カテゴリ「Microsoft 365 - SharePoint」の359件の投稿 Feed

2015年5月27日 (水)

Microsoft Ignite 2015 でもアナウンスがあったようですが、Office 365 の先行リリースの設定が更新されています。先行リリースの設定は、いち早く Office 365 に導入される新機能を使えるようにする設定のことです。新機能が公式にアナウンスされてから1週間以内に先行してロールアウトされます。

私のテナントでは 2015/5/6 付でメッセージが次の届いています。

Updated Feature: Evolving First Release

Today we are beginning to roll-out a new Select people option for First Release. This new option lets you pick people to preview updates so that you can prepare your organization. We recommend that you turn on First Release Select people for your Office 365 administrators and power users in your organization.

ということで、これまで先行リリースの設定は組織全体での適用のみでしたが、更新された機能では、テナント内の特定のユーザーのみ選択して、先行リリースを試せるようになります。

2015-05-27 23-22-58

Office 365 の管理者やパワーユーザーの方には先行して新機能を試してどう運用するのか準備することが推奨されています。

 

 

※2015/5/27 記事をよりわかり易いようにブラッシュアップしました。

現在 日本マイクロソフト社が de:code 2015 を開催中ですが、イベントの規模からみても、Office 365 関連の情報は Microsoft Ignite 2015 と比較すると少ない印象ですね。

さて、2015年末までに、Office 365 ではエンタープライズ検索用の新たなハイブリット検索シナリオが利用できるようになります。

そもそも現在はどうなっているかといえば、Office 365 とオンプレミスの SharePoint Server との検索連携はそれぞれの検索インデックスに結果が格納され、Office 365 または オンプレミスの SharePoint Server 2013 いずれからかの検索結果にそれぞれの検索結果を取得できるようになっています。検索結果が格納されている検索インデックスが異なるため、結果は個別の結果セットとして扱われます。

新しいサービス アプリケーションによりオンプレミスの検索結果が統合される

簡単に言うと、今後はバラバラになっている検索インデックスが Office 365 に統合できるようになります。2015年度末までにオンプレミスのSharePoint Serverに対して Cloud Search Service Application が提供される予定になっています(SharePoint Server 2013 だけでなく、SharePoint Server 2016 も同様になるようです)。このサービス アプリケーションが提供されることで、Office 365 上からオンプレミスにある次のコンテンツが検索できるようになります。

  • 既存の SharePoint Server 2007, 2010, 2013
  • ファイル共有
  • BCS コネクター

理屈は次の通りです。オンプレミスの新しいサービス アプリケーションを導入することで、オンプレミス側はコンテンツクロールとコンテンツ解析のみを受け持ち、この情報をセキュアな状態で Office 365 側に渡します。Office 365 側では、受け取ったデータを処理し、SharePoint Online の検索インデックスに格納します。このようにして、今までバラバラになっていた検索インデックスが統合できるようになるわけです。

HybridSearch

[Microsoft Ignite 2015 より]

そのため、SharePoint Online 上からの検索結果は、SharePoint Online もオンプレミスも同一の検索結果ページに表示されるようになります。とはいえ、たとえば、オンプレミスからの結果なのか、それとも SharePoint Online 上からの結果なのか、区別して検索結果ページをカスタマイズしたいというニーズもあるでしょうから、isExternal というメタデータが設定されるようになるようです。

Office 365 導入ユーザーの方からは、オンプレミスと Office 365 の検索の違いを研修などでご案内すると、「ファイルサーバー検索ってオンプレミスだけなんですか、残念」といわれてきましたので、これは朗報といえると思います。

ただ、これで万々歳とはいきません。当然、Office 365 に一本化と思っていたところに再びオンプレミス環境が必要ということになりますし、基盤の準備が必要です。具体的には、この仕組みを使うには、サービス アプリケーション以外に次の条件を満たす必要があります。

  • SharePoint を含むOffice 365 サブスクリプション (アクティブ化されたユーザー)
  • Active Directory ユーザーとグループのディレクトリ同期
  • オンプレミスの Office Web Apps サーバーへの戻るためのリバースプロキシ (検索結果プレビューに必要)

ということで、弊社の「Microsoft SharePoint 2013 エンタープライズ検索の構成とカスタマイズ基礎」コースでは、アップデート情報なども適宜ご紹介していく予定です。

現在オンプレミス環境を使っている方は今後 Office 365 に移行するという選択肢もあると思いますし、Office 365 導入済みまたは導入予定の組織の方にとっても既存資産を生かすために有用だと思います。今現在は未提供のサービスですが、今後の導入を見据えての予備知識としてオンプレミスでのエンタープライズ検索の構成や仕組みを一通り学習しておくと安心です。ご受講も併せてご検討ください。

 

2015年5月21日 (木)

※2015/6/19 文章を推敲し直し、一部書き換えました

はやいもので、Microsoft Ignite 2015 が終わり、2週間が経とうとしています。まだ整理しきれていない情報がいくつもあるので、時間をみつつ、まとめていきたいと思います。

今回は、その一つとして Office 365 Video を取り上げます。

弊社のオープンコースにご参加いただいている方などに、「組織内で動画の共有ニーズがあるのか、またどのような用途なのか」を時折、ご質問しています。これまで伺ったニーズには次のようなものがあります。

  • オンライン会議を実施しても参加できない人があるため、録画していつでも閲覧できるようにしたい
  • 工場をいくつかもっていて、各工場の紹介ビデオを共有したい
  • テレビなどのコマーシャル(CM)動画を共有したい
  • 自社製品の構造が複雑なので手順書だけでは伝わらないので、洗浄方法などの取り扱い方法などを動画で説明したい
  • ヘルプデスクとして操作説明などを動画で公開したい

このように動画コンテンツを共有したいというニーズはあるものの手軽に利用できる仕組みがなかったために、実際にはうまく活用できていなかったと言えそうです。

SharePoint 2013 にはそもそもメディア ライブラリと呼ばれる、動画をそのまま再生できるライブラリがあります。しかし、このライブラリは帯域調整などしてくれる機能まではなく、ネットワークの負荷なども本格的に考慮するとなると、SharePoint をホストしている IIS 側を含め、チューニングする必要があり、実際にはそこまで考慮して構築している組織はほとんどありません。したがって、事実上大量に動画を配信するのには不向きです。

既にこのブログでもご案内した通り、Office 365 では、昨年11月から先行リリースとして Office 365 Video が利用できるようになりました。Office 365 Video とは、平たく言えば、Office 365 内にテナント専用の YouTube があるようなものです。このサービスでは Azure Media Service が裏方として使われており、メディア ライブラリが抱えている各問題点を克服できるようになっています。自動的にアクセスしているデバイスの帯域を検知し、その状況で最善の解像度で提供してくれます。そして、いよいよ 2015年4月16日にワールドワイドで本格展開されることがアナウンスされました。このアナウンスからは、現在既に1か月ほど経過していますが、1,2か月中には Rollout が完了するということですから、来月までにはほとんどのユーザーが利用できるようになるでしょう。

さて、先行リリース時点ではクラウド環境であるにも関わらず、デバイス依存となる Flash での再生のみであるなど、こなれていない点が多くありました。とはいえ、あくまでも先行リリース時点の状況であり、フィードバック用サイトである Office 365 Video Feedback で様々なフィードバックを受け付けており、ここに上がった要望のいくつかが本格展開時にはアップデートとして実現されるようになりました。今後も、色々とアップデートされるようです。ちなみに、この Office 365 Video Feedback のサイトですが、誰でも利用できるようになっており、既に上がっている改善要求に投票したり(1人10票まで)、フィードバックしたりできますので、日本からもフィードバックしてみるとよいでしょう。

さて、ちょっと脱線しましたが元に戻りましょう。

仕組みについてのおさらい

Office 365 Video は動画共有の専用ポータルサイトですが、既出の通り SharePoint Online と Azure Media Service が内部的に使われています。ポータルにはチャネルと呼ばれるものを複数作成できます。チャネルは、テレビのチャンネルと似たような意味合いでとらえるとわかり易いでしょう。簡単な仕組みを紹介すると、各チャネルを作成すると、チャネルごとに SharePoint のサイト コレクションが作成され、トップレベルサイト内にメディア ライブラリが自動生成されます。このメディアライブラリは通常のメディアライブラリとは少し挙動が変えてあるようです。ユーザーは動画アップロードは、チャネルごとに行うのですが、アップロードした動画のオリジナルデータは、 裏ではSharePoint 上のメディア ライブラリにストアされ、再生が Azure Media Service 経由になります。ここで使用する Azure Media Service の利用には個別の費用は掛かりません。

ブラウザーと Playback サポート

先行リリース時点では Flash での再生のみでしたが、最新版ではHTML5にも対応するようになっています。また、ポータル自体も、最近はやりのレスポンシブ デザインでマルチデバイス対応です。

主なブラウザーの対応状況は次の通りです。その他の詳細は、「Meet Office 365 Video」を確認してください。

ブラウザOS再生サポート
IE11 Windows 8.1 HTML5
IE11 Windows 7 Adobe Flash
IE9 - 10 Windows Adobe Flash
Chrome 37+ Windows/OSX HTML5
Firefox Windows/OSX Adobe Flash
Safari 8 OSX Yosemite Adobe Flash
Safari OSX Yosemite より前 Adobe Flash

Office 365 Video のモバイル対応

iPhone および iPad で利用できるアプリが利用できるようになりました。インストールは無料です。

iOS 7.0 以降をサポートしており、iPhone, iPad, iPod touch に対応しており、日本語もサポートされています。

Office 365 Video ポータルのコンテンツをモバイル端末上で検索したり、再生したりできるだけでなく、撮影したビデオをそのまま Office 365 にアップロードすることもできます。ちなみに、現在、利用可能なサブスクリプション プランは Office 365 Enterprise E1~E4, A2,A3,A4 となっています。

早速、iPad Air にて試してみましたが、まだもっさりした動作環境となっている印象です。。。今後のアップデートに期待しましょう。

Video REST API

まだプレビューですが、REST API が公開されています。

今後のアップデート予定

近い将来次のような機能が利用できるようになるようです。

  • サムネイルを自分で選べる
  • ポータル外の Yammer フィードや内部のブログポストに埋め込める
  • REST API が本格的に使える
  • SharePoint Server 2016 のハイブリット環境から Office 365 Video が利用できる

 

と、色々と楽しみですね。

[関連情報]

2015年4月20日 (月)

ドキュメント セット機能を使うと複数のファイルをまとめて管理できるようになりますが、これを ZIP でダウンロードできます。ただし、zipファイル内にエクスポートされたファイル名がUTF-8でエンコードされるのが、難点ではあります。

Zip化するには特定のURLにアクセスすればよいのですが、SharePoint Designer でカスタム メニューを作ってしまうのが手っ取り早いです。

手順は次の通りで、オンプレミスとOffice 365 のいずれでも利用できます。

  1. SharePoint Designer 2013 を起動する。
  2. 目的のサイトを開く。
  3. サイドリンクバーの[リストとライブラリ]をクリックし、目的のライブラリをクリックする。
    例)
    2015-04-19 17-34-34
  4. リボン メニューの[ユーザー設定のアクション セクション]>[リスト アイテム メニュー] をクリックする。※この例では ECB メニューへの表示手順にしていますが、もちろん、リボン メニューに表示させるようにもできます。
    2015-04-19 18-07-17
  5. 任意の名前を付ける。
    2015-04-19 18-08-54
  6. アクションの種類として URL への移動 を選択し、

    {SiteUrl}/_layouts/15/DocSetExport.aspx?List={ListId}&ID={ItemId} と入力する。

    2015-04-19 18-10-05
  7. [OK]をクリックする。

以上で手順は完了です。

あとは、実際にECBメニューを確認すると下図のように表示されるようになります。

2015-04-19 18-16-06

2015-04-19 18-37-19

ダウンロードした Zipファイルを解凍すると下図のようにファイル名が UTF-8 でエンコードされてしまいます。

2015-04-19 18-23-00

英語表記ならいいのですけれど、日本語だと、こうなってしまいます。とはいえ、ファイルが開けなくなるようなことはないのですけれど。ドキュメント セットが最初に導入された SharePoint 2010 のベータのころは、この ZIPダウンロードのメニューが一応あったのですが、RTMではメニューが削除されたという経緯がありますので、こんな感じですね。

2015年4月18日 (土)

リストのビューではタイトル列が編集用のリンク設定がされているため、タイトル列に "..." が表示できるようになっています。SharePoint Designer 2013 を使って任意の列に ... を追加できます。

オンプレミスの SharePoint 2013 および Office 365 の SharePoint Online のいずれにも対応しています。

たとえば次のようなカスタム リストがあり、製品名という列を新規追加している場合に、この列に ... を追加してみます。

2015-04-17 14-55-39

  1. SharePoint Designer 2013 を使ってSharePoint サイトにアクセスする。
  2. 左側ナビゲーションの[リストとライブラリ]にアクセスし、目的のリストをクリックする。
    2015-04-17 14-03-57
  3. [ビュー]セクションの[新規作成]をクリックする。
    ※既存のビューは、念のためいつでも元に戻せるよう変更しないようにします。
    2015-04-17 14-04-28
  4. "カスタム ビュー" など任意のビュー名を指定し、[OK]をクリックする。
    2015-04-17 14-04-48
  5. 新規作成したビューのリンクをクリックする。
    2015-04-17 14-30-03
  6. ビューのソース コードが表示される。下図にあるように目的の列の定義タグに listItemMenu="TRUE" linkToItem="true" という属性と値を追加する。この時、属性名は大文字小文字が区別されるので気を付けること。
    ※補足説明※
    ソース内の <ViewFields>...</ViewFiels> となっているタグを見つけ出す。このタグに挟み込まれるように定義されているのがビューに表示される列です。例えばタイトル列は <ViewFields><FieldRef Name="LinkTitle"/>...</ViewFields> となっています。ここで編集したい列を見つけるのですが、列名は最初に英数字で作成していれば英数字になりますが、日本語で作成している場合はUTF-16でエンコードされるので、下図のようになり、わかりにくくなります。ですから、なるべく列を追加する際は、英語表記で名前を付けて、後から表示名を日本語表記に変えるのがおすすめです。
    2015-04-17 14-48-48
  7. ページを上書き保存する

以上で、設定は完了です。ブラウザーで表示すると製品名列に...が追加され、アイテムの編集などが行えるようになります。

2015-04-17 14-48-36