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2023年10月 4日 (水)

オンプレミスの SharePoint の頃から(SharePoint Server 2010 Enterprise Edition で搭載 )、外部データソース(SQL Server など)からデータを取り込んで SharePoint の外部リストなどを作成する機能として Business Connectivity Services (BCS) がありました。これを使うために、SharePoint 上での SSO 構成を組んだり、難解なXMLを書いたりなど色々と工夫したものです。
※昔の SharePoint の構築に携わったことのある方は「あー、あった、あったそんなの」というような感じだと思います。

この機能は SharePoint の検索サービスで検索範囲を SharePoint 内から外部データへと拡大するために利用したりもしました。

SharePoint の検索コネクタ フレームワーク | Microsoft Learn

前置きが長くなりましたが、この BCS の Microsoft 365 版が廃止となります。オンプレミスの SharePoint Server には影響ありません。

🔗 Support update for Business Connectivity Services in Microsoft 365

Microsoft 365 の SharePoint 内で利用できるBCSの機能は次の通り。

  • 外部リスト
  • 外部列
  • 外部コンテンツタイプ
  • BCS ハイブリッドソリューション

今後の行き先は? 

上記の情報を確認すると、このサービスに含まれる機能は基本的にはPower Apps に移行することになるようです。とはいえ、元は全く別のサービスであるため直接の "移行" とはならず、同等の機能を Power Apps で使えるよという話。外部データはコネクターを使って Power Apps に取り込めますからね。Dataverse があれば、仮想テーブルを使って BCS の外部リストと同じようなこともできるわけです。実際、仮想テーブルを見たときに「外部リスト」と基本的には同じ発想だなぁと感じたのですけれど、設定が圧倒的に容易になっているので技術革新はやはりすごいなとは思います。

ただ、上記記事では抜けているのは検索のところでしょう。これに関しては外部データを検索対象とする仕組みとして Microsfot Graph Connector を使う方法がすでに提供されています。

廃止スケジュール

廃止スケジュールは次の通りです。

2023年10月2日

先行して、自社テナント内で BCSの機能をブロックするようにプロパティを設定できる
2023年10月30日 Microsoft が顧客が設定したプロパティに応じて BCS 機能のブロックを開始する
2024年1月8日  Microsoft は既定で新しい Microsoft 365 テナントでの BCS 機能の利用をブロックする
2024年9月30日  BCSは Microsoft 365 内で完全に廃止される。

2023年9月25日 (月)

一年前の2022年9月に Microsoft 365 の SharePoint サイトの新しいテーマカラーとして「薄紫 (Periwinkle)」が追加されました。これは Microsoft Teams のダークモードに合わせた色味となっています。

そして今年は、新たに「黒 (Black)」と「セルリアン(Cerulean)」が追加されました。

20230925_185224_3

この記事を書いている 2023年9月25日現在のロールアウト状況は次の通りです。

  • 対象リリーステナント: 2023年9月中旬~9月下旬
  • 標準リリーステナント: 2023年9月下旬~10月中旬

今回のこれらの色が選ばれた理由は特に明記されていませんが、純粋に「黒」というのはなかったので黒の好きな Microsoft MVP 仲間の中村太一さんは、結構、気に入るのではないかなぁと思っています😊(たぶん、本人はこのブログは見てないと思いますけど(笑))

2023年9月13日 (水)

これまでSharePoint アプリを登録およびアプリのアクセス許可を更新する際に次の SharePoint ページ上から設定していました。

SharePointのアプリの登録
https://<サイトのURL>/_layouts/15/AppRegNew.aspx

Appregnew_2

SharePoint アプリのアクセス許可の更新
https://<サイトのURL>/_layouts/15/AppInv.aspx

Appinv_2

※個人的には Postman アプリから SharePoint の API 経由で操作するような場合に、Postman を SharePoint アプリとして登録して利用するのに使ったりしています。

このように SharePoint サイトの旧来からある機能を経由して、Azure 上にサービス プリンシパルを作成および更新していたわけです。

[参考] SharePoint アドインを登録する | Microsoft Learn

この設定が可能なのは、サイトコレクションの管理者(サイトの管理者)です。

変更点

この設定方法が管理ガバナンスのセキュリティ強化を目的として、2023年8月下旬から9月中旬にかけてのアップデートで変わります。今後は、SharePoint テナント管理者が明示的に承認しない限り、サイトコレクションの管理者が上記のページからアプリの登録やアプリのアクセス許可の変更ができなくなります

たとえば、AppRegNew.aspx ページで[生成]ボタンや[作成]ボタンを押下すると次のようなメッセージが表示され先に進むことができません。

20230913_143142

ただし、Microsoft Azure ポータルからアプリを登録し、アクセス許可を更新している場合はこの変更の影響は受けません。

既定ではサービス プリンシパルを作成および更新できるのはテナント管理者のみです。ただし、下記の PowerShellコマンドを実行することで SharePoint テナント管理者とサイトコレクションの管理者の両方が SharePoint サイト経由で従来通り、サービスプリンシパルの作成と更新ができるようになります。

この設定はテナントレベルの一括設定です。サイト単位ではありません。

Set-SPOTenant -SiteOwnerManageLegacyServicePrincipalEnabled $true

※SiteOwnerManageLegacyServicePrincipalEnabled プロパティは SharePoint Online 管理シェルが 16.0.23710.12000以降のバージョンで利用できるようになります。

このアップデートがロールアウトされる前はこの値は常に True となっており、明示的に False にしたとしても内部的には True です。ロールアウトされると既定値は False に自動的に切り替わります。

つまり、このプロパティが既定で False になっていれば、新機能がロールアウトされているということです。

2023年9月 6日 (水)

新たな機能として、ニュースページを丸ごとメールで送信できるようになります。この機能は「メール用の SharePoint ニュース」と呼ばれます。メールで丸ごと送信したとしても、ページの利用状況レポートにも閲覧状況がカウントされるようになるというのも重要なポイントです。

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ロールアウト

ロールアウトは現時点では (2023年9月5日現在)、対象リリースのテナントだけのようですが順次他も展開されるよう。

  • 対象リリース: 2023年8月~2023年9月末 (Microsoft 365 Roadmap | Microsoft 365)
  • 上記以外は 2023年の秋中にロールアウトが始まる予定

これまでもニュースやページはメールで送信できましたが、あくまでもタイトル画像と本文の最初のみであり、基本的にはリンクを送っていたにすぎません。しかし、この機能はリンクではなく丸ごとメール送信します。そのため、メールを閲覧するだけで直接ポータルにアクセスすることなく社内からのお知らせなどをすべて確認できます。ニュースは従来通り、ニュースとして SharePoint に蓄積されていくため、SharePoint 側で過去のニュースをさかのぼって検索することもできます。中途入社などの場合でも、入社前の過去のお知らせを自分で検索し確認できるのはメリットと言えるでしょう。

(とはいえ、ファイルのリンクなどがある場合は SharePoint 側のリンクをクリックする必要があり、ファイルの内容をメーラー側でプレビューするような機能はありません)。

他にも組織によっては、ライセンス管理の関係から必ずしも全社員がSharePoint を利用できる Microsoft 365 のライセンスを持っていないが、社内からのお知らせだけはポータルに掲示するだけではなく、メールで送りたいというようなニーズもあります。こうした場合、これまでは何とかプログラムコードを書くなどして対応することもあったようですが今回機能を使えば、こうしたニーズにもこ応えられる可能性があります。

メール用のニューステンプレート

ニュースを作成するときに新しくメール用のニューステンプレートが用意されます。これは日本語だと「メール用に作られました」と書かれており、英語だと「Made for email」と表記されます。テンプレートにメールのアイコンがあるので区別しやすいでしょう。タブも2つ用意され、マイクロソフトが作ったもの (From Microsoft) とサイト内で独自に作ったもの (Saved on this site) とで、テンプレートが分かれるようになります。

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このテンプレートから作成するニュースは、利用できる Webパーツが限定的です。メーラーでも閲覧できるように、対応できるWebパーツが厳選されています。利用できるWebパーツは次の通りです。

  • クイックリンク
  • スペーサー
  • テキスト
  • ファイルとメディア
  • ボタン
  • ユーザー
  • リンク
  • 画像
  • 分割バー

※リストWebパーツやカウントダウン、地図、天気などの Web パーツは利用できません。とはいえ、実際にニュースを使っている組織ではページの75%は文字と画像で構成したシンプルなものになっているとのことで、基本的な伝達はこれで上記のWebパーツで十分に賄えると思います。

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ちなみに、セクションは通常通り使えます。基本的には上部の左から右へと順にメール用に配置されることになります。どのように表示されるかは、プレビューして確認しておくようにしましょう。ただし、折り畳みオプションはメーラーでは再現されず、そのまま展開されて表示されます。そのため、このオプションは利用しない方がよさそうです。

メール送信

ページをメール送信する前に、Preview が用意されているためこれで送信後の画面を確認できます。また、通常の「ニュース投稿」ボタンが「Post and sent」(投稿と送信)に変わります。これをクリックすると、メール送信用の画面が表示されます。

詳しくはビデオでどうぞ(2023年9月3日時点)。

送信先と社外への送信

送信先は、あくまでもサイトに閲覧アクセス許可レベル以上を持たせてあるユーザーが対象です。これ以外には送信できません。アクセス権のないユーザーを選択すると送信メニューがグレーアウトしてしまいます。

ただ、サイトが社外共有できるように構成されていて、ゲストユーザーを追加している場合はその人にもメールを送信できます。試しに自分の Gmail アカウントをゲストとして追加してメール送信してみましたが、問題なく送信できました。

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新しい共有メニュー

現在、ページでは新しい共有メニューもロールアウト中です。従来の[送信]メニューはなくなり、[共有]メニューに変わります。ここからメール送信もできるようになります。

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なぜ、メール送信なのか?

SharePoint, Microsoft Teams や Viva Engage などを利用するようになり、メールの量を削減しようという話は多くの組織でも話題に上がっていたと思います。そのため、今回の新機能は、メールの利用を改めて推し進めていこうという意図ではないとMicrosoft は話しています。あくまでも、"「場」を選ばず、いつでもどんな環境にあっても役立つ情報をいかに届けられるか" という観点を重視した結果であり、メールしか見られない状況があったときにも素早く情報を得られるようにするために選択肢を広げるというのが、この新機能の意図だということです。

今後の機能の追加予定など

これから数か月の間にさらなる機能が追加される予定だそうです。これから追加される予定の機能やよくある質問などが Microsoft 365 & Power Platform Community の録画で見ることができるので、下記の YouTube も是非確認してみてください。

🎦 Introducing new SharePoint news for email feature

[参考]

Introducing new SharePoint news for email feature - Microsoft Community Hub

2023年8月25日 (金)

SharePoint サイトのリストは 2023年8月からのアップデートで Microsoft Lists アプリで開くように挙動がかわっています。ロールアウトの詳細は以前の記事を確認してください。

🔗 SharePoint Technical Notes : Microsoft リストの新しいUX (lekumo.biz)

さて、この挙動ですが上記のリンク先にも示したように、サイト単位で従来通りの挙動のまま据え置くこともできます。そのためには PowerShellによる設定が必要でした。ですが、この設定を手軽に行うオプションも順次ロールアウトされており、PowerShellを使わなくてもサイトの管理者およびサイトの所有者はサイトの設定ページにある「ナビゲーションの要素」からこの設定を制御できるようになっています。

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この設定をオンにすることで、SharePoint サイト内のリストにアクセスするときにMicrosoft Listsで開かず、従来通り SharePoint 内でアクセスできるようになります。