Microsoft Lists (SharePoint リストも同様) に新しく「スキーマ付きCSVにエクスポート」というオプションが増えます。
さて、これまでのCSVとは何が違うのか。従来はデータのみをエクスポートしていたわけですが、この新しいオプションでは次の情報もエクスポートできます。
- カスタムの書式
- 選択肢のピル書式
- リッチテキストベースの編集
- 人のデータ (ユーザーとグループ例)
要するにリストをより手軽に複製しやすくなるということです。リスト作成は既存のリストから作成する機能もありますが、この場合はデータはコピーされません。CSVにエクスポートしてインポートする方法であれば、データも含め初回リスト作成時にデータインポートができるわけですが、これまでは書式などは持っていくことができませんでした。
この機能のロールアウトスケジュールは次の通りです。
対象リリース | 2023年8月下旬~9月上旬 |
標準リリース | 2023年9月中旬~9月下旬 |
ちなみに、従来の CSVにエクスポートする機能も次の若干のアップデートがあります。
- はい/いいえ 列はこれまでのYes/No ではなく、True/False としてエクスポートされる
CSVファイルの内容確認
実際にエクスポートしたCSVファイルを確認しみましょう。従来通りのCSVファイルだと次の通りです。
続いて、スキーマ付きのCSVを確認してみましょう。
最初に ListSchema={リストのスキーマ情報} が追加されるようになります (このスキーマ情報は SharePoint では昔から利用されている CAMLという言語によりXML形式で書かれています)。
このリストでは、ユーザーとグループ列がありますが、従来だと表示名のみしかエクスポートしなかったものが、主要なメールアドレスをエクスポートするように変わります。また、日付形式も標準化された Universal DateTime 形式になっています。この例では先頭の「返却日」列が該当していて、単なる CSV へのエクスポートでは “2020/10/16 16:20” となっているのが、"2020-10-16T07:20:00Z" となっているのがわかります。ちなみに、この対応は「日付と時刻」の列で「時刻を含む」ように設定している場合であり、日付のみの場合は該当しません。さらに、先ほど触れたように “はい/いいえ” 列は従来の YES/NO ではなく、TRUE/FALSE に変わります。
インポートを試す
ではこのCSV ファイルをインポートしリストを新規に作成してみましょう。
※誤解している方も多いようですが、CSVファイルからのデータのインポートはリストを新規に作成するときにのみ利用できます。
元となるリストは次のようなリストです。日付と時刻、選択肢、はい/いいえ、複数行(リッチテキスト)の列を用意しています。画像列も用意していますが、画像列はデータ自体のエクスポートとインポートはできません(画像ファイル名を文字列として渡すだけ)。
リストを新規に作成する際に、「CSVから」を選択します。
次の図に示すように、従来のCSVからのインポートではほとんどの列が既定では1行テキストとなっていました。元の列の情報をもっていないためです。
ですが、スキーマ付きのCSVファイルを使うと、次の図に示すように、列の種類などの情報も保持されており、列の種類も元のままとなります。ただ、画像などスキーマ付きのエクスポートをサポートしていない列は1行テキストのままです。
インポートを行うと、列の書式や複数行テキストのリッチテキストもそのまま複製されていることがわかります。
なお、インポートすると現時点では field_0 という謎の列が追加されます。編集などもできないため非表示にしておくようにしましょう。
こちらの記事とても役に立ちました。ありがとうございます。