Office 365 と オンプレミスの SharePoint Server とを連携させたハイブリッド構成に関する資料は下記のページにまとまっています。SharePoint Server 2016 関連も公開されています。ご参考まで。
カテゴリ「SharePoint 2016」の42件の投稿
Office Online Server MSDN版の入手のこと
2016年5月4日に Office Online Server 2016 のリリースがアナウンスされましたが、現時点では、MSDNダウンロードから入手できない状況になっています。ボリューム ライセンス プログラムを持っている方は、先行して利用できるようになっているようです。
どこから入手できるのかと困っていたら、Office Online Server now available のコメント欄に Microsoft の方から情報が上がりました。MSDNからはOffice Online Server の言語パックとライセンスキーは入手できますが、肝心の本体は 2016年5月9日の早朝(U.S時間) からダウンロードできるようになるようです。まずは、待ちですね。
他にも困っている方が要ると思うので、情報共有しておきます。
***更新情報 (2016/05/10)**
日本時間で 2016/5/10 現在、MSDNより Office Online Server が利用可能になっています!
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SharePoint Server 2016 Update 情報 "Foundation for the Future : SharePoint Server 2016"
2016年5月5日、日本時間 01:30AM (真夜中) より、SharePoint Server 2016 が GA (Generally Available) となったことを受け Microsoft 社のバーチャル イベントが開催されました。とはいえ、タイトルは "The Future of SharePoint " となっており、今後の SharePoint がどうなっていくのか、という話がメインです。つまり、Office 365 (SharePoint Online) での将来的なアップデート情報が中心でした。このイベントはサンフランシスコからの生中継ストリーミングだったのですが、肝心の オンプレミス SharePoint Server 2016 情報に関しては幸いなことに YouTube に収録済みの動画が公開されており、オンデマンドで閲覧できます。
本記事は下記のビデオからの要約と補足です。
- 検索 - 検索サービス アプリケーションあたり 500M アイテムまでサポート (従来の2倍)
- リスト ビューのしきい値 - SharePoint 2010 / 2013 では1リストやライブラリあたり 5,000 アイテムの壁がありましたが、事実上なくなり 5,000 アイテム以上でも基本的には問題なく利用できるようになりました。この件は下記の記載している TechNet 記事に書かれています。ただし、幾つかの条件があります。列のインデックス追加や削除をする場合は 既定で 20,000、リストやフォルダーを削除する場合は、100,000、同一ライブラリ内のフォルダー名を変更する場合は 100,000がしきい値であるようです。
- 作成できるサイトコレクションおよびサイトの数が従来の 5倍に。
- コンテンツ データベースの推奨上限値が1TB に。従来は 200GB だったため、これも 5倍。
- ファイル サイズが 10GB まで。現在、SharePoint Online は 10GB になっていますので、オンプレミスも同様にサポートされるようになります。ただし、既定値はあくまでも250MB までとなっています。とはいえ、実際にはネットワークの帯域やデータベースの成長率など考慮することが多々あるため、そう簡単に 10GB を既定値にはできないと思われます。設定を変えれば、最大は 10GB まで可能という意味ですね。従来は Max 2GB まででしたので、こちらも 5倍です。
ちなみに、TechNet サイトの "Software boundaries and limits for SharePoint Server 2016" はまだ情報がきちんと更新されておらず、ほとんどが SharePoint 2013 のままです。来週もMicrosoft 社が SharePoint に関するオンラインイベントを開催しますし、今日から GA となったため Microsoft 社の製品サポートも開始されますから、じきに情報が更新されると思われます。より正確な情報(サポートされるという意味) は TechNet 記事を待ちたいところです。
SharePoint Server 2016 RTM が MSDN からダウンロード可能に!
2016/5/3 (U.S) より、SharePoint Server 2016 の RTM が MSDN からダウンロード可能になっています。評価版を使ってきた方で MSDN を入手できる方は次の手順でライセンスを入れ替えましょう!
SharePoint Server 2016 ゼロ ダウンタイム パッチ適用
Microsoft 社のStefan Goßner さんのブログに下記の記事が公開されていましたので、日本語で要約しておきます。詳細は原文を参照ください。
SharePoint では更新プログラム適用時に、まずバイナリをインストールし、次に SharePoint 構成ウィザードを実行する(データベースの更新)という2つのステップがあります。
バイナリのインストールでは、SharePointに関係する Windows サービスや IIS Webサイトの停止と再開が必要となるため、ダウンタイムが発生します。そもそも、SharePoint 2013 まではこのバイナリも非常に大きいサイズになっており、GB級であったため、場合によっては数時間かかかります。しかし、一斉にすべての SharePoint サーバーに適用する必要はないため、従来のバージョンのSharePoint でも、 サーバー ファームではサーバーを冗長化しておくことでゼロ ダウンタイムを達成できるようにしてきたわけです。
さて、すべてのSharePointサーバーにバイナリがインストールできたら、すべての SharePoint サーバー上で SharePoint 構成ウィザードを実行していかなくてはなりません。SharePoint 2013 以前ではこの部分が避けられないダウンタイムになっていました。このウィザードを実行する際に、実行中に全サーバーで共有しているデータベースに対して更新プログラムを適用します。SharePoint で使用するストアドプロシージャ、ビュー、トリガー、制約などが対象です。場合によっては、更新プログラムによってはこれらを一旦削除し作り治すこともあります。このため、データベースのアップグレード中は SharePoint コンテンツへのアクセスはサポートされていなければ、動作テストもされていないということです。
SharePoint 2016 では、更新プログラムの MSPファイル数もかなり削減され、パッチ適用時間が短縮できるようになりました(なお、SharePoint Server 2016 はすでに 4月の更新プログラムがリリースされています。このファイルは200MB未満で、以前に比べるとかなり小さくなっています)。また、データベースのアップグレードに関する部分が大幅に改善されています。例えば、ストアド プロシージャが更新前の古いバージョンとの下位互換性を保てるようになっていたり、ストアドプロシージャを削除せずに更新できるようにしているようです。つまりは、製品構成ウィザード実行中に SharePoint コンテンツにアクセスできなくなるという状況がなくなるわけです。しかし、誤解してはならないのは、製品構成ウィザードを実行するサーバーへの IIS 等のアクセスはできなくなりますので、冗長構成が前提です。利用規模や予算の都合上、SharePoint は1台のみしかないというケースも多々ありますが、この場合はダウンタイムは必ず発生します。
ということで、以上を整理すると、冗長構成を前提とする場合は次のように変わります。
更新プログラムの適用フェーズ | SharePoint 2013 以前でのファーム全体としてのゼロダウンタイムの達成 | SharePoint 2016におけるファーム全体としてのゼロダウンタイムの達成 |
---|---|---|
更新プログラムのインストール | YES | YES |
アップグレード(DB) | NO | YES |
さて、記事では、アップグレードのスピードを上げるために、従来通り Upgrade-SPContentDatabase コマンドを使って、複数のコンテンツDBを並行してアップグレードすることなどは可能であると記載されています。本件についてはTechNet 記事(Install a software update for SharePoint Server 2016)には次のように記載されていますので、ご注意ください。同一の SQL Server ボリューム上では2つのコンテンツデータベースまでにしておいたほうが良さそうです。
You can also upgrade individual content databases in parallel for a very small number of content databases at the same time. However, do not attempt to upgrade too many content databases in parallel because it will slow down the overall upgrade process. We recommend that you do not upgrade more than two content databases on the same SQL Server volume at a time. ...