カテゴリ「SharePoint 全般」の83件の投稿 Feed

2009年2月10日 (火)

今年も SharePoint カンファレンスが U.S. で開催されるようです(といっても、まだかなり先ですが)。このカンファレンスは、昨年は3月に初めて 開催され、今回は2度目の開催になります。昨年は参加したのですが、当然 SharePoint だけの技術カンファレンスなので連日、どのセッションもSharePointだらけで、英語はあまり得意ではありませんが、それでもデモなど見るだけでも色々と勉強になりました。

すでに公式サイトはオープンしており、早期登録者割引(Early Bird Registration)は始まっているようです。

今回の目玉は、やはり次期 バージョンである "SharePoint 14"(コード名) になるようですね。それと、現行バージョンのSharePoint Server 2007 の知識をより深めることが主な目的となりそうです。とはいえ、まだ半年後のことですし当然詳細なアジェンダなどは決まっていないようですので、引き続き情報のUPDATEを待ちましょう。

2009年2月 5日 (木)

SharePoint 上でのストリーミング配信をしたいんだけれどという要望をたびたび耳にします。この場合問題なのが、コンテンツをどう管理するかです。ご存じのとおり、SharePoint 上にアップロードできるファイルの既定の上限値は50MBまでとなっていますし、そもそも大きなサイズのデータを大量にアップロードするということはそれだけDBが肥大化していくことになりますので、あまり効率的ではありません。

そこで一つの解決策として参考になるのが、「Podcasting Kit for SharePoint 」というキットです。これを使用するとSharePoint Server 2007 上に下記のような ポッドキャスティング サイトを構築できます。

[図.Podcasting Kit for SharePoint (PKS)を使用したサイトのトップ画面]Pks1

[図.ストリーミングを表示またはダウンロードするための画面]Pks2

内部的にはSilverlight の技術を併用しており、特徴としてはサイトにアップするストリーミングコンテンツは Expression Encoder を使用して、自動的に任意のファイルサーバーにエンコードされて格納できるため、SharePoint上の制限をうまく克服しています。SharePointはこのリンク情報と関連する様々なメタデータを管理します。

このキットはマイクロソフトのオープンソースのコミュニティサイトであるCodePlex というサイトに公開されているもので、無償で利用できるのですが、残念ながら英語版のみしかなく、しかもまだベータ版でところどころ動きません。2008/12/3 のバージョンで検証したのですが、日本語環境では動きませんでした。。。

セットアップの詳細やSilverlight に関する情報は、現在発売されている Windows Server World 3月号(http://direct.idg.co.jp/item_detail.command?item_cd=WSW_200903&redirect=wswonline) に記事を寄せていますので、そちらをご覧くださいませ(ただし、原稿の執筆が12月の中頃だったため、 Beta は 2008/12/3バージョンとなっていますので注意してください)。ちなみに、先月号は、この話の前段階としてUIカスタマイズの基礎を説明しています。

なお、この Podcasting Kit ではリストのプロパティ情報を元にクラウド表示するWebパーツがあったり、リストアイテムのフィルタソリューションの例として「"日本語" で "営業向け" コンテンツのみ」表示する機能などがトップページに盛り込まれていたりしますので、SharePoint Server 2007で実現できるソリューションサンプルとしてみるだけでも参考になります。

[図.コンテンツのフィルタ]
Pks3

ロードマップを見ると、引き続きどんどんアップデートされていくようですので、また折を見て定期的に新しいバージョンでの検証をして行く予定です(※というか、そもそも、2008/12/31にアップデートがでているので、これを検証しなくては。。。)。

2009年2月 3日 (火)

しばらくぶりの更新です。去年は後半、本業があまりに忙しく、ほとんど更新せずじまいでおりましてすみませんでした。また、少しずつになると思いますが、できる限り新しい記事を投稿していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

では早速、タイトルにありますように新しくSharePointに関する日本語書籍が2/26に発売されます! (現在、Amazonからも予約ができるようになっています) MS松崎さんなどが既にブログにも書かれているのでご存じの方も多いかも知れませんが、こちらでもご案内しておきます。

主にSharePoint上でのソリューション開発を行う方向けの中級レベルの方を対象とした書籍です。今回、マイクロソフトの社員の方々とで共著させていただいています。

  • 書籍名:VSTO と ShrePoint Server 2007 による開発技術

    Mossoba

  • 出版社:翔泳社
  • 著者:小高太郎、小松直也、小山才喜、西岡真樹、松崎剛、山崎愛(敬称略)

書籍の内容は、Visual Studio Tools for Office (VSTO)を使用した Office クライアントアプリケーションの機能拡張から始まり、SharePointのアーキテクチャ、フィーチャーフレームワーク、Webパーツ開発、ワークフロー開発,BDC(ビジネス データカタログ)、OBA統合ソリューション開発(実践的な受注システム開発サンプル)などです。私は、SharePointのアーキテクチャとフィーチャーフレームワーク、OBA統合ソリューション開発の3章を担当しています。特にSharePointのアーキテクチャに関しては、以前執筆した「ひと目でわかる SharePoint Server 2007」よりも詳細に書きました。特に、セミナーやコンサルティングなどしているときにご質問が多い、セキュリティ、SharePointのオブジェクトモデルの基本操作、IIS上との関連などについて触れています。

また、OBA統合ソリューションではMOSS上でVSTO+ Open XML +Webパーツ+ワークフロー連携を行うソリューションになっています。少しだけ、画面イメージをご紹介しておきます(なお、このサンプルは昨年行われたMicrosoft TechEd 2008 Yokohamaのブレークアウトセッションでご紹介したものです)。


[開発サンプル画面:申請ポータル]
Shinnseiportaltop

※受注処理を行うための申請ポータルサイトです。画面遷移することなく、申請と承認とが行えるようカスタムWebパーツを配置しています。

[開発サンプル画面:VSTOでカスタマイズした見積書]Mitsumori

※Word2007をVSTOでカスタマイズしてデータベースとSharePointの両方に連携させています。文書番号の採番は自動的に行われ、データベースにXML形式で申請内容が登録されるので、見積書のデータは受注登録→納品書作成→請求書作成という流れで再利用できるようになっています。また、ファイル自体も申請処理と同時にSharePointのドキュメント ライブラリに自動的に格納し、カスタム ワークフローが開始されるようにしています。カスタムワークフローでは、Active Directoryの情報を使って自動的に承認経路が作成されます。


この開発サンプルについては、書籍が発売されるタイミングで弊社オフィスアイ株式会社のWebサイトからダウンロードできるようにする予定です。また、書籍でご紹介しているソリューションを実際に構築できるハンズオンの教育コンテンツを開発しておりまして、こちらはすでにリリースしています。詳細につきましては下記URLをご参照くださいませ。この研修ではあらかじめ用意したカスタマイズしていないSharePointサイト上に実際にソリューションを組み上げながら、学習できるようになっています。

ということで、今年初めの投稿は久々に執筆した書籍のご案内でした。

2008年9月30日 (火)

前回に引き続きご紹介するのは、コンテンツ DB に関するものです。既定では新規にWebアプリケーションを作成する時に対応するコンテンツDBを1つ作成することになります。つまり、1 Web アプリケーションあたり1コンテンツDBという対応付けになるわけですが、コンテンツDBはより細分化でき、サイトコレクション単位でコンテンツDBを持たせることができるようになっています。このようにコンテンツDBを細分化できることを知っていると、データベースのバックアップ計画を立てる際に役立ちます。なお、コンテンツDBはサイトコレクションより細かい単位での分割はできません。

新たにコンテンツDBを追加して、既存のサイトコレクションを移動する手順は以前の記事でご紹介しました(前回の記事はこちら)。

今回は、stsadm.exe を使った別のアプローチをご紹介します。

◆新たに作成するサイトコレクションを新しいコンテンツDBに作成する

構文は次の通りです。

stsadm -o createsiteinnewdb -   -url <新しく作成するサイトコレクションのURL>  -owneremail <サイトコレクションの所有者の電子メールアドレス>

コマンドラインの詳細は次のサイトを参照してください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262407.aspx

◆ 既存のコンテンツDBを新しいコンテンツDBに移動する

このコマンドはSharePoint Server 2007 SP1 から提供されるようになったものです。構文は次の通りです。

stsadm -o mergecontentdbs   -url <URL 名>   -sourcedatabasename <移動元のデータベース名>   -destinationdatabasename <移動先のデータベース名>

コマンドラインの詳細は次のサイトを参照してください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262923.aspx

以上が stsadm.exe についてバックアップと復元などの基本機能以外で知っておくとよいと思われた機能です。次回の記事では、これまでの記事でご紹介した stsadm.exe を利用した例をまとめておきたいと思います。

2008年9月25日 (木)

stsadm.exe は SharePoint では欠かせないコマンドラインベースの管理ツールです。意外とご存じない方が多いのですが、SharePoint Server 2007 では、このコマンドラインは独自に拡張できるようになっています。以前のバージョンではこれができませんでした。どのように機能拡張ができるかは、今後別の投稿でご紹介する予定ですが、こうした仕組みにより、たとえば、SharePoint Server 2007 の SP1 をインストールすると stsadm.exe のコマンドライン オプションが新たに追加されていたりします。

stsadm.exe についてはたくさんのコマンドラインオプションがありますので、知っていると便利そうな機能をいくつか回を分けてご紹介してみたいと思います。今回ご紹介するのは以下のもので、これは SharePoint Server 2007 SP1 からの機能です。

サイト コレクションに制限を設定して、特定の組織単位 (OU) のユーザーに対してのみアクセスを許可する」

サイトの管理者は AD 上のユーザーやグループを自由に追加でき、追加されたユーザーはサイトコレクションごとに管理されます。つまりサイトコレクションを分けて管理をしていたとしても、同一ユーザーを複数のサイトコレクションに追加できることとなるため、サイトコレクションごとに管理対象となるユーザーを厳密に分離することはできません。しかし、こうしたニーズがある場合、stsadm.exe に新たに追加された機能を用いることで、指定したOUに所属するユーザーのみを特定のサイトコレクションに限定することが可能となります。

実行するコマンドラインの基本構文は次の通りです。

stsadm.exe –o setsiteuseraccountdirectorypath –url site collection url -path OU path

詳細は次のサポート技術文書にあります。
http://support.microsoft.com/kb/943100/ja

たとえば SharePoint サイトにユーザーを新規に追加しようとする場合、こうした制限を設けておくと、指定しているのOUのユーザーのみが検索結果に表示されるようになります。