新たな機能として、ニュースページを丸ごとメールで送信できるようになります。この機能は「メール用の SharePoint ニュース」と呼ばれます。メールで丸ごと送信したとしても、ページの利用状況レポートにも閲覧状況がカウントされるようになるというのも重要なポイントです。
ロールアウト
ロールアウトは現時点では (2023年9月5日現在)、対象リリースのテナントだけのようですが順次他も展開されるよう。
- 対象リリース: 2023年8月~2023年9月末 (Microsoft 365 Roadmap | Microsoft 365)
- 上記以外は 2023年の秋中にロールアウトが始まる予定
これまでもニュースやページはメールで送信できましたが、あくまでもタイトル画像と本文の最初のみであり、基本的にはリンクを送っていたにすぎません。しかし、この機能はリンクではなく丸ごとメール送信します。そのため、メールを閲覧するだけで直接ポータルにアクセスすることなく社内からのお知らせなどをすべて確認できます。ニュースは従来通り、ニュースとして SharePoint に蓄積されていくため、SharePoint 側で過去のニュースをさかのぼって検索することもできます。中途入社などの場合でも、入社前の過去のお知らせを自分で検索し確認できるのはメリットと言えるでしょう。
(とはいえ、ファイルのリンクなどがある場合は SharePoint 側のリンクをクリックする必要があり、ファイルの内容をメーラー側でプレビューするような機能はありません)。
他にも組織によっては、ライセンス管理の関係から必ずしも全社員がSharePoint を利用できる Microsoft 365 のライセンスを持っていないが、社内からのお知らせだけはポータルに掲示するだけではなく、メールで送りたいというようなニーズもあります。こうした場合、これまでは何とかプログラムコードを書くなどして対応することもあったようですが今回機能を使えば、こうしたニーズにもこ応えられる可能性があります。
メール用のニューステンプレート
ニュースを作成するときに新しくメール用のニューステンプレートが用意されます。これは日本語だと「メール用に作られました」と書かれており、英語だと「Made for email」と表記されます。テンプレートにメールのアイコンがあるので区別しやすいでしょう。タブも2つ用意され、マイクロソフトが作ったもの (From Microsoft) とサイト内で独自に作ったもの (Saved on this site) とで、テンプレートが分かれるようになります。
このテンプレートから作成するニュースは、利用できる Webパーツが限定的です。メーラーでも閲覧できるように、対応できるWebパーツが厳選されています。利用できるWebパーツは次の通りです。
- クイックリンク
- スペーサー
- テキスト
- ファイルとメディア
- ボタン
- ユーザー
- リンク
- 画像
- 分割バー
※リストWebパーツやカウントダウン、地図、天気などの Web パーツは利用できません。とはいえ、実際にニュースを使っている組織ではページの75%は文字と画像で構成したシンプルなものになっているとのことで、基本的な伝達はこれで上記のWebパーツで十分に賄えると思います。
ちなみに、セクションは通常通り使えます。基本的には上部の左から右へと順にメール用に配置されることになります。どのように表示されるかは、プレビューして確認しておくようにしましょう。ただし、折り畳みオプションはメーラーでは再現されず、そのまま展開されて表示されます。そのため、このオプションは利用しない方がよさそうです。
メール送信
ページをメール送信する前に、Preview が用意されているためこれで送信後の画面を確認できます。また、通常の「ニュース投稿」ボタンが「Post and sent」(投稿と送信)に変わります。これをクリックすると、メール送信用の画面が表示されます。
詳しくはビデオでどうぞ(2023年9月3日時点)。
送信先と社外への送信
送信先は、あくまでもサイトに閲覧アクセス許可レベル以上を持たせてあるユーザーが対象です。これ以外には送信できません。アクセス権のないユーザーを選択すると送信メニューがグレーアウトしてしまいます。
ただ、サイトが社外共有できるように構成されていて、ゲストユーザーを追加している場合はその人にもメールを送信できます。試しに自分の Gmail アカウントをゲストとして追加してメール送信してみましたが、問題なく送信できました。
新しい共有メニュー
現在、ページでは新しい共有メニューもロールアウト中です。従来の[送信]メニューはなくなり、[共有]メニューに変わります。ここからメール送信もできるようになります。
なぜ、メール送信なのか?
SharePoint, Microsoft Teams や Viva Engage などを利用するようになり、メールの量を削減しようという話は多くの組織でも話題に上がっていたと思います。そのため、今回の新機能は、メールの利用を改めて推し進めていこうという意図ではないとMicrosoft は話しています。あくまでも、"「場」を選ばず、いつでもどんな環境にあっても役立つ情報をいかに届けられるか" という観点を重視した結果であり、メールしか見られない状況があったときにも素早く情報を得られるようにするために選択肢を広げるというのが、この新機能の意図だということです。
今後の機能の追加予定など
これから数か月の間にさらなる機能が追加される予定だそうです。これから追加される予定の機能やよくある質問などが Microsoft 365 & Power Platform Community の録画で見ることができるので、下記の YouTube も是非確認してみてください。
🎦 Introducing new SharePoint news for email feature
[参考]
Introducing new SharePoint news for email feature - Microsoft Community Hub
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