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2025年2月10日 (月)

今回は四方山話。日頃、思っていることを書き留めておこうと思っただけで。テクニカルな話ではないので、何かスキルが身につくわけではないのですけれど、長くなりましたし、お暇なときにでも。

数年前に SharePoint ホームサイトが登場した。いつだったかは記憶が定かではないが拙書の「ひと目でわかる Microsoft 365 運用管理編」でも取り上げているので、2020年あたりだったと思う。この SharePoint のホームサイトというのは、組織内のユーザーが日々、最初にアクセスすることを想定したランディングサイト(Landing site)である。従来は SharePoint スタートページが SharePoint ホームと呼ばれていた(ホームサイトではなくホームページ)。Microsoft 365 アプリ起動メニューから SharePoint をクリックするとたどり着くページのことだ。ユーザーはこのページに最初にアクセスし、自分が関わるサイト全体を俯瞰し、自分が関わるニュースを一覧する。そういう場所であった。ただ、このページはカスタマイズすることができず、長年ユーザーからは組織ごとにカスタマイズさせてほしいという要望が出ていた。そこで登場したのが SharePoint ホームサイトだった。これは別途、コミュニケーションサイトのテンプレートをベースに組織ごとに好きなように従来通りサイトを作成し、これをユーザーのランディングサイトとして使うというもの。このサイトが登場することで、従来の SharePoint ホームは SharePoint スタートページへと名前を変えることになった。

さて、この SharePoint ホームサイトだが、組織ごとに自由に作っていいといわれても何かしらの指針は欲しいものだ。そこで Microsoft が当初、デモンストレーションしながら盛んに説明していたのが、パーソナライズされたサイトだ。ユーザーごとに必要な情報のニーズが異なるため、主にAI を使って、TeamsやYammer (現在の Viva Engage) に散らばる情報も含めて情報を拾い集めて、そのユーザーにかかわりが強い情報を集約表示するというものだった。ポータルのホーム画面にはViva Connections Webパーツや マイフィード Webパーツを配置。ニュースWebパーツもソースを「現在のユーザーへのおすすめ」に設定するなどして、とにかく、従来の最小公倍数的な情報の見せ方ではなく、「あなたにとって重要な情報を素早く提供しよう」というコンシェルジュ的なサービス提供を考えていたわけだ。

余談だが SharePoint ホームサイトから検索すると SharePoint スタートページと同様にサイトコレクションを横断する検索となる。また、ハブサイトや単独サイト間を行ったり来たりするための橋渡しとなる「グローバルナビゲーション」も構成できるし、Viva Connnections との密接な関係があるため Viva Connections ダッシュボードも利用できようになる。Viva Connections を使うと Teams アプリとして実装でき、Teams 内から素早く SharePointサイトにアクセスできる。"Connections" とああるのは文字通り "情報の間をつなぐ" という意味合いである。

そもそも SharePoint ホームはこの機能を発表した当初は英語では SharePoint Homes となっていて、複数形だった。日本語の言語体系では複数形の概念が希薄なため、翻訳するとこの言葉の意味が薄れてしまって本質に気づきにくなる。つまり、もともとは組織内では複数のホームサイトを作成できるようにする予定だったのだが、GA当初はテナント内で1つしか設定できなかった。これが時を経て、Viva スイートなどの追加ライセンスを持っている組織だと組織内で複数のホームサイトが持てるようになり、設定画面も Microsoft 365 管理センターの Viva Connections に移管された。それまでは、SharePoint 管理センターから設定できていた。

さて、話を戻そう。コロナ禍になる直前の2019年ごろ、 SharePoint の開発チームがSharePoint の目標として掲げていたのが、「業務に必要な情報が SharePoint サイトに行けば入手できる」ということ。業務を遂行する上で「次に何をしよう?」と思ったら SharePoint にアクセスして情報を得てもらおうということ。そのうえで、先ほど述べたように組織全員の最小公倍数的に発信される情報から自分に必要な情報を見つけ出していくのではなく、 SharePoint ホームサイトの構想はサイトに行けばすぐログインしているユーザーに特化した情報が見つかるような仕掛けづくりをしようとしていたというのは合点がいく。しかし、ChatGPTの登場で、いろいろと大きな変化が起こる。

2024年以降、ChatGPTを取り入れたMicrosoft 365 Copilot (有償版)を様々な規模の組織で導入できるようになった。自然言語をプロンプト入力するだけで欲しい情報が手に入るというのは驚異的だった。この仕組みが登場することによって SharePoint ベースの仕組みは大きく様変わりしていく。

まず、ナレッジマネージメントの面である。組織内のファイルや会話をもとに独自のAI技術を用いて自動的に社内版の Wikipedia のようなページを自動生成し、かつ自動メンテナンスするための仕掛けとして投入されたのが Viva Topics だった。Viva 自体が市場に投入されたのは、パンデミックの翌年の2021年である。ハイブリットな働き方をシステマティックに支援する仕組みが Viva ソリューションで、この一つに Viva Topics があった。しかし、この仕組みも2025年2月22日に廃止となる。Wikipedia 的なページ作成ではなく、Webおよび組織内の情報をもとにプロンプト入力するたびに必要な情報を生成するという方向に切り替わったのである。たとえば、組織内で交わされる不明な略語があったとしてもWikipedia 的なページを見に行くのではなく、Copilot に自分の知りたい切り口で聞けばいい。

2025年1月15日にMicrosoftは Microsoft 365 Copilot Chatが利用できるというアナウンスをした。従来の Microsoft 365 Copilotを有償版と位置づけ、無償版の Microsoft 365 Copilot を強調することで誰もがCopilotの機能を気軽に享受でき、ユーザーの心理的なハードルを下げることにした。それと同時に、Pages の機能を使って生成した結果をページにまとめて他のユーザーと共有できる仕掛けを用意した。Pages は Microsoft Loop の技術がベースとなっており、さらにその土台はSharePointがベースとなっている。

さて、このアナウンスにより有償版の Microsoft 365 Copilotを持っていなくてもすべての商用サイトではWebの情報もしくは直接アップロードしたファイルをもとに回答を生成してくれることになった。有償版のライセンスがあれば、さらに組織内の情報としてOutlookやSharePoint, Teams などの情報も利用して情報を生成してくれる。「今日の予定は?」と聞けば教えてくれるし、重要なメールの要約も行ってくれる。誰かとの打ち合わせもプロンプトをうまく使えば、予定をセッティングしてもくれる。ファイルの探し方も大きく変わる。ファイル名や含まれるキーワードを想像して検索するのではなく、欲しい情報を具体的にプロンプトに入力することで情報を生成してくれ、また関連するファイルも提示してくれる。考えがまとまらなかったり、わからないことがあればまず、Copilot に聞く。すると嫌な顔一つせず、延々とやり取りに付き合ってくれる、そういう相棒が Copilot である。

つまり、当初 SharePoint サイトで描いてきた方向性が Copilot で実現してきているということである。一時期、SharePoint ホームで実現しようとしていた近未来的な仕組みが、あっという間に Microsoft 365 Copilot で実現できてきている。

こうした流れを受けてSharePoint ホームサイトで使われていた Viva Connections Webパーツもプレビューのまますでに廃止(2024年9月~11月5日までに廃止)となり、次はマイフィード Webパーツも、2025年3月12日をもって廃止されることになった。とはいえ、実際のところ、マイフィードWebパーツは特段使いやすくなっかったし、最近は Teams の機能も充実しているので、そもそも使われていなかったのではないかと思う。ログインユーザーにかかわりのある情報の最新情報のリンクを自律的に収集してくるという、やりたかった方向性はわかる。ただ、欲しい情報が表示されていたかというと疑問で、独自に開発を進めていたAI の性能に限界があったともいえる。

ちなみに、散らばりがちな周知すべき情報に関しては、Teams 側にViva Connections アプリが追加されていれば、SharePoint に投稿したニュースもTeams内にアクティビティとして通知されるようになった。こうした連携機能が欲しいというのはユーザーから要望としてよく出ていたので朗報ともいえる。とはいえ、実際実装されると、自分にかかわりがないと思うニュースが通知されるのか、この通知が嫌だという人も出てきているよう。一元的にオフにできないかという相談を受けるが、必要だと思う人もいるのでTeams アプリからオフにできる以上、個人がそれぞれ要不要を決めればいいだけのことで、そこまで一律で管理する必要はないだろう。

だから会話やお知らせごとは Teams、ファイルを探したければまず OneDrive アプリ、それ以外の総合的な情報の入り口は Microsoft 365 Copilot Chat を使うといったところがエントリーポイントとなるだろう。

SharePoint ポータルサイトは従来通り、ファイルの共有および保管庫として利用したり、リストを使って定型データを蓄積して情報共有していくとよいし、お知らせごとをニュースとして発信する場として使うのは変わらずに行っていくことになる。

ちなみに、クラシックサイトを利用している組織では根強く「お知らせ」リストを使っているところも多いようだが、これはあまり感心しない。一番の理由は発信した情報がどのように伝達されたかを知る仕組みがないからだ。従来の考え方は現実世界の掲示板と一緒で、とりあえず貼っておけばだれか見るでしょう。見てくださいね。掲示しているんだから、見ていないのが悪い、、、というような理屈になりがちである。だが、本来はきちんとした方法論を検討すべきで、どの時間帯に閲覧しているのか、どのくらい滞在しているのかなどを計測して、より確実に情報を届けるアプローチを模索すべきである。古くはメールで既読通知などしていたし、回覧板などもあったが、あれもどれほどの効果があるのかは微妙で、よく読まずに面倒なので一括して既読にすることも少なくない。だからこそ、滞在時間なども重要になる。その点は、モダンサイトのSharePoint のニュースであれば、直接Webページを閲覧しても、メールで内容を送信しても、アクセス状況の分析ができるようになっている。さらに、Viva スイートなどの追加ライセンスを持っていれば、Viva Amplifyを使うことで、SharePointをベースに Teams, Outlook,SharePoint (将来的には Vvia Engage)に対しても一斉にニュースを配信できる。しかも、興味深いのがマーケティング手法を使っていることである。組織内のユーザーを対象にマーケティング手法を用いて情報を広く発信して、情報を収取して分析していく。もはや、ただ掲載しました、ではダメなわけである。

ページ作成に関しては言えば、Flexible セクションがいよいよ登場し、柔軟なレイアウトでの情報発信が可能になる。これに加えて今後は Copilot を使ったサイトやページ作成もできるようになる。私たちは、発信したい情報の本質をしっかり吟味したうえで、少し Copilot に手伝ってもらいながらより良い情報発信を行っていけることになる。またこれが蓄積されることで、組織の重要なナレッジとしての資産となっていく。

ということで、SharePoint 自体は膨大な組織のナレッジの宝庫である。これを有効活用するために、どうしたらよいかという試行錯誤は今後も続いていくが、Microsoft 365 Copilot はゲームチェンジャーであることは間違いない。

2025年1月30日 (木)

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※2025年9月25日に一部修正・追記しました。

これまでユーザーアカウントは削除せず、OneDrive を含むライセンスをはく奪しているような場合は OneDrive のストレージは作成されていれば、そのまま無課金で温存されていました。むろん、ユーザーアカウント自体を削除すると OneDrive のストレージは30日(既定)でごみ箱に移動され、最終的には93日経過すると削除されます。

しかし、削除されることなく放置されたままの OneDriveはセキュリティやコンプイアンスのリスクをもたらしたり、ファイルの混乱や重複を生じるといった問題を抱えていました。

2025年1月27日以降は、こうした OneDrive のアカウントに対してのポリシーが変更され厳密な管理が必要になります。きちんと管理しない場合はいずれ自動的に削除されるかもしくはアーカイブされることになります。アーカイブされる場合、アーカイブ中はストレージ料金が追加で発生しますし、再アクティブ化する場合も料金が発生します。

なお、このアップデートはこれから数か月間にわたり段階的にロールアウトされることになっています。

2025年2月17日⇒2025年7月28日(延期された)より前からライセンスが付与されていないアカウントのタイムライン

📅2025年4月25日⇒2025年9月26日に延期

この日までに、すべてのライセンスのないアカウントが読み取り専用モードへと移行します。管理者は、この日以降に確認することが推奨されます (※これより前だと状態が不完全な可能性がある)。

📅2025年5月15日⇒2025年10月29日に延期

この日までに全てのライセンスのないアカウントはアーカイブモードへと移行されます。管理者は、この日以降に確認することが推奨されます (※これより前だと状態が不完全な可能性がある)。

2025年2月17日⇒2025年7月28日(延期) 以降にライセンスが付与されなくなったアカウントのタイムライン

アカウントは60日後読み取り専用モードとなり、93日後には基本的にごみ箱に移動します。

基本的にといっているのは、訴訟ホールドの対象になっている場合やアイテム保持ポリシーが適用されているOneDrive に関してはアーカイブされるためです。削除釣れるのはアイテム保持ポリシーが適用されていない OneDriveです。アイテム保持ポリシーは Microsoft Purview から管理者が設定する必要があります。

読み取り専用モードとは?

読み取りモードになるとファイルは引き続き表示およびダウンロードできますが、新しいファイルをアップロードしたり既存のファイルに変更を加えたりすることはできません。

読み取り専用モードに移行したOneDriveにアクセスするには、OneDrive のライセンスを付与しなおすか、PowerShellコマンドを使ってサイトのロックを解除する必要があります。

アーカイブ

アーカイブされるとファイルの表示、ダウンロード、編集はできなくなります。アカウントは実質凍結され、OneDrive データにアクセスできなくなります。 

アーカイブされたのOneDrive アクセスしようとすると次のようにエラーメッセージが表示されます。

Archive

ここまでを一度まとめましょう。

まず、ライセンスのない OneDrive のアカウントを特定した場合にとる措置は基本は次の2つです。これらの措置をほったらかしにしてしまうといつの間にかアーカイブされたり削除されたりします。

  • ライセンスをきちんと付与して管理する

  • 削除する

ライセンスを付与する

ライセンスを付与する場合は、OneDriveがアーカイブされる前にそのOneDrive の持ち主のアカウントに対してMicrosoft 365 サブスクリプションを割り当てます。

アーカイブされている場合で、所有者として関連づけられているユーザーがある場合は、そのアカウントにライセンスをきちんと付与することで24~48時間以内に再アクティブ化されます。この場合は再アクティブ化に料金は発生しません。この場合は再アクティブ化に必要な課金を有効化する必要はありません。所有者のアカウントがすでに削除ずみであるなどで存在しない場合は、アーカイブされたOneDriveを再アクティブ化して必要なコンテンツは SharePoint サイトや他のアクティブなライセンスを持つ OneDriveへと移動させます。

OneDrive アカウントを削除する

アーカイブ前は、ライセンスのない OneDrive を削除するには組織からユーザーを削除し、さらにデータを削除することになります。ユーザーの完全削除は次のいずれかで行えます。

  • Microsoft 365 管理センター

  • PowerShell

  • Microsoft Graph API

ライセンスのないアカウントを削除すると OneDrive アカウントとファイルの両方がごみ箱に移動され、93日後に完全に削除されます。

アーカイブ後の場合は、再アクティブ化せずにアーカイブされた状態のままアカウントを削除できます。

状況 OneDriveの保持期間 備考
Microsoft 365ユーザーアカウントを削除 既定で30日 SharePoint管理センターで変更可能。保持ポリシーがあれば延長される。
ユーザーは有効だがOneDriveライセンスを削除 93日後にアーカイブまたは削除 保持ポリシーや訴訟ホールドがなければ最終的にはごみ箱へ。

2025年2月17日⇒2025年7月28日(延期)より前にライセンスが削除されている OneDrive に関しては勝手に削除されることはなく、放置しているとアーカイブされ、その間課金されることになります。復元する際にも課金されます。ちなみに、アーカイブされている OneDrive の復元には Microsoft 365 アーカイブの事前設定が必要です。お金がかかるならそのまま削除しようか? ということにもなるかもしれませんが、その場合はアーカイブ状態のまま削除もできます。

また2025年2月17日以降は、保持ポリシーや訴訟ホールドの対象でない場合は93日以上放置していれば削除されるということです。

条件 アクション
保持ポリシーや訴訟ホールドの対象 ライセンスの削除から 93 日後に自動的にアーカイブされます。アーカイブの復元をするためには Microsoft 365 アーカイブの設定が必要になります。
保持ポリシーや訴訟ホールドの対象外 ライセンスの削除から 93 日後にごみ箱に移動され、その後完全に削除されます。

アーカイブされたアカウントからの料金

ライセンスのない OneDrive がアーカイブされた放置していると(※アーカイブされたアカウントが保持ポリシーや訴訟ホールドの対象である前提)、削除されることのないまま毎月のストレージに対する料金がかかります。また再アクティブ化の際にも料金が発生します。

アーカイブされたアカウントに対するストレージ料金は $0.05/GB/月です。また、再アクティブ化する場合は $0.60/GBが適用されます。

なお再アクティブ化は一時的なもので、再アクティブ化後の30日以内にライセンスを付与しなおすか、削除するのかを決める必要があります。削除するのであれば、OneDrive にアクセスできるようになっているので急ぎ重要なファイルなどを SharePoint サイト等に移動させます。再アクティブ化しても30日経過すれば再び自動的にアーカイブされてしまいます。

ゴミ箱からの復元

アーカイブされず93日後にごみ箱に移動された OneDrive アカウントは復元することも可能です。復元すると自動的にアーカイブ状態になります。その後、再アクティブ化を行うという流れです。アーカイブされることになるため料金が発生するわけです。

なお、ごみ箱に移動されたOneDrive アカウントは93日間保持された後に完全削除されます。

ライセンスのない OneDrive を特定する

ライセンスのない OneDrive を特定するには SharePoint 管理センターから「レポート」>「OneDrive アカウント」の順にアクセスします。この画面で保持ポリシーが適用されている OneDrive アカウントやライセンスのないアカウントなどを特定できるようになっています。

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画面下部の「詳細を表示」をクリックすると対象となるユーザーアカウントが表示され、ここから削除ができるようになっています。

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列の説明

ここでは一覧に含まれる列のうち、わかりにくい列について補足説明します。

「ライセンスなし」

この列はライセンスがなくなった日時です。

「次の理由によりライセンスされていません」列

一覧の列のうち「次の理由によりライセンスされていません」列には、ライセンスがない理由が書かれています。次の4つの値があります。

  • 所有者なし

    • OneDrive アカウントに割り当てられている所有者がおらず、このアカウントに関連付けできるライセンスがない状態

    • Entra ID に所有者に該当するユーザーアカウントが存在しない(完全削除されている)状況であると考えられる

  • 所有者が Entra ID から削除されました

    • 割り当てられていた所有者が削除されたため関連付けられたライセンスがない状態

    • Entra ID 上には所有者に該当するユーザーアカウントが削除状態にあるが、Soft-deleted user となっていて削除されても30日間は復元可能であり、内部的にはまだ存在はしていることになる

  • 管理者によってライセンスが削除されました

    • Entra ID にアカウントは存在するが、そのアカウントからライセンスをはく奪した状態。例えば、別のユーザーにライセンスを付け替えた場合なども含まれる

  • 重複するアカウント

    • 複数の OneDrive アカウントに所有者が関連付けられている状態。

「以下により削除が禁止」

一覧の列のうち「以下により削除が禁止」列には、ライセンスがない理由が書かれています。次の4つの値があります。

  • アイテム保持期間(Retention period)

    • グローバルな OneDrive の保持期間にあるため削除できない。一般的にはEntra ID アカウント削除後に30日間保持されるがその期間にあるということ。この場合は「削除のスケジュール」列に削除予定日時が追加される

  • 保持ポリシー (Retention policy)

    • Purview の保持ポリシーや訴訟ホールドがアカウントの削除を阻害している状態

  • Entra ID でアクティブな所有者 (Owner active in Entra ID)

    • OneDrive アカウントの所有者が Entra ID でまだアクティブな状態にあるため削除できない状態

  • ごみ箱から復元された (Restored from recycle bin)

    • IT管理者によってサイトのごみ箱から復元されたアカウントであり、自動的には削除されることはない状態

  • アクティブなロック (Active lock on account)

    • IT管理者がアクティブな読み取り専用またはアクセスできないロックを適用している状態であり、自動的には削除されない。

    • SharePoint 管理センターのレポートからも削除できない

    • IT管理者はPowerShellを使ってこのアカウントからロック状態を削除するかもしくはこのアカウントを直接削除する必要がある

  • 以前のロックまたは他の状態変更(Previous lock or other state chagned)

    • このアカウントは以前ロックされていたか他の管理者による操作によって状態が変更されており、その結果、自動的にアカウントが削除されないようになっている。 

再アクティブ化の準備

レポート画面右上の「請求を有効にする」をクリックすると、SharePoint Premium の従量課金サービスの管理画面に遷移します。

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この「ストレージ」>「アーカイブ」をクリックすると SharePoint サイトのアーカイブ設定と「ライセンスのない OneDrive アカウントの管理」設定画面が表示されます。OneDrive の側をオンにすることでOneDriveのアーカイブと復元ができるようになります。

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参考情報

2024年12月12日 (木)

SharePoint Premium はかつて SharePoint Syntex ⇒ Microsoft Syntex ⇒ SharePoint Pemium と名前を変えてきていますが、基本的には AI を用いた新しいコンテンツ管理のソリューションです。この機能を利用するには、SharePoint のアドオンライセンスとしてユーザー単位でライセンスを購入する必要がありましたが、現在は従量課金のプランに移り変わりました。

このプランに含まれるのは次の通りです。

Sharepoint_premium

SharePoint Premium 関連記事

これまでブログに挙げてきた SharePoint Premium 関連の記事をリストアップしておきます。

SharePoint Advanced Managment との違い

SharePoint Premium ブランドに含まれている SharePoint Advanced Managment という名前のアドオンライセンスがあります。これは上記のようなコンテンツ管理とは異なり、SharePoint サイト内のコンテンツのガバナンス管理強化機能です。ライセンスとしてはユーザーライセンスで従量課金ではありません。実質的には SharePoint 全体管理者に関わる拡張された管理機能が利用できるもので、そういう意味では上記のうちMicrosoft 365 バックアップやアーカイブは、こちらのカテゴリに近いはずですが、従量課金の仕組み上、ユーザーライセンス体系とは別になっています。

SharePoint Technical Notes : Microsoft Syntex - Microsoft SharePoint Advanced Management アドオンが GA

Microsoft 365 Copilot に含まれることになったと説明したのはこちらのユーザーライセンスとして購入してきた SharePoint Advanced Management のことなので、混同しないようにご注意ください。

SharePoint Technical Notes : SharePoint Premium-SharePoint Advanced Managment が Microsoft 365 Copilot ライセンスへ標準搭載へ

具体的には SharePoint 管理センターで "PRO" とつく機能はこのライセンスが必要です。

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ということで、上記のガバナンス機能なども網羅的に学習できる新コースを来年1月から実施しますので、気になる方はぜひご検討ください。おそらく、まだどこもこのあたりを包括的に詳しく説明している研修はないのではないかなと思います。オンプレミス時代のデータベースの仕組みなども踏まえて深堀していきます(たぶん、少しマニアック)。

【オフィスアイ株式会社】Microsoft 365 SharePoint の構成と管理 ~Microsoft 365 Copilot 対応~

2024年12月11日 (水)

2024年11月19日付の発表で、これまで個別に追加契約する必要があった SharePoint Advanced Management(SAM) が Microsoft 365 Copilot のライセンスに含まれることになりました。もちろん、Microsoft 365 Copilot のライセンスを持っていなければ従来通り個別に購入できます。

つまり、Microsoft 365 Copilot を利用できる組織ではガバナンス管理を同時に強化できるようになったということです。実際のロールアウトは2025年初頭からとなるようです。

Content

詳しくは下記の記事を参照してください。

Accelerate Microsoft 365 Copilot adoption with built-in content governance | Microsoft Community Hub

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SharePoint のクラシックサイトを使い続けている組織ではそろそろカスタムスクリプトも利用できなくなり、モダン化しなければと考えているところも少なくないのではないでしょうか?

モダンサイトへの移り変わりの背景

SharePoint の新たなUXとしてモダンサイトが2016年に提供され、その後の 2017年には新たなサイト構成として "ハブサイト" が発表され、それから7年が経過しました。モダンサイトは従来のクラシックサイトはなんだかんだと Internet Explorer 6をベースとした制約を引きずっています。Internet Explorer (IE)の時代はPC上のIEでないと動かないようなMicrosoft製品のクローズドな世界観の中にありました。ですが、インターネットの世界は本来、ユビキタス構想にあるようにあらゆるデバイス上でどこからでも利用できるオープンな世界観に根差しています。ですが、クラシックサイトはこうした独自の世界観の制約に縛られ、最新のWebの技術(JavaScript の関数や最新のCSSなど)の利用がかなり制限されていました。以前は SharePoint Server をベースとしたBtoCの商用サイトなども作られていましたが、かなりの制約のなか作られていたわけです。ですが、モダンサイトの登場により状況が一変します。Webブラウザーも Chrome ベースの Microsoft Edge となり、こうした最新の Webブラウザーを利用することを前提に最新のWebの技術を容易に利用できるように対応したのがモダンサイトです。モダンサイトではレスポンシブUIとなり、クラシック時代のようなモバイル専用画面は使われなくなり、どんなデバイスでもスムーズにコンテンツが閲覧できるようになりました。一時はクラシックサイトと比較すると機能面で不足するところもありましたが、現在はクラシックサイトとは比較にならないほどのアップデートを続けており、来年にはWebページも現在よりもより柔軟なレイアウトなどが可能になる予定でますます差は広がるばかりです。

また、これまでのサイトコレクションの概念としてサブサイトありきの構成はサイト構成の変更を柔軟性に行うことができず数多くの課題を抱えてきました。そんな中で抜本的に課題を克服するために2017年にハブサイトの概念が登場したのです。これに伴い、検索機能にも莫大な投資が行われ従来と比較しても段違いに「検索による情報の集約」が可能になりました。1つのサイトコレクション内にサブサイトを作成していったのは、特にお知らせなどをサブサイトから集約できるだけでなく、サイト間のナビゲーションも統一感を持って管理できるという点がメリットだったのですが、先に述べたようにサイトの構造を柔軟に変更できないというのは非常に大きなデメリットだったのです。

Microsoft Office SharePoint Server 2007が現在の Microsoft 365 の SharePoint のベースになっていますが、製品名にあるように 2007年リリースで、そこからちょうど10年目の節目にハブという新たな概念が登場し、抜本的な見直しをすることになりました。つまりはサイトの設計思想も大きく変化することになりました。クラシックとモダンでは機能差はあまりに大きく、以前は比較表が欲しいというような要望もありましたがクラシックになかった機能が山のようにあります。そうなると差分で学習するというよりは「改めて学びなおす」必要があるといえます。

移行ではなく "新たな構築" を

クラシックサイトからモダンサイトへは "移行" ではなく、"新たな構築" です。リニューアルといった言葉を使うほうがしっくりきます。サブサイト構成は推奨されなくなり、新たにハブ構成にすることが望ましい。お知らせリストではなく、ニュース機能を使う。ニュース機能をさらに推し進めて Viva Amplify を利用することを検討するのもいいと思います。サイトコレクションはもはやコレクションではなく1つのサイトしか含めないため、単に「サイト」と呼ぶようになっています。現在、毎日20億ものドキュメントが新規に SharePoint へと追加されているなかで、膨大に蓄積されるデータをガバナンスやセキュリティを保ちつつかつ、できるかぎり利便性を損なわずどうデータを利活用していくのか。そのために SharePoint Advanced Managment やMicrosoft Purviewによる管理なども併せて管理していくことも検討していく必要があります。こうしたツールの設定対象は「サイトコレクション」単位であり、サブサイトを個別に設定する思想はありません。ですから、セキュリティの境界線は1サイトのみを含むサイトコレクションに限定した方が管理がしやすくなります。

きっとクラシック環境にはたくさんの不要なファイルも蓄積しているはずですし、埋もれてしまっているものもあるでしょう。時間の経過とともにベストプラクティスも変化しています。新規にサイトを構築し、これを機に断捨離してドキュメント管理のありようを見直すいいタイミングだとも言えます。おそらくこうしたタイミングで対応しないと、なかなかチャンスはないでしょう。

研修のご案内

クラシックサイトからモダンサイトへ切り替えていこう保存としている方は、弊社の研修もご利用ください。まずは知識をアップデートするお手伝いを研修という形で提供しています。最新情報をもとにSharePointの設計思想、運用のポイントなど操作以外について解説します。

以前にもましてドキュメントのメタデータ管理は重要でかつ利用しやすくなってきています。また、ドキュメントのライフサイクル管理を見直するなどして不要なデータを削減することも考えてみましょう。このあたりの話は、下記の「Microsoft 365 のドキュメント管理徹底詳解 フル機能を使った高度な管理」のセッション録画でも触れていますのでよかったらどうぞ。

機密情報保護に関してもサイト設計が今のままで適しているのかを再考してみていただきたいです。ちなみに、Microsoft 365 のSharePoint はCopilotの登場もあり、これまで以上にガバナンス機能の強化がされています。

情報システム部門の方に向けては以前から提供しているコンテンツのガバナンス&セキュリティ管理のための基礎コースである「👩‍🎓Microsoft Purview コンプライアンス入門」を提供しています。この研修では秘密度ラベル、データ損失防止ポリシー、保持期限、レコード管理などについて学べます。また、来年から新たに提供を開始する「👩‍🎓Microsoft 365 SharePoint の構成と管理」コースもご用意しています。新しいドキュメントのバージョン管理の設定、アーカイブ&バックアップ、サイトのライフサイクル管理をはじめとする SharePoint Advanced Management についても学べます。研修後にどのようなアプローチをとっていけばよいかといったアドバイスはコンサルティングサービスとして別途ご相談をお受けすることも可能です。

モダンサイトへの移行の取り組み

とはいえ、現場ではクラシックに慣れたユーザーはクラシックサイトが「こうあるべき」ものというマインドに傾いているでしょうから、いきなり切り替えていくのはハードランディングになるかもしれません。一部のサイトを凍結して新たな環境を使い始めてもらうなどといった方法で徐々に切り替えていくなど計画も必要になるでしょう。旧サイトから新サイトにすべてのコンテンツを持っていく必要はありません。読み取り専用などにアクセス権限を切り替えて、必要なものは移動する。新たなコンテンツは新サイトに作成する。旧サイトはコンテンツを検索できる状態にしておくなどです。そうでないと、古い情報をせっかく破棄していける良いタイミングを逃しかねません。ですから、ツールで一括移行などということを安易に考えるのは個人的には疑問に思います。どのドキュメントが必要かは業務を知っているユーザーにしかわかりません。ユーザーにも協力を仰ぐ必要があるでしょう。ITのことは情報システム部門がやるべきだとする組織もいくつか過去に見てきましたが、自分たちでコンテンツを管理するというのがもはや当たり前。すべての管理を外注に丸投げするというのも、そういう時代ではないでしょう。組織にナレッジが残りません。Power Platformなど見ていれば「市民開発者」として現場の方が自分たちでコンテンツ管理をし業務改革を推進していく時代です。

先ほども少し触れましたが、従来から利用してきたお知らせリストはやめて「ニュース」に切り替えるのがお勧めです。お知らせリストでは「情報を掲載して終わり」となりがちでしたが、「ニュース」は、どこまで周知できたのかを把握することに重点を置いています。メールでの丸ごと配信も可能になり、Webページ経由だけでなくメール経由での閲覧も含めてどの程度、閲覧されたのかなど把握できます。SharePointから Teams, Outlook, Viva Engage などに一斉配信できる Viva Amplifyはより広く伝達するための手段であり、情報を周知するマーケティング的な手法を組織内の伝達・通達に応用している仕組みで配信後、どの程度閲覧されたのか、どの部署が閲覧できていないのかなどの統計データと分析が可能になっています。「お知らせ」リストを使っていたころとは、こうした観点が大きく変わっているのです。

他に、改めてユーザー教育も必要でしょう。そのためにもクラシックサイトのペインポイントを列挙し、モダンサイトの利点を整理してアナウンスしていく必要もあると思います。

ということで、クラシックからモダンへの切り替えは、心機一転、多くのことを見直すいい機会ととらえていただきたいなと思います。