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2023年11月28日 (火)

Microsoft 365 の SharePoint では SharePoint アドイン (Add-in) がいよいよ廃止になります。

SharePoint 2013 以降のオンプレミスでのソリューション開発に SharePoint アドイン開発が登場しましたが、クラシックサイトの時代の話。そこからクラウド環境はめまぐるしく変化を遂げました。SharePointのモダンサイトが最初に登場したのが2016年で、ほぼ同時期である2017年に新たなSharePoint上でのソリューション開発手法としてSharePoint Framework が登場しました。これにより、モダンサイトでの開発が大きく変わりました。

それから今年ですでに6年あまり経過します。SharePoint アドインは SharePoint のクラシック時代の開発手法でありVisual Studio などを用いた開発でしたが、モダン時代では SharePoint Framework を使った開発手法が主流となり Visual Studio Code を使っています。TypeScript, React, Vue.js, SASS, Gulp, Yoeman などの一般的なフロントエンドWeb開発手法が利用できるようになったのも大きな変革でした。

さて、そんな状況下での SharePoint アドインの廃止です。

📅廃止日程 

  • 2024年6月1日以降…パブリック マーケットプレイスからのインストールができなくなる (プライベートなテナントカタログからは引き続きインストールは可能)
  • 2024年11月1日以降…新たに取得したテナントでは SharePoint アドインは機能しなくなる(パブリックマーケットプレイスおよびプライベートなテナントカタログ)
  • 2026年4月2日…既存テナントで完全に廃止

影響

公開マーケットプレイス(ストア)やテナント内のアプリカタログからのアドインの追加や更新などにも影響がでます。まず、2024年3月1日をもって、Microsoft はパブリックマーケット プレイス(ストア)への新しい SharePoint アドインの登録を受け付けなくなります。2024年7月1日以降はパブリックマーケット プレイス(ストア) から SharePoint アドインを取得できなくなります。2026年4月2日まではテナントのアプリカタログの使用はサポートされるため、サードパーティは引き続きSharePoint アドインを提供できます。

オンプレミスの SharePoint もパブリックマーケットプレイスから SharePoint アドインを取得している場合は、2026年4月2日以降はここから取得できなくなるので事前に備えておく必要があります。また Project Online の機能拡張に SharePoint アドインを使っていた場合も、このアドインは廃止されることになるそうです。

移行

独自の SharePoint ホスト型のアドインを使用している場合は SharePoint Framework Webパーツへの移行が推奨されていますが、プロバイダーホスト型のアドイン関しては Microsoft Entra ID 認証を使う SaaS アプリケーション プラットフォームを代替開発モデルとして使うことを検討する必要があります。

Microsoft は、Microsoft 365 アセスメントツールを提供しており、これを使ってテナントをスキャンできます。このツールの詳細は次のリンク先を参照してください。

SharePoint Add-In and Azure ACS Assessment | Microsoft 365 Assessment Tool (pnp.github.io)

SharePoint アドインのモダン化に関する資料は次の通りです。

Azure ACS も廃止

2013年から SharePoint アドインのプロバイダーホスト型アプリではAzure ACS (Access Control Services)を使い始めました。しかし、現在は最新の認証サービスである Entra ID を使う方向に移り変わることとなり、Azure ACS の利用が終了することになったようです。

SharePoint アドインの廃止と同様に、2024年11月1日をもって新規テナントでは Azure ACS の利用が停止されます。2026年4月2日をもって既存テナントでの利用が停止され、完全に廃止されることになります。

カスタム開発アプリケーションを使用している場合やプロバイダーホスト型の SharePoint アドインを使っているアプリは Entra IDを使用するように切り替えていく必要があります。

参考

2023年11月22日 (水)

Microsoft Ignite 2023 が先週開催されましたが、そこで SharePoint に関するアナウンスがいくつかありました。

Microsoft SharePoint at Microsoft Ignite 2023 The pre-event Guide

今回の Ignite ではやはり目玉は "Copilot" でした。そんな中、SharePoint は少し矛先が違っていたのです。完全に「コンテンツ管理」に特化した内容にしており、 Copilot ばかりが AI の使いどころではなくコンテンツ管理にも AI は利用できるんだという強いメッセージがありました。

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Microsoft SharePoint Premium 💎の発表

さて、まず押さえておかなければいけないのが SharePoint Premium の発表でしょう。従来の Microsoft Syntex の名称から新たに SharePoint Premium に変更されることになりました。

※ちなみに、Microsoft の公式ドキュメントはまだ "SharePoint Syntex" や "Microsoft Syntex" のままになっているところも多いです。

Introducing SharePoint Premium – the future of AI powered content management and experiences - Microsoft Community Hub

詳しくは下記のビデオを参照してください。

「Transform your cloud content experiences: Introducing Microsoft SharePoint Premium | BRK255HG」

さて、ここからは上記セッション内容をかいつまみつつ、補足していきたいと思います。

もともとはコードネーム "Project Cortex(コーテックス)" から始まり、SharePoint Syntex になり、昨年に Microsoft Syntex という名称になったかと思ったら "SharePoint" ブランドが復活です。

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SharePoint Premium は SharePoint のアドオンライセンスです。従来のコンテンツ管理とは異なり、AI をうまく活用しながら大量のコンテンツをより効率的に管理するための機能群を提供します。

現在、Microsoft 365 ではコンテンツ管理の中核は SharePoint であり、組織が抱えるコンテンツ量は増大していく一方であることは間違いありません。SharePoint および SharePoint をベースとするサービスを利用するアクティブユーザー数は月当たり3億。

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そもそも、新たに追加された Microsoft Loop も Microsoft Ignite 2023のタイミングでGA(一般提供開始)となり、動画編集ソフトである ClipChamp もMicrosoft 365 に投入されました。Loop のコンテンツ、動画コンテンツなどもすべて SharePoint で管理することになるわけです。

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SharePoint に追加される日々の新規ドキュメント数は 2.3 Billion (23億)にも達しているとのこと。

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そんな中、どう効率よく管理するのかが課題です。格納して一定期間保管する必要のある「法定文書」を管理するだけでなく、日々、情報共有などのために作成されたコンテンツを有効に参照し、再活用できる必要があります。しかも、セキュリティとコンプライアンスを確保しながらです。

上記セッション内で Jeff Teper 氏は、こう述べています。

"新しい SharePoint Premium の機能について説明する前に、SharePoint の(開発に携わる)チームの大部分はこれまで以上に大きくなっており、何よりもまず、セキュリティ、コンプライアンス、パフォーマンス、信頼性、アクセシビリティといった基本的なことに重点を置いていることを強調しておきたいと思います。"

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基本機能の強化があって、さらにイノベーションをもたらしたいということですね。

オンプレミスの SharePoint 時代から20年ほど製品を見てきている私としては、もともとドキュメント管理+検索から始まった製品にポータル機能が加わり、さらに一時は BI 機能や SNS、タスク管理機能など様々な機能が追加されてきたのを知っています。一時は万能な情報基盤であり開発基盤とみる向きもあり、(個人的には) 無理やりだなと思うカスタマイズを行おうとする開発者なども少なくなかったように思います。もちろん、当時は、「こんなことができそうかな?」「やってみないと分からないな」というところは多分にあり、私自身も失敗を重ねながら多く教訓を得てきました。

SharePoint Server 2013 以降、Microsoft は CEO に Satya Nadela 氏を据え、クラウド化へと加速度的に舵を切りました。私から見るとこの頃から SharePoint はある意味で断捨離をしていったように思います。もともとSharePoint の根幹はドキュメント管理+検索+ポータル+簡易データベース(リスト)の4つだと思っています。その原点に立ち返り基本機能を整備しなおすことに力を入れ、無理していた部分はすべてそぎ落としている。例えば、SNS は Teams, Yammer, LinkedInへ。BI は Power BI へ。タスク管理は Microsoft Planner へとシフトしていったように。そのため Jeff Teper 氏のこの発言は「やはりそうか」と思うところでした。コンテンツ管理機能をより推し進めていくというのは、この流れに沿った必然といえるでしょう。

従来のコンテンツ管理から一歩進んだこれからの先進的なコンテンツ管理機能は、 SharePoint Premium に続々と追加されていくことになりそうです。

ここで Microsof Syntex として既出の情報を整理しておきましょう。

現時点では単に Microsoft Syntex というと次のようなドキュメント管理機能群が含まれています。

  • 事前構築済みのドキュメント処理
  • 構造化 & フリーフォーム ドキュメント処理
  • 非構造化ドキュメント処理
  • 光学式文字認識 (OCR)
  • コンテンツ アセンブリ
  • 画像のタグ付け
  • 分類タグ付け
  • 処理ルール (ドキュメントライブラリでルール設定によるファイルの移動やコピー,
  • コンテンツタイプの自動適用)
  • 注釈
  • コンテンツ クエリ
  • PDFのマージと抽出
  • コンテンツ タイプ ハブ

さらに、現在、Microsoft Syntex - SharePoint Advanced Managenemt (SAM) という SharePoint 管理者向けのアドオンライセンスも提供されており、ここには次の機能が含まれています(本ブログでも時々、一部の機能を紹介してきています)。

  • SharePoint サイトへのアクセスを制限
  • OneDrive コンテンツ アクセスの制限
  • OneDrive サービスへのアクセスを制限する
  • SharePoint サイトのデータアクセスガバナンスレポート
  • SharePointサイトとOneDriveの条件付きアクセスポリシー
  • SharePoint ドキュメントライブラリのセキュリティ保護
  • SharePoint サイトとOneDrive のダウンロードブロック ポリシー
  • 最近の SharePoint 管理者アクション
  • サイト ライフサイクル ポリシーの管理
  • 変更履歴レポートの作成

Microsoft Syntex - SharePoint Advanced Management の概要 - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

つまりは、Microsoft SharePoint Premium は、これら従来の Microsoft Syntex および Microsoft Syntex - SharePoint Advanced Management の機能をプラスし、さらに Microsoft 365 Copilot などの新機能をひっくるめたものと言えそうです。

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SharePoint Premium の新機能

Getting started with Microsoft SharePoint Premium – Microsoft Adoptio

SharePoint Premium – Microsoft Adoption

SharePoint Premium の機能の骨子は次の3つです。

  • Experiences (エクスペリエンス)
  • Processes (プロセス)
  • Governance (ガバナンス)

Experiences

Experiences の概要は次の通り。

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ここでは高価値コンテンツソリューション (High value content solutions) というキーワードが登場しました。契約書や請求書など、日本でいうところの法定保存文書が該当すると思います。

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これは要するに具体的なビジネス シナリオをベースとしたコンテンツ機能強化が進んでいくことを意味します。

Business Documents app in Teams (Teams内の業務ドキュメントアプリ)

その一つが "契約書の管理" です。契約をする際に署名を依頼し、内容を確認後、保管する必要があります。また、契約書のファイル管理とともに各契約の状況ががどうなっているかも把握できれば理想的です。そのための包括的な仕組みを作ろうという試みであるようです。 このことに関して、Microsoft Teams 内に「Agreements」という SharePoint ベースのアプリが追加されており、ここで契約書の管理を一元的に行えるようになります。

ちなみにこのアプリは Business Documents app in Teams (Teams内の業務ドキュメントアプリ) と呼ばれるもので、契約書、SOW (Statements of work), 請求書などにも利用できるようです。

ナビゲーションを見ると「ホーム」「Agreement」「Library」の3つが用意されており、ホームには全体を俯瞰するダッシュボードが用意されているのがわかります。

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Agreements では契約書が一覧できますが、ファイルのメタデータ(ライブラリの列)をうまく利用して、ファイルとそれに伴うステータス情報やサプライヤーなども一覧できるようになっています。契約書はメタデータを使った管理が非常に向いていますね。20231122_103824

この Agreement アプリ内から SOW を作成するデモを行っていましたが、Word が開きここに必要情報を入力します。このWordドキュメントは Syntex の持つコンテンツ アセンブリを利用できるそうで、既存のリストやライブラリなどの列情報を再利用する形で各フィールドに情報を指定できます。

注目すべきは「Agreement」タブで、ここから電子署名や承認フローを開始できるようになっているのは良いですね。20231122_110842

AI駆動型のルール逸脱を検知するエンジン

このWord内では AI 駆動型のルール逸脱を検知するエンジンが動作するようになっており、組織の標準の契約テンプレートと比較して追加の注意が必要だったり、リスクをょ高める可能性がある部分にスポットライトを当て、変更を提案してくれます。

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また、このような高価値コンテンツとされる文書を大量にアップロードすることで、新たな AI 駆動型の分析アナライザーが注意が必要なリスクの高い契約を自動的に分析し抽出してくれます。

[複数ファイルの一括アップロード]

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[AI による分析により3つのファイルにリスクが見つかった]

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[検知された内容]20231122_162400

続いては個人的に注目している電子署名についてみていきましょう。

SharePoint 電子署名 (eSignature)

昨年の Ignite でもアナウンスされていましたが、いよいよ電子署名の機能が SharePoint Premium に来るようです。

SharePoint のドキュメントライブラリに格納されているPDFファイルから直接電子署名を開始することができるようになります。まずは Microsoft が提供する電子署名を使うことになりますが、近く DocuSign や Adobe Acrobat Sign も統合されるため3rdパーティとの組み合わせた利用もできるようになるそうです。

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電子署名に関する詳しい内容は次のセッションをどうぞ。

上記セッションでデモにあるようにSharePoint ライブラリに格納されている PDF から署名を開始しますが、その際に作業用コピーが作成され、すべての署名が完了した後にこの作業コピーに追加されるようになるようです。このコピーは、既定では5年間保持されますが、組織によってドキュメント保持ポリシー(Microsoft Purview) が適用されていればそれに従います。

ということで、署名するのはユーザーはメールでこのファイルの署名用の専用リンクを受け取ることになります。組織外部の署名者が要る場合は、条件付きアクセスによって制御できるようになるそうで、Microsoft Entra 管理センターから承認されたアプリの一覧に Microsoft eSign Service を追加する必要があるようです。

詳しくは次の関連情報を参照してください。

現在、米国市場にロールアウトを開始しているようですが、他のリージョンは2024年に予定されているとのこと。日本はしばらく待つ必要がありますね。

気になる価格ですが、今のところ従量課金でありリクエストごとに $2 。ただリブランド前の情報であるため、今後料金が変わる可能性はあるかもしれません。

ドキュメント ハブ (Documents Hub)

組織の内外のユーザーが一か所からドキュメントにアクセスできるようになる場所がドキュメントハブというポータルです。これを使うと簡単にアクセスできる外部サイトをセットアップし、組織の外観に合わせて見た目のカスタマイズもできるとのこと。ただ、このことに関する詳細な技術文書はまだないようです。

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Proceeses

ここまでは Experiences の話でしたが、続いてはプロセスの話。

Autofill 列 (オートフィル)

AI によってライブラリの列の値を自動的に追加してくれる機能です。列に格納した値を説明することで、ライブラリに格納されている各ドキュメントから目的の値を見つけて追加してくれます。これによってファイルを手軽に仕分けられる。

メタデータ管理してもらいたいといっても、どうしてもユーザーにとってはファイルを放り込むだけでは済まなくなるので面倒。そうなるとメタデータを追加してくれないというのが悩ましいのですが、こうした機能があれば、自動的に情報を抽出してくれるので便利ですね。いや、ほんとメタデータはどの組織もうまく使ってもらいたい。ファイルを見つけやすくなるので。

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他にも次のような機能があります。

  • Translation for files and Stream video (ファイルと Stream ビデオの翻訳)
  • PII detection (PII 検出)
  • Multilabel classifier (複数ラベルの分類器)
  • Redaction (墨消し)

ファイルと Stream ビデオの翻訳は SharePoint Premium の機能になるとのこと。Stream に関してはまた別の記事にまとめます。

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PII検出機能では、住所、電話番号、クレジットカード情報などの個人を特定できる情報(PII)を含むファイルにフラグを立てます。

複数ラベルの分類器では、複数のモデルを実行して最適なものを見つけるのではなく、単一の AI モデルを実行してコンテンツ タイプを自動的に設定し、完全なデータ抽出と分析に適用する適切なモデルを決定します。ということで、"コンテンツタイプ" についての理解がますます重要になりますね。

墨消しでは、名前、住所、社会保障番号など、選択した機密情報を検索してコンテンツ表示から削除します。

Content Governance

コンテンツガバナンスは、Syntex - SharePoint Advanced Management の機能として提供されている機能の一部強化や新機能などがアナウンスされました。

データ アクセス ガバナンス

Syntex - SharePoint Advanced Managment (SharePoint の高度な管理) ではすでに提供されている機能ですが、UIも少し変更され機能が追加されてきます。この機能は例えば、共有リンクを過剰に作成しているサイトを検出できるようになっていますが、デモ画面を見ると電子署名のドキュメント数やを確認できるように列が追加されていたり、High value site であるかどうかの有無を指定できるようになっています。RAC (制限されたアクセス)の有効化の有無を確認する列もあります。ちなみに、RAC は SharePoint サイトのアクセス制限機能のことで、サイトからのコンテンツの共有相手を特定のMicrosoft 365 グループメンバーまたはセキュリティグループに制限する機能です。

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あとは、過剰共有されているサイトを見つけたらサイトの所有者に通知して、コンテンツを確認してもらうという一連の処理が可能です。

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この辺りのデモは去年の Microsoft Ignite でも行われていたので、ここまでは目新しさはありません。ただ、ここに AI が加わってきます。まず、AI がサイトの概況をまとめてくれます。

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また SharePoint 管理センターにも Copilot が導入されてきます。

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これにより会話しながら過剰共有の課題解決に取り組むことができるようになる。

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サイトのポリシーの提案も AI によって行ってくれるようになります。AI が各サイトごとに秘密度ラベルや共有アクセス許可(外部共有)などの推奨値を提案してくれるようです。

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サイトのライフサイクル管理

現時点では非アクティブなサイトを検出して、サイトの所有者に利用を延長するのかどうか確認するだけですが今後は機能が拡充されるようです。例えば、3回確認の催促したあとに、なんの応答もないサイトは次の選択肢のいずれかを指定できるようになる。

  • サイトをアーカイブする
  • サイトを削除する
  • 何もしない

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また AI が非アクティブサイトのトレンドを分析し、やるべきことを提案し支援してくれます。

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Microsoft 365 バックアップ / Microsoft 365 アーカイブ

ランサムウェアなどに対応するためのMicrosoft 365 バックアップと、安価なストレージでのデータの一定保管を行うアーカイブに関しては以前記事に簡単にまとめています。

SharePoint Technical Notes : Microsoft 365 バックアップと Microsoft 365 アーカイブ (lekumo.biz)

各機能がいよいよ従量課金でのパブリックプレビューとして利用できるようになります。まず Microsoft 365 アーカイブ機能のプレビューが11月16日(米国) からロールアウト開始。ちなみに、私のテナントでも利用できるようになっていました。

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アーカイブ機能のプレビュー価格は下記の通りです(Microsoft 365 Archive パブリック プレビューの使用条件 - Microsoft Syntex | Microsoft Learn)。

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バックアップと復元は、Microsoft 365 管理センターから行えます。ただこのプレビューは年末にでてくるようでまだ利用できません。

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バックアップやアーカイブの詳細はまた別の記事で紹介する予定です。

[関連情報]

新しい SharePoint の UX

これは直接的には SharePoint Premium とは関係ありませんが、今年、5月の時点で新しいUXが利用できるようになるというアナウンスがされました。この情報は下記の記事にまとめています。

SharePoint Technical Notes : 2023年5月: SharePoint & OneDrive / Microsoft Lists / Stream の大型アップデート情報 (lekumo.biz)

今後、数か月後に具体的な情報が出てくるようです。Microsoft 365 Copilotも含めた新しいポータル作成機能が出てくるのはとても楽しみです。

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料金体系

新しいブランド名が発表されたばかりであり、具体的な新しい料金体系はこれから情報が出てくるようですが既存の機能に関しては従量課金の料金表は公開されています。

Pay-as-you-go services and pricing for Microsoft Syntex - Microsoft Syntex | Microsoft Learn

2023年11月13日 (月)

SharePoint リスト (Microsoft Lists も同じ) に画像列がありますが、ここに格納する画像が以前は「サイトのリソースライブラリ(SiteAssets)」だったのが、添付ファイルとして格納されるように仕様が変更されているようです。友人の中村 太一さん(@artbreak_taichi) にも確認してもらったのですが、どうも2023年10月半ばには変更されていたようです。私の手元でも10月12日時点ですでに添付ファイルに変わっているのを確認しました。

ちなみに、添付ファイルになっているかどうかは画像を拡大するとURLが 「~/Attachments/N/...」となっていることがわかります。これによって添付ファイルとして扱われていることがわかります。

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添付ファイルの扱いに関しては以前YouTubeに解説を公開しているのでそちらをどうぞ。

以前は画像を追加すると別のライブラリにアップロードされていたため、アイテム削除時に同時に削除されなかったり、権限管理についても画像とアイテムとで別にしてしまうこともできたわけです。そうした不便さが解消されることになります。これまでは画像を差し替えると新たな画像がライブラリに格納されていました。そのため使わなくなった画像も残ってしまっていたわけです。ですが、今回の仕様の変更により無駄にサイトのアセットライブラリに画像が格納されなくなり、画像検索時に、不必要な画像が見つかることも少しは減るでしょう。ちなみに、画像を新しいものに差し替えれば以前のファイルは削除され新しいファイルにさし変わっているようです。

無論、以前作成したリストですでに画像がアップロードされているところはそのままのようです。画像を拡大表示したときのURLは従来通り「~/api/v2.1/drives/文字列」というようになっているのがわかります。※Microsoft Graph のエンドポイントですね (SharePoint REST v2 (Microsoft Graph) エンドポイントを使用した操作 | Microsoft Learn)

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画像のドラッグ&ドロップ

この仕様が変更されたあとは、画像列は編集フォームやグリッドビューにしなくても直接列に対して手持ちの画像をドラッグ&ドロップできるようになったようです(もともとアナウンスはされていた機能ですがようやくです)。ただ、列が空白になっている場合のみであり、既存の画像があると差し替えてくれることはありません。この場合は手動で削除してアップロードしなおしをする必要があります。

2023年11月 9日 (木)

久しぶりにオフラインの登壇します。今回はソフトクリエイトさんのイベントへの登壇で、東京と大阪の2つのイベントがあるのですが、大阪会場のみの登壇です。

  • 日時: 2023年12月12日(火曜) 13:30~
  • 場所: 大阪会場 (梅田スカイビル)

詳細およびお申込みは下記からどうぞ。

情シス Update Day 2023 | 株式会社ソフトクリエイト (softcreate.co.jp)20231109_151208

Keynote には日本マイクロソフト社の西脇さんが登壇されます。お題は「生成AIがもたらすインパクト ~ ChatGPTやCopilotが起こす中小企業の生産性改革 ~」だそうです。Microsoft 365 Copilot の話などでるのかなぁと楽しみです。

私の方は「Microsoft 365 を活用した次世代のファイル管理とは?」というお題で1時間ほどお話をさせていただく予定です。ファイル管理については話したいことは本当に山ほどあるので1時間で収まるような話では本来ないのですけれど、1時間でうまく要点を伝えられるよう、今から内容をあれこれ構想中です。SharePoint, OneDrive (Business), Teams を主軸に置きながら、ファイルサーバーが抱える課題はもちろん、Copilot などの登場によるこれからの技術革新を見据えた今後の展望を踏まえたファイル管理の在り方をどう考えていくべきかなどをお話したいと思います。

ご興味のある方はぜひ、ご参加ください。ご来場をお待ちしております😊

2023年10月 4日 (水)

オンプレミスの SharePoint の頃から(SharePoint Server 2010 Enterprise Edition で搭載 )、外部データソース(SQL Server など)からデータを取り込んで SharePoint の外部リストなどを作成する機能として Business Connectivity Services (BCS) がありました。これを使うために、SharePoint 上での SSO 構成を組んだり、難解なXMLを書いたりなど色々と工夫したものです。
※昔の SharePoint の構築に携わったことのある方は「あー、あった、あったそんなの」というような感じだと思います。

この機能は SharePoint の検索サービスで検索範囲を SharePoint 内から外部データへと拡大するために利用したりもしました。

SharePoint の検索コネクタ フレームワーク | Microsoft Learn

前置きが長くなりましたが、この BCS の Microsoft 365 版が廃止となります。オンプレミスの SharePoint Server には影響ありません。

🔗 Support update for Business Connectivity Services in Microsoft 365

Microsoft 365 の SharePoint 内で利用できるBCSの機能は次の通り。

  • 外部リスト
  • 外部列
  • 外部コンテンツタイプ
  • BCS ハイブリッドソリューション

今後の行き先は? 

上記の情報を確認すると、このサービスに含まれる機能は基本的にはPower Apps に移行することになるようです。とはいえ、元は全く別のサービスであるため直接の "移行" とはならず、同等の機能を Power Apps で使えるよという話。外部データはコネクターを使って Power Apps に取り込めますからね。Dataverse があれば、仮想テーブルを使って BCS の外部リストと同じようなこともできるわけです。実際、仮想テーブルを見たときに「外部リスト」と基本的には同じ発想だなぁと感じたのですけれど、設定が圧倒的に容易になっているので技術革新はやはりすごいなとは思います。

ただ、上記記事では抜けているのは検索のところでしょう。これに関しては外部データを検索対象とする仕組みとして Microsfot Graph Connector を使う方法がすでに提供されています。

廃止スケジュール

廃止スケジュールは次の通りです。

2023年10月2日

先行して、自社テナント内で BCSの機能をブロックするようにプロパティを設定できる
2023年10月30日 Microsoft が顧客が設定したプロパティに応じて BCS 機能のブロックを開始する
2024年1月8日  Microsoft は既定で新しい Microsoft 365 テナントでの BCS 機能の利用をブロックする
2024年9月30日  BCSは Microsoft 365 内で完全に廃止される。