2018年4月

2018年4月 5日 (木)

Office 365 Enterprise E1 を使っているテナントに次のようなメッセージが届きました。

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"Your Microsoft Stream Trial is expiring on April 15, 2018. You will have a 30-day in-grace period allowing you to continue accessing the features of the Microsoft Stream Trial. Once the Microsoft Stream Trial is disabled, your users may notice some features are no longer available. These features include: speech to text transcription, and people detection in videos.
Beginning May 15, 2018, your trial subscription will be disabled and users will lose access to this subscription." (一部抜粋)

要は、"Microsoft Stream はこれまでトライアル版だったけど、2018年4月15日でこの有効期限が切れるよ" ということです。2018年5月15日以降はトライアルサブスクリプションは無効化され、このサブスクリプションにアクセスできなくなるよと。これにちょっと驚く方もいるのではないでしょうか。

Office 365 ビデオから Microsoft Stream への移行

従来は SharePoint ベースの動画共有サービスとして Office 365 ビデオがあり、これをまだ使っている組織もあると思います。しかし、その後 Azure ベースで開発された Microsoft Stream サービスが公開され、これまで Office 365 ビデオを使っていたユーザーのコンテンツは Microsoft が Stream へと移行してくれることになっています。現在のところ2018年前半に移行開始が予定されています。詳しくは下記のリンク先を参照してください。

Office 365 ビデオから Microsoft Stream への移行

Microsoft Stream は、高度な情報を提供する企業の動画を活用して、知識の共有、コミュニケーションの簡易化、セキュリティで保護されたエンタープライズ環境を実現する新しい動画サービスです。 Microsoft Stream is a new video service that uses the power of intelligent enterprise video to enable knowledge sharing, easier communication, and connectivity in a secure enterprise environment. Microsoft Stream は Office 365 ビデオの後継サービスですが、移行期間中は 2 つのサービスが共存する予定です。 Microsoft Stream is the successor to Office 365 Video; however, the two services will co-exist during the transition period.

ということで、つまりは並行運用から次の移行フェーズへ移る準備段階へ入ったと考えられます。

Office 365 用 Microsoft Stream プラン

さて、先ほどの有効期限切れの話に戻りましょう。有効期限が切れるのはあくまでも Trial 版です。ではそもそも Microsoft Stream にはどんなプランがあったんだけ? というと下記の通りです。

  • Office 365 付属プラン
  • Microsoft Stream Plan 1
  • Microsoft Stream Plan 2

詳細は

Microsoft Sream のプラン

Trial 版は実質 Microsoft Stream Plan 2 の機能が含まれており、これに特化する機能が使えなくなるよ、というわけですね。Office 365 付属プランってどうなっているの? という疑問がわきます。そもそも Office 365 の下記のプランには Microsoft Streamが含まれます。

  • Office 365 Education
  • Office 365 Education Plus
  • Office 365 Enterprise K
  • Office 365 Enterprise E1
  • Office 365 Enterprise E3
  • Office 365 Enterprise E5

ただし、プランによって利用できる機能は異なります。

機能 Ofice 365 K1 Enterprise E1/Education E1 Enterprise E3/Education E3 Enterprise E5/Education E5 Office 365 機能のアドオン
 動画の表示 〇   〇   〇   〇   〇 
 動画のアップロード    〇   〇   〇   〇 
 自動生成されたトランスクリプトの検索        〇   〇 
 動画内の顔検出        〇   〇 
 顔が表示される箇所のタイムラインビュー        〇   〇 

[参考] [Microsoft Stream] ライセンスの概要

つまり、最上位のプランである E5 を使っている場合は Microsoft Stream Plan 2 の機能が含まれています。それ以外は含まれない。ですから E1, E3 などのプランユーザーはこれまでTrialだったので全機能使ていたのですが、期限が切れれば「自動生成されたトランスクリプトの検索」「動画内の顔検索」「顔が表示される箇所のタイムラインビュー」の機能が利用できなくなるよということのようです。Enterprise や Education プランを使っている方は全機能が使えなくなるわけではありません。ただし、Microsoft Stream Plan2 相当の機能はアドオンとして追加購入できるので、必要があれば完全に無効化される前に購入しておいてね、と。

ちなみに、トランスクリプトの自動生成は英語とスペイン語のみしか対応していませんし、顔を映したビデオコンテンツも国内の組織では少ないのではないかと思います。そういう意味では"人"で動画検索はあまりしないのでは?  そう考えると、とりあえずは、少なくともトランスクリプトの自動生成が日本語に対応するまでは追加購入するほどではないかもしれませんね。

2018年4月 3日 (火)

PowerApps も3月末に大幅アップデートがあり、いよいよ使ってみようと思う方も多いと思います。弊社でも私が独自に作成したオリジナルコースで PowerApps や Flow を学べるようになっていますが、GroupBy関数について取り上げていなかったので、ブログで補足しておこうと思います。すでに受講いただいた方にとってはフォローアップ情報です。

SharePoint リストデータをグループ化して PowerApps 上に表示するには GroupBy関数を使うと便利です。

例えば次のようなリストがあるとします。

2018-04-03_12-43-31

まずこのSharePoint リストデータを 次のように PowerAppsに取り込みます。

次にボタンを配置し、クリックしたら コレクション が作成されるようにします。このためには、ボタンの OnSelect プロパティに次の式を書いておきます。ちなみに、ボタンの表示名は "データの取得" としています。

2018-04-03_12-38-30

この関数の意味を簡単に解説しましょう。

ClearCollect関数を使って "ProductList" というデータソースを作成します。このデータソースの内容は GroupBy関数を使って "CategoryName" 列でグループ化した SharePoint リスト(Products) です。その他の列は "Details" (名前は任意)という列に入れ子にします。

確認できたら、データテーブルコントロールにこのデータソースを追加してみましょう。商品区分だけが表示されるようにします。

 

では続いて商品区分の内訳を表示できるようもう一つデータテーブルを挿入しましょう。データテーブルの Items プロパティには次の式を書きます。

<先に追加したデータテーブル名>.Selected.Details

これにより、先に追加したデータテーブルの項目を選択するとその詳細がデータビューに表示されるようになります。

 出来上がったアプリの見栄えを整えれば次のように動作します。

まずは基本を紹介しました。PowerApps は Notes データベースの移行にも一部対応できるはずです。今回のように区分別で詳細を見たいというようなアプリも利用できるところがあるでしょう。

データテーブルは編集機能を持っていないため、今回作成したのはあくまでデータを簡易表示するためのビューアーです。ただし、実用アプリも、こうした機能群を組み合わせて応用していくことになります。ちなみに、取得するデータ量が多くなると委任可能な関数等を駆使する必要があります。またその辺は次回以降でご紹介します。

OneNote に機能がいくつか気になる追加されていたのでメモしておきます。

Wiki機能

Wiki の機能が利用できます。文字列を[[<キーワード>]] で囲むだけでページが新規に作成され、リンクが生成されます。具体的な利用イメージは次の画像を参照のこと。

2018-04-03_9-41-20

Flat.io との連携

こちらは業務用途というより、教育や趣味の範疇ですね。Flat.io はWebブラウザー上で譜面を作成して、楽器演奏ができるサービスであり、フリープランと有料プランがあります。

Online collaborative music notation software - Flat

Create, compose, collaborate, play, and print your sheet music using the world's most simple and intuitive web-based music writing and composition software

自分で作った譜面を OneNote に挿入すると、そのまま演奏できちゃいます。ただし、この機能が使えるのは Windows 10 付属の OneNote もしくは OneNote Online (Office 365) のみであり、デスクトップ版の OneNote 2016 では利用できません(リンクは挿入できるけど、再生できない)。

試してみたい方はまず、OneNote Online に下記のリンクをペタッと貼って、お試しください。

https://flat.io/score/5ac2a1e01661c950b973c917-