2023年2月11日 (土)

Microsoft Edge の PDF エンジンが Adobe Acrobat PDFエンジンに置き換わる

タイトル通り、Mcirosoft Edge に搭載されている PDF のエンジンが Adobe Acrobat PDF のネイティブエンジンに置き換わります。20230209_142534 [参考情報]

ネイティブエンジンが搭載されることで利用者にとっては、無償で次のような利点が享受できるようになります。

  • 正確な色とクプラフィックスによる忠実度の向上
  • パフォーマンスの改善
  • 強力なセキュリティ
  • アクセシビリティの向上

※PDFを閲覧する際、画面下部の隅にAdobeのブランドマークがさりげなく表示されるようになるそうです。

Adobe Acrobat のサブスクリプション

Adobe Acrobat のサブスクリプションをすでに持っていれば、既存のAdobe Acrobatサブスクリプションでサインインし、Adobe Acrobat拡張機能を利用することで (ダウンロードすることになるよう)、Microsoft Edgeで高度なデジタル文書機能 (PDF変換、ファイルの結合、テキストや画像の編集など)を使用するオプションを選択することができます。

Microsoft Purview Information Protection (MPIP)

Microsoft 365 E5のサブスクリプションを持つ組織では、証明書ベースの署名の表示と検証、および秘密度ラベルで保護されたPDFファイルの表示も追加料金なしで利用できます。

リリース時期

新しいエンジンへの切り替えは段階的に行われます。押さえておきたいポイントは次の通り。

  • 2023年3月からすべての Windows 10 および 11 ユーザーに提供開始 (コンシューマーおよび非管理対象デバイス)、2023年9月にロールアウト完了
  • 管理対象デバイスを持つ組織にはオプトインオプションが提供される
  • レガシーエンジンを搭載した Edge の PDFソリューションは 2024年3月31日に削除予定
  • MacOS向けの機能提供は予定されているが時期は未定

前述した通り、コンシューマー向けおよび非管理対象のユーザーには 2023年3月からすぐにこの変更が反映されることになります。

一方の管理対象のデバイスに関しては Intune ポリシーによるオプトインが可能です。Microsoft は、商用組織の管理者がこの新しいエンジンをテストするために、2023年3月の安定版リリースされる Microsoft Edge で Adobe Acrobat PDF エンジンの動作を確認するテストユーザーをあらかじめ選出しておくことを勧めています。なお、この新しいエンジンを利用するには 「NewPDFReaderOptInEnabled」 ポリシーを有効にする必要があります。また、有償のAdobe Acrobatの機能を試すよう促す通知を非表示にするには、管理者は 「GetAcrobatSubscriptionButtonEnabled 」ポリシーを有効にする必要があります。

2023年9月以降に組織への展開が始まりますが、2024年3月31日まではオプトアウトが可能でそれまでに、管理者は「NewPDFReaderOptOutEnabled」ポリシーを有効にすることで展開をしばらくは無効化できます。

デバイス 2023年3月 2023年9月 2024年3月31日
コンシューマー デバイス ユーザーへのロールアウト開始 ユーザーへのロールアウト完了 (該当なし)
管理対象デバイス オプトインポリシー開始
  • 管理対象デバイスへのロールアウト開始
  • オプトインポリシーの有効期限終了
  • オプトアウトポリシー開始
  • オプトアウトポリシーの有効期限終了
  • EdgeのレガシーPDFエンジンの削除予定

以上。ユーザーに対しては今年中に Edge を使ったPDF 機能が強化されることを周知するとともに、これにより何かしら影響を受ける可能性のある組織は早めの検証を進めておいた方がよさそうです。

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