カテゴリ「Microsoft 365 - SharePoint」の342件の投稿 Feed

2024年8月28日 (水)

2024年8月より、Microsoft Lists (& SharePoint リスト) で、アイテムの並び替えをドラッグ&ドロップで行える新機能がロールアウトされてきています。標準ビューはもちろん、グリッドビュー、グループ化、ボードビュー、ギャラリービューでも利用できます。

Introducing Drag and Drop to Reorder Items in Microsoft Lists - Microsoft Community Hub

ドラッグ アンド ドロップしてリスト アイテムを並べ替える - Microsoft サポート

ドラッグ&ドロップするためのビューの設定

ドラッグ&ドロップによる並び替えを行うためにビューのオプションを切り替える必要があります。ビューの並び替えオプションに新たに[順序の設定]が追加されています。これを選択しているときにドラッグ&ドロップによる並び替えができます。

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つまり、従来の列ごとの並び替えオプションとは別になるということです。併用はできません。たとえば、[順序の設定]をオンにした状態でドラッグ&ドロップで並び替えたとします。この並び替え状態は保持されます。そのため「ステータス」列での並び替えを選択した後、再び「順序の設定」をクリックすると先ほどのドラッグ&ドロップで並び替えた状態に戻ります。

「元に戻す/やり直し」機能

ドラッグ&ドロップを利用する場合は、「元に戻す」および「やり直し」ボタンは利用できません。そのため、元の状態に戻すには自分で元の並び順に戻す必要があります。

アイテムの更新トリガー

アイテムを並び替えると「アイテムの更新」がトリガーされます。そのため Power Automate フローや自動化処理、アラートなどアイテムの更新に紐づいているものがアクティブ化される可能性があります。

キーボード操作およびスクリーンリーダーの利用者

キーボードやスクリーンリーダーを利用している場合は、上へ/下へ移動するための機能を実装しています。

アイテムを1つ選択して[その他]から実行できます。ただし、複数アイテムを選択している場合は[上へ移動]または[下へ移動]メニューは表示されません(マウスを利用する場合は複数アイテムのドラッグ&ドロップは可能)。

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2024年8月27日 (火)

PowerPoint には以前から「デザイン アイディア」機能が搭載されており、スライドのタイトルや内容をベースに適したデザインをAIが提案してくれます。これと類似する機能が SharePoint ページ(ニュースも含む) にも「デザイン アイディア」として追加されます。

Introducing SharePoint design ideas - Microsoft Community Hub

この機能により、現在編集中のWebパーツおよびセクション内のテキストやWebパーツのコンテンツをもとにレイアウト、背景、書式、画像Webパーツを提案してくれます。次の画像はバナーWebパーツです。これもタイトルに応じて画像を提案してくれます。ただ、ストック画像内のものを探してくるため、生成AIが画像を作ってくれるわけではありません。また日本的な画像は比較的少ないので、必ずしも目的のイメージに近いものとは限りません。たとえば、「防災」とタイトルに入力したとしても日本人が考えるような防災グッズなどの画像イメージは残念ながら現時点ではなかったりします。それでも自分でストック画像から画像を探すことを考えると、はるかに素早くコンテンツを見つけられます。

ちなみに、英語でなくとも日本語も対応していますが、試すと英語の方が認識しやすいときもあるようです。たとえば、「さそり座」と入力しても星に関する画像は提案してくれませんでしたが、「Scorpius」と入力すると星にまつわる画像を提案してくれました。この辺りはだんだんと改善されていくといいですね。

20240827_190806_2 デザイン アイディアにアクセスするには画面右端の✨した星のようなアイコンをクリックします。ちなみに、この部分はデザイン アイディア コンテンツ ペイン ピボットと呼ぶようです。デザイン アイディアが利用できるセクションや Webパーツで現在作業していると、このアイコンの右上に赤いが表示されます。

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現在、初期リリースとして次の条件を満たすセクション内のコンテンツのみ対応しています。

  • 1つのバナーWebパーツ
  • 3つまでのテキストWebパーツ
  • 3つまでのテキストと画像Webパーツ
  • 1つの空のテキスト Webパーツ

次のスクリーンショットはセクション内に空のテキストWebパーツが1つ追加されている状態です。サンプルコンテンツとともにデザインアイディアとして背景色やフォント、色などが提案されます。

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また次のスクリーンショットのセクションでは画像Webパーツが1つとテキストWebパーツを配置しています。

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ですから、ニュースWebパーツやリンクWebパーツ、Stream Webパーツ、ファイルとメディア Webパーツなどを配置している場合はデザインアイディアを提案してくれません。次の図ではセクション内にテキストWebパーツとリンクWebパーツを配置しています。この場合デザイン アイディアは空です。

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今後のアップデート

現時点ではいくつか製薬はあるものの、今後まだ追加機能が出でてくる予定であるようです。たとえば、新しいWebパーツに対応した追加機能と機能やWordドキュメントをコピーした場合などのように長いテキストに対するコンテンツ更新の提案などもしてくれるようになるとのこと。

今後のアップデート情報にぜひ注目しておきましょう。

ロールアウト

この機能のロールアウト予定は次の通りです。

  • 2024年8月~9月末まで

テキスト Web パーツで行間を指定できるようになりました。コマンドバーに新たに追加された「Line spacing」で行間を細かく指定できます。既定では 1.3px となっており、1.0~2.4までの間で指定できます。20240827_112226

また、段落単位での行間も指定できるようになりました。それが Add space beforeAdd space after です。たとえば、改行する際にこれまで行間を開けるために2回改行していましたが、これをすることなく段落の行頭にカーソルを挿入した状態でLine spacing の Add space before (前に行間を追加) を指定すると、行の前に行間を追加できます。

動作についてはXに公開しているビデオで確認してみてください。

これに伴い、コマンドバーの段落スタイルにも「No spacing」が追加されています。

 

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2024年8月26日 (月)

ニュース テンプレートをよりシンプルに利用できるように、既定でメール共有をサポートするようになります。

ロールアウト

  • 対象リリース: 2024年8月中旬中
  • 一般提供: 2024年8月下旬~9月上旬

新しいニューステンプレート

従来は「ニュース投稿」を新規に作成するときに、次の3種類が用意されていました。

  • 標準
  • メール用
  • ビデオ用

このうち標準はメール用のテンプレートへとさし変わります。つまり、標準を選ぶとこれまでのメール用のテンプレートになるので、いつでもページ丸ごとメールで送信できるようになります。

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---※2024年8月28日訂正---

ニュースで使用するテンプレートはすべてメール用となるためページ内で既定で利用できる Webパーツは限定されます。それを前提にニュースを作成する必要があります。

とはいえ、メール送信機能が統合されたため、Webパーツのツールボックスに「メール用」と「すべて」が切り替えられるようになっていました。※最初気が付かず💦

メールで全体を送信する必要がなく、従来通りヘッドラインのみメール送信するのであればWebパーツツールボックスから「すべて」を選択して、さまざまなWebパーツを利用するといいでしょう。

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メール用ニュースの説明は以前の記事を確認してください。

SharePoint Technical Notes : SharePoint のニュースを丸ごとメール配信しよう! (lekumo.biz)

ちなみに、単純にページ作成する際にはこれまで通り複数のWebパーツを利用できますし、ページ発行後にニュース投稿に切り替えることもこれまでも変わりません(ページの丸ごとメール送信はできませんが)。

2024年7月21日 (日)

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SharePoint のドキュメント ライブラリと OneDrive ではバージョン管理の履歴を制限できるようになります。これまで、バージョン履歴がストレージの容量を圧迫してしまうことも少なくありませんでした。そこで、Microsoftは新しいバージョンの制御方法を導入することにしたのです。

ドキュメント ライブラリと OneDrive のバージョン履歴の制限の概要 (プレビュー)

従来からドキュメント ライブラリの所有者はライブラリ単位でのバージョンの制限は設定できていました。既定ではメジャーバージョンを500作成するようになっていますが、これを容量の圧迫を考慮して必要に応じて少なくするといった対応をとってきていたわけです。しかし、今回のアップデートにより、システムが自動的に判断して(インテリジェントに)、バージョンの世代や復元の確立などの要素を考慮して保持するバージョンを決定するように構成できます。ただし、従来通りの手動での管理の余地も残すため、要件に合わせて選択肢の幅が増えることになります。

📅パブリック プレビュー期間

2024年5月上旬からロールアウトを開始し、2024年6月下旬までに完了予定。この期間は既定でオフなので、必要に応じてオプトインする必要があります。

📅GA

2024年8月下旬よりロールアウトを開始し、2024年10月中頃まで完了予定。

事前設定

パブリックプレビュー中はこの機能は既定でオフになっています。オプトインするにはテナントレベルの管理者が SharePoint Online 管理シェルを使って有効化する必要があります。管理シェルのバージョンは 16.0.24810.12000以上が必要です。

利用するコマンドは次の通りです。

Set-SPOTenant -EnableVersionExpirationSetting $true

上記の設定を行うと SharePoint 管理センターの「設定」ページに次のように「バージョン履歴の制限」という管理項目が追加されます。

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設定

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バージョン管理の履歴を制限する設定では SharePoint と OneDrive の双方に対して組織全体としてバージョン管理をどのように行うのかを決定します。

オプションとして自動と手動があります。既定値は “手動” です。

手動

手動では単純に時間の経過をベースに古いものを削除します。

メジャーバージョンの数の既定値はこれまで通り "500" であり、この数を超えると自動的に古いものから削除される仕組みです。

時間は、一定の期間を経過したバージョンを削除するというものですが、既定では"しない" になっています。

メジャーバージョン数は従来のチームサイトの設定と同様に最低100、最大50,000を指定できます。

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時間は、既定値は “しない” ですが、これ以外に次の選択肢があります。

  • 3か月
  • 6か月
  • 1年
  • ユーザー指定

このUIからは30日未満の値は指定できません。公開されているAPI経由では30未満にすることはできますが、ユーザーによる不注意からデータが損失してしまう可能性が高くなるためMicrosoftはこうした設定は推奨していません。

自動

自動設定が推奨値です。自動オプションに関しては、特に指定する項目はありません。こちらは単に時間の経過だけを考慮するのではなく、アクティビティを考慮するというのがポイントです。

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この設定では、最近作成したほとんどのバージョンにアクセスできますが、古いバージョンで保持されるバージョンが少なくなります。

利用する確率の高そうなバージョンのみを残し、使わないであろう古いバージョンは適宜、間引いていくアプローチです。このようにしてストレージ使用量を最適化します。Photo

Microsoft の資料(Plan version storage for document libraries(Preview) - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn)を見ると次のような例が挙げられています。3つのオプションでの比較です。

  • 手動: 60日経過すると削除
  • 手動: 500バージョン以上は古いものから削除
  • 自動


3か月間、バージョンが追加された後の経過がどうなるのかを示しています。Automaticsettingversionstorage60日経過すると削除するパターンでは、3か月以上経過すると保持されるバージョンが0になり容量は最も節約できますが、反面、以前のバージョンに復元することはできなくなります。

従来の500バージョン保持だと、6月時点で最大500バージョンに達しているため、これ以降も継続して500バージョン保持したままです。容量が減ることはありません。その代わり、保持している500バージョン中の任意のバージョンに復元できます。

自動の場合は、6月時点で保持するバージョン数を必要な数に抑えてくれているので103 まで減っています。8月以降、何も編集などされなかった場合も最低17バージョンは保持しているので、容量を抑えつつ、以前のバージョンに戻せる余地を残しています。

ここまでをまとめると次のことが言えます。

 

バージョン制限 メリット デメリット
手動: 保持日数の制限 容量を最大限節約できる 編集しない期間が長くなると、以前のバージョンに戻せなくなる (バックアップが全くない状態)
手動: 保持バージョン数の制限 容量はあまり節約されない 保持しているバージョンからいつでも復元できる (バックアップが機能している)
自動 容量を節約しつつ、バックアップとしても機能する 保持するバージョン数は少なくなる

 

設定単位

テナントレベルでの設定はテナント全体でこれから新規に作成されるドキュメント ライブラリすべてに適用される既定値を指定することになります。

ただし、サイト単位、ライブラリ単位での設定も可能です。ライブラリ単位での個別の設定が最も優先されます。

サイト内に新規にライブラリが作成されるときに、サイトレベルでのバージョン履歴の制御設定があるかどうかが確認され、なければテナントレベルの設定を適用する。あれば、そのサイトの制御を適用するということになります。

なお、サイト単位の設定は PowerShellコマンドを使用する必要があります。

サイトのバージョン履歴の制限を変更する (プレビュー) - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

OneDrive (Business) に関しても基本的にはテナントレベルの設定を引き継ぐことになりますが、ユーザー単位での設定も可能でこれは PowerShellを利用する必要があります。

PowerShell (プレビュー) を使用して OneDrive のバージョン制限を設定する - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

SharePoint ドキュメント ライブラリ

ドキュメントライブラリの設定にある「バージョン管理」では、新たに「バージョンの時間制限」という項目が追加されます。

新規に作成するライブラリでは、既定ではテナントレベルの設定が適用されます。スクリーンショットでは「自動」になっています。この項目からライブラリごとにテナントレベルやサイトレベルとは異なる個別の設定ができるわけです。

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既存のドキュメントライブラリについては、今回のアップデートの影響は受けず設定はそのままで、勝手に設定が変更されることはありません。また、既存のライブラリのバージョン管理設定を “自動” に変更した場合は、その後に作成されるバージョン以降が自動管理の対象となります。

ちなみに、ファイルのバージョン履歴を確認してみると新たに「有効期限」という列が追加されていることがわかります。各バージョンがいつ頃削除されるかがわかるということですね。

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自動でかつマイナーバージョン管理を行う場合は、従来と異なり、保持するマイナーバージョン数は指定できません。これも自動的に管理されることになります。

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この状態でバージョン管理はどうなるのかということですが、試すと一定の規則性は見いだせましたが確実ではありません。ただ、時間が経過すると古いバージョンが間引かれていくことはわかります。

保持されるバージョン

最初のバージョン、最新のメジャーバージョン、現在のバージョンの3種類

有効期限が設定されるバージョン

基本的にマイナーバージョンは30日後に削除されます。ただ、試すと一部、60日保持するものもあるようです。また古いめじーバージョンも基本的には公開後、30日経過すると削除されます。

ちなみに、次のスクリーンショットは1か月以上前のバージョン履歴の状態です。

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次は7月21日現在の状態です。古いバージョンが間引かれているのがわかりますね。

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自動設定によるバージョン履歴の削除のアルゴリズム

自動設定によるバージョン履歴の削除アルゴリズムが公開されています。最大500保持の原則は変わらりませんが、30日以内のバージョンは基本的に制限500個内ではあるが全バージョン保持する方向で、1か月を超えると、徐々に時間単位、日単位、週単位で最初のバージョンという具合に減っていきます。Photo_2

既存バージョンについて

すでに説明した通り、既存のライブラリは新たなバージョン管理の対象とはならず、また既存のライブラリでも設定を個別に変更した場合は変更後に作成されるバージョンからが新規ロジックによる制御対象になります。

Photo_3 実際に既存のライブラリでバージョン履歴がどうなるのかを試した結果が次の図です。

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既存バージョンのトリミング

ここまで確認してきたように、既存バージョンは従来通り残ります。ストレージ容量を節約できるよう新たにトリミングするための PowerShell コマンドが利用できるようになっています。これはサイト単位またはライブラリ単位の設定です。

指定できるオプションは次の通りです。

  • 期限切れとする日数を指定します。これにより対象となるバージョンはトリミングジョブをキューに入り非同期にバッチ処理されます。
  • 保持するメジャーバージョン数を指定します。これにより対象となる古いメジャーバージョンはトリミングジョブをキューに入り非同期にバッチ処理されます。
  • 推定自動トリミング アルゴリズムを使用してバージョンを削除するよう指定します。

他にも進行中のトリミングジョブの状態を取得したり、ジョブを中止するコマンドなども用意されています。詳しくは次のリンク先を確認してください。

サイト、ライブラリ、または OneDrive (プレビュー) の既存のバージョンをトリミングする - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn

バージョンストレージの使用状況レポートの生成

現状を把握し、バージョン履歴の制御計画を立てるために現在のバージョンストレージの利用状況レポートを生成できます。

レポート生成は PowerShellを使ってサイト単位で出力します。出力結果はあらかじめ指定した SharePoint のドキュメント ライブラリにCSVファイルが生成されます。ジョブは数日間にわたって非同期に実行されるため完了までに小規模なサイトやライブラリの場合は24時間以上、大規模な場合は数日かかります。

レポートは徐々に作成されるため生成されるCSVファイルを覗くことで途中経過を確認できますが、ファイル自体を編集していけません。これを行うとジョブが失敗するとのこと。

詳しくは下記のリンク先を確認してください。

サイトのバージョン ストレージ使用状況レポートを生成する (プレビュー) - SharePoint in Microsoft 365 | Microsoft Learn