2018年12月

2018年12月31日 (月)

早いもので2018年も終わり、平成も終わりを迎えます。今年は娘の幼稚園入園と個人的なイベントはだけでなく、会社設立 10周年を迎えたり、書籍を新たに出版したりと、私にとっても想い出深い年となりました。

10周年という節目を迎えるにあたり何かお客様に還元したいということで、人手が足りないので身内だけでなく、色々な方にご支援いただき、なんとか7月にリーガロイヤル東京にて記念パーティをささやかながら行うことができました。その時の模様は下記の Facebook 記事に公開しています。

オフィスアイ 10周年イベント

多くの方に祝っていただき、本当に多くの方に支えられてここまで来られたのだなぁと実感した年でした。

さて、SharePoint 周りに話を戻しましょう。今年出版した書籍は、今まで SharePoint 一辺倒だったのに「Office 365 導入・運用管理編」ということで Office 365 全般にわたった内容となりました。従来はオンプレミスでのSharePoint 単独だった 、今はOffice 365 の一部としての SharePoint という側面が際立ってきています。Office 365 の利活用を進めるうえで、インフラ管理者としてはExchange や Outlook から入る方も多く識者も多いように思います。しかし、SharePoint は手薄という話が多い(私の感覚ですが)。ユーザー視点で言えば中長期的に活用すべきは SharePoint であることは変わりませんし、ここが曖昧だと利活用がしっくりこないはずです。

ちなみに、今年出版した書籍は、弊社で実施している「1日でわかる! Microsoft Teams および Yammer による Office 365 利活用ワークショップ [OH-O365-100]」という研修コースがあるのですが、内容はこれをもとにしています。SharePoint だけでなく、Yammer, Office 365 グループ、Teams という順で新しいチームワークの仕組みが登場してきているのですが、これが意味するところは何か。SharePoint との関係はどうなるのかをひも解くような研修コースを実施したいという思いから開発したコースです。手前みそですが、以前からこのコースは好評をいただいておりますが、今年はご要望が非常に多く、多くの方に対して実施させていただきました。

SharePoint はどう進化するのか? 

SharePoint は Office 365 の中でどう進化するのでしょうか? 年末から来年にかけて、ポータル機能が非常に強化されています。従来のような CSSやHTMLでのカスタマイズは基本的には不要で、より手軽にポータルサイトが作れるようになってきています。カスタマイズに時間をかける時代はもうとっくに終わっています。ということで、ポータルサイトとしての SharePoint を見直してみていただきたいなぁと思います。もちろん、モダンUIが前提です。ライブラリはファイル共有に必要な機能がかなりそろってきているので、ここはそれほど進化しないかもしれません。SharePoint リストに関しては理論値の上限である 3000万アイテムまで保存できるようになり、かなり使いやすくなりました。リストの列の書式も手軽に利用できるようになってきており、みんなで共有できる手軽な Excel スプレッドシート的な位置づけになってきていると思います。ただ、PowerApps が人気を博してきており、ここでデータストアとして利用するときの選択肢は SharePoint リストだけでなく Common Data Service も視野に入ってきています。今後、SharePoint ユーザーもCDS の利用はしっかりと見据えておきたいところですね。

ということで、SharePoint だけでなく、SharePoint が深く関係している Teams は無視できない存在です。また先述した Power Platform( PowerApps, Microsoft Flow, Power BI) も SharePoint と組み合わせた利用が今後ますます進んでいくと思います。このようにSharePoint 以外にも視野を広げざるを得ません。

ということで、来年も SharePoint を中核にした Modern Teamwork を推し進めていくべく、新しい研修コースやコンサルティング、ブログ等でも情報提供していき皆さんのお役に立てればと思います。

本年はありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。皆様どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

2018年12月22日 (土)

Microsoft Ignite 2018 でもアナウンスされていた JSON を直接書かなくてもよい列の書式(カスタムの列の書式)が利用できるようになったので、操作感をメモしておきます。

既にモダンUIのリストやライブラリでは列の書式が利用できるようになっていますが、ようやくJSONを直接書くことなく、Excelの条件付き書式のようにもっと楽に設定できるようになります。対象の列は選択肢、日付、はい/いいえ 列です。2019年にはこれ以外の列もサポート対象にしていくとのこと。

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具体的な操作感は次のビデオでどうぞ。音声はありません。

上記のビデオでもわかる通り、列の値に応じて自動的に色を設定します。違う色にしたければ、自分で選択。細かい条件判定などは従来通り JSON も記述できます。

SharePoint Online のモダンサイトに新しい Webパーツが追加されてきています。今回は次の2つをご紹介。

  • コードスニペット
  • マークダウン

コードスニペット

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モダンサイトにコードスニペット Webパーツが追加できます! というと、あたかもスクリプトエディタWebパーツ相当を思い浮かべると思います。が、コードを実行できる Webパーツではありません。モダンサイトでカスタム スクリプトを実行するには SharePoint Framework を利用する必要があるのは従来通りです。ちなみに、モダンサイトではカスタム スクリプトが実行できないことに対して単に「不便だ」というようにしかとらえていない方が多いようですが少し誤解があります。カスタム スクリプトをあちこちで実行できたというのは手軽だった半面、管理しきれないという状況もも生みだしてきました。今後は、コードのライフサイクル管理もキチンとしていこうということで、 SharePoint Framework を使ってアプリカタログやサイトコレクション アプリカタログからコードを展開することで、最低限でもサイトコレクションの管理者レベルで把握できているコードしか実行させないよ、という話です。

さて、話を戻しましょう。

コードスニペットはサンプルコードなどを画面上に表示するときに便利なWebパーツです。使い方は決して難しくないので次の動画(音声なし)を参照してください。

 

マークダウン

これは文字通りマークダウン記法でコンテンツを書くためのWebパーツです。

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マークダウン記法とは、簡単に言えば手軽にHTMLを書くための手段(書き方)です。タグを書かなくてもルールにのっとっていくつかの記号を使うことでHTMLタグを自動生成してくれます。詳しくは Wikipedia 等に掲載されているので確認してみてください。

こちらも使い方は簡単です。こちらも動画(音声なし)でどうぞ。

 

2018年12月19日 (水)

Microsoft 社もオープンソース製品が多くなり、これに伴い、英語以外の言語のユーザーに対してより適切な表現で翻訳できるよう、コミュニティ主導によるローカライズが進んできています。

Microsoft が公開している技術文書も同様です。SharePoint Online や Teams などに関する情報については、特に多くの方が doc.microsoft.com サイトの技術文書を目にしていると思います。原文は英語であるため、もちろん機械翻訳も適宜利用されていますが、日本語として適切な翻訳になっているとは限りません。

そこで、コミュニティ主導ということで、誰でもこうしたローカライズに協力できるようになってきています。こうした活動をしているコミュニティが「the Cloud + AI Localization Community」です。"Cloud" とあるので、SharePoint などを利用しているユーザーとしては オンプレではなく、Microsoft 365 (Office 365 含む) が対象といえます。

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上記ページのうち、特に技術文書に関しては Docs のリンクをたどると修正依頼の方法などが掲載されています。この手順に従えは、このドキュメントの内容がどうも不適切だ、という場合は修正を依頼できます。ただし、GitHub のアカウントが必要になるので注意しましょう。

ところで、SharePoint も初期のころは、日本語の情報が少ない少ないといわれ続けてきましたが、有志の方々のブログから始まり、現在は多くの方が情報提供しています。もちろん、1企業の製品ですから、この場合は Microsoft 社がドキュメント整備をしていくことは重要ですが、販売側の立場と利用者とでは情報発信の仕方が異なるため、いわゆるコミュニティが公開する情報も多くの方に役立ってきたという経緯があります。

ちなみに、私自身も、このブログや書籍の執筆についても、コミュニティへの貢献の一つと考えて業務時間やプライベートな時間も割いて活動に充てています。「きっと他の人も同じようなことで困るだろうな。少しでも役に立てれば」という思いが根っこにはあります。

ローカライズもコミュニティとして認められた形で積極的に協力できるというのは、非常に素晴らしいと思いますし、かつユーザー視点での直接のフィードバックもできるという意味で合理的だと思っています。昔は「翻訳が変だよね」で終わっていましたが、随分と変わってきました。これも時代の流れですね。

Microsoft が公開している学習用サイトとして「Microsoft Learn」があります。オンラインでどなたでも無料で学習できるのが魅力です。

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 Azure に関するコンテンツがメインとなるようですが、Power Platform のコンテンツとして PowerApps, Microsoft Flow, Power BIいくつか公開されています。2018年12月19日現在の、各コンテンツは次の通り。

ちなみに、ラーニングパスとモジュールの2種類があります。一見分かりにくいので少し補足しておきます。

モジュールはピンポイントで必要な部分だけ学習したい方向けのもので、書籍でいうと "章" です。ラーニングパスはシナリオ別で分かれており、「こんなことを学びたければ、このモジュールを、この順番で勉強するといいいよ」というように、一つにまとめられています。

PowerApps のラーニングパスは次の2つ。

  • PowerApps でキャンバス アプリを作成する
    •  PowerApps の概要
    • アプリのカスタマイズ
    • PowerApps のアプリの管理
  • PowerAppsのモデル駆動型アプリケーションを作成する
    • PowerApps のモデル駆動型アプリの概要
    • Common Data Service for Apps の概要
    • 承認フローの作成 (※SharePoint リストを利用)

Microsoft Flowのラーニングパスは次の1つ。

  • Microsoft Flow を使用してビジネス プロセスを自動化する
    • Microsoft Flow の概要
    • 承認フローの作成

Power BI のラーニングパスは次の1つ。

  • Power BI で分析レポートを作成して使用する
    • Power BI の概要
    • 最初の Power BI レポートを作成して共有する

年末年始は人によっては意外と忙しいものですが、時間があればこうしたコンテンツをうまく活用してはいかがでしょうか? 

最後に

弊社でも PowerApps と Flow についてオリジナル研修を実施しています。基礎知識はもちろん説明しますが、Microsoft Learn では取り扱っていない、 SharePoint や OneDrive for Business や Microsoft Teams との連携部分にフォーカスをあて、利点、開発時のポイントや注意点なども説明しています。なにより対面式なので質疑応答も行います。 Microsoft Learn で各機能を下調べしたら、次は弊社の研修コースも併せてご利用ください☺ 

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