2017年4月

2017年4月25日 (火)

Azure AD を管理するのに PowerShell をよく使いますが、従来の MSOnline モジュール (Azure Active Directory PowerShell v1) は廃止予定となっており、これから新規にスクリプト開発をする際には新しい AzureAD モジュール (Azure Active Directory PowerShell v2) を使っていくようにしたほうがよいでしょう。とはいえ、まだ AzureAD モジュールでは利用できない機能もあるため、まだ MSOnline モジュールも使うことがあります。※使い分ける必要があるのは厄介ですが、仕方ありません。

たとえば、 削除した Office 365 グループの復元をするには、この AzureAD モジュールが必要です。

従来の MSOnline モジュールとの大きな違いは、 Graph API が実装されていることです。(これは勝手な推測ですが) この新しい実装により Office 365 グループのように Azure AD にグループを作成するだけでなく、同時に関連するSharePointサイトを作成し、Exchange Online 上にメールボックスを作成しているようなケースでも、これら含めて復元できるようになるということであるようです。

詳しくは下記を参照してください。

Overview of Azure PowerShell

An overview of Azure PowerShell with links to installation and configuration.

 

Office 365 グループの復元についての注意

ところで、このAzureADモジュールですが、モジュールが General Availability リリースPublic Preview リリースと2種類あります。

2017/4現在だと下記の通りです。

機能的な違いがあるため気を付ける必要があるのですが、必ずしも GA のものがよいわけではありません。前述の Office 365 グループの復元に関しては Public Preview を使う必要があります。理由は、記載されている "Get-AzureADMSDeletedGroup" などのコマンドがないためです。GA からは削除されているようですね。しかし、本格運用はともかく、まずは検証したいということであれば、今のところPreview を使うしかないわけです。

このようにサポートされているコマンドに違いがありますので、利用するコマンドは果たしてどちらがよいか、確認するようにしましょう。

 

2017年4月22日 (土)

Office 365 へのサインイン状況を含めたサインイン状況をユーザーごとに確認するには Azure Active Directory ポータルのレポートを見ます。

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しかし、これを毎回確認するのは Azure AD の管理者である必要があり、レポート作成もダウンロードしたデータを加工する必要がありちょっと面倒です。

Azure Active Directory Activity Logs コンテンツ パック (Preview) 

2017年1月20日に、Power BI 用の「Azure Active Directory Activity Logs コンテンツ パック (Preview) 」がリリースされています。これを使うと非常に簡単に Power BI 上でログイン状況が確認できます。

Azure Active Directory meets Power BI | Microsoft Power BI Blog | Microsoft Power BI

Understanding how users adopt and use Azure Active Directory features is critical for IT admins. It allows you to plan your IT infrastructure and communication to increase usage and to get the most out of AAD features. The usage and activity reports in the Azure admin portal is a great starting point.

 使い方は上記のページに書かれていますが、改めて手順を紹介しておきます。

Power BI について簡単におさらい

Power BI は有料版である Power BI Proと無料版の単なる Power BI がありますが、 Office 365 ユーザーはOffice 365 のアカウントで Power BI サイトでサインアップすることで無料版が利用できます(※組織によってはサインアップを許可していないかもしれません)。Power BI Pro は別途ライセンスを購入し、当該ユーザーにライセンスを割り当てていれば使えるわけですが、いずれにしても、Office 365 ユーザーすぐに Power BI を利用できる環境が整っているわけです。

さて、すでに Power BI にサインアップしている前提で、Azure Active Directoryの管理者が Power BI を使ってレポートやダッシュボードを作成します。これは同じく Power BI にアクセスて席るユーザーとURLで共有できますし、PowerPoint にエクスポートしたり、印刷したり、Microsoft Teams にタブとして追加したりできます。ということで、広く共有しやすくなることは間違いありません。

コンテンツ パックを使ってみよう!

さてコンテンツパックの使い方です。

  1. Power BI サイトにサインインする
  2. 「コンテンツ パック ライブラリ」の[取得]をクリックする。
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  3. 「Azure Active Directory Activity Logs (Preview)」を探し、[今すぐ入手する]をクリックする。
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  4. テナント名を入力して[次へ]をクリックする。
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  5. 認証方法は OAuth2 と Basic が選べる。いずれかを指定し、[サインイン]をクリックする。ちなみに、私の環境では既定の OAuth 2接続を使った。
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  6. 認証画面が表示されるため、Azure AD の管理アカウントでサインインする。
  7. データセット、レポートおよびダッシュボードが下図のように自動生成される。
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Microsoft Teams にタブとして追加する

このようにして生成したレポートは、前述した通りMicrosoft Teams にタブとして追加できます。※このようにTeamsは Power BI と相性がよく、レポートを手軽にチームメンバーと共有できます。そしてそもそもPower BI を使えば、見栄えのよい分析データを手軽に素早く作れるわけです。

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注意点

ちなみに、このコンテンツパックを利用するには、Azure AD Premium 契約が必要です。また、MFA (多要素認証) が有効になっているアカウントは OAuth2 オプションを使うと認証の問題が発生することがあるようです。その場合は、基本認証か MFA が有効でないアカウントを使う必要があります。

また、現在は最近7日間分しかレコードを取得できません。日付を指定して取得する機能は次のリリースに含む予定だそうで。この点は現在、本格利用を行うには非常にネックとなっています。次のリリースがいつになるかわかりませんが、期待したいところです。

 

 

2017年4月21日 (金)

Office 365 の新しい個人タスク管理機能として Microsoft To-Do のプレビューが公開されました。

Introducing Microsoft To-Do-now available in Preview - Office Blogs

Stay Informed Today we're excited to introduce a new, intelligent task management app that makes it easy to plan and manage your day. Say hello to Microsoft To-Do-now available in Preview. To-Do comes from the team behind the Wunderlist app, and delivers a smarter, more personal and intuitive way to help people stay organized and get the most out of every day.

 既定はオフになっているようですが、利用できるようテナント管理者がアカウントごとに設定しておく必要がありますが、とりあえず下記のURLに手持ちの Office 365 アカウントでサインインできれば、使えるということです。

サインインしたあとは、タスクの作成はごくシンプルで、メモ帳に書くようにタスクを書き連ねていくだけです。基本的には今日明日にやるタスクといつかやるタスクですね。それを必要に応じてカテゴリ分けして、優先順位を変えて、最後は消し込んでいくと。。。Outlook の To Do とも同期するようですが、シンプルなのがよいですね。あとは、リコメンデーションの機能があり、「こんなタスクはいかが?」と推薦してくれるようになるらしいです。

操作は現在↓のような感じです。クリックすると拡大表示します。(※操作画面を差し替えました)

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個人的にはこのくらいシンプルなのが潔くて好きです。この機能、もともとは Microsoft 社が買収した会社である Wunderlist 社の Wunderlistの後継です。関連記事がいくつかでています。

[ZDNET] マイクロソフトのタスク管理ツール「To-Do」がプレビュー公開--Outlookとも連携へ

今後タスクの共有機能など、Wunderlist が持っていた機能が追加されていくとのことで、期待したいところです。

ちなみに、Office 365 で利用できるタスク管理機能としては次のようなものがあり、選択肢がまた一つ増えました。さて、皆さんはどう使い分けますか? 

  • Outlook To-Do
  • SharePoint の タスクリスト
  • Microsoft Project 
  • OneNote での簡易タスク管理
  • Microsoft Planner ...

 

 

2017年4月20日 (木)

Office 365 グループに新たな管理機能が追加されました!

What's new in Office 365 Groups for April 2017 - Office Blogs

With over 85-million monthly Office 365 users, there's no such thing as a typical customer. That's why we built Office to embrace the diverse needs of the modern workplace by giving teams their choice of tools. Even within a single organization, different teams often have different demands for the productivity tools they use every day.

Office 365 グループのおさらい

Office 365 グループとは何たるかを簡単におさらいしておきましょう。

Office 365 グループは、Office 365 内でのみ作成できるグループです。Office 365 グループの強みは Office 365 で提供される各サービスにシームレスにアクセスできるところです。Azure AD 上にグループが作成されますが、Microsoft Graph API を通じて各サービスにアクセスできます。

O365Groups

Office 365 グループを作成すると基本的な機能を持つ情報共有の場が作られます。

  •  グループの共有メールボックスが作れらるため、グループメンバー同士のみの会話が簡単
  • 共有メールボックスにはカレンダーも含まれるためチームの予定も管理できる
  • 専用の SharePoint チームサイトも作成されるためファイル共有は SharePoint の機能で行える (バージョン管理も含め) 

上記がグループの中核機能です。

また、Microsoft Planner や Microsoft Teams, Yammer グループなどを作成するときにも、Office 365 グループが作成されるようになっています。

  • Microsoft Planner … プランを作るとこれに紐づく Office 365 グループも作られる
  • Microsoft Teams … チームを作るとこれに紐づく Office 365 グループも作られる
  • Yammer グループ … Yammer グループを作るとこれに紐づく Office 365 グループも作られる

 Office 365 グループの利点はグループワークする際に素早く情報共有できるところです。権限管理も複雑ではなく、メンバーかどうかを考えるだけであり、メンバーなら共有情報にすべてアクセスできるというシンプルな考え方です。SharePoint のように、見た目にこだわることもない。ユーザー側でも管理がしやすいので、ビジネスの速度に応じて素早く情報共有できます。このようにOffice 365 グループはそのまま使うこともできますが、前述した Planner や Teams などが裏の基盤として使っているという側面を意識しておくことが重要です。基本的な情報共有の仕組み (Core機能) として Office 365 グループをとらえることです。

Office 365 グループにアクセスする方法がわからない方が多いので、少し補足しておきましょう。Outlook on the web のメール、予定表、連絡先などからアクセスできます。連絡先からアクセスするのが比較的わかりやすいようです。

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Outlook 2016 からもアクセスできます。

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とはいえ、Office 365 グループは比較的小規模での情報共有に向いており、全社向けでのファイル共有や通達、伝達を行うお知らせの掲示機能などは従来通りの SharePoint サイトがよいでしょう。アクセス権限を細かく管理したり、検索機能をカスタマイズしてものを探しやすくしたりというような、ちょっと玄人畑のカスタマイズは SharePoint に分があります。

新しい管理機能とは? 

2017年4月に追加された新機能を確認しておきましょう。

  • 削除された Office 365 グル―プの復元
  • 保持期限のポリシー
  • ラベル管理

「削除された Office 365 グル―プの復元」

Office 365 グループを削除すると復元できなかったのですが、ようやく復元が可能になりました! グループ削除後、既定では30日間保持されるため、その間であれば復元できます。操作は PowerShellを使います。

「 保持期限のポリシー」

Office 365 グループの共有メールボックスとSharePoint サイト にも保持期限ポリシーが適用できるようになりました。この設定は「セキュリティ&コンプライアンスセンター」から行えます。個人情報保護などの観点からドキュメント管理はライフサイクルを考えることが重要になってきています。保持すべき期間とそれを過ぎた後の速やかな削除をシステマティツクに支援していくための機能が保持期限設定です。ちなみに、SharePoint ではオンプレでもOnlineでも、ライブラリ単位、コンテンツタイプ単位で情報管理ポリシー設定でこれを行えますが、SharePoint Online はセキュリティ&コンプライアンス センターサイトから「ドキュメント削除ポリシー」という設定が新たにできるようになっており、これを使って、より大きい粒度であるサイトコレクション単位などでベースラインの設定を一括できるようになっています。

「ラベル管理」

Office 365 グループのメールやドキュメントを分類でき、この分類を基準に保持期限を指定できます。ラベルの自動適用は Office 365 Enterprise E5 のみの機能。

サイトのメールボックスに代わる

ちなみに、SharePoint Onlineでも使えていたサイトのメールボックス機能は新規には利用できなくなり、今後は Office 365 グループを使うことになっています(既存のものはマイクロソフト側で移行する模様)。

まとめ

Office 365 を利用する上で、Office 365 グループを理解しておくことは非常に重要です。ただ、これも一度一通りの機能を説明してもらいながら操作した方が早く理解できます! 新機能を確認する時間が十分に取れないという方は、ぜひ弊社の研修コースなども是非ご利用くださいませ。

1日でわかる! Microsoft Office 365 最新の社内コラボレーション機能の体験型学習講座

 

2017年4月19日 (水)

HTML5 では Web Speech API が利用できるようになっています。といっても、まだ正式勧告されているわけではないため実験段階といえ、Webブラウザーごとにサポート状況は異なります。

勉強がてら SharePoint 上に Web Speech API を組み込んで遊んでみましょう!  使うのは次の APIと参考情報。

手軽に音声認識や合成音声が楽しめます。組み込んでみた画面は以下の通りです。

ちなみに、動画で使っているサンプルコードは下記に公開しておきます(WebSpeechAPISample.txt ファイル)。

任意の Wiki ページなどにスクリプト エディタ Web パーツを追加し、このパーツ内にサンプルコードの内容を貼り付けるだけで利用できます。もちろん、ご利用は自己責任でお願いします。利用するWeb ブラウザーは一番良いのは Chrome ですが、Microsoft Edge (ただし、Windows 10 Anniversary Update 以降) でも合成音声のみ楽しめます。

ちなみに、CodePen の方ではちょこちょこ機能を追加しているので、そちらもどうぞ。

See the Pen 音声認識と合成音声 by Ai Hirano (@AiHirano) on CodePen.

 もう少し、実装が進んでくれば、いろいろと機能を組み合わせて利用できそうなんですけど、今のところ、実験までといったところですね。