カテゴリ「Microsoft 365 - SharePoint」の393件の投稿 Feed

2025年10月12日 (日)

20251009_211954

20205年10月8日 9:00 AM (米国時間)より OneDrive の最新情報がデジタルイベントでアナウンスされました。

💻デジタル イベント

イベントは現在オンデマンドで配信されています。

Copilot + OneDrive—Intelligence in every click, inspiration in every memory | Microsoft Community Hub

今回のイベントのサブタイトルは「Intelligence in every click, inspiration in every memory」です。

「クリックするたびに利用できるAIの知性。あらゆる記憶にインスピレーションが宿る」といったところでしょうか? 前半はOneDrive 上のファイルからいつでも素早くCopilotを利用できるということでしょう。後半の記憶と言っているのは写真が中心となる話。イベントの後半では写真に関する数々の新機能が登場します。

このイベントにあわせて下記のブログも公開されています。

Copilot + OneDrive: Intelligence in Every Click, Inspiration in Every Memory | Microsoft Community Hub

ということで、この記事では今回発表された OneDrive の最新情報を整理していきます。

💡注意: Microsoft 365 Copilot 有償ライセンスについて

なお今回の発表はタイトルにあるように "Microsoft 365 Copilot の有償ライセンス" が対象となる機能が多いのですが、むろん、Copilot のライセンスが関係しない機能もあります。

とはいえ、もし現時点で当該ライセンスを持っていなかったとしても、その潜在能力を知ることができますし導入への後押しとなる情報といえるでしょう。

📝OneDrive に関する基礎知識について

OneDrive についてあまり詳しくないという方は製品の変遷についてまとめた以前の記事を読んでおくと理解が深まると思います。

SharePoint Technical Notes : OneDrive for Business の歴史 (~2023年)

🎞️デジタルイベントの概要

※各スクリーンショットは公開されている YouTube から取得していますが一部、画質があまりよくないところもありますがご了承ください。

このイベントでは Microsoft OneDrive に関わるMicrosoft の6人の方々が各トピックについて説明をしていきます。

20251011_132104

ちなみに、上記の画像は OneDrive の写真機能の新しいUXです! 

イベントの導入と事例紹介

トップバッターは SharePoint の父とも呼ばれる Microsoft President, Collaborative Apps and Platform | Jaff Teper 氏からで、デジタルイベントの内容の導入部分の話と pwc の OneDrive (Business) の活用事例の紹介です。デジタル改革を数年にわたり進めてきた中でも特に変革をもたらしたのが文書の要約の機能だそう。スタッフは1ファイルあたり20~30ページほどのドキュメントを要約しているそうで、日々の業務フローに組み込まれているとのこと。そもそも組織には45億ものドキュメントがあるそうで洞察を得るのは大変です。ですが、Copilot のおかげで税務チームの一部ではトレーニングプロセスが効率化でき、以前はトレーニングに80~100時間かかっていたのが、今は4~5時間で済むようになったとのこと。またOneDriveの同期機能の導入により、移動中でもいつでも手元にデータがあるので必要なデータにすぐにアクセスできるようになったのはメリットの一つ。

ということで、事例については実際にビデオを見るのがいいと思います。

20251012_011254

OneDrive (Business) Web版と同期アプリの新機能

さて、導入部分がおわり次のスピーカーは、Microsoft OneDrive Product Manager | Cami Mejia 氏 です。

Copilot のフローティングメニュー

OneDrive (Business) に Copilot のフローティング メニューが追加されます。現在、SharePoint の Knowledg agents はフローティング メニューになっているので同様に OneDrive でも画面右下にフローティングが表示されるようになります。

例えば、複数のファイルを選択している状態で Copilot のフローティングメニューをクリックすると次のような項目が表示されます。

  • 選択したファイルの要約をする
  • 選択したファイルを比較する
  • Copilot が自分に対して何ができるのか聞いてみる
  • 選択したファイルに関する質問をする

20251011_114711

デモでは、要約の例が紹介されていました。以前から選択したファイルの要約は可能でしたが、使用されている生成AIのモデルがアップデートされていくたびに情報量やその精度などが向上していることがわかります。

20251011_114750

OneDrive と同期されたローカルPC上のファイル

続いては Windows などに搭載されているOneDrive 同期アプリに関して。同期されたファイルやフォルダー群はローカルPC上で ファイル エクスプローラー上から直接アクセスできますが、この同期されたファイルからも直接 Copilot が利用できるようになります。

ファイルを選択した際に表示される「OneDrive」をクリックするとこの中に、Copilot を利用する「要約やFAQの作成、質問など」のメニューが表示されます。既にこの機能は利用できるようになっているようで、手元の環境でスクリーンショットをとってみました。オンデマンドビデオとは異なり日本語なのでイメージしやすいと思います。

20251011_124131

ちなみに、現時点でもPC上のローカルファイルを右クリックしたときに表示されるコンテキスト メニューには "Ask Copilot" がありますが、これをクリックするとWindows 上の Copilot が起動するだけで選択したファイルに特化したアクションではありません。また、OneDrive で同期されているファイル以外でもローカルファイルにはこのメニューが存在します。

さらに、OneDrive の同期アプリ自体をクリックした際に表示される「アクティビティ センター」からファイルの横の三点マークをクリックするときにも Copilot のメニューが表示されるようになります。

20251011_114852

またファイル エクスプローラー上からOneDriveに同期されたファイルを右クリックすると新たに「AI アクション」メニューが利用できるようになります。

20251011_124724

この機能は現在 SharePoint のドキュメント ライブラリにロールアウトされてきているものであり、これまでコマンドバーにあった Copilot メニューは 「AI アクション」に変更されています。これをOneDriveと同期されているローカルPC上のファイル(フォルダーも含む)からも直接利用できるようにしようということのようです。

20251009_212642_2

マルチモーダル対応

Copilot はマルチモーダルです。マルチモーダルとは文字以外に画像や音声、会議の録画などにも対応しているということです。

そのため OneDrive に格納されているTeams会議の録画ファイルから直接 Copilot メニューを利用して会議の要約や質問などができるようになります。録画に生成されているトランスクリプトをもとにやり取りすることになります。

20251011_125544

他にもホワイトボードに手書きで書いた内容を写真にとり OneDrive に格納していたとしても、この画像について Copilotを使って説明させたり文字を抽出したり、質問したりできます。

20251011_125713

デモの中では「私が最優先ですべきことは何?」と聞いています。これに対してCopilotはJPEGの画像内の手書き文字を読み取り次のように回答しています。

  • Cami には9/5 までに提案書を提出してもらう
  • Alexにはスライドの最終調整を9/2までに行ってもらう

20251011_115018

オーディオ概要 (Audio overviews)

Copilotはファイルの概要をオーディオ概要として作成できます。Podcast を聞くように内容を聞き流しながら情報を把握できます。通勤中などに便利です。

モバイルデバイスの OneDriveからこうしたオーディオ概要の作成もできるようになります。ちなみに、OneDrive for the web にもオーディオ機能はすでに展開されているはずなのですが英語のみとなっているそうで、いまだに OneDrive にはオーディオ概要を作成するメニューは登場していません。日本語対応にはもうしばらく時間がかかりそうです。

20251011_131648

OneDrive と SharePoint

さて次は、Microsoft OneDrive Principal PM Architect | Arvind Mishra 氏 のパートです。OneDrive とかかわりの深いSharePointについても言及しています。

OneDrive の新しいロゴ、登場!

まずは、OneDrive のロゴが新しくなりました! という話から。ちなみに、Microsoft 365 の製品ロゴがこのイベント前から変わったので SharePointや Word, Excel, PowerPoint, OneNote なども新しくなりましたね。

20251011_132439

SharePoint のドキュメント ライブラリ

SharePoint のドキュメント ライブラリに OneDrive の操作性が加わります。デモの画面はライブラリのイマーシブモード(拡大表示)のようですが、フィルター項目にファイルのアイコンが並んでいたり、コマンドバーの位置が右上に移動したりといろいろと変化していますね。

20251011_132839

ビューの操作アイコンもちょっとわかりやすくなっていますし、デモではグループ化表示も直感的にできるようになっていました。

20251011_132902

OneDrive にショートカットを作成する

何年も前から Microsoft は OneDrive 同期アプリで SharePoint を同期する際に SharePoint から "OneDrive と同期" ではなく、ショートカットを使うよう推奨しています。

今回のデジタル イベントでもこれをことさらに強調していました。ショートカット経由で同期した方がスマートだし、選択したものだけを同期できる。現状では、従来の同期ボタンと比較してショートカットが5倍も使われているのだそうです。実際、Microsoft 社もショートカット機能をより使って欲しいので、目立つ場所にこのメニューを表示するようにしています。従来の同期はメニューの後ろの方に追いやられています。

20251011_144218

また、すでに同期されているコンテンツをスムーズに「ショートカット」へと移行できるようにすでに同期されているファイルなどに対してショートカットを追加すると「置き換える(Replace)」できるようになります。20251011_144832

People Card 

OneDrive と同期しているPC上ではファイル エクスプローラーのホームに OneDrive が統合されています。ここの「共有」タブでは誰と一緒にファイルを利用しているかを確認できます。そのためここにはファイルやフォルダーにつながりのあるユーザーのプロファイルやアクティビティの主体となるユーザーが表示されます。

20251011_230650

この「ひと」のアバターをクリックすると新しい People Card が表示されます。ここでは連絡先や最近自分と共有されたファイル群、TeamsやOutlook でのやり取りなどが確認できます。20251011_230350

新規ファイルの保存場所が既定で OneDrive へ

Word, Excel, PowerPointなどの Office アプリケーションの新規ファイルの保存場所を直接、OneDrive に保存できるようになります。ファイルに書き込みを始めると「AutoSave」が自動的に有効になり OneDrive にファイルが保存されます。そのためすぐにほかの人と共有することが可能です。

この機能は、Windows 版の Word の Insider Channel で現在利用可能です。今のところ Wordのみがサポートされますが、Excel と PowerPoint も近くサポートされるとこと。

OneDrive とチームワーク

Microsoft OneDrive Principal Product Manager の Stephen Rice氏がスピーカーであり、OneDrive とチームワークについて述べています。情報のシェアにフォーカスしながら、運用管理面での新機能などについても言及しています。

Hero Link 

最初に紹介されたのが「ヒーローリンク」です。これはこのブログでも以前取り上げました。詳しくは下記をご参照ください。

SharePoint Technical Notes : Microsoft 365 に導入される次世代の共有機能について: ヒーローリンク

当初は今年の秋ごろ(つまり今頃)に詳細が分かるはずだったのが、Microsoft 365 Roadmap を見ると来年の春ごろにずれ込んだようです。

追加情報としてはヒーローリンクをメールで送信する際に Copilot によるファイルの概要生成ができるというところでしょうか。現在の共有リンクでもサポートされていますが、ヒーローリンクでも利用できるようです。リンクを送信された相手はファイルを開かなくても概要がさっと把握できるわけです。

20251011_231828

アクセス要求画面のアップデート

ユーザーがアクセスしようとするサイトやファイルなどのコンテンツにアクセス権限がない場合は、既定では「アクセス要求」を行えるようになっています(サイトの既定値)。

これまで提供されてきたアクセス要求画面は確か SharePoint Server 2010もしくは SharePoint Server 2013 あたりから提供されているもので、もうかなり古臭くなってしまっていますが、ようやく新しいアクセス要求画面が登場するようです!

20251011_231956

ドキュメント ライフサイクル管理: ファイルの一括転送

退職するユーザーがいた場合、基本的にはそのユーザーのOneDriveは最終的には削除されることになるため、重要なファイルなどを迅速に別の場所に移動させる必要があります。

新しいアップデートでは、OneDrive の所有者は保持していたファイルを別のユーザーやSharePoint のコラボレーションサイトなどに一括移動できるようになります。

20251011_233003

この移動画面では目的のファイルを移動、コピー、ダウンロード、削除ができます。

20251011_233231

この画面に表示されるファイルはフィルターが可能で、他のユーザーと共有されているファイルのみに絞り込んで確認することもできます。

20251011_233406

ファイルのアーカイブ

Microsoft 365 アーカイブは利用頻度の少ないファイルや削除予定のファイルなどを安価なストレージに移動して運用するための仕組みです。利用するには従量課金制の設定をテナントレベルで事前に行っておく必要があります。

現在はサイト単位のアーカイブのみが可能でが、新たにファイル単位のアーカイブが可能になるとのこと。Microsoft 365 アーカイブがアナウンスされた時から多くの方が関心を持っていたトピックでMicrosoft はこれをサポートする予定であるとは明言していました。待望の機能といえそうです。

デモを見るとドキュメント ライブラリに新たに「アーカイブ」メニューが追加されています。

20251011_233520

アーカイブする際に、最初の7日間はすぐに再アクティブ化できることと、再アクティブ化する場合は最大24時間かかることを知らせるメッセージが表示されます。

20251011_234753

アーカイブするとアーカイブされたことを示すアイコンが表示されます。このアイコンは Teams のチームをアーカイブしている場合と同じものですね。

20251011_234651

ちなみに、夏の終わりごろから SharePoint の検索画面ではアーカイブしたコンテンツの検索ができるようになっています。

20251011_234229

OneDrive の同期の正常性ダッシュボード

Microsoft 365 Apps 管理センター(https://config.office.com)に OneDrive同期の正常性ダッシュボードに「OneDriveの同期」があります。

ここでは組織内において同期エラーの発生しているデバイス、フォルダーバックアップを使っているデバイス、最新バージョンを持たないデバイスなどの比率が確認できます。

20251011_235013

レポートはPower BI にエクスポートして分析することも可能です。

20251011_235216

SharePoint 管理センター内の Copilot 

SharePoint 管理センター内でも Copilot は利用できます。デモでは次のようなやり取りをしています。意訳するとこんな感じ↓。

ユーザー「あなたが見つけた過剰に公開されているサイトを削除してほしい」

Copilot 「さすがにそれはリスクの高い操作ですよ。当該サイトを一度確認してから手動で削除する方がいいですよ」

ユーザー「おっと。そうしたサイト上でのサイトアクセスレビューを始めて欲しいという意味だったんだ。」

Copilot 「それはいいね! サイトレビューが完了するまで毎週月曜にサマリーをメール送信しますね」

20251011_235407

ということで、もちろん、SharePoint 管理センターなどでの管理機能を熟知しているうえでとなりますが、Copilot と対話することでスムーズに管理操作を行えるようになります。

ちなみに、弊社では SharePoint 管理センターを利用する管理者向けのオリジナル研修を行っています。他ではあまり扱っていないようなIT管理者向けの濃い内容の研修です。ご参考まで。

【オフィスアイ株式会社】Microsoft 365 SharePoint の構成と管理 ~Microsoft 365 Copilot 対応~

個人向けのOneDrive 

続いては個人向けの OneDrive についてのアップデート情報です。スピーカーは Microsoft OneDrive の Principal Group Product Manager の Kalpana Berman さん。

OneDrive モバイルアプリ

去年、OneDrive のモバイルアプリのUXが大きくに変わりました。

20251012_001444

このUXが OneDrive (個人向け) のWeb版に導入されます。写真に関してはモーメント、ギャラリー、アルバム、ひと、お気に入りなどで分類があります。

20251012_001755

モーメントタブでは特定の日付を選択するとAIがその日に関連する写真をキュレートしてくれます。思い出をうまく整理してくれるわけですね。

20251012_002011

思い出の写真からスライドショーも作成できビデオとして自動保存できます。

20251012_002307

写真の検索もできるようになっており、デモでは「庭にいるうちの子どもたち」で検索しています。

20251012_002441

またモバイルアプリの新機能として選んだ写真をアニメ風に加工したりできるようになります。

20251012_002625

カメラロールには類似する写真が複数あったりしますが、これを1つにまとめてくれる機能も搭載されています。

20251012_002925

スタックした写真から1つだけを残して後は削除するといったことも可能です。

20251012_003227

Photo Agent

Microsoft 365 Copilot チャットに新しく Photo Agent が加わります。これは Microsoft 365 Premium のサブスクライバーが間もなく利用できるようになる機能です。今のところエンタープライズ向けの展開ではないのでご注意ください。

20251012_003353

例えば「Cobo に出かけたときの写真からベストショットを見つけて!」と依頼します。

20251012_003653

目的の写真を見つけてきてくれます。

20251012_003529

プロンプトからアルバムの作成依頼などもできます。

これからのOneDrive 

最後は Microsoft OneDrive チームの VP, Product Management  Jason Moore 氏がスピーカーです。これからの OneDrive について語ります。

ファイルの整理

OneDrive のCopilot フローティングメニューには「Organize your files, without the effort(手を煩わせることなく、ファイルを整理しますよ)」というメニューが用意されます。

20251012_004100

これによって、散らかっている自分の OneDrive の中のファイル群をCopilotが整理してくれます。フォルダーに整理してくれたり、フォルダーを色分けしてくれたりとあれこれ提案してくれます。

20251012_004337

提案内容をプレビューすることもでき、Before / After での比較も可能です。ちょっと魔法使いみたいな機能ですね。家の中なんかもこうやって苦労なくさっと片付くといいのに。。。

20251012_004509

OneDrive のホームにある検索ボックスはもともとサイト(コレクション)横断検索などができるようになっていましたが、これが新しくなり、Copilot 検索と同じような検索になります。

20251012_004923

キーワード検索ではなく、自然言語による文脈に配慮した検索ができるわけです。

20251012_004856

OneDrive カスタム エージェント

SharePoint ですでにカスタム エージェントが作成できるようになっていますが、ようやく OneDrive にも同様のものがお目見えです。

特定のフォルダー内のファイルに特化したエージェントを作成できます。

20251012_005237

エージェントの作成画面は SharePoint のものと同じですね。

20251012_005323

Researcher Agent

OneDrive のCopilotからResearcher による推論が可能になります。特定のフォルダー内の複数のファイルを横断的に調査しレポートを生成します。

20251012_005657

画面はあえて小さくしているようですが、詳細なレポートが画面に表示されています。

20251012_005946

OneDrive 内からワンストップで戦略までたてることができるわけですね。この機能は近く利用できるようになるそうです。

OneDrive Photos in Windows

来年に登場する予定なのが Windows の OneDrive Photo アプリです。Web版のOneDrive の写真と同様の機能が Windows にも投入されます。

20251012_010518

20251012_010649

その他の参考情報

2025年11月18日~12日(米国)にはサンフランシスコにて Microsoft Ignite が開催されます。

こちらでもいろいろな情報がでてくるとのことで期待大ですね。有償の現地開催ではありますが、ハイブリット開催となっているためデジタル イベントとして無償で参加することも可能です。

2025年9月25日 (木)

Microsoft 365 Copilot (有償版)を持っているユーザーはオプトインすることで SharePoint のナレッジエージェントにアクセスできます。ただし、現在パブリックプレビューであり、2025年9月18日~ロールアウト開始でロールアウトの完了は2026年の2月を予定しているとのことで、テナントによってはまだ使えないかもしれません。

SharePoint Technical Notes : SharePoint の新機能 "Knowledge agents (ナレッジ エージェント)" の登場!

さて、SharePoint ナレッジエージェントですが、これまで SharePoint サイトレベルでOut-of-box で利用できていた「サイトの SharePoint エージェント」がサイトの「ナレッジ エージェント」に置き換わっています。SharePoint のサイトエージェントにアクセスするには、これまでサイトの右上に表示されていた Copilot のアイコンをクリックしていましたが、ナレッジエージェントが利用できる場合は六角形のアイコンが表示され、これをクリックすると SharePoint のサイトレベルのナレッジエージェントにアクセスできるようになります。

20250925_153845

SharePoint エージェントの従量課金との関係

さて、このサイトのナレッジエージェントだが、2025年9月25日付の現時点では利用できるのは Microsoft 365 Copilot (有償版)ライセンスを持っているユーザーのみであり、残念ながら従量課金モデルを利用しているユーザーはアクセスできない。もちろん、従量課金モデルのユーザーはこれまで通りノーコードでカスタム エージェントを作成できるが、ナレッジエージェントにはアクセスできないということである。

20250925_153128

サイトのナレッジエージェントの性能

これまで提供されてきた Out-of-box のSharePoint エージェントはサイトレベルの場合は、プロンプトを頑張ってもあまり的確な情報が返ってこなかった。SharePointページに書いている情報を特にうまく拾ってこなかったように思う。

しかし、ナレッジエージェントでは、これがかなり意図する情報を返してくれる。スクリーンショットの画面は私が日頃利用しているサイトであり SharePoint/OneDriveなどのノウハウやTipsを蓄積しているのだが、一部の動画を除きすべてニュースで作成している。そのため従来のエージェントではあまりうまく回答を得ることができなかった。ところが、今回のナレッジエージェントはこれをきちんと取得してくれている。

20250920_211308

2025年9月20日 (土)

Microsoft 365 Copilot (有償版) を活用する上でいかにして組織内のナレッジを再利用して業務に役立てるかは非常に重要なテーマの一つです。その能力を最大限に引き出すには、組織内のコンテンツの質を保ちメタデータを活用することが今後ますます重要になってきます。

そこで新たに登場したのが SharePoint の新機能「Knowledge agents (ナレッジ エージェント)」。このエージェントはコンテンツの整理・生成・活用をAIで支援し、SharePoint を動的でインテリジェントなナレッジハブ(中心)へと進化させます。

公式の情報は下記に公開されています。

一通りのデモンストレーションは次のYouTubeのビデオで確認できます。

この記事では、発表されたナレッジ エージェントの機能や使い方、部門別の活用シナリオ、導入方法までを整理してご紹介します。

Copilot 時代のコンテンツ管理とは?

Microsoft 365 Copilot(有償版)が組織にもたらす最大の価値は、既存のナレッジを再活用し、業務に直接役立てることにあります。 しかしそのためには、AIが参照するコンテンツが整理され、必要なメタデータが整備されている情報源として活用できる状態にしておく必要があります。

SharePoint は、Copilot やエージェントがナレッジを活用するための基盤となるプラットフォームであり、さまざまな情報が格納され蓄積されています。 その中で、コンテンツの「質」と「構造(メタデータ)」が AI の応答精度に直結することが、最近のアップデートでも強調されています。

たとえば、次の通りです。

  • メタデータが整っていることで、類似文書の違いをAIが正確に判断できるようになる
  • コンテンツが分類・タグ付けされていることで、質問に対する根拠ある回答が可能になる
  • ページやライブラリが整理されていることで、Copilot の提案や自動化がより的確に動作する

つまり、AIの力を最大限に引き出すにはコンテンツが整備されていることが前提となるわけです。ちなみに、ここでいっているメタデータとはライブラリの列のことですね。

自分専用のインテリジェントなコンテンツ キュレーター

Knowledge Agent(ナレッジ エージェント)は、先ほども述べたとおりSharePoint に新しく追加された AI 機能で、コンテンツの整理・生成・活用を支援するインテリジェントなアシスタントです。

ちなみに、コンテンツ キュレーターの "キュレーター" は英語では Curator。動詞だと curate (動詞) で"情報を集めて整理する"とか"意味づけする" といったニュアンスが含まれます。つまりはAIが組織内の価値ある既存の情報を集約し、整理し構造化(メタデータの利用)して再利用できるよう整える役割を担うのだということです。

このエージェントは組織が直面しているコンテンツ管理に関する次のような差し迫った課題を解決します。

  • AI対応のコンテンツ整備
  • 検索性や鮮度の向上
  • 手動のガバナンス作業
  • コンテンツ作成のボトルネック

AIによる回答の改善

メタデータはファイルに対して文脈を添える役割があります。つまり、メタデータを適切に付与され、文脈がよりしっかりと理解できるようになることで Copilot がより正確で根拠のある回答を行えるようになります。

従来からメタデータは文書管理システムでは重要視されてきましたが、その問題点の一つがどうのように誰が適切なメタデータを継続して管理していくかということです。SharePoint では SharePoint Server 2007のころからライブラリには列を自由に追加できましたが、メタデータ活用が特に重要視され始めたのは SharePoint Server 2010のころからです。ちなみにNotesを使ってきたユーザーも少なくないと思いますが Notes でもメタデータによるデータ管理の概念はありましたが、冒頭の部分がネックとなりなかなか普及しなかったようです。ですから、メタデータによる管理というのはまったく新しいものではなく、昔からドキュメント管理システムでは試行錯誤してきたところなのです。

さて、メタデータ管理をナレッジ エージェントではライブラリ内に格納されているドキュメント群から自動的に推測して列の追加と値の抽出(生成)まで行ってくれます。実際にはライブラリにアクセスした状態で、エージェントにアクセスすると表示される「Organize this library」メニューをクリックすることで自動生成してくれます。

20250920_095655

Organize_v2

ちなみに、2025年10月以降ではメタデータがあることでエージェントは類似するドキュメントを識別しやすくなるため、より高品質な回答が引き出せるようになります。このようにメタデータ推論ができるようになることで、AIは文書の違いや意味をより深く理解できるようになり、回答の質を支える情報の裏付けが大きく強化されることになります。

<<筆者の考察>>

ところで、この列の自動追加機能は、当初は SharePoint Premium (従量課金制のアドオン)の機能の一つとして構想はあったものですが、当時はまだこれほどまでに生成AIは台頭していなかったし未だ実装されず。

そんな中、そういえば列の自動追加の機能ってどうなったのかなと思ったら、今回のナレッジエージェントの一機能として登場したわけです。プロトタイプのころは独自AIだったはずなので、GPTベースの生成AIとなった今は当時と比較すると性能が格段に違っていそう。この流れを見ていると SharePoint Premium の立ち位置が微妙な感じになってきているように感じます。単に従量課金のサービスの一つなのだけれど、Microsoft 365 Copilot にもしかしたら巻き取られるのか、そうではないのか気になるところです(ただ従量課金はアーカイブとバックアップは残るでしょう)。

コンテンツAIとして登場したのが SharePoint Premium でそう考えると今回のナレッジ エージェントは目指していた方向の進化版だといえそうだなぁと。Microsoft 365 Copilot 有償ライセンスに含まれれば一番、ユーザーのすそ野が広がるわけだけど、既存のSharePoint Premium の従量課金制の枠組みに含めて Microsoft 365 Copliot 組み合わせることで利用できる料金体系になるのか。そのあたりが気になるところ。

metadata hygiene: メタデータ ハイジーン

ナレッジ エージェントに関する英語の原文では頻繁に“metadata hygiene"という言葉が出てきます。直訳すれば「メタデータの衛生管理」となるのですが、要するにメタデータが整理されて、正確で、一貫性があり、使いやすい状態にあることを指します。

つまりナレッジエージェントは、メタデータの衛生管理を動的に行ってくれるということ。コンテンツの内容やユーザーの入力に基づいて、自動入力に適した列を提案してくれるので、ライブラリやサイト全体で一貫したデータ構造が保たれ、検索性も向上します。 もう、何時間もかけて手動でタグ付けする必要はなくなります。ですから、少ない労力でチームを素早く動けるように支援できます。

ビューの生成を支援

ナレッジエージェントは、メタデータをもとにビューを自動生成してくれます。ユーザーはたとえば、「契約書をクライアント別にまとめて見る」とか「2026年に期限切れになるポリシーだけを表示する」というようにエージェントと会話することで、エージェントはそれぞれの目的に応じたビューを素早く作成してくれます。このように欲しい情報を素早く見つけられるよう支援してくれるのです。

Automate_v2

誰でも素早く自動化できる

ユーザーは例えば、「500ドルを超える請求書が追加された時に電子メールを送信して」というようにプロンプトを入力すると、ライブラリの自動化設定にある「ルール」を使ってユーザーに意図に沿った新ルールを追加してくれます。

次のスクリーンショットではプロンプトに「Let me know when new files are added and the product is ZavaCore Filber」と入力しています。つまり、新しいファイルが追加されて、その製品が ZavaCore Filberであったら知らせて欲しいと書いています。これをもとにルールを自動作成するということですね。ちなみに「製品」とはライブラリに追加されている列の名前であり、この列の値は生成AIにより自動生成されることになります。

20250920_100426

さて、プロンプトによりルールの作成ウィンドウが立ち上がりプロンプトに適した条件などが設定されていることがわかります。

20250920_100459

回答とインサイトを素早く得られる

ナレッジ エージェントを通じて、サイト内のコンテンツについて誰でもすぐに質問できます。ライブラリ全体に自動入力されたメタデータのおかげで、エージェントはファイルの内容を以前よりもずっと精密に理解・推論できるようになり、文脈に基づいた根拠ある回答をしてくれます。

さらに、ファイルの比較や音声による概要生成などの新機能も利用できるようになり、コンテンツをより深く理解し、的確に活用できるようになります。

コンテンツの鮮度を保つ

ナレッジエージェントに「サイトの改善」を依頼することで、コンテンツを最新で整った状態に保ち、安心して使えるように支援します。例えば、ユーザーの検索行動を分析してコンテンツの不足やニーズを検知して、不足している内容を洗い出し新しいページ作成を提案してくれます。他にもページのリンク切れを検出して修正を提案してくれます。20250919_212602

また内容が古くなったり適切でなくなったページがあればこれを廃止(Retire)させることで Copilot などから利用できないように排除することもできます。

20250919_212643

ページ作成も、AIと共同で行う

現在、すでにMicrosoft 365 Copilot のライセンスを持つユーザーは、プロンプトに作成したい内容を書くことでAIによってページを自動生成できますし、ページのセクション単位で生成AIを使ってコンテンツを生成することもできます。これによってFAQ セクションの自動生成や、レイアウトの提案なども行ってくれます。またテキストWebパーツ内にもCopilotが追加されており、文章の推敲も容易に行えるようになっています。

このようにまるで共同執筆者であるかのように AI がサポートしてくれます。まさに Copilot(副操縦士) ですね。

ナレッジ エージェントの使い方

ナレッジエージェントは、SharePoint のどの画面でも右下に表示されるボタンをクリックするだけで起動できるようになっています。

Floating_ka_button_v2

現在作業しているファイル、ページ、またはドキュメントライブラリに応じて、文脈に合わせたメニューが表示され、最適な操作を素早く選べます。こういうメニューを「content-aware menu」と呼びますが、つまりはユーザーが今どこで何をしているかに応じて最も関連性が高いメニューを提案してくれるということです。

例えば次の通りです。

  • ページ編集中なら「Improve this site」
  • ライブラリなら「Organize this library」や「Set up rules」
  • 閲覧者なら「Ask a question」など

Office 2007からリボンメニューが登場しましたが、これは従来の Officeではメニューの場所をユーザーが覚えてしまい、新機能が追加されても気が付きにくいという問題を解消するためのものでした。当時は「コンテンツ指向(content-oriented)」と呼ばれ、例えばユーザーが図を選択していれば、その図の操作に関するメニューを集約してリボンに表示するというように、ユーザーの操作の意図をくみ取るような発想だったのですが、ナレッジ エージェントもその流れが進化した形になっているのは興味深いですね。

コンテキストに応じた操作メニューの提案

ナレッジ エージェントの操作メニューは、ユーザーの役割や操作している場所に応じて変化します。

例えば、サイト所有者が利用している場合は、「Improve this site(サイトを改善)」というオプションが表示され、リンク切れの修正、古いページの整理、ユーザー行動に基づくコンテンツの補完などが提案されます。

また、ドキュメントライブラリの編集者の場合:「Organize this library(ライブラリを整理)」「Set up rules(ルールの設定)」「Create new views(ビューの作成)」などのオプションが表示され、メタデータの自動入力、ドキュメントの分類、ワークフローの生成、ビューの作成が可能になります。

閲覧者の場合は「Ask a question(質問する)」というオプションが表示され、ナレッジ エージェントとのチャットが開きます。これにより、閲覧中のファイル、フォルダー、サイトに基づいた根拠のある回答を得ることができます。

業務別のシナリオの例

業務別のシナリオでの活用例を見てみましょう。

IT・プロジェクトチームの場合は、すでに説明したようにナレッジ エージェントを使って、ページ内のリンク切れの修正、古いページの特定、コンテンツの不足を検出。チームが常に正確で最新の情報にアクセスできる環境を維持できます。

人事の場合は、評価基準、採用方針、育成方針、行動規範などのポリシー文書がありますが、これに見直す日付を列として追加したり、カテゴリで分類したりできます。古くなった文書をハイライトして更新を促すビューを作成することも可能です。

法務などの場合は、契約書などの法的文書を分類し、AIが「解除条項」や「損害賠償」などの重要条項を抽出してくれます。たとえばCopilotに「この契約の解除条件は?」などと聞くと当該箇所を引用付きで返してくれたりします。

他にも、営業や広報、施設管理など、さまざまな業務で活用できます。

自然言語による操作で思考を分断しない

ナレッジ エージェントは、シンプルな自然言語プロンプトで操作を洗練・実行できます。 タグ付け、通知、承認などのアクションも、ツールを切り替えたり集中力を途切れさせることなく、その場でスムーズに実行できます。

提供形態とライセンス

ナレッジ エージェントは現在、Microsoft 365 Copilot ライセンスを持つユーザー向けに、テナント単位でのオプトインによるパブリック プレビューとして提供されています。

IT 管理者は、指定された手順に従ってテナント全体でオプトインできます。手順は次のWebページに書かれていますが SharePoint 管理シェルを使います。

オプトイン後は、個別の SharePoint サイトごとにナレッジ エージェントの利用をオプトアウトすることも可能です。

さらに、2025年11月1日以降は、サイト単位でのオプトインも可能になる予定で、組織内でより柔軟かつ段階的な展開ができるようになります。

パブリック プレビュー以降の正式提供(General Availability)に向けて、追加のライセンス情報は後日発表予定です。

まずは Copilot ライセンスを持つユーザーから。テナント単位での導入後、サイト単位での柔軟な展開も可能iになっています。

今後の展望:What's Next

ナレッジ エージェントのパブリック プレビュー期間中は多くの顧客からフィードバックをあつめながら、今後も多くの改善が予定されています。

2026年初頭の正式提供(General Availability)に向けて、Microsoft Ignite などの場で、Copilot ライセンスの価値を最大化するための新しい AI 機能のアップデート情報を継続的に発信していきます。

先行体験への参加

ナレッジ エージェントをはじめとする SharePoint の新しい AI 機能をいち早く体験したい方は、以下のリンクからプライベート プレビューへの参加希望を提出できます。

組織としての参加表明することで、インテリジェントなコンテンツ体験の未来を Microsoft社と一緒に形作ることができるとのこと。

 

2025年9月11日 (木)

Chromium 141 (Google Chrome/Microsoft Edge) ではローカルアクセスに対してユーザーの許可が必要になるため、OneDrive for WebとSharePoint のドキュメント ライブラリ、Microsoft Lists への影響がでるので急ぎ対応するよう Microsoft 365 のメッセージセンターにアナウンスが届いています。

20250911_160720メッセージID: MC1150662

対応期限

Chromium 141 のリリースは9月末を予定しているため、それまでの対応が必要です。

未対応の場合の影響

未対応の場合は、ユーザーに「ローカルネットワークアクセスの許可」プロンプトが表示されます。これをユーザーが許可しない場合は、次の影響が生じます。

  • パフォーマンス最適化が無効(データアクセスが遅くなる)
  • オフライン機能が利用できない
  • ユーザーの混乱やヘルプデスクの問い合わせの増加

対象ブラウザー

  • Microsoft Edge (バージョン140以降)
  • Google Chrom (バージョン141以降)

必要な準備

1. ドメイン名を確認する

例) https://contoso.sharepoint.com

2. ブラウザーポリシーを構成する

ブラウザーポリシーを構成する必要がありますが、次のいずれかで設定します。

  • グループポリシーによる設定
  • Intune による設定

ポリシー名: LocalNetworkAccessAllowedForUrls

Windows 環境でのグループポリシーによる設定

1. ADMX のテンプレートを入手します。

2. テンプレートを配置

  • C:\Windows\PolicyDefinitions に .admx ファイルを配置
  • 対応する言語フォルダ(例:ja-JP)に .adml ファイルを配置

3. グループポリシーエディタで設定

グループポリシーを利用する場合は次のように構成します。

[コンピューターの構成] > [管理用テンプレート] > [Microsoft Edge] > [ネットワーク設定] > [ローカルネットワークエンドポイントへのリクエストを許可するサイトの一覧を指定する]

レジストリキーの例:

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\LocalNetworkAccessAllowedForUrls]
"1"="https://yourtenant.sharepoint.com"
"2"="https://yourtenant-my.sharepoint.com"
※ "yourtenant" はご自身のテナント名に置き換えてください。

Intune による設定

設定カタログから「LocalNetworkAccessAllowedForUrls」を検索し、対象 URL をリストに追加します。

JSON 構成ファイルの例

{
"LocalNetworkAccessAllowedForUrls": [
"https://YOURTENANT-my.sharepoint.com",
"https://YOURTENANT.sharepoint.com"
]
}

追加ポリシーの展開(混乱防止のため)

以下のポリシーが既に有効であっても、明示的な許可リストの展開を推奨します:

  • DisableNucleusSync
  • DisableOfflineMode

これにより、将来的なプロンプト表示やユーザー混乱を防止できます。

 適用確認方法

ブラウザの chrome://policy または edge://policy にアクセスし、ポリシーが反映されているか確認できます。「LocalNetworkAccessAllowedForUrls」が表示され、設定したURLが含まれていれば成功です。

 推奨アクションチェックリスト

  • 対象テナントの URL を確認する
  • グループポリシーまたは Intune でポリシーを設定する
  • テスト環境で動作確認を行う(プロンプトが表示されないか確認)
  • 本番環境へ展開する(9 月末までに完了)

今回のアップデートでローカルアクセスがなぜ影響するのか?

OneDrive やSharePoint のファイルを開く時にローカルにインストールされている OneDrive アプリ(同期アプリ)と通信し、次のような処理を行います。

  • ファイルのローカルキャッシュの確認
  • オフライン編集の準備
  • 「開く」や「保存」操作の高速化

この通信がローカルネットワーク経由で行われます。

またMicrosoft Lists もIndexedDBや Searvice WOrker を使ってローカルキャッシュを保持しているためオフライン時でもある程度の操作ができるようになっているのですが、これもローカルネットワークアクセスとして扱われる部分があり、この制限を受ける可能性があるようです。

SharePointやOneDriveはブラウザーとOS間でバックグラウンド通信を行い、ファイルのプレビューや編集リンクの生成を高速化しています。これもローカルネットワークアクセスに依存しています。

[参考情報]
Microsoft Edge Browser Policy Documentation LocalNetworkAccessAllowedForUrls | Microsoft Learn

2025年7月15日 (火)

今年の2月ごろ、Power Apps の研修でいつものようにモバイルアプリにカメラ機能を搭載してそこからPower Automate 経由で SharePoint に画像を保存するという演習をやろうとするとうまくいかないというトラブルが。

結果的には、一時的な不具合だったようで現在は修正されていますが、それだけでなく画像の取り扱いの仕様が少し変わったところもあるようなので改めて画像についての取り扱いを整理しておきたいと思います。
※あくまでも2025年7月現在の話であり、今後はまた変更されることもあると思いますのでご注意ください

Power Apps での画像の取り扱い

Power Apps では画像データは Base64形式で保持します。ですから、Power Automate に渡して画像を SharePoint や OneDrive(Business)にファイルとして保存する場合、Base64であることを考慮した処理が必要となります。

参考: そもそも Base64 とは?

ここでBase64 (ベース ロクジュウヨン) とは何かというのを補足しておきましょう。

Base64 とはバイナリデータ(0か1かで表現されたデータ) を文字データに変換するエンコーディング方式の一つです。画像やファイルのようなバイナリデータをアルファベット(A-Z, a-z)、数字(0-9)、特殊文字(+,/) の64種類の文字で表現します。Base 64の “64” はこれに由来しています。便利な反面、テキスト化すると、元データより多少膨らむ(約1.37倍)点には注意が必要です。

この仕組みはもともとデータを文字形式に変換して電子メールなどのテキストベースのプロトコルで送信できるようにするために設計されました。

さて、Power Apps のカメラコントロールの Photo プロパティでは撮影した画像が直接 Base64でエンコードされます。ラベルなどに Photo プロパティを割り当てると値を簡単に確認できます。

20250712_155343

ちなみに、Base64 には次の2つの形式があります。

  • Data URI
  • プレーン Base64

Data URI は接頭辞に "data:image/png;base64;iVBORw0..." のように実データ以外にファイルの種類などを示す文字列が追加されます。先ほどのカメラコントロールの Photo プロパティは Data URI です。

Power Automate にData URIを渡すと自動的にこの接頭辞は除去されプレーンな Base64 が渡されるようになっています。←これは実は、以前とは仕様が異なっているところ

ちなみに、画像コントロールや画像の追加コントロールに含まれるUploadedImageコントロールのImage プロパティはユーザーが画面に画像を追加すると Data URI ではなく appres://... という形式の値が格納されます。

20250712_121621

コントロール プロパティ 値の例
画像 Image appres://resources/P3293125
画像の追加 (UploadedImage1) Image appres://blobmanager/85db1f7390a34828b5d2f4f5e2cef0c3/1
画像の追加 (AddMediaButton1) Media appres://blobmanager/85db1f7390a34828b5d2f4f5e2cef0c3/1
カメラ Photo / Stream data:image/png;base64,iVBORw0…(中略)…K5CYII=

appres:// で始まるのは Power Apps 内の内部リソース参照となっていて、「埋め込み画像」または「一時参照URI」などと呼ばれたりもします。各形式の意味と用途は次の通りです。

値の形式 意味 取得元コントロール例 特徴

appres://resources/xxxxx...

アプリに事前に埋め込まれた静的リソースへの参照 画像コントロールImage 誰が見ても同じ画像

appres://blobmanager/xxxxx....

実行時にアップロードまたは選択された一時Blob参照

UploadedImage.Image

AddMediaButton.Media

一時的な画像、ユーザーごとに異なる

と、ここまでは PC ブラウザー上の話で、Power Apps のモバイルアプリの場合は異なります。埋め込み画像以外のカメラコントロールや画像の追加コントロールの画像は格納先のパスが表示され、それぞれ "/SessionStorage/" 配下に格納されているのがわかります。Screenshot_20250714_214205_power_ap

Power Automate のクラウドフローに画像を渡す場合は、 Power Apps V2 コネクターのトリガーの引数として「ファイル」を追加しておきます。

20250712_155851

20250712_155908_2

20250712_160342

Power Apps 側ではカメラコントロールで撮影した画像をプレビューするために画像コントロールのImageプロパティに割り当てることがよくあります。そのため、この場合の画像コントロールの Image プロパティにはData URIの Base 64 が格納されます。

20250712_223641

20250712_223428

ところで、画像の拡張子はカメラコントロールのPhotoプロパティから取得する場合は PNG形式ですが、その他の画像形式などもあり得ます。汎用的に拡張子を判定するためには次のように式を構成することも可能です。これをフローの呼び出し時などに使うといいでしょう。

//PCブラウザーかモバイル化の判定
Set(_IsMobile,If(Host.OSType="Android" || Host.OSType="iOS",true,false));

//Base64の先頭からmime typeを抽出する
Set(_mimeType,
//PCブラウザーの場合
If(!_IsMobile,Mid(Camera1.Photo,6,Find(";",Camera1.Photo)-6),
//モバイルの場合
Right(Camera1.Photo,4)
));

//ファイルの拡張子を決める
Set(_fileExtension,
    If(_IsMobile,
        _mimeType,
        Switch(_mimeType,
            "image/jpeg", ".jpg",
            "image/png", ".png",
            "image/gif", ".gif",
            "image/bmp", ".bmp",
            // Default case (optional)
            Blank()
        )
    )
);

20250714_220753

さて、先述した通りPower Automateに送信するときにはData URI(data:image/xxx;base64,) のヘッダー部分を自動的に除去し、contentBytes にはプレーンBase64のみが格納されます。実際のフローの実行結果からもcontentBytesのフィールドで確認できます。

20250712_163309

そのため、SharePoint にファイルを保存する場合は、SharePoint コネクターの「ファイルの作成」アクションのファイルコンテンツ プロパティでは base64ToBinary 関数を使い、次のように式を指定します。以上で SharePoint に画像をファイルとして保存することができます。

base64ToBinary(triggerBody()?['file']?['contentBytes'])

20250712_224510

従来からの仕様変更の注意点

長らく(昨年の2024年のおそらく後半までは) Power Apps のカメラコントロールから Power Automate に渡した画像はData Uri 形式であったため、Power Automate 側で画像を受け取った後は dataUriToBinary() を使っていました。ですが、内部的な使用変更があったようでプレーンなBase64が渡されるようになっているため base64ToBinary() を使う必要があるので注意しましょう。