これまでの記事
vol2 では時間管理をテーマに掲げ、テレワークするからこそ時間管理を意識的に行っていく必要があるという話をしてきました。
今回のテーマはオンライン会議 を取り上げます。
ここからは具体的な使い方の Tips などを紹介しますので、かなり技術よりです。
Microsoft Teams を使ったオンライン会議を利用する
Microsoft Teams ではオンライン会議を開催できます。
Teams のオンライン会議では、Webカメラを使って互いに顔を見合わせながらマイクを使って発言しあうこともできますし、プロジェクター代わりに発表者となっているユーザーのPC画面を共有しながら互いに会話を進められます。
では、どんなときに使うとよいか?
例えば次のようなケースが考えられます。
チャットやメールだけだとニュアンスが伝わりにくいところがあるので、直接対話したい
PC画面などを見せながら説明した方が、素早く理解してもらえそうだ
カメラを使って現場の状況をリアルタイムに伝えたい など
また弊社では定期的にSharePointを中心とした Office 365に関する研修を実施していますが、2月末より Teams のオンライン会議機能を使ってリモートでの研修実施に切り替えています。つまり、社内研修などでも活用できる ということでもあります(当然、内容によりますけど)。
もちろん電話で済んでしまうこともありますが、オンライン会議であれば会話を補うチャットも併用できます。チャットが使えれば、たとえば、URLの案内、電話番号の案内などを伝えるのに相手にメモを取ってもらう必要がありません。「後でまとめて内容をメールします」というフォローも極力少なくて済みます。また場合によっては録画もできるため、言った言わないの問題も起こりにくい。
ところでオンライン会議というとWebカメラが付いていないとダメという印象を持つ方もいますが、音声だけでの参加もできますし、場合によっては視聴して必要に応じてチャットだけするというのも可能。
多くの場合は会議の開催者は PowerPoint などのファイルやWebブラウザーなどを画面上に表示しながら、話をすすめていくことになります。
上の図はオンライン会議中に発表者のPC上にPowerPoint のスライドを表示し、これを参加者と共有しているところ。画面の下部に参加者および発表者の顔(写真)などが見えていますが、私以外はプロフィールの写真だけしか表示されておらず、参加者が Webカメラを使わずマイクのみで参加しています。
ですから、必ずしもWebカメラはなくてもさほど問題にはなりません。もちろん、発表者からすると参加者の様子がわからないので、本当に話を聞いてくれているのか? という不安はありますし、面白いことを言ってみても反応がなかったら寂しいなぁと思いますが。相手の反応を見ながら会話できるためWebカメラを利用できる方がよりベターであることは間違いありません。帯域が十分にありWebカメラがあるならお勧めです。
ここまでを整理すると、参加者(出席者)は次のような組み合わせで会議に参加できるということです。
Webカメラ + 音声(マイク) + チャット
音声 (マイク)+ チャット
チャットのみ
オンライン会議におけるユーザーの役割
ところで、Teamsでのオンライン会議では次の3つの役割にユーザーが分かれるということをご存知でしょうか? もちろん、Teams を使ったことがない方もいらっしゃると思います。使ってみようと思ったら、これは知っておいた方がよいでしょう。
開催者 (Organizer)
発表者 (Presenter)
出席者 (Attendee)
開催者は文字通り、会議をOutlookまたはTeams上でスケジュールしたり、その場で会議を始めるユーザーです。開催者はオンライン会議に必要なすべての権限を持ちます。開催者は必ず一人だけです。開催者と同じく全ての機能が利用できるのが発表者です。発表者は複数指定できますし、参加者全員が発表者になることもできます。一方の出席者は利用できる機能が一部制限されます。
機能
開催者
発表者
出席者
発話とビデオ共有
〇
〇
〇
会議チャットへの参加
〇
〇
〇
コンテンツの共有
〇
〇
画面に共有されているPowerPoint スライドを、個人的にパラパラと切り替えて閲覧できる (発表者のスライドを切り替えるわけではない)
〇
〇
〇
画面に共有されたPowerPoint スライドの制御をとる
〇
〇
他の参加者をミュートにする
〇
〇
参加者を削除する
〇
〇
ロビーで待機している参加者の参加を許可する
〇
〇
他の参加者の役割を変える(例えば、参加者を発表者に変えるなど)
〇
〇
録画を開始したり停止したりする
〇
〇
[参考] Roles in a Teams meeting
1つのオンライン会議に参加できるユーザー数は最大250名 まで となっています。少ない人数の場合は、全員が発表者になるようにしておけばよいでしょう。しかし、人数が多くなる場合はこうした役割をユーザーに設定してあげる必要があります。そのため会議を開催する人は、こうしたオプションをうまく使えば、よりスムーズに会議ができるように準備できるということです。
具体的な役割の設定手順は後ほど説明します。
ところで、250人以上参加できる会議は行えないの? と疑問を持つ方もいるかもしれません。より大規模にオンライン会議を実施するなら、ライブイベント という機能を使うことを検討してみましょう。これだと最大1万人(10,000)まで参加 できます。ライブイベントについてはまた、どこかのタイミングで説明したいと思います。
オンライン会議を開催または参加するために必要な環境
Teams を使ったオンライン会議に参加するには次の3つの方法があります。
PC上にインストールした Teams デスクトップアプリケーション
PC上のWebブラウザー
モバイルにインストールした Teamsアプリ
Teams デスクトップアプリケーションは必要な機能を一通り備えているため、これがもっとも望ましい環境と言えます。それでもPC環境によってはインストールされていないし、事情があってインストール出来ないということも在るでしょう。
そんな時にはPC上のWebブラウザーを使うのが最も手軽です。ただし、利用するWebブラウザーの種類には注意が必要です。理想は クローム(クロミウム)ベースの最新版 Microsoft Edge もしくは Google Chrome です。
問題は、Internet Explorer 11 , Safari, Firefox です。これらは Teams のオンライン会議のほとんどの機能に対応しておらず、基本的には使えないと思った方がよいでしょう (全く使えないというわけではありませんが、PSTN回線接続での参加が必要であり、それでも使える機能がかなり制限されます)。
モバイルアプリは iOS 版、Android 版がともに提供されています。
詳しくは下記のリンク先を参照してください。
[参考]
会議をスケジュールする
Teams 内の予定表から会議をあらかじめ予定しておけます(Outlook からも指定可能)。ちなみに、近く会議のスケジュール等の操作画面がアップデートされる予定となっています。2020年3月5日現在ということをご承知おきください。
大まかな操作は次のような流れでスケジュールします(ビデオには音声はありません)。
ところで、このようにスケジュールする場合に限り、会議の詳細を開いた状態から[会議のオプション] を指定できるようになっています。つまり会議開催前に指定できる設定です。 次のスクリーンショットをご覧ください。このの画面下部にあるリンク部分をクリックすると指定できます。
オプション設定画面は次の通りです。「ロビーをバイパスするユーザー」と「参加すると自動的に発表者となるユーザー」を指定します。
設定ではロビーでの待機が必要のないユーザーを指定します。これに該当しない、つまり、ロビーに待機するようユーザーは、会議に参加しても、開催者または発表者が許可するまで会議に参加できません。
続いては「発表者となるユーザー」です。これは次の4つから選択できます。
全員
自分の組織内のユーザー
特定のユーザー
自分のみ
ここで指定するのは、ユーザーが会議に参加した際に最初にどの役割になるのか、つまり、出席者なのか発表者なのかです。ですが、会議が始まってしまえば、会議の開催者と発表者は、随時に、任意のユーザーの役割を変更できるようになっています。操作イメージは次の通り。
その場ですぐに会議を始める
その場ですぐに会議を始めることもできます。今すぐに会議を始めたいときは「予定表」上から「今すぐ会議」をクリックするか、もしくはチーム内のチャネルから開始できます。
詳しい手順は次のリンク先を参照してください。
全員をミュートにする
会議を始めて皆が会議に参加し始めると、誰かがうっかりマイクをミュートし忘れていてガサガサ大きな音が聞こえたり、ハウリングしている音が鳴り響いていたたりと、会議をスムーズに始められないことも少なくありません。そんな時は会議の主催者や発表者は全員を一旦ミュート しましょう。出席者の方には発表者の音声だけが届くようにしておくのがベストです。
一人ずつの場合は次のようにクリックしていきます。
3人以上いる場合は 「Mute all」メニューが表示されます。これをクリックして全員を一度にミュート にできます。
背景をぼかす
自宅でもオフィスでもWebカメラを使っていると、他の人には見せたくない背後のあれこれがあります。
たとえば、次のビデオは有名な BBC のニュースですが、自宅から解説している最中に子供が乱入してくるというもので、気が付いた母親が急いで子供たちを回収するところはちょっと微笑ましい。
VIDEO
こんな時に役立つのが「背景をぼかす」機能です!
この機能が利用できるのはデスクトップ版の Teams アプリを使う場合だけ ですが、AI により人の顔以外の部分をうま~くぼかしてくれます。少々動いても大丈夫です。顔部分を追跡して、それ以外をぼかしてくれます。
操作は簡単で、ビデオをオフにしたまま会議に参加したあと、「...」をクリックして、[ぼかしてビデオ参加]をクリックします。
すると背景部分のみぼかしてくれます(↓娘のぬいぐるみで試したところ)。
字幕表示
会議中の会話をリアルタイムで字幕表示する機能(ライブキャプションといいます)のプレビューが利用できるようになっています。が、しかし、残念ながら日本語は未対応。現在、英語(米国) のみ利用できます。
この設定ができるのはデスクトップ版とモバイルアプリだけのようです。
[デスクトップ版]
[手持ちのiPad : Teams モバイルアプリ]
試しに英語で発話してみたところ、キャプションを生成してくれました。日本語はまだ当分先かなぁ。
会議を録画する
会議の録画が可能になっており、会議が終わると録画された内容が自動的に Microsoft Stream にアップロードされるようになっています(※1対1の通話は録画できません。録画できるのは会議とグループ通話のみ)。
Teams の会議を記録する - Office サポート
会議を始めた後、開催者または発表者が[...] の部分をクリックし、レコーディングを開始します。
レコーディングが開始されると、画面上部にメッセージが表示される会議チャットにも「レコーディングが開始されました」と表示されます。
会議の録画の開始および停止できるユーザーの条件があります。注意しましょう。
会議の開催者および録画する人の両方が、次の いずれかのライセンスを持っている
Office 365 E1, E3, E5 A1, A3, A5, M365 Business, Business Premium , Business Essentials
Stream にアップロードできるアクセス権を付与されている
Teams のクラウド会議の記録
Microsoft Stream上に公開される録画内容は、AI を利用して音声を認識してトランスクリプトが自動生成されるため、互いに話した内容をそのまま文字に起こしてくれます(手動での修正も可能)。またこのトランスクリプトを使って、録画再生時にはキャプション(字幕)を表示できるようにもなっています。
下手に議事録をとる必要がありません。
ただし、既定では字幕が英語になっているので、必要に応じて日本語に切り替える必要があります。日本語に切り替えた後は、しばらく経つと日本語が生成されます(少し時間がかかる)。変更手順は次の通りです。なお、言語の変更だけでは適用ボタンがアクティブにならないので、説明部分など何かしら少し変更してみましょう。
その他の操作など
その他の会議に関する基本操作は次のリンク先が参考になります。
Twitter に投稿した関連記事。
今回はここまで。
次回はタスク管理について説明したいと思います。
対象者は、Office 365 をこれから導入する予定の方。Office 365 の導入を支援する方。初めて Office 365 の運用管理を担当する方。Office 365 を導入済みだが一部の機能しか利用しておらず、全体的な機能の利活用を見直したい方です。詳しくはお問合せください。