カテゴリ「Microsoft 365 - SharePoint」の342件の投稿 Feed

2021年7月16日 (金)

AvePoint 社の中村太一さんの企画により開催された

「【Microsoft MVP の祭典 2021】 Microsoft 365 + Power Platform 利活用デモ祭り」

ですが、AvePoint社に全面スポンサーになっていただき、おかげさまで関係者ともども無事に終了することができました!参加いただいた皆様ありがとうございました。

AvePoint Japan さんとの共同企画の無料セミナー - 【Microsoft MVP の祭典 2021】 (weblogs.jp)

ウィークデーの日中にも関わらず、数百名が参加いただいたようで、アンケート結果を見ると皆さん満足していただいたようでホッと安心しました。

今回、ラジオ番組感覚でのメンバーによるテーブルトークをランチタイムに行ったのですが、こちらも思いのほか、楽しんでいただけたようで何よりです

なんだかんだと、業務の合間に準備するのは大変ではあるので、実施した甲斐があったというものです。

IT系のコミュニティ

ITの技術コミュニティに参加する方が増えるといいなというところが、今回の目標の一つでもあったのですが、今までコミュニティからは縁遠かった方々からも興味をもったというフィードバックも少なくなく、目標は達成できたのではないかなと思います。

私自身、「教えることを生業にしている」という職業柄、さほど頻繁に特定のコミュニティにどっぷりとかかわっているわけではありませんが、それでも研修に参加される方々には継続的な学習を続けるにあたり、適宜、ご案内するようにしています。コミュニティという場があれば、情報の収集やアウトプットをしていくことでより知識も深まっていくと思うからです。組織の垣根を越えて、同じようなことで悩んだり、喜んだりする仲間がいるというのも大きいと思いますしね。

コミュニティの全体像については、冒頭で Microsoft 社の森口さんのセッションが非常に参考になるので、まだ視聴していない方はぜひ、ご視聴ください。

資料のご案内

今回登壇した資料は下記の通りです。なお、録画に関しては AvePoint社の登録サイトから事前登録した方に録画へのリンクが後日公開される予定となっています。

[スライド]

他の方の分は AvePoint Japan 公式 Twitter で公開されているのでこちらからどうぞ~。

 

2021年6月16日 (水)

  昨年末に次の記事を公開しました。

[Office Scripts] Excel 内のデータを使って SharePoint ライブラリのプロパティを自動設定しよう (weblogs.jp)

この記事で使っていたのは GA 前の Office Scripts でパブリック プレビューでした。しかし、2021年5月27日に General Availability (GA) に達したことが発表されました。

Office Scripts is now generally available in Excel for the web - Microsoft Tech Community

さて、この記事で説明したフローですが、久しぶりにファイルをアップロードして動作させてみると SharePoint コネクターを使ったファイルのプロパティ更新のアクションが実行できない。で、原因を探るためエラーを確認するとファイルがロックされてしまっているようです。

2021-06-16_13-03-28

エラーのメッセージの要点は「ファイル <ファイルパス> は、<フローの所有者> が排他的に使用するためにロックしています。」というところです。Office Scripts 実行時にファイルの内容を読み取っているので、File Open の状態となっているのでしょう。比較のために単純に、SharePoint コネクターだけを使って「ファイルが作成されたとき(プロパティのみ)」のトリガーを使い、次のステップで「ファイルのプロパティの更新」を実行してみますが、特にファイルがロックされることはありません。

さて、これをどう対処しよう。が、結局のところファイルが排他ロックされるとSharePoint 上でファイルが解放されるまで待つしかありません。ですが、どのタイミングで解放されるのかはよくわからない。そこで、Power Automate を使って SharePoint 上のファイルのプロパティを更新するときに何らかの理由でファイルロックに遭遇した人はいるだろうと、なにかよさそうなアプローチがないかネット上で探してみます。予想通り、複数の記事を見つけましたが、結局、みな共通しているのはファイルのロック状態が解除されるまで Do Until で繰り返しトライするしかなさそうです。

まず結果から言うと、5分ほど待機すればロックが解除されるようです(現時点)。

ですが、念のため30秒ごとにロック解除を繰り返し確認するようにロジックを変更してみましょう。まず、ロック状態を判定するために IsFileLockedという名前でブール値の変数を用意します。既定値は true。

2021-06-16_13-36-30

Office Script 実行後すぐにファイルのプロパティを変更していましたが、直後にDo until を追加しこの中に「ファイルのプロパティ更新」アクションを 移動させます。Do until の条件は 「IsFileLocked の値が false に等しい」です。

2021-06-16_13-37-59

次に変数の設定アクションを追加し、IsFileLocked にファイルが引き続きロックされていれば true、そうでなければ false を格納するように式を書きます。

2021-06-16_13-48-18

if
(
  and
  (
    equals(outputs('ファイルのプロパティの更新')?['body']?['status'],400), 
    contains(outputs('ファイルのプロパティの更新')?['body']?['message'], 'ロックされています')
  )
  ,true
  ,false
)
 
ただし、このままでは前のステップが失敗すると次に進まないため、実行条件の構成を行い、成功だけでなく失敗時にもこのステップに進むように変更します。
2021-06-16_13-50-39
あとは、IsFileLocked の値を条件判定して、true なら 30秒待機するように構成します。
2021-06-16_13-51-41
 
以上でファイルアップロード後に5分程度待てば、Excel の内容を読み取り SharePoint ドキュメントライブラリ上の列を自動的に更新してくれるようになるはずです。
 
2021-06-16_14-05-54

なお参考にしたサイトは下記の通りです。

 

2021年6月13日 (日)

Microsoft 365 の SharePoint で「ポータル起動スケジューラー」機能が利用できるようになっています。少し前に PowerShell による構成ができるようになったのですが、現在、Webブラウザーを使って簡単にこの機能がつかえるようになっています(2021年6月13日現在、ロールアウト中)。

トラフィックが高いサイトへのスムーズなアクセスを提供する

数週間で10,000 から 100,000 を超える閲覧者からのアクセスがあるようなトラフックの高いポータルサイトがあったとします。このポータル ラウンチ スケジューラーを使うことで、新しいポータルに対してユーザーがスムーズにアクセスできるようになります。

このスケジューラーを使うことで閲覧者をウェーブ(Wave) に分け、新しいポータルへのアクセスを段階的にロールアウトできます。サイトへのアクセス権限設定は最終的なサイトの公開を想定し事前に設定しておきつつ、ユーザーを第一波、第二波などに分けながら徐々にサイトアクセスできるユーザーを拡大していけます。例えば、第一波はパイロットユーザーのみに限定し、それ以外のユーザーは第二、第三波の期日になるまではサイトにアクセスさせません。アクセスできるまでは、たとえURLがわかったとしても任意のサイトやページに強制的にリダイレクトすることができます。

注意事項等の確認

ポータル起動スケジューラーの公式ドキュメントは下記の通りです。

Launch your portal using the Portal launch scheduler - Microsoft 365 Enterprise

このうち確認項目の一部抜粋しておきます。とはいえ、詳しくは公式ドキュメントを確認してください。

  • この機能は、2021 年 5 月からターゲット リリースのお客様向け SharePoint コミュニケーション サイトのホーム ページにある 設定 パネルからアクセス可能になり、2021 年 7 月までにはすべてのユーザーが利用できる予定です。
  • このツールの PowerShell バージョンは現在利用できます
  • この機能は、最新のコミュニケーションサイトでのみ利用できます 
  • ポータルの起動をスケジュールするには、サイトのサイト所有者レベルの権限が必要です
  • 起動は少なくとも 7 日前にスケジュールする必要があります。各ウェーブは 1 日から 7 日間続く場合があります。
  • 必要なウェーブの数は、予想されるユーザー数によって自動的に決定されます。
  • ポータルの起動をスケジュールする前にSharePointページ診断ツールを実行して、サイトのホーム ページが正常な状態にあるか確認する必要があります。
  • 起動が終わると、サイトへのアクセス許可を持つすべてのユーザーが新しいサイトにアクセスできるようになります

ポータルのラウンチ ロールアウトを計画する

この機能を単なるリダイレクト機能として受け止めないようにしましょう。しっかりとしたラウンチのロールアウト計画に基づいて実施する必要があります。これを計画するには、Microsoft 365 上でのSharePoint におけるキャパシティプランニングや負荷テストについて基礎的な内容を把握しておくことが大切です。

プランニングに関する公式ドキュメントは下記のリンク先に公開されています。

Planning your portal launch roll-out plan in SharePoint Online - Microsoft 365 Enterprise

要点として押さえておくべきところをまとめてみました。

**********

クラウド上にある SharePoint はマイクロソフト側で毎日数百万の大規模ユーザーに対してサービス提供ができるように設定しており、キャパシティプランニングを常に行い、チューニングしています。もちろん、テナントの成長は予測ができないことも多いのですが、リクエストの総数は時間の経過とともに予測できるようになります。SharePoint Online の成長傾向を把握することで将来の拡張計画が立てられるわけです。効率的にキャパシティを使用し、予期せぬ成長にも柔軟に対応できるよう、どのファームに対しても、様々な要素を追跡監視しています。その指標の一つに CPU負荷があります。この指標をフロントエンドサーバーのスケールアップするためのシグナルとして利用しています。またSQL環境は時間の経過とともに負荷や成長に応じてスケールアップしていくため、フェーズやウェーブに従うことで負荷や成長を適切に分散させることができるため、フェーズ/ウェーブアプローチを推奨しています。

キャパシティは単にハードウェアを継続的に追加することではなく、キャパシティを管理・制御することで負荷要求に確実に対応することを意味します。ユーザーが最高の体験ができるように、マイクロソフトが推奨するガイダンスに従っていただくことをお勧めします。また、サービス内での「悪質な」行為を許さないために、スロットリングパターンとコントロールを設けています。すべての「悪質な」行為が意図的なものではありませんが、その行為の影響を確実に制限する必要があります。スロットリングとその回避方法についての詳細は、「スロットリングを回避する方法」をご覧ください。

***********

推奨ガイドラインに従ってページを最適化する

ポータルサイトは推奨ガイドラインに従って、ページの最適化を常に行っていくようにしましょう。そのために SharePoint 用のページ診断ツールを使うとよいでしょう。

オンラインのページ診断ツールを使用SharePointする - Microsoft 365 Enterprise

Wave / Phased ロールアウトのアプローチをとる

サイトをラウンチするための従来のビッグバンアプローチによる、カスタマイズ、外部ソース、サービスなどの検証は許可されていません。

推奨されるのはウェーブ ロールアウト計画に従ったサイトのラウンチです。次のフェーズに進む前にロールアウトを一時停止して問題を解決することもできるため、問題の影響を受けかねないユーザー数が少なくて済みます。 SharePointは利用状況と予測された使用状況に基づいて容量を拡大縮小するのでサイトのラウンチをマイクロソフトに通知する必要はありませんが、サイトのラウンチを成功させるためにガイドラインに従うようにしてください。

各ウェーブの間に機能やパフォーマンスに関するユーザー フィードバックを収集します。 こうすることで、ゆっくりとシステムを導入しながら、システムの使用の進み方に従って改善策を講じられるという利点があります。サイトが徐々に多くのユーザーに展開されるとともに、ガイドラインに従ってページが最適化されることで、マイクロソフトとしても負荷の増加に対応できるようになります。

ポータル ラウンチスケジューラーについて

ポータル ラウンチ スケジューラーは以前は PowerShell による設定しかできませんでした。サイト内から利用できるツールとの違いは次の通りです。

PowerShell 版

  • SharePoint 管理者の権限を使って PowerShell を実行する必要がある
  • 最小要件としては1つのウェーブがあればよい
  • UTCタイムゾーンに基づいてスケジュールする必要がある

サイト内のツール (In-product)版

  • サイトの所有者が実行できる
  • 最小要件として2つのウェーブが必要
  • サイトの地域の設定に基づく時間でスケジュールできる

使い方

使い方の詳細は公式ドキュメントに書かれています。この中でも大事な点だけ抜粋しましょう。

1.権限を設定する 

ポータル ラウンチ スケジューラーを使う前に、サイトの所有者、サイトのメンバー、訪問者を使ってサイトにアクセスする必要があるユーザーをすべて追加します。たとえば、全社員がアクセスするポータルの場合は「外部ユーザーを除くすべてのユーザー」を訪問者として指定しておきます。

2. スケジュールの開始方法を確認する

スケジュールの開始方法は2つ用意されています。1つは、ホームページを編集して再発行する際にページのバージョンが3.0 になるまでの操作であり、もう一つは設定メニュー(歯車)から[サイトの起動をスケジュール]をクリックする方法です。

ホームページを編集して再発行する場合は、バージョンが3.0になるまで、ポータル ラウンチ スケジューラーの使用を求めるメッセージが表示されます。この時[再発行]をクリックすれば、スケジュールすることなく即時、ページが発行されます。スケジュールしたい場合は[起動をスケジュール]をクリックします。

2021-06-13_12-13-59

歯車アイコンから[サイトの起動をスケジュールする]をクリックする場合は、歯車アイコンの[サイトの起動をスケジュールする]メニューを使えば好きなタイミングでサイトの起動をスケジュールできます。

2021-06-13_12-25-59

ではスケジュールを開始してみましょう。最初に現れる画面にはスケジュールに必要な全4つの工程が表示されています。しかし、[次へ]が押せない。

2021-06-13_23-05-01

そこでいったんホームページに戻り[ページの診断]ツールを実行します。

2021-06-13_23-06-14
ページ診断ツールを開始する

診断後に特に問題がないことが確認されたら診断を停止します。

2021-06-13_23-07-10
診断結果からサイトに特に問題ないことがわかる

再びサイトの起動スケジューラー画面にアクセスします。すると、今度はページの正常スコアが表示され、[次へ]がクリックできるようになります。ということで次へをクリックします。

2021-06-13_23-09-24

続いての画面では予想されるユーザー数やリダイレクト方法、リダイレクト先のURLを指定します。

2021-06-13_23-10-59
予測されるユーザー数を指定する
2021-06-13_23-12-17
リダイレクト方法を選択する
2021-06-13_23-12-53
リダイレクト先のURLを指定する

指定が終わったら[次へ]をクリックします。次はウェーブを指定します。先ほど選択したユーザー規模数により指定できるウェーブの数が自動で決まります。なお、Webブラウザーからの設定では最低でも2つのウェーブが必要ですが、PowerShellから行う場合はウェーブは1つだけを指定することもできます。

各ウェーブの開始日時と各ウェーブで開放する相手となるセキュリティグループをそれぞれ最大20個まで指定できるようになっています。なお、指定する日付はウェーブ1は今日から7日後以降の日付を指定します。その後は各ウェーブは前のウェーブと最低でも24時間空けて指定することになります。また、ウェーブに関係なくアクセスできるユーザーを「ウェーブから除外されるユーザー」として指定できるようになっているのですが、ユーザーまたはセキュリティグループを指定します。

2021-06-13_23-13-29

[次へ]をクリックします。ここまでの設定の確認画面が表示されるので、内容を確認したら[送信]をクリックします。

2021-06-13_23-13-48

最後にスケジュールが正常に開始されたことを示すメッセージが表示されます。

2021-06-13_23-14-02

動作を確認するとウェーブが来る前に当該ユーザーがサイトにアクセスすると事前に設定したURLに強制的にリダイレクトされるようになります。

まとめ

以上、独断と偏見で要件をまとめると、日々 SharePoint のユーザーがスムーズに利用できるように Microsoft 側もインフラをチューニングしているので、サイトアクセスにかかる負荷が予測しやすいように、また変に過負荷にならないようにガイドラインに従ってサイトはロールアウトしてほしいということでしょう。ガイドラインに従うことで、さっとページが開けるようにもなるわけでお互い Win-Win の関係にもなるわけですから、こうした点も踏まえたポータル構築・運営を心がけたいですね。

 

2021年4月 7日 (水)

モダンサイト用の新たなサイトテンプレートが利用できるようになります!

[Microsoft 356 Roadmap]

新しいサイトテンプレートの概要

サイト テンプレートはシナリオベースとなっており、各テンプレートにはあらかじめ入力されたコンテンツやWebパーツが含まれており、組織のニーズに合わせてカスタマイズも可能。モバイルでも利用できるとのことです。

RWAWH3
テンプレートの選択画面
RWB6aR
テンプレートの適用とプレビュー

SharePoint look book で公開されているものと同じようなものなのかなと思っていたのですが、画面を見る限りデザインは異なっているようです。

クラシックな SharePoint サイトは比較的手軽にテンプレート化できましたが(といっても課題も多かったですけど)、モダンサイトにはこれがなく、似たようなことをしようとするとサイトデザインとサイトスクリプトを自分で用意する必要がありました。新たなサイト テンプレートは、このサイトデザインをビルトインで Microsoft がいくつか新たに用意するよということです。まだサイトデザインやサイトスクリプトについて学習していない方は、この機会に学習して準備しておきましょう。ということで、従来のサイト デザインが「サイト テンプレート」と呼ばれるようになります。

"以前のバージョンの SharePoint では、サイト テンプレートはサイト デザインと呼ばでしたが、今後はサイト テンプレートと呼ばれます。" 

SharePoint サイト テンプレートを適用およびカスタマイズする - Office サポート (microsoft.com)より引用

ロールアウトの時期

まずは対象指定リリースのテナントから段階的に導入されることになるということで、標準リリースとなっているテナントでは利用できるようになるのは少し先になるようです。

  • 対象指定リリース(選択されたユーザーまたは組織) : 4月下旬から5月中旬
  • 標準リリース : 5月中旬から6月下旬

なお、この新しいテンプレートは無効化することはできないとのこと。

利用可能なシナリオ ベースのサイトテンプレート

コミュニケーション サイトとしては従来のショーケース、トピック、空白以外に、次の4つが追加されます。

イメージ テンプレート名 説明
256b4b21-4480-4ee3-a9c5-9537c115575a 部署 閲覧者と部門のニュースを関連付け、今後のイベントを強調表示し、頻繁にアクセスするファイルに簡単にアクセスできます。
15e9d40c-2a7c-4102-a864-8697bce9d893 リーダーのつながり (Leadership connection) 会話、ニュース、イベントに参加して、リーダーとチーム メンバーをつなげて、組織の文化を構築します。
F87d13fb-ccf0-4239-a5aa-612c6c2d13b6 ラーニング の中心 (Learning Central)  イベント、ニュース、および特別なカリキュラムリソースを紹介する 1 つの場所として、組織内でユーザーが最初にたどり着くサイトです。
8a61badc-7178-4e38-9818-265299fbf325 新しい従業員のオンボーディング  新入社員の研修プロセスを通じて新入社員を関与して指導することで、新入社員のオンボーディングを合理化および調整します。 

「ラーニングの中心」というサイトテンプレートは、なんだか日本語としてしっくりこないので実際にロールアウトされるときにはそのままカタカナでラーニング セントラルなどになるのではないかなと思っていますが、社内外の研修の情報を整理するのに必要な Webパーツなどがそろっていそうです。オンラインでの研修が可能なのであれば、これとMicrosoft Teams のウェビナー機能を組み合わせていくとよさそうです。

あとは、従業員のオンボーディングとありますが、この辺りは Microsoft Lists にも同じ名前でテンプレートが用意されており、これと組み合わせると入社したらやるべきことを整理できそうです。もちろん、不足する部分は Power Apps でアプリを作ったり、Power Automate で自動化することも念頭に入れておくことが大切でしょう。

あと、コミュニケーションサイト テンプレートがベースであるため、コミュニケーションは必要があれば、 Yammer を使って補っていこうというのが、テンプレートの特徴の一つです。例えば、リーダーシップのつながり サイトもリーダシップチームとのコミュニケーションは、 Yammer で行うことを前提としたテンプレートになっています。

チームサイトとしては従来のテンプレートに加えて新たに次の4つが用意されます。なお、従来のチームサイトのテンプレートは「チームの共同作業」という名称になるようです(独り言 : サイトのフィーチャーにも「チームの共同作業」というのがありましたが、サイト自体がシナリオベースになったことで、サイトの一機能だったものが格上げされたような印象です)。

イメージ テンプレート名 説明
12319460-3768-42a8-adda-4e4cccc31668 イベントの企画 チームとイベントの詳細を調整して計画します。 既製のイベントのまとめとイベントの状況に関するニュース投稿テンプレートを使用して、チームを最新の状態にすばやく更新します。
93b79ce3-73ff-4d63-b9e8-b2811956f837 プロジェクト管理 頻繁に使用するツールにアクセスし、プロジェクトの更新を共有し、会議のメモを投稿し、チームドキュメントをアップロードできる、チームの共同作業スペースを作成します。
D4502edd-cfd0-46fa-bb35-7e855ee0fe21 トレーニングとコース コースのリソース、ニュース、イベントを共有して、コースの参加者と学生を特定の学習機会に備えます。
2f24fb97-d7ea-4054-adec-e7f009983197 トレーニングと開発チーム  ブレーンストーミングを行い、他のユーザーの学習と成長を支援する機会を計画します。

このチームテンプレートは、基本的には Microsoft 365 グループとともに使うことになるでしょうから、Microsoft Teams のチームと組み合わせて利用することになることを想定しておくことが大切だといえそうです。

プロジェクト管理の場合は、チームメンバーで Teams上で会話しファイル共有をしていくことに加え、サイト機能もうまく組み合わせる必要があるところでしょう。テンプレートだけではなく、どんな使い方をしていくとよさそうか、組織内でディスカッションできるといいでしょうね。ということで、Teams でチームを作るときにプロジェクト管理を行う用途なのであれば、このテンプレートを適用しておくとよさそうです。

そのほか気になるのはトレーニング(研修)関連です。「トレーニングとコース」は、主に先生と生徒の間で利用することを想定しているようです。Teams を使ってオンラインでのコミュケーションに加え、ファイル共有など含め研修参加者や学生との情報共有をする場として利用しやすいように、Webパーツ等が事前設定されているようです。「トレーニングと開発チーム」は講師や先生同士でのコミュニケーションを支えるサイトテンプレートのようです。カリキュラムの相談や学生もしくは社員の育成に関してやり取りする場として使えそうです。たとえば、ここで話あった内容から Microsoft Viva Learning のコンテンツが決まるといったフローも考えらそうです。

新しいサイトテンプレート(サイトデザインとサイトスクリプト)を利用するメリット

サイトデザインとサイトスクリプトは、従来のサイトテンプレート化とは概念が全く異なります。従来のサイトテンプレート (*.wspを作る場合) は、鋳物の鋳型のようなものでサイト作成時に選ぶ必要があり、サイト作成後にはテンプレートがアップデートされたとしても、よくも悪くも影響を受けませんでした。

一方のサイトデザインとサイトスクリプトですが、サイトスクリプトと呼ばれるスクリプトを SharePoint 管理者が用意します。これは JSON形式で書かれたサイトの部品作成指示書のようなものであり、Aというスクリプトを実行するとリストが作成される。Bというスクリプトを実行するとナビゲーションとサイトのテーマを変更する。といったように、複数のスクリプトを用意できるようになっています。サイトスクリプトはそのままでは実行することができず、サイトデザインというものにひとまとめにしていく必要があります。たとえば、コミュニケーションサイトには「トピックス」や「ショーケース」というサイトデザインがあります。このサイトデザインを適用したら、AとBのスクリプトを呼び出そうとか、Cだけ呼び出そうとか、そういうようなことができるわけです。つまりこのアプローチというのは、空白のコミュニケーションサイトまたはチームサイトのテンプレートからサイトを作って、一から手で設定していく内容を Excel のマクロのように自動化するという発想がベースとなっています。

そのため、サイトデザインは、作成後のサイトに再適用できるのです。この点が、従来のサイトテンプレートとは発想が大きく異ります。

以上のことから、新たなサイトテンプレートというのは新規にサイトを作成するときに選べますし、既存サイトにも適用できます。新たなリストが作られたり、テーマが適用されたり、ナビゲーションが追加されてりすることになります。心配なのは既存のリストやライブラリ、ページがすべて置き換わってしまうのかという点だと思いますが、基本的にこれはありません。基本的には足し算または上書きであり、すでにあるものはそのままです。これはサイトデザインとサイトスクリプトの挙動がそうなっているためです。

サイトデザインについて学ぼう

不安のある方は、とにかくまずはサイトデザインとサイトスクリプトを学習しておきましょう。独自のサイト テンプレート作成もできますが、結局この部分は自分でサイトデザインを作る必要があるのです。

独学したい方は下記に情報が公開されていますので、これが参考になります。

SharePoint サイト デザインとサイト スクリプトの概要 | Microsoft Docs

また実際に試せる環境があるのがベストですので、Microsoft 365 開発者プログラムにサインアップして、気軽に利用できる自分用の学習用テナントを手に入れることも大切です。このプランは学習用途のものなので運用環境としては利用できませんが、Microsoft 365 E5の機能が25シートまで付属しており、これを無料で試せます。詳しくは下記のリンク先を参照してください。

Microsoft 365 開発者プログラムに参加する | Microsoft Docs

新しいテンプレートを利用するために準備すること

新しいテンプレートを利用するために準備することとして、まずはユーザーにこうしたテンプレートが利用できるようになることの周知をすることが大切です。

すでに Microsoft のサポート文書が公開されているので、まずはこれを確認することでしょう。

SharePoint サイト テンプレートを適用およびカスタマイズする

このページ内で大事なのは FAQ の部分です。特に抑えておくべきところを書き出しておきます。

  • サイト デザインを適用するには、サイトの所有者権限以上が必要
  • ハブに関連付けられている場合は、テーマは従来通りハブから継承することになる。テンプレートを適用してすぐにはテンプレートのテーマが自動的に使われるものの、発行後しばらくするとハブのテーマに更新される
  • 一度サイトテンプレートを適用すると、自動的に元に戻すことはできないが、手動で元の状態に戻していくことはできる(ナビゲーションを削除したり、テーマを更新するなど) ⇒ ※筆者注※前の状態を覚えておくことができれば、の話ではありそうですね。
  • サイトの[設定]パネルに表示される[サイト デザイン]が[サイトテンプレート]に置き換えられる

ということで、新しいテンプレートの知識をしっかりと身に着けるには「サイトデザインとサイトスクリプト」について学んでおいた方がいいよ、ということでもありますね。

2021年3月10日 (水)

昨年 Microsoft Stream の新しい Stream 機能が発表され、段階的な移行が既に始まっています。

そこで移行に向けて情報を整理しておきたいと思います。

まず手始めに把握すべきは、Microsoft Teams の録画の保存先が従来の Stream のストレージではなく、 OneDrive for Business または SharePoint にとって代わることになるということです。このことに関しては以前にもブログに投稿しています。未読の方はご一読ください。

SharePoint Technical Notes : 新しい Microsoft Stream と SharePoint (lekumo.biz)

現在の移行に向けたスケジュールの確認

Microsoft 社が公開している新たな Stream に向けたロードマップは次のリンクを確認しておきましょう。

Use OneDrive for Business and SharePoint for meeting recordings - Microsoft Teams | Microsoft Docs

この一部下記に抜粋します(少し読みやすく翻訳を変更しています)。

日付  イベント     
2020 年 10 月 5 日

(完了)      
Teams 会議ポリシーを有効にして、会議の録画を Microsoft Stream (クラシック) ではなく OneDrive for Business と SharePoint に保存できるようになる
2021年1月7日より開始

(完了)      

組織の Teams ミーティング ポリシーを変更して明示的にストリームに設定しない限り、新しい Teams ミーティングの記録はすべて OneDrive for Business と SharePoint に保存されます。

引き続き Microsoft Stream (クラシック)に保存する場合は、ポリシーの値を明示的に Stream に設定する必要があります。

2021 年 7 月 7 日から段階的に展開する 

すべてのお客様 (エンタープライズ、教育、GCC)
Microsoft Stream (クラシック) には、新しい会議の記録を保存できません。ユーザーがをチームの会議ポリシーを Stream に変更した場合でも、すべての顧客の会議記録は、OneDrive for Business と SharePoint に自動的に保存されます。

 

お客様がリリースのタイミングをコントロールできるように、この日までにこの機能をロールアウトすることをお勧めします

会議の録画の保存場所の確認

今後の録画の保存場所は次の通りです。

チームのチャネル以外の会議の録画

レコーディングしたユーザーの OneDrive for Business / レコーディング フォルダー内に保存されます。

チャネル会議の録画

チームに紐づく SharePoint サイトの「ドキュメント」ライブラリ内の「チャネル名」>「Recordings」フォルダ内に格納されます。

ダウンロードを禁止する方法の確認

チーム会議以外の場合は、録画は OneDrive for Business に保存され、同じ組織内の参加者にはこの録画へのリンクが読み取り専用で渡されます。とはいえ、ダウンロードはできる状態となります。

チャネル内での会議以外で会議を開催したときに社外のメンバーがいる場合は録画に対して権限は付与されません。そのため閲覧もダウンロードもできない状態となります。しかし、社内のメンバーの場合は表示のみのリンクが表示され、これのリンクが Teams 内に共有されます。

2021-02-24_21-28-31

一方でチーム内のチャネル上での会議の場合、チームメンバーがアクセスできる SharePoint サイトに録画ファイルが格納されることになるため基本的にはチームメンバーはファイルの削除やダウンロードできてしまいます。

このように、会議の開催および参加方法によって生成される録画ファイルに付与される権限や保存場所が異なります。詳しくは下記のリンク先を確認してください。

OneDrive for Business と SharePoint を使用して会議の記録を行う - Microsoft Teams | Microsoft Docs

2021年4月以降の変更 

チャネル会議以外の録画については読み取り専用のリンクは、既定でダウンロードを禁止するオプションがオンになった状態で生成されるように変更されます

しかし、引き続きチャネル会議ではチームメンバーに対して SharePoint サイトの既定の権限が付与されることになるため、[編集]アクセス許可レベルが付与されることになります。またチームの所有者はサイトコレクションの管理者権限となるわけです。そのため、ダウンロードなどが許可される状態になります。

したがって機密性の高い内容が録画されるようなケースではダウンロードを含めて制限するために、チャネル会議は使ってはいけません。OneDrive for Business から必要なメンバーにダウンロードを禁止した形でリンクを配ることが必要です。

将来的にはチャネルの録画の取り扱いに関しては新しい仕組みが出てくるようですが、今のところ詳細は不明です。

なお、これらの変更は新たに作成される録画に対してだけ影響し、既存の録画ファイルの権限を自動で変えるようなことはありません。

この変更の適用時期は次の通りです。

  • 2021年4月上旬から6月上旬まで

会議の録画の保存先をOneDrive および SharePoint に切り替える方法の確認

2021年7月7日以降は Microsoft Stream(クラシック) には新しい会議の録画を保存できなくなります。

しかし、これより前に保存先を OneDrive for Business および SharePoint に切り替えることもできますし、逆に Stream のままにしておくこともかのうです。こうした変更には PowerShell を利用し、Teams の会議のポリシーを変更します。従来通り Stream をしばらく使い続ける場合は次のコマンドを実行します。

制約についての確認

SharePoint や OneDrive for Business 上に格納された録画に関して現時点では下記のような制限事項があります。

  • クローズド キャプションは英語のみ対応
  • トランスクリプトの表示、編集、検索などは行えない
  • トランスクリプトは編集できないが、キャプションのオン/オフを切り替えられる
  • 記録を共有するユーザーを制御することはできるが、共有アクセス権を持つユーザーが記録をダウンロードできないようにすることはできない
  • 記録の保存が完了しても、メールは送信されない。完了したレコーディングは、会議のチャットに表示される