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2023年10月 4日 (水)

2023年10月3日(米国時間)付で OneDrive 3.0 の発表がありました。詳しくは下記のページとページ内のビデオを参照してください。

Unveiling the Next Generation of OneDrive - Microsoft Community Hub

ただ上記ではすでに利用できている新機能も改めて紹介されていることもあり、このブログでは、私が個人的に興味をもったポイントのみをかいつまんでおこうと思います。簡単な要約なら Bing Chat や ChatGPTでもできますしね。

ちなみに、OneDrive には無料で利用できる個人用(office.com)と組織向けの有償で利用する OneDrive for Business とがありますが、OneDrive for Business が中心です。あと、Windows エクスプローラからアクセスできる OneDrive はあくまでも Windows に搭載されているOneDrive同期アプリが同期したファイルやライブラリであり、実態はWeb上の OneDrive です。基本には公式の資料等で OneDrive と言えば本体 (Web版) のことです。

OneDrive の変遷

OneDrive は今、3世代目へと突入していっています。これまでの世代で掲げてきた目標は以下の通り。

  • OneDrive 1.0 - どこからでもどのデバイスからでもファイルを保存しアクセスできる
  • OneDrive 2.0 - 同期、共有とシームレスでセキュアなコラボレーション

そして、時代は OneDrive 3.0 へ。

3世代目に移行するにあたり、上記のJeff Teper 氏の話では現状を取り巻く環境について説明されています。現在、 OneDrive には、日々 20億近くのファイルが追加されているそうです。

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 Microsoft 365 のファイル管理の中核(プラットフォーム) は引き続き SharePoint です。セキュリティ、コンプライアンス、ガバナンス、コラボレーションの基盤です。この点は変わらないので、しっかり把握しておいてください。

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そしていよいよい OneDrive は3.0 世代へと突入していきます。

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ここまでのJeff Teper 氏の話から私なりのまとめと考察を加えてみましょう。

現在、私たちを取り巻く環境ではローカルPCだメールだ、Teams だとあちこちにファイルが散らばっています。しかもファイルの量は、数年前と比較しても格段に、しかも膨大に増えていっている。そんな中、IT担当者はセキュリティやコンプライアンスを確保していかなければいけない現状があります。こうした困難を解決していくには、ユーザーにとっては自分が必要な情報を1か所から素早くアクセスできるような仕組みが必要で、そこの部分を OneDrive に担わせるということでしょう。AIの力も借りながら。

SharePoint はあくまでも共有のファイル置き場であり、どうしても最大公約数的な見せ方になります。必ずしも自分が欲しいファイルが決まった場所にあるとは限らない。欲しいファイルは人ごとに異なる。となれば、OneDrive 側でユーザーごとの切り口でファイルのリンクを集める方が理にかなっている。そういうことでしょう。

余談ですが、従来のファイルの形式でなく、Notion や Microsoft Loop のような形式で情報を整理したいという声もあるようです。ですが、Microsoft 365 の Loop に関しては、結局、作成されるのは .loop という拡張子のファイルであるため、Word, Excel, PowerPoint などのファイル群と結果的には変わりません。そうすることで、既存のセキュリティやコンプライアンスの仕組みも流用できる利点があります。

そして今回の発表の目玉はやはり "Copilot in OneDrive" でしょう!

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ここからは、上記のビデオから個人的に面白いと思った機能を私の所感とともに取り上げてみます。

お気に入り機能の進化

OneDrive ではファイルやフォルダーにお気に入りを設定できるようになっています。Webブラウザーのブックマークのような機能ですね(ちなみに、SharePoint ページの「後で見る」をクリックしたページもここに入ります。Web版の OneDrive の話ですが)。この「お気に入り」が OneDrive だけでなく、モバイル版の OneDrive, Teams, Windows エクスプローラーとも同期されるようになります。それこそどこからでも自分が必要なファイルにアクセスしやすくなります。

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SharePoint サイトのコンテンツのショートカットを手軽に追加できる 

SharePoint サイトのライブラリにあるファイルのお気に入り(星アイコン)をクリックすると、お気に入りに追加されますが、それだけでなく、ショートカットを OneDrive の任意のフォルダーに追加できるようになります。ひとが作成したフォルダー構成は必ずしも自分にとって使いやすいとは限りません。OneDrive には好きなようにフォルダー構成を作り、そこにショートカットをためていくことで自分オリジナルの階層も作成できるわけです。

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メディアビューの追加!

あちこちから要望が上がっていたようですね。写真やビデオだけを表示する「メディア」ビューが追加されるそうです!! 個人的にもこれは欲しかった。

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OneDrive の新規追加メニューからテンプレートを選択できる

OneDriveの新規追加メニューをクリックすることで、各アプリのテンプレートをプレビューしながら適切なものを選んで新たなファイルを作り始めることができるようになります。個人的にはこれは良いなぁと思っているんですが、日本の組織の場合は、誰かが作成したファイルをコピーしてアレンジしていくことが多いようで一からファイルを作ることが意外と少ないようです。ならば、独自のテンプレートを作って追加できればいいとも思いますが、それはそれでテンプレートのメンテナンスを誰がやるのかとういう問題がでたり。それでも新規にファイルを作ることの多い人は重宝するのではないかと思います(日本語フォントに適したテンプレートがもっと増えるといいんですけどね)。

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オフライン編集 (Files On-Demand for Web)

OneDrive に同期しているライブラリやフォルダーであることが前提ですが、これから出かけるよというような場合に、ファイル単位で一時的にオフラインで編集したいと思うことはあったのですがこれができるようになります! Web版の OneDrive 上から Windows エクスプローラーに移動することなく、直接オフラインで利用できるのが利点。 

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パフォーマンスの改善

OneDrive の起動速度、スクロール速度、並び替え速度などが2倍以上速くなります。写真などファイルの数が多くなるとスクロールが重いなぁと思ことはよくあったので、これも嬉しい機能ですね。

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Windows エクスプローラーでも OneDrive Home が!

Windows エクスプローラーの Home ではOneDriveと同様に AI がユーザーごとにお勧めしてくれるファイル群が上部に表示されるようになり、お気に入りや最近使ったファイルなどが表示されるようになります。ファイルを選択すると右側にプレビュー、アクティビティ関連するファイルが表示されます。ちなみに、手元のWindows 11 (22H2) で確認したら、ほぼこうなっていますね。20231004_113326

 管理面

これは、Microsoft Syntex Advanced Managment のライセンスを持っておきましょうという話につきますね。

  • SharePoint 管理センターで「コラボレーションインサイト」レポートを確認できる (コラポレーションの状況を俯瞰できる)。またユーザーごとにどのくらいの数のファイルを外部などに共有しているかわかる
  • 特定のユーザーの OneDrive へのアクセスに MFA を必須とするなどの「詳細な条件付きアクセスポリシー」を適用できる
  • OneDrive でも「制限付きアクセス」を適用することで、コンテンツの過剰共有を低減する

など。

写真の検索

これは個人向けの OneDrive の話になりますが、写真を検索できるようになります。セマンティクインデックスを作成するようになっており、自然言語で検索できます。つまり、文脈で画像を探しに行ってくれる。タグ付けなど特にしなくても。まずはプレビューだそうですが、今日から使えるとのこと。写真が趣味で、膨大な量の写真を個人の OneDrive に格納しているんですが、探すのに一苦労だったのでこれは助かります。あとで、日本語でどの程度、検索できるのかを試してみないと。

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Copilot in OneDrive

ようやく目玉の機能、Copilot ですね。検索ボックスに自然言語で欲しいファイルを説明すれば、合致するものを見つけてきてくれます。

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選択したファイルを要約してくれと言えば、要約してくれます(ここは想定内)。

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凄いのは、ユーザーの意図をくみ取ってくれるということ。たとえば、ファイルをフォルダーにまとめるよう依頼する。

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すると関連するファイルも探してきてくれてフォルダーに追加しないかと提案してくれる。提案されるファイル群は 自身の OneDrive 内だけでなく、SharePoint などからも。これらのファイルはショートカットを追加することになる。こういうのは、AI ならではですね。

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しかも、フォルダーを共有するときにも Copilot がそばで支援してくれる!

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さらには、見逃したかもしれない OneDrive 内の更新情報をピックアップしてくれる。これで終わりではなく、次のステップをそれぞれ提案してくれているのが凄い。PowerPoint なんか、「内容をみて、返事を作成する」んですからね。。。

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この Copilot in OneDrive ですが、利用するには Microsoft 365 Copilot のライセンスが必要であり、12月までに利用できるようになるそうです! 

と、ここまでがビデオの内容をもとにした話です。

最初に紹介したリンク先では、さらに多くの情報が公開されています。

たとえば、Teams や Outlook に OneDrive アプリが追加されます。Teams はファイルアプリが 新しいOneDrive アブリになっています。こちらは新しい Teams アプリではすでに利用できる。Outlook への追加はこれからのようですね。

ファイル管理の在り方が、少しずつ変わってきている過渡期ですが、個人的には従来から抱えている各種の課題を超えるべく、新たなファイル管理のありようを追求して行きたいと思っています。

2023年9月 1日 (金)

Microsoft Lists (SharePoint リストも同様) に新しく「スキーマ付きCSVにエクスポート」というオプションが増えます。

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さて、これまでのCSVとは何が違うのか。従来はデータのみをエクスポートしていたわけですが、この新しいオプションでは次の情報もエクスポートできます。

  • カスタムの書式
  • 選択肢のピル書式
  • リッチテキストベースの編集
  • 人のデータ (ユーザーとグループ例)

要するにリストをより手軽に複製しやすくなるということです。リスト作成は既存のリストから作成する機能もありますが、この場合はデータはコピーされません。CSVにエクスポートしてインポートする方法であれば、データも含め初回リスト作成時にデータインポートができるわけですが、これまでは書式などは持っていくことができませんでした。


この機能のロールアウトスケジュールは次の通りです。

対象リリース 2023年8月下旬~9月上旬
標準リリース 2023年9月中旬~9月下旬

ちなみに、従来の CSVにエクスポートする機能も次の若干のアップデートがあります

  • はい/いいえ 列はこれまでのYes/No ではなく、True/False としてエクスポートされる

CSVファイルの内容確認

実際にエクスポートしたCSVファイルを確認しみましょう。従来通りのCSVファイルだと次の通りです。

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続いて、スキーマ付きのCSVを確認してみましょう。

最初に ListSchema={リストのスキーマ情報} が追加されるようになります (このスキーマ情報は SharePoint では昔から利用されている CAMLという言語によりXML形式で書かれています)。

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このリストでは、ユーザーとグループ列がありますが、従来だと表示名のみしかエクスポートしなかったものが、主要なメールアドレスをエクスポートするように変わります。また、日付形式も標準化された Universal DateTime 形式になっています。この例では先頭の「返却日」列が該当していて、単なる CSV へのエクスポートでは “2020/10/16 16:20” となっているのが、"2020-10-16T07:20:00Z" となっているのがわかります。ちなみに、この対応は「日付と時刻」の列で「時刻を含む」ように設定している場合であり、日付のみの場合は該当しません。さらに、先ほど触れたように “はい/いいえ” 列は従来の YES/NO ではなく、TRUE/FALSE に変わります。

インポートを試す

ではこのCSV ファイルをインポートしリストを新規に作成してみましょう。

※誤解している方も多いようですが、CSVファイルからのデータのインポートはリストを新規に作成するときにのみ利用できます。

元となるリストは次のようなリストです。日付と時刻、選択肢、はい/いいえ、複数行(リッチテキスト)の列を用意しています。画像列も用意していますが、画像列はデータ自体のエクスポートとインポートはできません(画像ファイル名を文字列として渡すだけ)。

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リストを新規に作成する際に、「CSVから」を選択します。

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次の図に示すように、従来のCSVからのインポートではほとんどの列が既定では1行テキストとなっていました。元の列の情報をもっていないためです。

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ですが、スキーマ付きのCSVファイルを使うと、次の図に示すように、列の種類などの情報も保持されており、列の種類も元のままとなります。ただ、画像などスキーマ付きのエクスポートをサポートしていない列は1行テキストのままです。

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インポートを行うと、列の書式や複数行テキストのリッチテキストもそのまま複製されていることがわかります。

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なお、インポートすると現時点では field_0 という謎の列が追加されます。編集などもできないため非表示にしておくようにしましょう。

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2023年8月16日 (水)

Power Apps や Power Automate などでコンテンツの翻訳を行うには手軽に利用できるのが Microsoft Translator コネクターです。

Microsoft Translator の初期バージョンはすでに廃止になっており、2023年8月現在は Microsoft Translator V2 が主流ですが、Microsoft Translator V3 がプレビューとして登場しています。

ドキュメントでアクション一覧を確認してみると、V2では3つのアクションのみが提供されており、単純に文字列を翻訳するだけでした。

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これに対してV3ではドキュメント自体を翻訳できるようになるようです。アクション数も格段に増えています。

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2023年8月 5日 (土)

ビデオ編集ソフトである Clipchamp (クリップチャンプ)は、遡ると2021年9月にマイクロソフト社に買さ収され、そのときに 将来的にMicrosoft 365 のラインナップに加わるというアナウンスは当時からされてきていました。

🔗 クリエイターの力となる Clipchamp が Microsoft の一員に

現時点(執筆時は2023年8月5日)では、個人利用アカウントである Microsoft アカウント(MSA: Microsoft Account)で無償の利用ができます。これがやっと Microsoft 365 の商用ライセンスのラインナップに追加されることになったのです! 正式に組織として利用できる。

このことはMicrosoft 365 管理センターのメッセージセンターに情報が届いていました。

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メッセージセンターの内容を踏まえて、以下に簡単にまとめておきます。

📌ロールアウト

2023年8月下旬から10月中旬まで 

📢対象

  • Microsoft 365 E3 / E5
  • Microsoft 365 Business Standard / Business Premium

🎞️動作環境

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  • Edge または Chrome ブラウザー上で動作。
  • OneDrive for Business と SharePoint ドキュメント ライブラリ上の新規および編集メニューから利用できる。
  • Office.com のアプリランチャーから Clipchamp アプリにアクセスできる
  • 組織としての追加設定は不要であり既定で有効化される

※Windows 10 / 11 では Windows 用のClipchampアプリが含まれているが、現時点では個人利用の Microsoft アカウントでのみ利用できる。そのため、必要に応じてWindowsアプリはグループポリシーエディターを使って無効化できる。

現在、Microsoft Stream には簡易ビデオ編集機能が用意されていますが、このフル機能が Clipchampでは使えるようになります。たとえば、OneDrive や SharePoint 上に保存されるビデオの編集や結合などができるほかに、テキストのオーバーレイ、スクリーンまたはWebカムなどでの録画なども可能。

Clipchamp の製品概要: 
Introducing Microsoft Clipchamp: Unlock the power of video at work | Microsoft 365 Blog

FAQ:
職場アカウントで Microsoft Clipchamp にアクセスする方法 - Microsoft サポート

FAQ を見ると現在すでに個人用で利用できる Clipchampですが、商用テナント向けに関しては最初のリリース時点では同等の機能がすべて商用製品に組み込まれるわけではないようです。

含まれない機能は次の通り。

  • ブランドキット
  • ストックビデオ
  • オーディオと画像
  • テキストの読み上げ
  • 自動キャプションまたは字幕
  • 高度なタイトルと注釈

Stream との関わりは?

組織アカウントで利用する Clipchampではエクスポートしたビデオは自動的に Stream (SharePoint) 上にアップロードされることになります。ですから、SharePoint または OneDrive for Business 上での再生については従来のビデオ再生と同じ挙動になるということですね。従来の機能に加えて既存のビデオの編集機能も加わるということ。

まとめ

ビデオ作成をよく行う方にとっては、手軽に使えるようになれば Clipchamp の利用は朗報ですね。あとは、SharePoint 側で新しい Stream 用のWebパーツが出てくれば、ビデオ専用ポータルが本当に手軽に作れそうです。

2023年7月26日 (水)

Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに届いた内容によると、表題通り Microsoft 365 ログインユーザーの顔写真の扱いが変わります。

ロールアウト期間は比較的長く 2023年8月中旬から2024年3月下旬まで です。

ふり返り

変更点を確認する前に、そもそも現時点で Microsoft 365 のログインユーザーの顔写真はどのように扱われているのかを確認しておきましょう。

SharePoint のプロファイル画像の保存先

SharePoint にアクセスすると右上に顔写真が表示されます。この情報は個人のプロファイル画像として管理されています。

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プロファイルは Delve から表示や編集ができますが、Delve をホストしているのは SharePoint です。元はプロファイル画像というのは個人用サイトのホストサイトコレクションに格納されるようになっています。このサイトは特殊でSPSMSITEHOST#0 テンプレートから作成されます。個人用サイト コレクションとは OneDrive for Business が利用するサイトコレクションのルートサイトコレクションに当たります。

では"ルート サイトコレクション" とは? これは、例えば、https://<ドメイン名>.sharepoint.com というURLがルートのサイトコレクションです。余談ですが、昔は Microsoft 365 テナントを契約すると既定でこのURL直下にチームサイトができていました。ですが現在は既定でコミュニケーションサイトが用意されるようになっています。通常はこれ以外にチームサイトやコミュニケーションサイトを別途、追加作成していくことになりますが、その際には管理パスといって "teams" や "sites" などの配下にサイトが作られるわけです。例えば、https://contoso.sharepoint.com/teams/team01 とか https://contoso.sharepoint.com/sites/contracts などです。

これらは最初から共有されることを前提にしたチームサイトやコミュニケーションサイトの話です。これとは別に OneDrive for Business に代表される個人利用を前提としたサイト群が存在します。これをホストするルートが個人用サイトのホストサイト(ルート)であり、https://<ホスト名>-my.sharepoint.com/ です。OneDrive for Business はログインユーザーごとのこのURLを共通に持つように各サイトコレクションが作られることになります。個人用のサイトをホストする場合の管理パスは "personal" と決まっています。ですから、例えば、adelev@officeidev.onmicrosoft.com というUPNを持つユーザーがいたとすると URLは https://officedev-my.sharepoint.com/personal/adelev_officeidev_onmicrosoft_com となります。最後の部分はユーザーのUPNから取得しているわけです。

ユーザーフォトライブラリ

さて、肝心の顔写真ですが、SharePoint 側のプロファイルに画像をアップロードするときの格納先はユーザーフォトライブラリです。これは、個人用サイトのホストサイトコレクションに作成されます。ライブラリ名は "User Photos (ユーザーの写真)"。この個人用サイトのホストサイトコレクションには https://<ホスト名>-my.sharepoint.com/のURLで直接アクセスしようとしても個人の OneDrive にリダイレクトされてしまいますが、例えば直接ライブラリのURLにアクセスすれば確認はできます。

https://<ドメイン名>-my.sharepoint.com/User%20Photos/Forms/AllItems.aspx

ここに Profile Pictures というフォルダーが作成されており、この中に各ユーザーの顔写真が3つのサイズで生成され保存されます。

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Exchange のメールボックス

さて、Microsoft 365 では画像の保存先は SharePoint 側で管理されるユーザープロファイルだけではありません。Exchange のライセンスがある場合は Exchange 側のメールボックスにもプロファイル画像が格納できるようになっています。

Exchagne 側での写真の追加・管理については下記のリンク先を参照してください。

この2つの場所にある画像を裏ではうまく同期しています。24時間に1回だけ Exchange Online と同期するようになっています。

同期プロセスの詳細については下記のサポート情報が参考になります。

今後の変更点

メッセージセンターの内容からの要約です。


現時点では Exchange のライセンスを持たない場合で、ユーザー自身がプロファイル画像を変更できるのはSharePointに古くから用意されているプロファイル編集画面からのみです。

https://<ドメイン名>-my.sharepoint.com/_layouts/15/editprofile.aspx

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これ以外は基本的には編集することができないため、管理者がEntra ID (旧Azure AD)側から画像をアップロードする必要があります。20230726_114241_2

すでに説明した通り Exchange のライセンスがあれば同期されるものの、ライセンスがないため画像がそれぞれ異なったままになってしまう。たとえば、SharePoint 側で連絡先カードを表示すると SharePoint側で管理されているプロファイル画像が表示されますが、右上のコーナー側の画像は異なります。

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この "ちぐはぐ" な状況を解消するために、今後 SharePoint 側は Microsoft People System (MPS)から MS Graph エンドポイント経由で取得した画像を表示するように変更されます。ちなみに、Exchange のライセンスを持っているユーザーについては機能的な変更はありません。

このアップデートにより、プロファイル画像の一貫性を保つために SharePoint 側からの画像アップロードを無効化され、MPS の一か所からのアップロードのみとなります。

先ほど紹介したSharePoint 側の昔からあるプロファイルの編集UIからはアップロードができなくなるとのこと。他にもパーソンイマーシブ UI から編集やアップロードができなくなるとメッセージには書かれているのですが、Person Imersive UIとは写真編集用のページで PersonImmersive.aspx というものがあったのですが、昔の話でこれ自体は今は利用できないはずなんですよね。この部分はあまり気にしなくていいようにも思います。

その代わり SharePoint のページ右上にある Universal Me コントロール を使って画像をアップロードすることを求められるようになるそうで Delve から写真のアイコンをクリックして変更もできるとのこと。 Universal Me コントロールとはSharePoint サイトにアクセスしたときに画面右上に表示される顔写真アイコンをクリックしたときに追加や変更できる画像コントロール部分のことを指しているようです。

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管理者にとっての注意点

この変更に伴い、SharePoint 管理センターからユーザーに代わって画像をアップロードすることができなくなります。

[SharePoint 管理センターのユーザープロファイルの編集画面]20230726_120553_2

そのため Microsoft 365 管理センターまたは Microsoft Entra ID 管理センターからプロファイル画像をアップロードするよう求められるとのこと。

結論

つまりは、SharePoint で長年ホストされてきた ユーザー フォト ライブラリは使われなくなるということですね。

その他の気になる点 (Power Platform)

この変更によって Power Apps や Power Automate 側から画像を参照するときの挙動がどう影響を受けるのか、または受けないように調整してくれるのか。この辺りは個人的に気になっています。


原文を載せておきます。

Share Point: User experience and Image Coherence in Share Point Online (SPO)

We are currently working to improve user experience by providing a coherent profile photo experience across Microsoft 365. This primarily impacts those users of SharePoint online (SPO) who neither have an exchange license or are using Delve for uploading images. This may also impact a small number of SPO admin who upload the user profile image on behalf of the end users.

When this will happen:

We will begin rolling out this change in mid-August 2023 and expect to complete by late March 2024.

How this affects your organization:

Currently, for users who do not have an Exchange License and have uploaded multiple different images across different apps in Microsoft 365, it is likely that SPO displays images uploaded locally in SPO which will be different from User Profile images in other Microsoft 365 apps.

To ensure that the same image is available across all Microsoft 365 experiences, going forward, SPO will display images sourced via MS Graph endpoint from Microsoft People System (MPS). This implies that the image uploaded via other apps in Microsoft 365 will take precedence and get displayed in SPO instead of the locally available image in SharePoint. There is no action required from users at this point.

For users with Exchange licenses there is no functional change.

To ensure profile coherence, we will disable local uploads from SPO to mysite host and instead enable centralized uploads to Microsoft People System (MPS).

What you can do to prepare:

For all users identified above: The profile image will no longer be edited/uploaded through SPO “Edit Profile UI” experience or through “Person Immersive” UI experiences. Instead, all such users would be requested to use the “Universal Me” control available on top right corner of the Share Point Home page for uploading images. Alternatively, they can also use Delve to upload profile images.

For SPO admins: Admins who upload the user profile image on behalf of the end users will no longer be able to upload images via SPO Admin Centre. Instead, all SPO admins will be requested to upload user profile images via MAC Admin Centre or AAD admin center.

We are providing an early heads-up to ensure our customers have sufficient time to adapt to upcoming changes as we will not be able to grant any extension for this change.