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2019年2月16日 (土)

完全に自分の備忘録として書きます。

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SharePoint Framework 開発ではNode.js を使い、ローカルのWebサーバーを立ち上げ Workbench ページを使ってデバッグ実行などするわけですが、このとき https エンドポイントを使うため証明書が必要。そのため 開発者用証明書をインストールするために次のコマンドを実行します。

>gulp trust-dev-cert

これでインストールがすんなりできるのですが、アンインストールしたいことも在るわけです。たとえば、私の場合は、SPFx の開発をおととしから行っていますが、Chromeの仕様が変わり証明書を変えなくてはいけなくなった。関連情報は下記に書かれています。

SharePoint Framework の既知の問題とよくあるご質問

そこで、実行するのが次のコマンド

>gulp untrust-dev-cert

と上記リンクに書かれているのですが、なんだかうまくいかない。エラーになってしまう。

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一般的な証明書と同じくユーザー証明書としてインストールされたのかなと MMCを立ち上げて確認するもない。で、探したところ下記のパスにありました。

<ユーザープロファイル>\.gcb-serve-data

ここに、gcb-serve.cer と gcb-serve.key がある。

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ということで、このディレクトリ (gcb-serve-data)を削除して再び gulp trust-dev-cert を実行。

[参考] https://sharepoint.stackexchange.com/questions/206389/cannot-test-spfx-webparts-on-my-sharepoint-tenancy/206399#206399

 

 

モダンサイトでは「お知らせ」リストよりも「ニュース」ページ(投稿)を使った方が次のようなメリットがあります。

  • お知らせリストのように幅の狭い画面ではなく、広々とした画面に素早く見栄えよくコンテンツを掲載できる
  • 「ニュース」Webパーツを使うことで複数サイトから見栄えよくニュースを集約表示できる(サイトコレクションも横断可能)
  • 記事を "後で読む" ための「しおり」の機能がある
  • どれだけ参照されたか「ビュー」が分かる
  • コメント機能がある
  • いいね機能がある
  • 見栄えのよいリンクを素早くメールで関係者に送信できる
  • モダンサイトの検索ページでは「ニュース」別に検索できる
  • SharePoint モバイルアプリから最新ニュースを素早く確認できる
  • 最新のWebパーツも追加できる

[SharePointハブになっている場合のニュースWebパーツの例]

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[検索結果]

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以上のようなメリットがある「ニュース」ですが、ニュースページは「サイトページ」です。では何がどう違うのか、順を追って説明しましょう。

Wikiページとサイトページ

サイトページはサイト作成時に自動生成される「サイトのページ」ライブラリにのみ作成できます。このライブラリはモダンサイトでは既定で用意されるサイドリンクバーの「ページ」リンクからアクセスできるようになっています。

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このライブラリは従来 Wikiページ ライブラリと呼ばれていたものです。書籍などでも紹介していたようにWikiの語源であるハワイのイメージから "ハイビスカス" であろう花のアイコンが象徴的でした。Wikiページは新たに Wikiページライブラリを作成することで異なるライブラリに仕分けて作成できました。しかし、「サイトページ」は自動生成される「サイトのページ」ライブラリ内にしか作成できません。つまりサイトごとに1箇所に集約されるのです。これもあってかモダンサイトでは「サイトのページ」ライブラリは "ページ ライブラリ" というカテゴリとなり、アイコンは通常のライブラリのアイコンと同じになっています(クラシックサイトの発行機能がリニューアルして、このサイトページになっているので、用語が似ているので混乱しそうですが)。

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ところで余談ですが、"サイトページ"を作るにはサイトのフィーチャーである「サイト ページ」がアクティブになっている必要があります。クラシックなチームサイトを使っている場合にサイトページが作れないなぁと思ったら、このフィーチャーが非アクティブになっているかもしれません。

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ニュースとサイトページ

サイトページが「サイトのページ」ライブラリに作成されることを説明しました。ニュースページはサイトページだとも説明しました。ニュースページとは「ニュース記事だよ」というフラグが設定されているサイトページです。このフラグを目印に「ニュース」Webパーツはサイトページをニュースとして収集します。

フラグの設定方法

フラグの設定方法は主に2つあります。一つはサイトページを昇格すること。もう一つは最初からニュースとしてページを投稿すること。

たとえばサイトページを作成してみます。サイトページはホームページの[新規]から素早く作成できるようになっています。

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発行すると、画面上部にある「レベル上げ」メニューが利用できるようになります。

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「はて、レベル上げとは? 」と少しかんがえてしまう方も少なくないでしょう。英語で言うところの Promote (プロモート)です。つまり、このページをいかに広く伝播していくか。そういうメニューです。ですから、ユーザーがすぐにアクセスできるようにサイトのナビゲーションに追加したり、ニュースとして投稿したり、メールで送信したりといったプロモーションをすぐに行えるようになっているわけです。さて、ここで「このサイトのニュースとして投稿」をクリックすることで、ニュースとしてのフラグが設定されるようになっています。ちなみにニュースをもとのページに戻す Demote 機能はありません。

最初からニュースとして投稿するには、ホームの[新規]から[ニュースの投稿]を選択したり、ニュースWebパーツから[ニュースの投稿]を選択してページを作成すると最初からニュースとしてのフラグが設定された状態になります。

2019-02-16_18-58-23[ニュースWebパーツから作成する例]

ところでこのフラグ、どこで確認できるのでしょうか? 答えは先ほどの「サイトのページ」ライブラリです。このライブラリで既定では表示されていないシステム列である「昇格した状態」を追加表示してやることで確認できます。手順は次の通りです。

一般的なサイトページは 値が 0 。ニュースになると 2 が設定されます。ホームページに設定されているページは 値が空です。なお、この列の値は直接編集はできません。

小技

どうしてもこのフラグを 0 に戻したいときの裏技をご紹介しておきましょう。この列でグループ化表示してドラッグ&ドロップするだけです。

と言っても、この機能が必ずしもいらないでしょう。サイトページもニュース記事もWikiページと違い標準機能としてコピー作成できるので、デモ―トしたい記事があれば一旦コピー作成して下書き保存しておき、公開した記事を削除すれば速やかに記事を差し替えられます。

2019年2月 4日 (月)

モダンサイトではポータルとしての新機能としてメガメニュー (Megamenu) とフッターが利用できるようになります。まずは対象リリーステナントからロールアウトされているため、まだ利用できない組織も多いと思いますが、最新機能をお伝えしましょう!

※2019年2月4日現在の情報です。ここで紹介する機能(制約等)は将来、更新される可能性がありますのでご注意ください。

メガメニューとは次の図のように幅広のサブメニューのことです。

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フッターは文字通りフッターです。

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公式の操作ガイダンスは下記のサポート文書が公開されています。

Change the look of your SharePoint site

利用できるサイトテンプレート

メガメニューとフッターの両方が利用できるサイトテンプレートは「コミュニケーションサイト」だけです。「コミュニティサイト」ではないのでご注意を。

メガメニューだけであれば、「チームサイト」でかつ「SharePointハブ」が構成されていれば利用できます。単なるチームサイトではこの機能は利用できません。

新しいヘッダーのレイアウト

メガメニューやフッターは確かに「コミュニケーションサイト」でないと利用できませんが、チームサイトでも「外観」設定が変更されヘッダーのレイアウトが変更可能です。ヘッダーレイアウトは今まで通りの「標準」と高さをコンパクトにした「コンパクト」の2種類から選べます。詳しくは下記のビデオをご覧ください。

外観メニュー

チームサイトとコミュニケーションサイトでは「外観の変更」メニューが異なります。まず下記がチームサイトです。

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確認できるように「テーマ」と「ヘッダー」の2項目だけが表示されます。一方のコミュニケーションサイトでは次のように表示され、「ナビゲーション」と「フッター」の項目が利用できます。

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SharePoint ハブとなっているサイトの場合は下記のように「ナビゲーション」項目までは表示されますが、「フッター」が表示されないことが分かります。

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ナビゲーションの変更

ナビゲーション設定は「カスケード」と「Megamenu」の2つが用意されています。

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カスケードは下図に示す通り従来型のナビゲーションです。

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メガメニューにした場合は次のように操作し設定します。

メガメニューは3階層までのナビゲーション構成です。これ以上深い構成にはできません。

フッターの変更

コミュニケーションサイトの場合だけ、フッターが構成できます。そもそもコミュニケーションサイトはフッターを構成しないと次のようなメッセージがフッター部分に表示されます。

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[外観の変更]メニューからカスタム フッターを構成する場合は次のように行います。

動画内でも操作しましたが、フッター部分は左部分と右側部分に分かれており、左部分にはロゴやフッター名を表示できます。ロゴ画像とフッター名の両方を表示することはできませんロゴ画像とフッター名を両方することも可能です(2019/2/12 訂正) 。またフッターナビゲーションのリンク部分はHeaderとURLの2種類を指定できますが、メガメニューとは異なり、1階層のみの構成です。これ以上複雑なフッターを構成したい場合は SharePoint Framework Extensions を利用する必要があります。

もう一つ重要なポイントがあります。フッターが表示されるのはサイトページだけです(ニュースもサイトページの一種)。その他のページやリストやライブラリ画面には表示されません。

クラシックのチームサイトから SharePoint ハブを構成した場合

クラシックのチームサイトからでもトップページをサイトページに差し替えればモダンサイトとして利用できます。弊社のラーニングポータルサイトでは、SharePoint Online のルートサイトを使っているため、もともとクラシックのチームサイトであり、先述したとおりモダンサイトに変更し、SharePointハブとして構成しています。この場合でも「ナビゲーション」のメガメニューは利用できます。

発行インフラストラクチャーをアクティブ化していると、従来のナビゲーション構成が優先されるためメガメニューの構成ができません。とはいえ、メガメニューが利用できない代わりに従来通りの「ナビゲーション単位での対象ユーザー」設定が有効になるため、これはこれでメリットと言えます。どちらがよいかはトレードオフですね。メガメニューを優先するか、対象ユーザーを優先するか。。。

2019年2月 3日 (日)

SharePoint Online では昨年からモダン サイトの機能がものすごい勢いで進化しています。

最初はドキュメント ライブラリやリストの機能の拡充から始まり、リストやライブラリの作成方法や設定変更が非常に簡単になりました。PowerAppsや Microsoft Flow との連携機能とともに列の書式やビューの書式も登場し、これらに関してはある程度、必要な機能がそろったこともあり、進化のスピードは落ち着いてきています。

ポータルとしての進化

次の進化の矛先が "ポータル" 機能です。Wikiページに代わるモダンUIのページが「サイトページ」です。サイトページには新しいWebパーツが続々と追加されてきていますし、サイトページのうち "ニュース" としてのフラグが設定されるものを「ニュース」と呼びます。

ニュースは従来の「お知らせ」リストに代わるものです。ニュース記事は、専用の「ニュース Webパーツ」上に裏では検索機能を使いつつ、任意のサイトから複数のニュース記事を集約表示できます。クラシックな SharePoint サイトではお知らせを複数のサイトから取得するのに、検索機能を使えましたが、設定が込み入っていましたし見栄えもいまいちでした。ですから、JavaScriptなどでカスタム 開発することも少なくなかった。しかし、モダンサイトでは標準機能だけで(設定だけで)、見栄えよくニュースを集約表示できます。

たとえば、現在、ニュース Web パーツにはピン留め機能がロールアウトされています。「この記事、しばらくの間、上位に固定しておきたいなぁ」という要望は少なくなく、「お知らせ」リストでもこうしたカスタマイズを工夫していましたが、ピン止め機能は非常に手軽に、しばらく1番目の記事として固定とか 3番目に固定といったことができます。

ニュース Webパーツの詳細は下記のリンク先を参照してください。

SharePoint ページで、ニュース Web パーツを使用する

パーソナライズ機能も下記の通り一部のWebパーツで対応しました。パーソナライズとは、要するにログインユーザーに関連する情報だけを出す設定のことです。

  • 強調表示Webパーツ
  • サイト
  • ニュース

そして現在展開されているのが、「タイトルのカスタマイズ」、「メガメニュー」と「フッター」です。これに関してはのちほどの記事で個別に取り上げます。また「サイトデザインの再適用」、「対象ユーザー」などポータルとしての魅力的な機能が今後、随時ロールアウトされていく予定であり、従来の SharePoint のサイトデザインのカスタマイズを考えると格段に少ない手間で設定できます。

サイトデザインのカスタマイズ

SharePoint は長らく(Microsoft製品にはありがちですが)、ちょっとカスタマイズしようとすると HTMLや CSS, 場合によっては JavaScript を組み込んできました。しかし、こうした作業は最初に開発するだけにとどまらず、長期的な保守も必要であり、昨今のビジネスの状況を考えると「人と時間をそこまでかけなければ、サイトが使えないのか」という問題をはらんでいたことも事実です。

モダンサイトのコンセプトは「コンテンツありき」です。コンテンツにはビジュアルで訴える "画像" も重要になっています。全体的なデザインは、豊富な Web パーツをうまく配置していくだけで見栄えよく整えてくれます。HTMLや CSS の知識は不要であり操作も難しくないため、ユーザー自身が素早くポータルを作成できます。

従来格闘してきたマスターページはモダンサイトではもう利用しません。それもあって、弊社で長らく実施してきて人気でもあった「SharePoint サイトデザインカスタマイズの基礎」のコースも、内容がマスターページのカスタマイズが題材であったため、コンサルタントとしての観点からも顧客に対して積極的に進めていくべきではないと考え、現在は定期コースから外し、1社向け研修でのみの開催に限定している状況です。

2019年4月よりリストやライブラリはモダンモード優先 

ちなみに、ご存知の方も多いと思いますが、2019年4月以降、リストやライブラリはモダンモードが優先されるように変更されます。モダンモードのアドバンテージを考えると当然の戦略だろうと思います。詳しくは下記のリンク先を参照してください。

⇒Delivering SharePoint modern experiences

そもそもモダンサイトって何? 利点は?

モダンサイトとは「チームサイト」や「コミュニケーション」サイトテンプレートから作成するサイトのことです。とはいえ、クラシックのSharePointサイトをモダンに変えていくことも可能ですから、これもモダンサイトです。端的に言えばモダンサイトは次のような特徴があります。

  • HTML5 に準拠
  • レスポンシブWebデザイン
  • モバイルを意識
  • リボンメニューではなくコマンドバー
  • クライアント側の処理が圧倒的に多くなり、操作性が上がっている

SharePoint の歴史から見るモダンサイト

そもそも従来の SharePoint サイトは SharePoint 2007 の流れを汲み、当時の主流だった Internet Explorer 6 ころの仕組みをいまだ結構使っています。つまり、10年以上前の仕組みを使い続けているのです。ですが、インターネットの進化は目覚ましいものがあります。随分前からインターネット上ではHTML5が主流であり、魅力的な最新機能が多く登場しています。しかし、クラシックな SharePoint サイトは HTML4 がベースであり、そういう意味でも世代が古い。少し前まではSharePoint 上のサイトを商用サイトとしてインターネットに公開しようという動きもあったのですが、こうアーキテクチャーが古いと最早、使えません。それくらい陳腐化していっているのです。以前、海外の方が Twitter でつぶやいていましたが、「SharePoint は古いまま寝かしていてもブランディ―のようには熟成しない。新しいものに限る」というようなことを書かれていました。尤もな意見だと思います。

全面的に HTML5 を取り入れていくなら大幅に刷新したい。と、おそらく、そうした意図で生まれたのがモダンサイトです。家に例えてみれば、時代の流れに応じて、ちょっとしたリフォームではなく、新築のように全体的に作り変えるというイメージですね(某人気番組のように)。ちなみに HTML5 がメインとなるため、相性がよいのは Edge か Chrome です。Internet Explorer を使っている組織も多いと思いますが、弊社のお客様は8割りほどが「IE と Chrome」のデュアルスタンダードだったり、Windows 10 が展開されている組織では Edge か IE といったように IE しか利用できないという縛りにしている組織はかなり減ってきている印象です(もっとも、Microsoft 社も IE はなるべく早く Edge に移行して欲しいのでしょうし。Microsoft 独自路線だった時代の産物で、時代は変わりました)。

Webブラウザーも進化し、昔とは比べ物にならないくらい JavaScript エンジンも性能が上がっています。これまで SharePoint は 2007年ごろ流行だったサーバーサイド処理を用いていろいろなことを行っていました。そのため、何かボタンをクリックしたりすると、画面が遷移することが多かったわけです。サーバーにいちいち問い合わせるためです。しかし、現在のWebの世界はクライアント側で処理して操作性をよくするのが主流です。ボタンを押したら画面が遷移することなく、素早く処理が反映するような仕組みです。モダンサイトはこうした仕組みを取り入れています。

またモダンサイトはモバイルを意識しているのも特徴です。

2010年に登場したSharePoint 2010 のころは、まだデスクトップが主流であり、ワイドスクリーンのPC画面が流行ったため、これに応じて「リボンメニュー」が取り入れられました。続く 2013年に登場した SharePoint 2013 ではタブレット対応が目玉となり、「注目リンク」Webパーツのような比較的大きいアイコンなどがよく利用されていました。これがSharePoint Online ではモバイルを意識しているため、レスポンスWebデザインとなり、リボンメニューも狭い画面では使いにくくコマンドバーになりました(SharePoint 2007はコマンドバーでしたが、当時ですからレスポンシブではもちろんありません)。

比較的古くから SharePoint を利用してきた方々と話をすると、いまだにクラシックサイトしかご存知ない方が非常に多いなという印象を強く持ちます。確かにモダン機能が出てきた当初は機能的にもクラシックよりもデグレードする部分も多く、魅力は今一つと言えました。しかし、2017年後半からの機能アップデートの追い上げはすさまじく、モダンUIに慣れるとクラシックには戻れないほどです。たとえば弊社の研修で行っている演習一つとっても、手順の作成時間も実施時間も従来の半分の時間で済んでいます。操作にかかる時間が圧倒的に短縮できるのは何にも代えがたいものがあります。

とはいえ、往々にしてモダンサイトが"何をもって優れているといえるか" というのがポイントになるのでしょう。私が重視しているのは、「機能性と操作性」です。日々利用するものですからこの部分の改善は非常に大きい。見た目が変わった、というのは慣れの問題であり、その部分を議論することにはあまり意味を見出せません。つまりはリストやライブラリ、またはページををいかに素早く作成し、情報共有できるかという点が重視されるべきでしょう。モダンサイトは画面遷移がほとんどなく、操作の反応も早い。また機能としても、クラシックになかった機能を多数備えています。

例えば次のような点です。

「リストについて」主だったところのみ

  • 列の幅が変更できる
  • 列の追加や編集削除の操作が簡単
  • ビューの作成や編集も簡単
  • 列の表示位置をドラッグ&ドロップで変更できる
  • 列の書式が設定できる
  • ビューの書式が利用できる
  • 画面リフレッシュしなくても最新アイテムが続々表示される
  • 5,000アイテム問題が解消し、3000万アイテムまで格納できる
  • ビューあたり30アイテムで遷移せずスクロールダウンするだけで全件確認できる
  • 列ごとの編集ができる
  • 複数アイテムの列を一括編集できる
  • PowerAppsでカスタマイズできる

「ライブラリについて」主だったところのみ

  • 列の幅が変更できる
  • 列の追加や編集削除の操作が簡単
  • ビューの作成や編集も簡単
  • 列の表示位置をドラッグ&ドロップで変更できる
  • 列の書式が設定できる
  • ビューの書式が利用できる
  • 画面リフレッシュしなくても最新アイテムが続々表示される
  • 5,000アイテム問題が解消し、3000万アイテムまで格納できる
  • ビューあたり30アイテムで遷移せずスクロールダウンするだけで全件確認できる
  • 列ごとの編集ができる
  • 複数ファイルの列を一括編集できる
  • 基本的にドキュメント ライブラリのみで事足りる(画像ライブラリやメディアライブラリを使い分ける必要がない)
  • 既定でビューアーが入っている (Adobe Illustrator などのファイルのビューアーが SharePoint 側に用意されているため、PCなどにアプリケーションを入れる必要がない)
  • Edge や Chrome であれば、フォルダーごとアップロード
  • 任意のサイトに対するファイルのコピーや移動 (エクスプローラービューを使う必要がないし、ActiveXは利用しない)
  • 複数ファイルの一括ダウンロード(zipファイルとして)
  • フォルダーが複数あった場合、パンくずリストが標準で表示できる

クラシックモードのリストやライブラリには新機能は投入されません。モダンでのみ、最新機能が使えます。

ということで、まだクラシックしか使っていないという組織の方も、そろそろモダンサイトに取り掛かっていく準備を始めましょう。クラシックモードのサイトはサポート期限は発表されてはいませんが、モダンサイトが有利になるように仕組みが作られている以上、実質的な寿命はそれほど長くはないでしょう。

カスタマイズのために、カスタム コードは実行できるのか

モダンサイトは スクリプト エディタ Web パーツやコンテンツ エディタ Webパーツは利用できませんし、そもそもサイト自体 NoScript 設定がされているため、任意のカスタム スクリプトは利用できません。それもあって、「カスタマイズが柔軟にできないらしい」という理由から、モダンサイトが嫌われている面もあるようです。

しかし、これはちょっと誤解があります。

SharePoint Framework を利用したカスタム Webパーツは 作成できますし、JavaScript Injectionやカスタムのコマンドメニューも作成できます。要するに、SharePoint Online 全体管理者またはサイトコレクションの管理者 が把握しているアプリケーションだけが実行できるという仕組みに変わっているだけです。

これはアプリケーションはライフサイクル管理すべきというガバナンスの観点からは十分に理解できる話です。手軽に組み込めるスクリプトがあちこちにあることは、長期的に保守メンテナンスしていくうえでは望ましいとは言えません。私はイメージしやすいように「野良スクリプト」と時々、よんでいますが、こうしたスクリプトの乱用を防ぐ意味が大きいと言えます。SharePoint Framework ではアプリカタログというところに、管理者が SharePoint Framework アプリをインストールすることで展開します。アプリの更新や削除も簡単です。

しかしながら、この SharePoint Framework は従来の SharePoint エンジニアには少々心理的なハードルの高さがあるのも事実でしょう。JavaScript でコーディングするのですが、基本的にオープンソースの仕組みを使うので、TypeScript, Gulp, Node, Yoeman, React, Sass  といった SharePointの開発エンジニアの多くがあまり触れてこなかった技術を習得する必要があるためです。

研修コースの宣伝

最後に弊社コースの宣伝を。モダンサイトに関わる情報を習得できるよう下記のコースをご用意しています。

 

これまでクラシックサイトしか使ってこなかった方が、手軽にモダンサイト機能をキャッチアップできる 1day コースとして下記のコースを実施しています。

SharePoint経験者向け SharePoint モダンUI機能について学ぶワークショップ

また、ファイル管理手法もモダンサイトとTeams などを組み合わせていく必要があります。そこで下記のコースをご用意しています。

Office 365を活用したファイル管理手法を学ぶワークショップ

さらに、来月からモダンサイトでのポータルサイト構築に特化した研修コースを実施します。新しいサイト設計も含め、メガメニュー、SharePointハブ、サイトスクリプトなど最新機能をふんだんに取り入れて、どのようにサイトを作っていくとよいのかを説明もしくはディスカッションしながら、演習を行います。「SharePoint サイトデザインカスタマイズの基礎」のコースの後継コースにあたります。

SharePoint Online モダン ポータルサイトの設計・デザイン・展開 ワークショップ

SharePoint Framework の基礎を学びたい方には下記のコースを用意しています。

SharePoint Framework 入門

Office 365 のテナント契約をしてすぐに SharePoint サイトを使おうとして嵌るポイントの一つが「カスタムスクリプトの許可と禁止」です。カスタム スクリプトが許可されていないと、いくつかの機能やWebパーツが利用できないためです。したがって、SharePoint の書籍を見ながらいろいろと試そうとしたけど、どうも同じようにならない、といったことが起こります。

このことについてはマイクロソフトの公式情報として、下記のリンク先に次のような記述があります。

[Microsoft Docs] Allow or prevent custom script

By default, script is allowed on sites that admins create. It is not allowed on OneDrive, on sites users create themselves, and on the root site for your organization. 

訳すと「既定では管理者が作成するサイト(クラシック)上でのみスクリプトが許可される。OneDrive やユーザー自身が作成するサイトではスクリプトは許可されない。また組織のルートサイトも同様である」ということです。

ルートサイト

最後の「ルートサイト」というのが、これまた分かりにくい用語です。これは簡単にいうと、SharePoint Online が利用できるテナント契約すると自動的に用意されているサイトのことで、たとえば、contoso.com というカスタム ドメインにテナントを紐づけたとするとルートサイトのURLは "contoso.sharepoint.com" などになります。自動作成されるのとは別にSharePoint Onlineの管理者が新規に作成する SharePoint サイトというのは、仮想パスというのが用意されていて "sites" もしくは "teams" というパスが URLに入ります。

ということで、ルートサイトは既定ではカスタム スクリプトは実行できない状態となっています。もちろんこの設定は変更可能であり、詳しい手順は先ほど紹介したURLに記載されていますが、SharePoint Online 管理センター上で SharePoint Online 全体の設定を一括設定するか、もしくは PowerShell 使って特定のサイトコレクションに対して設定します。つまり、この設定変更ができるのはOffice 365 全体管理者もしくは SharePoint Online の管理者です。

ちなみに SharePoint Online 管理センター(旧) 上では下記のような設定項目です。

2019-02-03_16-43-13

"個人用サイト" というのは OneDrive for Business のことです。オンプレミスの SharePoint では以前は OneDrive for Businessは個人用サイト (MySite) と呼ばれていました。ルートサイトに関しては "セルフサービスで作成されたサイトユーザーがカスタム スクリプトを実行できるようにする" の方が該当するようです。

さらに、設定変更しても反映するまで最大24時間かかるため一晩寝かせるくらいの気持ちで設定する必要があることも付け加えておきます。

カスタム スクリプトが許可されていない(ブロックしている)場合の影響

ところで、カスタム スクリプトが許可されてないとどんな影響があるのでしょうか? これも上記のURLに記載されています。ただ、このURLにある記事は英語であり、日本語に切り替えても機械翻訳されていて、非常に読みにくい。そのため下記に日本語訳してみます(若干意訳あり)。

影響を受ける機能 (クラシック サイト)

サイト機能 振る舞い 備考
サイトをテンプレートとして保存 サイト設定からは利用できない カスタム スクリプトがブロックされる前に作成したテンプレートは引き続き利用できる
ドキュメント ライブラリをテンプレートとして保存する ライブラリ設定からは利用できない カスタム スクリプトがブロックされる前に作成したテンプレートは引き続き利用できる
ソリューションギャラリー サイト設定からは利用できない カスタム スクリプトがブロックされる前に作成したユーザーが作成したソリューションは引き続き利用できる
テーマギャラリー サイト設定からは利用できない カスタム スクリプトがブロックされる前に作成したテーマは引き続き利用できる
ヘルプ設定 サイト設定からは利用できない カスタム スクリプトがブロックされる前に作成した利用できたヘルプファイル コレクションには引き続きアクセスできる
HTMLフィールドのセキュリティ サイト設定からは利用できない カスタム スクリプトがブロックされる前に設定したHTML フィールドのセキュリティ設定は引き続き利用できる
サンドボックス ソリューション ソリューションギャラリーはサイト設定では利用できない サンドボックスソリューションは追加、管理、アップグレードできない。カスタム スクリプトがブロックされる前に展開したサンドボックスソリューションは引き続き動作する。
SharePoint Designer

HTMLではないページは更新できない。

操作一覧 : フォーム作成とカスタム アクションは動作しない。
サブサイト : サブサイトの新規作成、サイトの削除はWebブラウザーが起動しサイト設定へとリダイレクトされる

データソース : プロパティボタンは利用できない

ユーザーは引き続きデータソースの一部は開ける。SharePoint Designer 内でカスタム スクリプトが許可されていないサイトを開くには、カスタム スクリプトが許可されているサイトを最初に開く必要がある。
潜在的にスクリプトを含むファイルのアップロード

次のファイルの種類はアップロードできない

  • asmx
  • aspx
  • htc
  • jar
  • master
  • swf
  • xap
  • xsf
ライブラリ内に既に存在するファイルは影響を受けない

利用できない Web パーツ (クラシック サイト)

Webパーツのカテゴリ Web パーツ
ビジネスデータ
  • ビジネス データ アクション
  • ビジネス データ アイテム
  • ビジネス データ アイテム ビルダー
  • ビジネス データ関連リスト
  • Excel Web Access
  • インジケーターの詳細
  • ステータス リスト
  • Visio Web Access
コミュニティ
  • このコミュニティについて
  • ツール
  • 個人用メンバーシップ
  • 最新の状況
  • 参加
お勧めのコンテンツ (Content Rollup)
  • カテゴリ
  • プロジェクトの要約
  • 関連ドキュメント
  • RSSビューアー
  • サイトの集合表示
  • カテゴリに属するサイト
  • 用語のプロパティ
  • タイムライン
  • WSRP ビューアー
  • XMLビューアー
ドキュメント セット
  • ドキュメントセットのコンテンツ
  • ドキュメントセットのプロパティ
フォーム
  • HTMLフォームWebパーツ
メディアとコンテンツ
  • コンテンツ エディター
  • スクリプト エディター
  • Silverlignt のWebパーツ
検索
  • 絞り込み
  • 検索ボックス
  • 検索ナビゲーション
  • 検索結果
検索型コンテンツ (Search-Driven Content)
  • カタログの再使用
イベントのグループ作業 (Social Collaboration)
  • 連絡先の詳細
  • メモ掲示板
  • 組織ブラウザー
  • サイト フィード
  • タグ クラウド
  • ユーザー タスク

その他の機能

  • マスターページ ギャラリー :  マスターページの作成と編集
  • 発行サイト : マスターページおよびページレイアウトの作成や編集