2024年8月

2024年8月31日 (土)

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Microsoft 365 ユーザーは、Outlook on the web と Outlook for Windows で音声入力によるメール作成機能が利用できるようになりました。Word にはすでにディクテーション機能がありますが、似た使い勝手になっています。ちなみに、この機能は Microsoft Azure Speech Services を利用しています。

Improved user experience for Dictate in new Outlook for Windows and Outlook for the web (microsoft.com)

50以上の言語をサポートしており、日本語もサポートされています(プレビューではありません)。本文にカーソルを挿入した状態でコマンドバーから「ディクテーション」にアクセスすることで音声入力を開始できます。

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ディクテーションはすぐに始まりますが、設定を変更したい場合は歯車のアイコンをクリックします。20240831_111501_2

入力言語ははじめは英語になっているので、表に応じて「日本語」に変更するようにしましょう。20240831_102945

他にもオプションとしてマイク デバイスの変更や句読点の自動挿入の有効化、不適切な語句をフィルター(既定でオン) などがあります。

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このように音声入力ができるようになると思考を止めることなく書き留めていけるのは魅力的ですね。もちろん、話し言葉と書き言葉は違うので後から修正する必要性はでてきます。そのあたりは Copilot for Microsoft 365 があれば AI を使って修正などもできるので、こうした組み合わせができると非常に効率的だと思います。

なお、音声入力を使う場合は、より正確な音声認識をするためにヘッドセットを用意することが推奨されています。

ちなみに、プライバシーの観点から入力された音声データをMicrosoft が蓄積することないとのことです。

2024年8月28日 (水)

2024年8月より、Microsoft Lists (& SharePoint リスト) で、アイテムの並び替えをドラッグ&ドロップで行える新機能がロールアウトされてきています。標準ビューはもちろん、グリッドビュー、グループ化、ボードビュー、ギャラリービューでも利用できます。

Introducing Drag and Drop to Reorder Items in Microsoft Lists - Microsoft Community Hub

ドラッグ アンド ドロップしてリスト アイテムを並べ替える - Microsoft サポート

ドラッグ&ドロップするためのビューの設定

ドラッグ&ドロップによる並び替えを行うためにビューのオプションを切り替える必要があります。ビューの並び替えオプションに新たに[順序の設定]が追加されています。これを選択しているときにドラッグ&ドロップによる並び替えができます。

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つまり、従来の列ごとの並び替えオプションとは別になるということです。併用はできません。たとえば、[順序の設定]をオンにした状態でドラッグ&ドロップで並び替えたとします。この並び替え状態は保持されます。そのため「ステータス」列での並び替えを選択した後、再び「順序の設定」をクリックすると先ほどのドラッグ&ドロップで並び替えた状態に戻ります。

「元に戻す/やり直し」機能

ドラッグ&ドロップを利用する場合は、「元に戻す」および「やり直し」ボタンは利用できません。そのため、元の状態に戻すには自分で元の並び順に戻す必要があります。

アイテムの更新トリガー

アイテムを並び替えると「アイテムの更新」がトリガーされます。そのため Power Automate フローや自動化処理、アラートなどアイテムの更新に紐づいているものがアクティブ化される可能性があります。

キーボード操作およびスクリーンリーダーの利用者

キーボードやスクリーンリーダーを利用している場合は、上へ/下へ移動するための機能を実装しています。

アイテムを1つ選択して[その他]から実行できます。ただし、複数アイテムを選択している場合は[上へ移動]または[下へ移動]メニューは表示されません(マウスを利用する場合は複数アイテムのドラッグ&ドロップは可能)。

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MyAnalytics(フル) または Viva Insights サブスクリプションを持つユーザーは自分が組織内のユーザーに対して送信したメールの開封率や読むのにかかった時間などを分析できるようになっています。Web版およびWindows版のOutlookのどちらでも利用できます。

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5名以上の組織内のユーザーに対して送信したメールを開くと、メールを開いた受信者の割合が表示されます。添付ファイルがある場合は、添付ファイルの表示されるのは開封率です。

[その他の分析情報を表示]をクリックすると次の情報が確認できます。

  • メールを開いたユーザー数の割合
  • メール転送したユーザー数
  • メールの読み取りに費やした時間の平均

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メールの開封率はメール送信後およそ30分以内に経過すると確認できるようになるようです。

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有効期限

メールおよび添付ファイルの開封率の確認ができるのはメール送信後14日以内(2週間)です。これを超えると表示されません。

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メールの既読率とドキュメントの開封率

1人が5人以上のユーザーに送信するメールのメールメッセージを開いた受信者の割合を追跡するようになっています。ただし、5人未満のユーザーに対して送信したメールに関しては読み取り率の追跡はしません。プライバシー維持のためだということです。そのため、Viva Insights では 0% や 100% という表示はしません。これを表示するということは誰がアクションしたかがわかってしまうためです。その代わりメールの受信者数をもとにした閾値が用意されておりこの範囲に基づいて割合が表示されます。

この指標はメールが開封済みとしてマークされるときに、Outlook の個人設定に基づいて計算されるようになっています。Outlookがメールを「既読」にすると、その情報はその人のメールボックスに保存され、そのユーザーがViva Insightsの使用をオプトインしている場合は、送信者のメールボックスに配信されます。

Viva Insights は、5 人以上に送信されたメールでは、メール内のリンクまたは添付ファイルとして共有されたドキュメントを開いた受信者の割合を追跡します。この指標の計算は、受信者がSharePointまたはOneDrive for Businessに保存されている共有ドキュメントを開いたかどうかに基づいています。

ということで、以上の内容が下記に書かれているものをかいつまんで書いておきましたが当然、公式情報もご確認ください。

管理者向けの Viva Insights プライバシー ガイドの個人的な分析情報 | Microsoft Learn

SharePoint ニュースのメール配信との関係

ちなみに、この機能はニュースを丸ごとメールで配信するときにも利用できるようになっています。ニュースをメール配信するときには、公開し多ユーザーの Outlook 経由でメールが送信されます。そのため送信済みフォルダーから自分が配信したメールをトラッキングできるわけです。SharePoint側でもページの利用状況レポートをページごとに見ることができるますが、メールで丸ごと送信した場合も利用状況レポートにメール経由のものも含めて統計としてカウントされます。この場合は、最大90日間、分析情報が確認できます。分析データとしては、次の4つの項目です。

  • ページの閲覧者
  • ページビュー
  • ユーザー当たりの平均時間
  • 時間別のページトラフィック

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メールの開封率はページの分析にはありません。自分がメールで配信したニュースをどの程度の開封率でみてくれているのかは、Outlookを利用する方がよさそうです。ただし、14日以内に限ります。さらに、メール経由、ページ経由などどの伝達チャネルを使って閲覧するユーザーが多いかを確認したけれぱ、Viva Amplify を使うほうが適しているといえます。

SharePoint Technical Notes : Viva Amplify: お知らせを Outlook, SharePoint, Teams に一括配信しよう! (lekumo.biz)

参考

2024年8月27日 (火)

PowerPoint には以前から「デザイン アイディア」機能が搭載されており、スライドのタイトルや内容をベースに適したデザインをAIが提案してくれます。これと類似する機能が SharePoint ページ(ニュースも含む) にも「デザイン アイディア」として追加されます。

Introducing SharePoint design ideas - Microsoft Community Hub

この機能により、現在編集中のWebパーツおよびセクション内のテキストやWebパーツのコンテンツをもとにレイアウト、背景、書式、画像Webパーツを提案してくれます。次の画像はバナーWebパーツです。これもタイトルに応じて画像を提案してくれます。ただ、ストック画像内のものを探してくるため、生成AIが画像を作ってくれるわけではありません。また日本的な画像は比較的少ないので、必ずしも目的のイメージに近いものとは限りません。たとえば、「防災」とタイトルに入力したとしても日本人が考えるような防災グッズなどの画像イメージは残念ながら現時点ではなかったりします。それでも自分でストック画像から画像を探すことを考えると、はるかに素早くコンテンツを見つけられます。

ちなみに、英語でなくとも日本語も対応していますが、試すと英語の方が認識しやすいときもあるようです。たとえば、「さそり座」と入力しても星に関する画像は提案してくれませんでしたが、「Scorpius」と入力すると星にまつわる画像を提案してくれました。この辺りはだんだんと改善されていくといいですね。

20240827_190806_2 デザイン アイディアにアクセスするには画面右端の✨した星のようなアイコンをクリックします。ちなみに、この部分はデザイン アイディア コンテンツ ペイン ピボットと呼ぶようです。デザイン アイディアが利用できるセクションや Webパーツで現在作業していると、このアイコンの右上に赤いが表示されます。

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現在、初期リリースとして次の条件を満たすセクション内のコンテンツのみ対応しています。

  • 1つのバナーWebパーツ
  • 3つまでのテキストWebパーツ
  • 3つまでのテキストと画像Webパーツ
  • 1つの空のテキスト Webパーツ

次のスクリーンショットはセクション内に空のテキストWebパーツが1つ追加されている状態です。サンプルコンテンツとともにデザインアイディアとして背景色やフォント、色などが提案されます。

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また次のスクリーンショットのセクションでは画像Webパーツが1つとテキストWebパーツを配置しています。

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ですから、ニュースWebパーツやリンクWebパーツ、Stream Webパーツ、ファイルとメディア Webパーツなどを配置している場合はデザインアイディアを提案してくれません。次の図ではセクション内にテキストWebパーツとリンクWebパーツを配置しています。この場合デザイン アイディアは空です。

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今後のアップデート

現時点ではいくつか製薬はあるものの、今後まだ追加機能が出でてくる予定であるようです。たとえば、新しいWebパーツに対応した追加機能と機能やWordドキュメントをコピーした場合などのように長いテキストに対するコンテンツ更新の提案などもしてくれるようになるとのこと。

今後のアップデート情報にぜひ注目しておきましょう。

ロールアウト

この機能のロールアウト予定は次の通りです。

  • 2024年8月~9月末まで

テキスト Web パーツで行間を指定できるようになりました。コマンドバーに新たに追加された「Line spacing」で行間を細かく指定できます。既定では 1.3px となっており、1.0~2.4までの間で指定できます。20240827_112226

また、段落単位での行間も指定できるようになりました。それが Add space beforeAdd space after です。たとえば、改行する際にこれまで行間を開けるために2回改行していましたが、これをすることなく段落の行頭にカーソルを挿入した状態でLine spacing の Add space before (前に行間を追加) を指定すると、行の前に行間を追加できます。

動作についてはXに公開しているビデオで確認してみてください。

これに伴い、コマンドバーの段落スタイルにも「No spacing」が追加されています。

 

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