Apps for Android and iPhone が 2015/4/15 にリリースされています。
そして、Office Delve の新機能として期待値が高いのが、ダッシュボードの導入です。
どういったチーム (Office 365 Groups) と繋がりがあり、どのくらい会議に時間を費やしているのか、メールのやり取り頻度はどの程度なのかといったワークバランスが可視化できます。業務プロセスの見直しに使えそうですね。
折角の Office Delve を有効活用できる運用管理は考えるべきところです。この辺を上手にコンサルティングしたいですね。
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