カテゴリ「SharePoint 2010」の86件の投稿 Feed

2011年6月29日 (水)

ブログをしばらくご無沙汰していましたが、そろそろ再開します (最近 Lync 2010 を使ったソリューション開発などにも取り組んでいるのでそのあたりの情報なども公開していく予定です)。さて、Office 365 が大々的にラウンチした陰で、U.S 時間の 2011/6/28 付けで SharePoint 2010 Service Pack 1 の提供が開始されたようです。

では、SP1 についてかいつまんで説明します。

インストールについて

SP1 には 2011年4月までの累積的な更新プログラムと 2011年6月までの更新プログラムが含まれているため、直接RTM環境にインストールできます。次のサイトでは更新プログラム適用ベストプラクティスが書かれていますが、SharePoint Server 2010 を導入している場合は、常に先にSharePoint Foundation 2010 SP1 をインストールしてから SharePoint Server 2010 SP1 をインストールすることが推奨されているため、この順でインストールすることをお勧めします。

http://technet.microsoft.com/en-us/sharepoint/ff800847

また、SP1 インストールする前に下記の URL に公開されている既知の問題を確認するようにしましょう。

http://support.microsoft.com/kb/2532126

上記ブログでは SP1 インストール後に Jun 2011 の CU (累積的な更新プログラム) をインストールすることを強く勧めると書かれていますのでこの点も注意が必要です。また、資料を見るとOffice Web Apps をインストールしている場合は、Office Web Apps にも SP1 が提供されているため SharePoint 2010 SP1 をインストールした後に Office Web Apps SP1 を適用するようにした方がよいようです。

主な新機能と機能強化について

SharePoint Server 2010 および SharePoint Foundation 2010 SP1 では新機能が追加され、機能強化も行われます。ホワイトペーパー(http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=26573) が公開されているので、そこからいくつか主なものだけ抜粋します。

「SQL Server コードネーム "Denali" 上へのインストール」

SQL Server 2005 と SQL Server 2008  のサポートは継続されますが、これ以外に SQL Server "Denali" もサポートされます。

「サイトのごみ箱」

SP1 からサイトのごみ箱が利用できるようになります。これまではサイトは削除するとバックアップから戻すのが一般的でした。SP1からはリスト、ライブラリ、リストアイテムを削除した場合と同じように削除したサイトはごみ箱にいったん移動するようになるため、誤って削除してしまったとしても簡単にごみ箱から戻せます。サイトを削除すると、トップレベルサイトにあるごみ箱に移動します。復元するには、サイト コレクションの管理者が、トップレベルサイトのサイトの設定ページにアクセスし、ごみ箱から復元します。

SP1-SiteDelete-01 

SP1-SiteDelete-02 

Windows PowerShell を利用する場合は、「Remove-SPWeb  http://sp2010  -Recycle」というように -Recycle パラメータを指定します。なお、サイト コレクションを削除した場合もリストアができるようになりますが、リストアはRestore-DeletedSPSite コマンドレットを使用する必要があります。

参考資料

「StorMan.aspx(記憶域メトリックス)」

SharePoint Server 2007 まで、サイトコレクションに対してクォータ設定をしているとストレージの空き領域が確認できる StorMan.aspx ページがありました。しかし、SharePoint 2010 からはこのページが削除されてしました。SP1 では、改善された StorMan.aspx が導入されます。このページはサイト コレクションの管理者がアクセスできるようになっており、管理メニューの名称は記憶域メトリックスです。

Sp1-StorMan 

「ブラウザーサポート」

IE 9 と IE 8 の標準モードのサポートが提供されるほか、Google Chrome ブラウザーもサポートされます!

 「 Windows PowerShell コマンド」

サイトのごみ箱機能がサポートされるため、次のコマンドが新たに加わります。

  • Get-SPDeleteSite, Remove-SPDeleteSite, Restore-SPDeleteSite

※そのほか、RBSの対応も若干変わるため Move-SPSite にパラメータが追加されます。

検証環境でのテスト

さっそく検証環境に SP1 をインストールしました。手持ちの環境はSharePoint Server 2010 1台のみで以下の通りです。

  • Windows Server 2008 R2 SP1 ( Hyper-V の Guest 環境) 日本語環境
  • SharePoint Server 2010 (Office Web Apps  + Language Pack : 英語)  日本語環境
  • Visual Studio 2010 SP1

SP1 は次のものをダウンロードし順にインストールしました。私の環境ではインストールの所要時間は DB のアップグレードを含めると全部で60分程度でした。

  1. SharePoint Foundation 2010 SP1 (Japanese)
  2. SharePoint Foundation 2010 Language Pack SP1 (English)
  3. SharePoint Server 2010 SP1 (Japanese)
  4. SharePoint Server 2010 Language Pack SP1 (English)
  5. Office Web Apps SP1 (Japanese)

ちなみに、私の環境ではインストール中に「Visual Studio Just-In-Time デバッガー」が何度も起動し「ハンドルされていない例外 ("System.Security.Cryptography.CryptographicException")が OWSTIMER.EXE で発生しました」というメッセージが表示されました。これについては引き続き調査してみます。さて、インストールが完了するとサーバーの全体管理サイトではサーバーの状態が次のように表示され、アップグレードが必要であることが示されます。※なお、インストール完了時点では手元の環境の構成データベースのバージョンは 14.0.4762.1000 です。

SP1-01 

また、データベースの状態も次のように表示され、ここでもアップグレードの必要性が示唆されます。

SP1-02 

データベースをSP1にアップグレードするためにSharePoint製品構成ウィザード(PSConfig) を実行します。

SP1-03 

ウィザードが完了すると構成データベースのバージョンが 14.0.6029.1000 となり、正しく構成されたことが確認できます。 

 Sp1-04

Sp1-05 

なお、SP1 適用後に手元の環境ではユーザープロファイルの同期を行う Forefont Identity Manager Synchronization Service が手動開始に変更されサービスが開始されなくなりました。このためいったんこのサービスを自動開始に変更し、サーバーの全体管理サイトから再び "User Profile Synchronization Service" を開始しました(※"EndpointNotFoundException" エラーが頻繁に表示されたら、このサービスが開始されていない可能性が高いです)。

以上、ご参考まで。

2011年4月26日 (火)
2011年3月 9日 (水)

SharePoint Conference 2011 の登録が開始されましたね。2年ぶりのイベントですが、今年は米国アナハイムで10/3-6の期間に開催されるようです。私は今のところ予定をブロックして参加予定です。楽しみ!!

2011年1月19日 (水)

Ineternet Expolorer (IE) では SharePoint サイトにアクセスする際に、ユーザー名とパスワードが聞かれないことがほとんどだと思います。IE ではユーザー名とパスワードを聞かない代わりに Windows OS へのログイン アカウント情報をそのまま渡すような仕組み(設定)を持っています。この設定が既定で有効に動いていると、サイトにアクセスする際にユーザー名とパスワードは聞かれません。もちろん、この設定は変更できるため、常にユーザー名とパスワードを求めるよう IE を設定することもできます。この仕組みをご存じない方も多いのではないでしょうか。

この設定は、IE の[インターネット オプション設定] - [セキュリティ] タブ にあるゾーンのセキュリティ設定にあります。通常は SharePoint サイトは "信頼済みサイト" に URL 登録をしておくことが一般的であるため、たいていは "信頼済みサイト"ゾーンを選択し、[レベルのカスタマイズ] ボタンをクリックして、設定の最下部にある [ユーザー認証] で、"イントラネット ゾーンでのみ自動的にログオンする" または "現在のユーザー名とパスワードでログオンする" のいずれかを指定します。

IE-Zone-Security 

SharePoint Server 2010 では Firefox のアクセスもサポートされていますが、IEと異なりFirefox は既定で SharePoint サイトに自動ログインしません。ただし、設定を変更することで自動ログインも可能になります。

次の手順で設定できます(NTLM認証の場合)。

  1. Firefox を起動し、アドレスバーに "about:config" と入力し、Enter キーを押下します。
  2. "動作保障対象外になる" 旨の警告が出ますが、[細心の注意を払って使用する] ボタンをクリックします(※自己責任で設定を試してください)。
  3. [フィルター]バーに、"network.automatic-ntlm-auth.trusted-uris" と入力します。
  4. "network.automatic-ntlm-auth.trusted-uris" 項目をダブルクリックし、自動ログインしたい URL を記述します。たとえば、http://sp2010 と指定します(最後のスラッシュは不要です)。
    Firefox-autologin 

以上で設定は終わりです。

[参考] http://sivel.net/2007/05/firefox-ntlm-sso/

2010年12月10日 (金)

2010/12/15 に マイクロソフト パートナー向けセミナーである mstep に登壇します。

「SharePoint Server 2010 ベーススキル トレーニング ~ Office との連携手法と新機能」
実施は東京で、場所は新宿サザンタワーです。エンドユーザー向けの内容ではなく、あくまでマイクロソフト社のパートナー向けのセミナーです。一通り SharePoint 2010の機能を一日にギュッと濃縮してご紹介します。
最近は私自身、mstep セミナーの登壇機会がめっきり減っており、おそらくしばらくはこうした無償セミナーへ登壇はなくなってしまうと思いますので、よろしければご参加くださいませ。
私自身が登壇する無償セミナーの回数は減るとはいえ、今後の SharePoint 2010 の情報提供は、ブログや書籍と有償のセミナーのみとなってくると思いますが、SharePoint はエンジニアの教育は欠かせませんので、ぜひご予算は確保の上、各種セミナーもご利用くださいませ。よろしくお願いいたします。