2020年8月

2020年8月26日 (水)

下記日程で開催される LogicFlow-ja コミュニティ主催のイベントで登壇いたします!

オンラインで参加費も無料ですし、せっかくなのでブログでも告知することにしました。

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開催日程: 2020/8/29 (土曜日) 12:30 ~

詳細 : リンク

LogicFlow-ja コミュニティは Azure Logic Apps と Power Automate に関する日本のコミュニティです。Facebook にコミュニティが作られているので、そちらもどうぞ。

Facebook : https://www.facebook.com/groups/logicflowja

私の登壇内容は以下の通りです。

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タイトル : Excel と SharePoint を組み合わせローン返済アプリケーションを作成する (Power Apps + Power Automate)

概要 : Microsoft Graph API を使って、SharePoint に格納している Excel ファイルを高度な計算を行うためのリソースとして利用し、Power Apps と Power Automate を使ってローン返済アプリを作ってみます。もともとオンプレミスのSharePoint のころに Excel Web Services や InfoPath を使ってデモをしていた内容を、Power Platform を使って置き換えてみるとどうなるだろうという実験でもあります。
マニアックですが、ご興味のある方は是非どうぞ!!

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と、自分の登壇だけ説明してしまいましたが、コミュティでは毎回、魅力的な内容で勉強会をされています。

今回も多くのスピーカの方が興味深いセッションを数多く実施されることになっています。詳しくは上記リンクをご参照ください。

ちなみに、オンライン開催になるまではオフラインで勉強会をされていたのはずっと存じ上げてはいたのですが、子供も小さく、なかなか参加する時間はとれなかったのですが、オンラインになればこのあたりの融通がしやすくなるのは嬉しいところですね。

ということで、ご都合のつく方はどうぞ~

2020年8月20日 (木)

Microsoft 365 管理センター内にある「メッセージセンター」にはテナントに今後展開されてくる新機能などのアナウンス数多くが届きます。対処が必要なものもあれば、そうでないものもあります。管理者としては、設定が必要なものはそこからタスクを管理していく必要がありますし、場合によってはユーザーへの周知をすること自体がタスクとなり得ます。

そこで新機能として比較的最近追加されたのが Planner との同期設定です。これを設定することで、Power Automateの仕組みを使って定期的にメッセージをタスクとして自動登録できるようになります。

Planner 同期 - 01

設定はとても簡単。管理者の方はもちろん、Power Automate を利用している方はソリューションの一つの例として捉えておくとよいだろうなと思っています。

手順についてはスクリーションショットを並べておきましょう。テナントの管理者が構成します。

Planner 同期 - 02

タスクの作成先となるプランとバケットを指定。

Planner 同期 - 03

同期対象となるメッセージを選択する。

Planner 同期 - 04

構成後、すぐにインポートできるようになっており、その際に最大28日前のメッセージから取り込める。

Planner 同期 - 06

確認したら[完了]をクリックする。

Planner 同期 - 07

初回以降は定期的に同期することになるため、そのタイミングを指定し Power Automate を構成していくことになる。

Planner 同期 - 08

とはいえ、Power Automate 側の構成は[フロー作成]をクリックすることで自動で行われる。

Planner 同期 - 09

あっという間に構成完了。

Planner 同期 - 11

同期の設定を変更する場合はメッセージセンターから再度[Planner の同期]をクリックすればよい。

Planner 同期 - 12

これで Planner 側にメッセージがタスクとして同期されるようになります。

Planner 同期 - 13

ところで、自動作成されたフローはどうなったのでしょうか。Power Automate の画面で確認しましょう。

フローは既定の環境に「チームフロー」として作成されます。

Planner 同期 - 14

フローの内容は次のようになっており、非常にシンプルです。

Planner 同期 - 15

 

 

 

 

 

 

2020年8月19日 (水)

2020/8/18(日本時間) にMicrosoft 365 での IE 11 の利用サポート期限が公開されました。

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Microsoft 365 apps say farewell to Internet Explorer 11 and Windows 10 sunsets Microsoft Edge Legacy

要点をかいつまんでおきましょう。

  • Microsoft Teams の Web版の利用については IE11 のサポートを 2020年11月30日で終了する
  • Microsoft 365 の利用について IE11 のサポートを 2021年8月17日で終了する

期限を超えると、Microsoft 365 のアプリおよびサービスには IE11 上から利用する場合、機能がデグレードするか、もしくはアクセスできなくなるとのこと。

ちなみに、IE11 自体がなくなるわけではありません。これを使って Microsoft 365 のサービスやアプリにアクセスすること自体のサポートがされなくなるということです。

そしてこれに代わって推奨されるのが新しい Microsoft Edge です。今年リリースされた Chromeベースの Edge のことです。従来の Microsoft Edge をベースとしていてるデスクトップアプリも 2021 年 3月9日を以って最新のセキュリティ更新が受け取れなくなります。

Microsoft Edge の展開計画に関する資料は次のリンク先に公開されています。

Microsoft Edge の IE11 互換モード

Microsoft Edge では特定のURLにアクセスする際に自動的に IE11 互換に切り替えるよう設定できます。たとえば、私はオンラインバンキングに UFJ銀行さんを利用しているのですが、ここの企業向けサービス用のページの一部が IE11 (もしくは Firefox) でないとサポートされない(2020年8月現在)。ですが、いちいちこのページにアクセスするたびに IE11に切り替えたくないなぁと、IE11互換を設定しています。次のビデオを見ていただくとわかりますが、BizSTATIONというページにアクセスするときだけIE11にモードが切り替わっていることが分かります。

詳しい設定手順は下記のURLに公開されているので、確認してください。

IEモードの概要 : https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployedge/edge-ie-mode

SharePoint は?

最初にご紹介した記事の末尾にはコメント欄が用意されており、いろいろな方がコメントをしています。その中でも気になったのが SharePoint に関するところ。IE を使っている場合は、ライブラリ上では「エクスプローラーで開く」オプションが利用できますが、これは ActiveX を使っています。Edge に変えることでこのオプションは利用できなくなるわけです。SharePoint の研修を実施しているときにもクラシック SharePoint サイトを利用してきたユーザーの方からは時々、ご質問いただく話です。

基本スタンスとしては、ライブラリ内では Active Xを使わなくてもコマンドメニューからファイルやフォルダー単位での移動やコピーが行えるようになっています。これを使うのが基本ですね。あと、ファイルの一括ダウンロードに関してはZipファイル形式にはなるものの、ダウンロードもできます。Edge や Chrome を使っていれば、ローカルにあるフォルダーをドラッグアンドドロップ等でアップロードすることもできる。というように、Active Xに依存しない使い方ができるようにはなっています。Microsoft からのコメントを見ると、この機能を使うように推奨しているのと、あとは適材適所で OneDrive 同期クライアントを併用することを推奨しています。まずはこれが第一選択肢になるでしょう。

余談ですが、ファイルの移動やコピーを行う際には対象となるサイトの候補はAIが自動で一覧を出してくれますが、そのほかにも「フォロー中のサイト」を優先的に一覧に出してくれます。特に移動やコピーによく使うサイトはなるべくフォローするようにしておきましょう。また、自動的にファイルのコピーや移動を行う場合は Power Automate を組み合わせる方法もあります。このあたりをうまく組み合わせて活用したいですね。

2020年8月 7日 (金)

Microsoft Lists (Microsoft リスト)は、Target Release となっている一部のテナントにはロールアウトが始まっていますが、私の使っているテナントは残念ながらまだです。ところで、表題にある通り、2020/8/5 (US時間)にMicrosoft 社にて Microsoft Lists に関する Webinar と「AMA (Ask Microsoft Anything)」(時間内なら、なんでも質問してね、というものです) がオンラインで開催されました。 それぞれ1時間ずつで、計2時間です。日本時間では 8/6 2:00 AM ~ 1時間という、まさに真夜中だったため、参加できなかった方も多いと思います。私も、眠りにおちながら... という状況でありましたが...

Webinar 

Webinar は Microsoft Teams の Live Meeting で行われており、質疑応答も含めて 1時間ほど実施されましたが、 YouTube に録画が公開されています。

Microsoft Lists の細かな使い方を紹介しているので、使い方を確認するのに是非一度ご覧になることをお勧めします。

あらためて気づいたことなどを書き留めておきましょう。

利用できるテンプレート

リストはテンプレートから作成する方法と、スクラッチ作成、Excel からのインポート作成の 3種類があります。テンプレートは下記の通り。

リストテンプレート

  • Issue tracker
  • Employee onboarding
  • Event itinerary
  • Asset manager
  • Recruitment tracker
  • Travel requests
  • Work progress tracker
  • Content scheduler

通知のところはよくなりますね。下記は既存の SharePoint リストの通知であり柔軟性に乏しいため SharePoint Designer で通知のためのカスタム フローを作ることも少なくありません。特にトリガーの種類が少ないのが難点。

従来の通知

しかし、Microsoft Lists になると複数の条件が指定できます。

ルールのトリガー

特に次のトリガーが嬉しい。

  • 特定の列が変更されたら (A column change)
  • 特定の列の値が変更されたら( A column value changes to something)

こうしたトリガーをもとに作成するルールの画面は次のようになっています。

ルール

Microsoft Lists の新しいルールとともに、Power Automate にも特定のアイテムやファイルの変化を取得するというアクションが利用できるようになっており、これと組み合わせた処理ができるようになっています。

Power Automate 特定の値の変更を取得する

カレンダー表示については Outlook on the web に近いUIですね。これがこのまま Teams にタブとして追加できるはずなので、期待は大きいです。

カレンダー表示

さて、ずっと気になっていたコメント機能ですが、リスト単体で利用するときにはリストアイテムに書き込まれ、Teams に追加して利用する場合は Teams 内の会話に持っていけるということです。

はリスト内でのアイテム単位でのコメント (YouTube の画質が悪いので見えにくいですね...)

コメント

は Teams 内でのアイテム単位での会話 (YouTube の画質が悪いので見えにくいですね...)

会話

それからリストフォームのカスタマイズは JSON を使う必要があり、こちらはデザイナーが用意されているわけではないよう。ここで気付くのが列のグループ化です。Status やLinked  Items といった項目でグループ化できていますね。これは既存のリストにはないところで Power Apps でこの手のカスタマイズをしていたので、便利に使えそうだなぁとは思います。ベースはSharePoint リストなので、列の条件指定で表示非表示も対応できますしね(といっても、複雑になると大変ですが)。

フォームカスタマイズ

AMA

質疑応答に関しては下記に公開されています。

https://techcommunity.microsoft.com/t5/microsoft-365-ama/bd-p/microsoft365ama

個人的に気になったところだけ、個人的な見解も含め、下記にまとめておきます。

Q.リストと CDS (Dataflex) との使い分けに関するガイドラインのようなものはありますか?

これについては下記のリンク先を参考にとの回答でした。

Benefits of PowerApps vs Teams Lists

そこに書かれている内容を抜粋しましょう。

Microsoft Lists is an app that enables Microsoft 365 users to quickly create a list that helps to collaborate with their peers to track information. It provides all the necessary capabilities and features for your users to get started to organize and track work. As always, the app is extensible for power users and makers to configure and customize the app with features built on SharePoint and with Power Platform. 

With respect to the app experiences, the apps are available in different hosts. For Power Platform Dataflex apps (new name for CDS), the apps will be only available in Teams app. However, Microsoft Lists will be available in the Lists app, SharePoint Online and within Teams app as well. 

Dataflex Pro ではなく Dataflex との比較で書かれていますが、要するにMicrosoft Lists の利点は情報の追跡をするために利用できるテンプレートが豊富にあり、すぐにリストが作れるところが優れているということでしょう。また、Dataflex は Teams 内でしか利用できませんが、リストは List アプリ、SharePoint Online, Teams アプリ内などでも利用できる点も利点と言えそうです。手軽さは リストに軍配が上がるという感じでしょうか。とはいえ、Dataflex には  Microsoft  リストと比較すると大規模データが利用できたり、細かい制御ができる点はすぐれているので、大量のデータとともに長期的な利用を考えると Dataflex に利点があるだろうと個人的には思っています。

Q.看板(Kanban)ビューはありますか? 

Kanban ビューとは、ポストイットを並べたような、カード形式の見た目のことですね。Microsoft としては重要視はしているものの、今のところロードマップには載っていないようです。ただ、いろいろと素敵にデータを可視化することは考えているとのこと。

Q.行数の上限はあるの?

ベースは SharePoint リストであるため、SharePoint リストの上限と同じ。[参考] SharePoint limits

Q.カレンダー形式のビューを持っているけど、SharePoint の予定表リストのように重ね合わせる(Overlay)ことはできる?

今のところ予定はない。

Q.法律事務所向けのテンプレートは提供されないの?

将来的には追加のテンプレートをいろいろと用意する予定であり、法律事務所向けのものも、必ず追加したいと考えているとのこと。

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