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2022年2月19日 (土)

長期間の承認フロー

Power Automate にはフローの実行継続期間があり、フロー開始されてから30日となっています。

Duration and retention limits

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承認フローのようなフロー完了までに長期間にかかるようなものは、この制限に引っかかってしまうことがあります。そこでマイクロソフトは承認の情報を Microsoft Dataverse に格納することを勧めています。下記の記事は2019年のもので現在ステータスがアーカイブになっていますが参考にはなります。

Long-lived approvals and flows on Common Data Service

かいつまむと 承認 コネクターの 「承認の作成」アクションを使うことで、フローを作成した環境に既定で用意されている Microsoft Dataverse に承認が格納されるとのこと。これをうまく使えば長期実行できるよ、という話です。

そこでたどり着くのが Power Automate Community の「Build long-running Approval Flows」というブログ記事です。これを一通り試せば、おおよそどんなことをすべきかわかるかなと思ったのですが、如何せん、記事が書かれたのが2019年で Dataverse にもなっていない頃です。今のフローで作成してようとすると結構躓きどころが多い。

ということで、2022年2月現在でフローを作り直すとどうなるかをここに書き記しておきます。フローは2つを組み合わせていきます。大まかなイメージは次の通り。

2段階フロー

1つ目のフロー

こは次のように作成します。ポイントは「承認」コネクターの「承認を作成」を使うことですね。

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2つ目のフロー

これには Dataverse のコネクターを使っています。これはプレミアム コネクターであるため有料プランなどが必要ですね。そのためインターネット上にはこのコネクターを使わずにうまくタイムアウトを処理するロジックを構築している例が複数見つかるので、気になる方は探してみてください。

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最初に追加しているのが Dataverse の「行が追加、変更または削除された場合」トリガーです。「種類の変更」は "更新" を指定し、テーブルは Approvals を指定します。

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次に「IDで行を取得する」アクションを追加します。これは承認を依頼したユーザーを特定するために使用しています。

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条件分岐は「行が追加、変更、または削除された場合」トリガーの「Result」を使って、承認されたかどうかを判定します。

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最後は承認または却下された時にメールを送信しています。送信先は「IDで行を取得する」で取得した申請者の「既定電子メール」を指定しています。「Title」は「行が追加、変更、または削除された場合」トリガーからの取得したものです。

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以上の2つのフローを保存したら動作検証しましょう。

検証結果

1つめのフローをテスト実行することで、Microsoft Teams の承認アプリに承認依頼が送られます。これで1つめのフローが実行されたことがわかります。

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これを承認することで無事にメールに結果が届きます。これで2つめのフローも実行されたことがわかります。

おまけ

このフローを構築することでわかったのが、承認コネクターで「承認を作成」することで Approvals という Dataverse のテーブルに承認が追加されることです。実際にビルトインのソリューションである「Microsoft Flow Approvals Core Solution」を見てみると Approval (複数形は Approvals, スキーマ名は msdyn_flow_approval ) テーブルにデータが追加されていることがわかります。

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2022年2月18日 (金)

Power Apps の研修を行っているときに、テーブルやコレクションの解説をします。理解を深めるために、その場で実際にコレクションを作成してから、これをドロップダウンリストやデータテーブル コントロール、ギャラリーコントロールに追加していくような実習をします。

ここで使うのが ThisItem 演算子です。演習をしながら解説するのですが、しっくりと理解できない方も少なくないようです。

そこでイメージをつかんでいただけるようにビデオを作成してみました! ぜひ、これを見てギャラリーコントロールと ThisItem 演算子の関係をイメージできるようになってくださいね。

2022年2月 5日 (土)

Microsoft 365 の組織全体設定として会社のロゴを設定できます。

Enterprise-Logo

私の会社では独自のロゴを指定しています。このロゴは単に表示するだけでなく、リンク先を任意に指定することも可能です。既定ではリンク先は Office.com ですが、私が管理するテナントでは SharePoint ホームサイトにアクセスできるようにURLを指定しています。

設定手順

その設定は組織全的の設定であるため、テナントの管理者がMicrosoft 365 管理センターから設定する必要があります。

まず[設定]>[組織設定]にアクセスし、[組織のプロファイル]タブをクリックします。

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次に[カスタム テーマ] をクリックします。

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ここではカスタム テーマを作成することもできますが、今回は「既定のテーマ」をクリックして編集します。

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※カスタム テーマの作成方法の詳細は下記の情報をさんしょうしてください。

組織のテーマをカスタマイズする - Microsoft 365 admin | Microsoft Docs

ロゴ タブをクリックすると、既定のロゴの設定ができるようになっています。

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既定のロゴ

既定のロゴは任意の画像のURLを指定するか直接アップロードできます。ただし、アップロードできるのは、既定のテーマを編集する場合だけです。

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URL を指定する場合は、HTTPS を使用する必要があります。また匿名アクセスを許可し、認証を必要としないものを利用します 。

アップロードする場合は10 KB 未満のロゴ 画像を指定しましょう。画像は、JPG、PNG、GIF、または SVG 形式のいずれかが利用できます。 SVG イメージの場合は、垂直方向に 24 ピクセルに収まるサイズに自動的に変更されます。 JPG、PNG、GIF 画像は、200 x 48 ピクセルに合わせて拡大縮小されますが、ロゴの縦横比は常に保持されます。

代替ロゴ

代替ロゴは Microsoft 365 でダークテーマを利用する際に使われます。代替ロゴはURLを指定する必要がありすまが、その他の要件は既定のロゴと同じです。

オンクリック リンク

ロゴをクリックしたときのリンク先です。指定しなければ既定では Officeホームページ (Office.com) が設定されます。このテナントでは SharePoint ホームサイトのURLを指定しています。

 

2022年9月21日追記

設定が反映されないというコメントをいただいたのですが、おそらく、Office 365 のテーマが影響しているのではないかと思います。組織のテーマを使わないとロゴが非表示になります。ちなみに、このテーマは基本的に個人設定となるのでご注意ください。

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2022年1月26日 (水)

昨年末に登壇させていただいた .NETラボ オンライン勉強会の録画が公開されていますので共有します。

内容は「Microsoft Search - Microsoft Graph connector と Search Federationの概要」についてです。30分ほどの内容です。他の方の登壇内容も非常に興味深いので、ぜひ、お時間のある時にご視聴ください。

録画

スライド

2021年7月16日 (金)

Microsoft Viva Insights (インサイト) は Microsoft Teams にインストールできるアプリの一つであり、自分の働き方を客観的にとらえるためのものです。ちなみに、この機能は現在パブリックプレビューとなっており、今年の秋に正式リリースを目指しているそうです。

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Viva Insights の画面 (現在 パブリック プレビュー)

このアプリの機能の一つにバーチャル コミュートがあります。これは仮想通勤と訳されますが、リモートワークになってから、仕事の終わり時間があいまいになるのをメリハリつけるための機能です。

設定画面は次の通りです。リマインダーをオンにして、リマインドする時間を指定します。

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では、実際にどのようなことをいざなってくれるのか、私の設定を例に確認してみましょう。

まず、指定した通知時間になると、アクティビティに「切り上げますか?」と通知されます。クリックすると次のような画面が表示されます。[始めましょう]をクリックします。

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「お疲れ様です! お仕事をやり終えると気分がいいですね」というメッセージとともに、Microsoft To Do に登録している「タスク」の進捗確認画面が表示されました。資料は作り終えていたので、気分よく[完了]をクリックして、[次へ]。

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次に翌日のスケジュールの確認です。翌日は定期開催の研修の実施があったので、それが表示されていますね。確認をして再び[次へ]。

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次は1日を振り返ります。今日の気持ちを選択し、自分の心身の状態を客観視します。自分の感情に近い顔を選んで[次へ]。

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最後に、ビデオの音のタイミングに合わせて1分ほど深呼吸します。[次へ]。

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これで完了です。あとは、仕事以外の時間を楽しみましょう。

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在宅ワークしている方には、なかなか、良い機能だと思います。

とはいえ、実際には、家族と暮らしていてまだ手のかかる子供がいたりすると、犬のお散歩はもちろん、ランドセルの中身の確認(配布物の確認)とか、宿題の丸つけとか音読とか、子供の習い事の送り迎えだとか、晩御飯の買い物だ準備だ、お風呂だとばたばたなので、ゆっくりと深呼吸して終わりというような優雅な終わり方はできないのですが(そもそも「ママー、何してるの? そうそう、学校でね~」とマシンガントークがさく裂するし)、それでも家族が寝静まる夜中まで仕事をしているときには深呼吸で終わることができたので、ちょっとリラックスできたように思います。

えっ、参考にならない? (笑)

ですが、しっかりと1日を振り返る余裕をもって仕事にのぞめる日が増えるように意識するきっかけにはなりそうです。

皆さんもぜひ、活用してみてくださいね♪