2023年11月28日 (火)

Microsoft 365 の SharePoint では SharePoint アドイン (Add-in) がいよいよ廃止になります。

SharePoint 2013 以降のオンプレミスでのソリューション開発に SharePoint アドイン開発が登場しましたが、クラシックサイトの時代の話。そこからクラウド環境はめまぐるしく変化を遂げました。SharePointのモダンサイトが最初に登場したのが2016年で、ほぼ同時期である2017年に新たなSharePoint上でのソリューション開発手法としてSharePoint Framework が登場しました。これにより、モダンサイトでの開発が大きく変わりました。

それから今年ですでに6年あまり経過します。SharePoint アドインは SharePoint のクラシック時代の開発手法でありVisual Studio などを用いた開発でしたが、モダン時代では SharePoint Framework を使った開発手法が主流となり Visual Studio Code を使っています。TypeScript, React, Vue.js, SASS, Gulp, Yoeman などの一般的なフロントエンドWeb開発手法が利用できるようになったのも大きな変革でした。

さて、そんな状況下での SharePoint アドインの廃止です。

📅廃止日程 

  • 2024年6月1日以降…パブリック マーケットプレイスからのインストールができなくなる (プライベートなテナントカタログからは引き続きインストールは可能)
  • 2024年11月1日以降…新たに取得したテナントでは SharePoint アドインは機能しなくなる(パブリックマーケットプレイスおよびプライベートなテナントカタログ)
  • 2026年4月2日…既存テナントで完全に廃止

影響

公開マーケットプレイス(ストア)やテナント内のアプリカタログからのアドインの追加や更新などにも影響がでます。まず、2024年3月1日をもって、Microsoft はパブリックマーケット プレイス(ストア)への新しい SharePoint アドインの登録を受け付けなくなります。2024年7月1日以降はパブリックマーケット プレイス(ストア) から SharePoint アドインを取得できなくなります。2026年4月2日まではテナントのアプリカタログの使用はサポートされるため、サードパーティは引き続きSharePoint アドインを提供できます。

オンプレミスの SharePoint もパブリックマーケットプレイスから SharePoint アドインを取得している場合は、2026年4月2日以降はここから取得できなくなるので事前に備えておく必要があります。また Project Online の機能拡張に SharePoint アドインを使っていた場合も、このアドインは廃止されることになるそうです。

移行

独自の SharePoint ホスト型のアドインを使用している場合は SharePoint Framework Webパーツへの移行が推奨されていますが、プロバイダーホスト型のアドイン関しては Microsoft Entra ID 認証を使う SaaS アプリケーション プラットフォームを代替開発モデルとして使うことを検討する必要があります。

Microsoft は、Microsoft 365 アセスメントツールを提供しており、これを使ってテナントをスキャンできます。このツールの詳細は次のリンク先を参照してください。

SharePoint Add-In and Azure ACS Assessment | Microsoft 365 Assessment Tool (pnp.github.io)

SharePoint アドインのモダン化に関する資料は次の通りです。

Azure ACS も廃止

2013年から SharePoint アドインのプロバイダーホスト型アプリではAzure ACS (Access Control Services)を使い始めました。しかし、現在は最新の認証サービスである Entra ID を使う方向に移り変わることとなり、Azure ACS の利用が終了することになったようです。

SharePoint アドインの廃止と同様に、2024年11月1日をもって新規テナントでは Azure ACS の利用が停止されます。2026年4月2日をもって既存テナントでの利用が停止され、完全に廃止されることになります。

カスタム開発アプリケーションを使用している場合やプロバイダーホスト型の SharePoint アドインを使っているアプリは Entra IDを使用するように切り替えていく必要があります。

参考